1日目、対東大戦、Aチームを温存した慶大は序盤からターンオーバーとファウルを重ねてしまい、得点に結びつけられない展開に。そして終始点差をなかなか縮めることが出来ず敗戦。Aチームで臨んだ明大戦でもターンオーバーを連発。リバウンドでも後手に回ってしまい苦しい展開に。オフェンスで家治がなんとか1対1を仕掛けるもチームオフェンスは機能せず、大差での敗戦となった。敗戦の原因を「ポイントガードが不安定」、「システムの不徹底」と佐々木HC。課題が浮き彫りになった1日目を終えた。そして京王電鉄杯の2日目。前日2連敗を喫した慶大はこの日専大、中大と対戦。勝って嫌な流れを断ち切りたいところ。
第一試合の専大戦、慶大は序盤にディフェンスで流れを掴み最小失点に抑えると、中盤以降は攻撃も機能し終始リードする危なげない戦いで勝利。第二試合の中大戦は打って変わって序盤からビハインドを背負う苦しい展開。しかしルーキー伊藤の思い切りの良いプレイを皮切りに中盤以降に盛り返すと、試合終了2秒前にはついに逆転に成功する。しかし直後にマークの乱れからまさかの失点を喫し同点に追いつかれ試合終了。後味の悪い引き分けとなった。
第1試合:慶大―専大
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
慶大 | 18 | 35 | 19 | 25 | 97 |
専大 | 10 | 20 | 22 | 26 | 78 |
慶大のスタメンは伊藤(環1)、蛯名(法2)、中島(総2)、桂(政3)、家治主将(環4)の5人。序盤に主導権を握ったのは慶大。中島の3連続得点で波に乗ると、ディフェンスでは高さのある専大オフェンスに対してチーム全体の運動量と連携でカバーし、易々とはシュートを打たせない。家治のミドル、矢嶋(総2)の速攻などで順調に加点していき前半は53-30で終了。
後半、個人技を中心に攻め立てる専大に対して慶大はファウルがかさみ苦しい展開に。一時10点差まで迫られるも、その後は矢嶋のシュート、中島のスリーポイントなどで再び盛り返しリードを保つ。終盤には新入生伊藤が好ディフェンス、好アシストを次々と見せ即戦力としての期待を抱かせた。結果97-78で勝利。
第2試合:慶大―中大
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
慶大 | 17 | 13 | 30 | 23 | 83 |
中大 | 17 | 33 | 17 | 16 | 83 |
後半、慶大は息を吹き返す。激しいゾーンプレスを敢行し相手オフェンスの自由を奪うと、攻撃では家治、矢嶋を中心に得点を重ね3Q終了時にはその差を一桁にする。その後も蛯名、中島のスリーポイントなどでリードを縮めると中島のシュートでついに同点に追いつくことに成功。そしてタイムアウト後残り7秒のオフェンスで家治のパスがゴール下にいる本橋に渡りついに逆転。試合を決めたかに思われたが、残り2秒の中大ボールで慶大は相手のスクリーンプレーに対してマークにつききれず、フリーでシュートを打たせてしまいまさかの失点。結果83-83の引き分けに終わった。
この日慶大は1勝1分と前日の2敗から進歩を遂げた。内容的にも専大戦でのチームディフェンス、中大戦でのビハインドを背負ってからの攻撃陣の奮闘などいくつか良かった点はあった。しかし若く、経験が少ない下級生が主力ということもあり、1試合を通しての集中力の持続という所にまだまだ改善の余地がある。しかし、「下級生であっても慶応の代表として自覚をもって戦わなくてはいけない」(家治)とそれを言い訳には出来ない。このチームの浮沈みの鍵は下級生の成長が握っている。下級生が今後どのようなプレーを見せるのか、そして下級生を上級生がどう束ねていくのかを今後も注目したい。
By Shota Kajigano Shigehisa Osajima
家治主将昨日2敗してしまったんですけど、それをただの負けで終わらすのではなく今日の試合に繋げようと皆が前向きに考えてくれたんで専修戦の第1Qの入りは皆集中していて、最後までチームとして戦えていたのでよかったです。逆に中大戦は入りが悪くて20点のビハインドを背負ってしまい、後半は点差にとらわれずに少しずつ取り戻そうと皆で意識統一出来たしそれで追いつけたので良かったです。先生もよくおっしゃれているんですけど、うちは先行逃げ切り型で、最初にビハインドを背負うと追いつくところに力を使ってしまい、最後の勝ちきる部分で力が残っていなかったりするので今日なんかも最後の試合で追いつかれてしまう。なので2試合目の後半の集中力を40分間続けられるように明日はしたいです。(この春はディフェンスに取り組んでいたようですが、手応えは)今年は一人一人の力がない分チームで攻めてチームで守ろうと意識していて、それが1試合目のディフェンスで表れたと思います。特に1年の伊藤がすごいいいディフェンスをしてくれたんでいい流れを持ち込んでくれました。彼は自分でも持ち味はディフェンスだと理解していてそういう所も強みですね。(下級生に期待したいこと)今年は下級生が試合に出ることが多いんですけど、試合に出たら下級生であることは関係なく慶應の代表として戦わなくちゃいけないですし、特に今日は試合の入りでセンター陣の集中力が欠けていたんですけどそれも下級生だから仕方ないではなくチームの代表として戦う責任があるのでそこを自覚して欲しいと思います。(明日に向けて、早慶戦ですが)この2日間で昨日より今日と成長できているし、早慶戦というので余計な緊張はせずに明日は今日よりいいプレーをするということに集中したいですね。まあそうは言っても早稲田には負けられないので絶対に勝ちたいです。
蛯名
(今日の試合を振り返って)1試合目の出だしは良かったんですけど、2試合目は良くなかったです。僕が言えたことじゃないかもしれないですけど、センター陣の集中力が欠けている部分があって、専修も中央もセンター陣の動きが上手いので、リバウンドを取られて外にも捌かれてとなかなか大変でした。でも最後、勝てなかったにしろ20点差を追い付けたのは大きいと思います。(2試合の入りの悪さは何が良くなかったのか)何と言うか、流れが悪いんですよね。とりあえず専修戦は3Qで点がとれなくなって家治さんに頼り切りになってしまって、中央戦は1対1のディフェンスの出来が悪くて、前半で離されてという感じでした。流れの悪い時にどれだけディフェンスやリバウンドを頑張って速攻に繋げられるかが大事だと思うんですけど、その部分がまだまだ甘いと思います。(まだチームの形が出来ていないということか)そうですね。でもこの2日で本当に成長したなと思います。流れるように試合が進むようになったので。オフェンスでもちゃんとポストに繋いで、そこからの動きがスムーズにいったりして、止まっている時間が少なくなりました。(昨年の4年生3人が抜けた穴をどう埋めるか)あの3人が抜けた穴は大きいんですけど、2年生が4人出てるんで、4人で3人分の穴を埋めれるかな、ぐらいの感じで気楽に僕は考えてます。(リバウンドは課題となるが)それも本橋と中島2人で岩下さんの分をとってくれればいいかなと思ってます。(オフェンスも積極的に仕掛けていたが)基本的に空いてたら打とうと思ってて、それが形となって現れたので良かったと思います。(今年はどういうプレーをしていこうと考えているか)去年の先輩で例えたら酒井さんみたいなプレーをやろうとは思ってるんですけど、先輩からはそんなに真似しなくてもいいと言われているので、自分のプレーをしっかり伸ばしていけたらと思ってます。
矢嶋
(専大戦を振り返って)昨日悪い形で負けてしまったので、入りを大事にしました。それが体現できたので勝てたんだと思います。(チームとして最も良かった点は)ディフェンスを頑張って速攻で走ることを前半できていたことですね。それが慶應のバスケットなので、良かったと思います。(中大戦は)僕は昨日はスタートで出ていたんですけど、今日はスタートで出ていないので頑張らなければいけないと思っていました。先生からも家治さんからも「お前は点を取りにいけ」と言われていたので、点を取りにいこうとしたことが追いつくという結果につながったと思います。(オフェンス面では合格点をつけられるか)いえ、まだまだ下手くそなので、もっと練習してどんな場面でも点を決められるような選手になりたいです。(試合展開について)ピックアップなどが遅くて前半に20点差つけられてしまった。流れが悪い時にいかにみんなで修正して早くその時間を無くすことが大事なので、もっとコミュニケーションをとってやっていかなければいけないと思います。(ラストプレーについては)徹底してやらなければいけない場面でした。そこももっとコミュニケーションを取ってやっていかなければいけないと思います。こういう経験をできたことを大事にして、春のトーナメントに向けて頑張っていきたいと思います。(京王電鉄杯でチームが意識していることは)ディフェンスをメインに頑張っています。前からダブルチームでいったり、仕掛けていくことをやっていて、うまくいかないことも多いんですけど、前からいって相手のリズムを壊すことを目的にやっています。(春に個人として伸ばしたい点は)期待されてると思う得点を取ることをもっと貪欲にやっていきたいです。あと、僕のポジションは他大学のエースの人が多いので、それを止められるようなディフェンスができるように頑張りたいです。(主力選手が卒業したことで意識の変化は)先生からも3人が抜けてそこを埋める選手が欲しいと言われていて僕は酒井さん(環卒)のポジションだと思うので、リバウンドだったり得点だったりをどんどん埋めていきたいです。(明日に向けて)もっと勝って上のリーグでやりたかったんですけど、こういう大会に出て経験を積めること、しかも早慶戦になったんで勝ちにこだわって、シンプルに慶應のバスケットをして勝ちたいと思います。
伊藤
スタメンとして出させて頂いて、ディフェンス面では貢献できたと思いますが、オフェンス面でまだまだ貢献出来てない所が多かったですね。攻める所は攻める、ディフェンスは今まで以上に頑張っていきたいと思います。(試合で意識したことは)とりあえず勝つことが大事だと思うので、勝つために自分が出来ることをまず精いっぱいやるように意識していました。(大学バスケの印象は)まず体がどの大学の選手もしっかりしていて、僕は体の面もスピードも全ての面で劣っているので、これからしっかり練習して大学日本一目指して頑張っていきたいです。(緊迫していた場面が多かったが心境は)ああいう場面でガードが慌てていたらチームもどんどん悪くなってしまうので、出来るだけ平常心を保てるように心がけていました。(運動量が多かったが)しんどかったことはしんどかったんですけど、やらなきゃ勝てないんで、頑張りましたね。(トーナメントへの意気込みは)優勝という目標があると思いますが先を見ず1戦1戦精いっぱい頑張っていきたいです。
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