【ラグビー】オール明大に快勝!オール早慶明での優勝決める

 初夏のような暑さの中、先週のオール早大戦に引き続きオール明治戦が秩父宮で行われた。最終的に得点こそ38-7と慶大が明大を圧倒したが、試合内容は互いに「自分たちのスタイル」(林監督)を出すことのできた両校ともにとり実りのある試合となった。

4月11日 オール慶大対オール明大@秩父宮ラグビー場

得点
オール慶大   オール明大
前半 後半   前半 後半
PG
DG
19 19
38 合計 7
【得点】慶大のみ
T
=中浜、村田、金本2、栗原
G
=中浜、栗原3 
慶大選手
ポジション 名前(学部学年) 交代選手
1.PR 半田 恭平(経4) →16.渡辺 祐吉(経2)
2.HO 金井 健雄 →17.古田 哲也(環3)
3.PR 高橋 浩平(経3)  
4.LO 伊藤 悠(商3) →18.熊倉 悠太(政3)
5.LO 村田 毅(環4)  
6.FL 高谷 順二 →19.明本 大樹(環4)
7.FL 柴田 翼(環4)  
8.NO8 竹本準太郎  
9.SH 岡 健二 →20.皆良田 勝
10.SO 川本 祐輝  
11.WTB 中浜 聡志 →22.金本 智弘(理4)
12.CTB 仲宗根 健太(環3)  
13.CTB 落合 陽介(経4)  
14.WTB 栗原 徹 →21.和田 拓(政4)
15.FB 小川 優輔(環3)  
 

 試合は開始早々慶大のキックがチャージされる何か波乱を感じさせる幕開け。そして試合はすぐに動きを見せる。前半2分、川本がキックしたボールの処理を明大がインゴール目の前で処理にごたつき、そのボールをWTB中浜(08年卒)がキャッチしそのままトライ。ゲームキャプテンを務めた栗原(01年卒)のゴールキックも決まり明大のミスから早々と先制する。個々では強さを見せるがハンドリングミスなどミスが多く、さらにシンビンも出てしまいリズムに乗ることができない明大を攻め立てる慶大は17分にPGを狙い外してしまうが、それでも前半20分。ラインアウトから一度はモールを形成し、その後リズムよい攻撃を仕掛け、最後はSH岡(05年卒)からパスを受けた村田(環4)が力強いランでラインを破りトライ。14-0と明大を引き離す。さらに前半28分、相手のオーバーザトップから得たチャンスに、9-10-12-13-15-22と慶大らしい早いパス回しで一気に大外の途中出場のWTB金本(理4)までつなぎ、金本が左隅にトライを決める。その後いったん互いにダイレクトタッチなどミスが目立ち停滞した展開となるが、前半終了間際に明大が意地を見せる。慶大インゴール直前での数分間にわたる明大の前への強烈な突進に対し慶大が伝統のタックルで応戦する見ごたえのある攻防。最後は明大が強いFWsを生かしたスクラムトライを決め19-7で前半を折り返す。

 後半序盤はキック戦。相手キックのカウンターからの金本のビックゲインなどいいプレーも出るがトライにはつながらず10分以上が経過。しかし後半15分、明大陣奥に攻め込んでいた慶大は明大のモールコラプシングからPKを得て、SO川本(10年卒)が外に蹴りだすのかと思われたがそこから10-12-15―14とつなぎWTB栗原が中央にトライを決める。このトライ後明大はペースを速め次々に縦への突破を試みるが、慶大は粘りのディフェンスでなんとかラインを割らせず耐えしのぐ。すると後半22分、グラウンド右隅で栗原がボールを持つとディフェンス裏にキックし、そのボールを栗原自らが拾い金本にパスを出し金本がトライ。ゴールも決まり33-7と大きなリードとなる。

試合の大勢が決まった後半37分には慶大スクラムからNO8竹本(06年卒)のエイトサイドからパスを受けた途中出場のFB和田(法4)の裏へのキックをWTB小川(環3)がキャッチし右隅にトライ。最後まで試合を優勢に進めた慶大が38-7で勝利を収めた。

  この勝利でオール早慶明での慶大の優勝が決まった。2010年慶大蹴球部としてこれ以上ないほど最高のスタートとなった。全早大戦、全明大戦とも現役生もいいプレーを見せていたが、やはりここぞというところでのOBの選手の活躍が目を引いた。貴重な時間を割いて出場してくれたOBの選手から現役生は沢山のことを学べたはずだ。それを生かし、悲願の日本一を目指して春のオープン戦でさらに成長していってもらいたい。

                                                                                                                     By Tatsuya  Hayakawa

以下選手コメント

林監督

オール慶應として現役OBと学生が一緒になってやるというのはとても意義のある試合だと思っています。チームカラー、慶應の低いタックルというのは卒業しても慶應のジャージを着たらそれは貫いていこうととうことで、早稲田戦に引き続き明治戦にも臨みました。またボールをどんどん動かすというのも慶應のチームカラーですのでその2つを持って臨みました。OBが半分以上いて、現役にもいい刺激になって、とても良い一日になったと思います。勝敗というより、自分たちの強み、スタイルが出せたというのに意義があったと思います。

栗原徹ゲームキャプテン

明治さんも慶應もそれぞれのスタイルがあって、それぞれのスタイルを出すということに意義があったのかなと思います。明治さんの縦に強いフォワードはゴール前ではすごい脅威で、低いタックルで応戦するのが精いっぱいだった。結果は点差がついたが、お互いによきライバルとして今後も切磋琢磨していけたらと思います。

金井健雄選手

両者とも学生と社会人の入り混じった混成チームで、うまくまとまった方の勝ちだと思っていた。その中で慶大はうまくまとめられたのかなと。(他のチームに比べて連携がうまくいっていたように感じられたが)そうですね。もともと慶大は運動量の多いチーム。そこに社会人の人たちが突破などのエッセンスを加えることによってチームの勢いが加速した。それがよくはまったんじゃないですかね。(久しぶりの黒黄ジャージを着た感想は)気合いが入りますよね。学生時代に命をかけて着たものなので、黒黄を着る以上はプライドを持ってやっていこうと思った。それにみんなが応えてくれた。(後輩の選手とプレーした感想)いい点も悪い点もたくさん見えた。自分たちが色々とアドバイスをして理解してもらえたらいいなと思います。(スクラムの出来)100%で勝つというイメージではなくて、スクラムというのはこういう感じだというものを掴んでもらえたらいいと。そういった意味では今日はよかった。(後輩の選手たちに向けて)学生のレベルが上がっていて、更なるレベルアップをしていかなければならない。それで分からない所はOBや監督に聞いてもっと成長していってほしいです。

柴田

(今日はOBが多く出る中でのゲームだったが)OBとやる機会はそう何回もないので、サントリーでプレーする竹本さんや金井さんとできたことはいい経験となった。(ボールによく絡んでいたが)地道な仕事だが、ボールに絡んだりとかそういった地道な仕事を大事にして試合に臨んだ。(タックルは)いいのも何本かあったが、自分が飛び込んで外された場面が多かったので、そこは今後修正していきたい。(ラインアウトも安定していたが)ラインアウトがうまくいかないとチームもうまくいかないので、毎年力を入れてるので、今日もよくできてよかった。(今後に向けて)全然Aチームとは決まってないので、(チーム内に)いいライバルがいるので負けないように自分のプレーを一つ一つ深めていきたい。

川本祐輝選手

個人のパフォーマンスは復帰戦ということもありいまいちでしたが、現役生からは学ぶことが多かったですね。とにかく走りますしひたむきなプレーが目立ちましたね。そういうのって社会人になると忘れかけてる部分もあるので、こういう風に現役と交流して、もう一回思い出さしてもらえて、この機会に感謝です。(久しぶりに慶應のジャージを着てどうか)いざOBになってからもう一度袖を通すことになるとより黒黄の伝統の重みなどを感じて緊張しましたね。(現役生成長に関して)皆成長してると思うんですけど、特に自分が4年生の時に試合にあまり絡んでいなかった人が今試合に出ているのが、チームとしての底上げを感じます。僕も今年トップリーグ初めてなので、お互い頑張って、後輩の試合も見るようにして、後輩から学べることはしっかり学んでやりたいと思うので、お互い目標を達成できるように一緒に頑張っていきましょう。

仲宗根

(大差をつけた試合になったが)慶應らしいラグビーが出来たため、これだけの得点を重ねられたのだと思います。(前回と比べてOB選手が多かったが)そうですね。すごく見てていて勉強になりました。OBと現役の混合チームをどうやってうまくまとめていくかを参考にしました。(連携もうまくいっていたが)2回ほど練習していたのでうまくいった。(キックに関して)まだまだです。これからもっと練習していこうと思います。(次の試合に向けて)2週間くらいあるので体を作る。まだ春なので次戦の関東学院に照準を合わせるというのではなく1日1日練習をしっかりして次の試合を迎えたいと思います。

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