悲願の日本一へ、いよいよ開幕を迎えたリーグ戦。明大と初戦を戦う慶大は、ダブルス3本を全てストレート勝利で終えシングルスへ繋ぐ。S6、S5はともに大接戦の末に落とすも、中村進之介(商4・慶應湘南藤沢)をはじめとする残る4人が勝利を挙げ、結果7-2で明大を破った。
慶大 | スコア | 明大 |
D1 ○逸崎・羽澤 | 2{6-1,6-1}0 | 池添・本城 |
D2 ○福田・今村 | 2{7-6,6-1}0 | 合戸・安増 |
D3 ○畠山・山崎 | 2{6-1,6-2}0 | 森・北岡 |
S1 ○羽澤 | 2{6-3,6-2}0 | 本城 |
S2 ○逸崎 | 2{6-3,6-1}0 | 蓮見 |
S3 ○今村 | 2{6-0,5-7,6-2}1 | 市川 |
S4 ○中村 | 2{6-3,6-2}0 | 池添 |
S5 ●平山 | 1{5-7,6-2,5-7}2 | 田中 |
S6 ●伊藤 | 1{5-7,6-2,5-7}2 | 藤永 |
合計 7 | - | 2 |
関東学生テニスリーグ 明大戦
2018年9月3日@法政大学テニスコート
D3○畠山/山崎 | 2{6-Ⅰ,6-2}0 | 森/北岡 |
D3で登場したのは畠山成冴(環4・湘南工科大付属)と山崎瑛二(環4・慶應)のペア。第1セット序盤はやや固さが見られたが、第2ゲームで畠山のレシーブエースなどでブレークに成功。そこからは安定したコンビネーションを見せ、危なげなく6-1で第1セットを奪った。第2セットに入っても勢いは衰えず。第1ゲームでブレークに成功すると、その後も効果的なショットで相手を翻弄し、得点を重ねた。最後もネット際での攻防を制して、ゲームカウント6-2とし、実力の差を見せつける勝利となった。
D2○福田/今村 | 2{7-6,6-1}0 | 合戸/安増 |
今年で2年目を迎える福田真大(商3・慶應湘南藤沢)・今村昌倫(環2・清風)ペアは、立ち上がりのストロークやネット前でのミスが響き、後を追う展開となる。タイブレークまでもつれ込んだ第1セットは、冷静にラリーを繋ぎ体勢を整えた福田・今村ペアが見事勝ち取る。すると第2セットは勢いそのままに、今村のサーブや福田のボレーでポイントを重ねゲームを優勢に進めていく。流れをつかんだ2人は6-1でこのセットも取りきり、一勝を挙げた。
D1○逸崎/羽澤 | 2{6-1,6-1}0 | 池添/本城 |
初戦のダブルスを引っ張るのは、羽澤慎治(環1・西宮甲英)と逸崎凱人(環4・大阪産業大付属)の2人。羽澤が強烈なサーブで相手を圧倒し、ファーストゲームをキープすると、リターンゲームでは逸崎が積極的にネットへ詰めてポイントを稼ぐ。完全に主導権を握る2人は第1、2セットともに一度のブレイクも許さずに、余裕の快勝を見せつけた。
S6●伊藤竹秋 | 1{5-7,6-2,5-7}2 | 藤永啓人 |
S6の伊藤竹秋(法1・慶應)は、第1セットからストロークで苦しむ。低く鋭いショットが随所で光るも、目が慣れてきた相手を前にミスも増えていく。デュースで粘る場面も見られたが、厳しいコースへのショットが入らず第1セットを5-7で落とす。第2セットは逆に相手のミスに漬け込む。最初の2ゲームを落としたが、要所でエースを決めるなどその後は6ゲームを連取。このセットを2-6で奪った。最終セットも流れをそのままに2ゲームを連取。しかし、終盤に入りブレークのチャンスでミスが目立つなど、徐々に流れを失う。ネットぎりぎりを狙ったショットを続けるも、ラリー戦に持ち込む相手に最後は無情にもボールがネットにかかった。5-7で落とし、惜敗した。
S5●平山浩大 | 1{5-7,6-2,5-7}2 | 田中瑛士 |
S5の平山浩大(環3・京都外大西)は、3時間を超える大熱戦を演じた。第1セットは先にブレークに成功するも、その後追いつかれなかなかリズムを作れない。ブレークの応酬となった終盤、ファーストサーブの成功率が落ちたところを攻め込まれ、最後は5-7で落とした。第2セットは、序盤から左右へ相手を揺さぶってミスを誘い流れを掴む。相手の気持ちが切れた部分もあり、6-2でこのセットを奪った。最終セットは消耗戦に。相手ペースでリードを許す展開となったが、厳しいコースをつくショットが光りなんとか追いつく。しかし、最後は足をつりながら満身創痍で戦う相手を前に得点を重ねることができず、5-7で落とし敗戦した。
S4○中村進之介 | 2{6-3,6-2}0 | 池添克哉 |
この日、人一倍の気迫を持ってS4に臨んだのは主将の中村進之介だ。滑り出しを「少し固くて、簡単なミスも多かった」と振り返るが、持ち前のフットワークと安定したストロークでラリーを繋げていくと順調にブレイクを重ねる。粘り強く相手の球に食らいつき第1セットを6-3で先取すると、第2セットもその集中力は切れず。スマッシュを決めにかかる相手のボールを貪欲に拾うなど、根性あるプレーがさらに相手のミスを誘う。巧みなドロップショットなども織り交ぜながら終始リードし、ストレート勝利を収めた。
S3○今村昌倫 | 2{6-0,5-7,6-2}1 | 市川雄大 |
S3今村は思わぬ苦戦を強いられた。強力なフォアハンドで相手を打ち負かし、第1セットは相手に1ゲームも与えず終えた今村。しかし、続く第2セットでは好調だったストロークにミスが出始め、4-2から5-5まで返されてしまう。両者ラリー戦を続けるも、粘った相手の集中力が勝り、第2セットをあと一歩のところで落とす。勝負のファイナルセット、仲間の声援を受けながら再び武器であるストロークで攻めていく。冷静に相手を突き放していき、6-2でこの勝負を締めくくった。
S2○逸崎凱人 | 2{6-3,6-1}0 | 蓮見亮登 |
ダブルスを圧勝した逸崎は、シングルスでも盤石の戦いぶりを見せた。序盤はサーブの不調を覗かせる一面もあったが、徐々に調子を上げサービスゲームで圧倒していく。さらに相手の頭上を抜くロブショットなどの巧みなプレーでポイントを重ね、第1セットを6-3で奪う。ギアを上げて臨んだ第2セットでは、積極的にチャンスボールを打ち込んでいきエースを連発。圧倒的な実力で快勝を手にした。
S1○羽澤慎治 | 2{6-3,6-2}0 | 本城和貴 |
S1を背負う羽澤は鋭いコースを突く強打を貫き、ゲームを優位に進めていく。ラリー戦に持ち込んで対抗する相手選手にミスを誘われる一面もあったが、第9ゲームの長いデュースをストローク力で押しきり勝ち取ると、第1セットを奪う。第2セット、羽澤サービスの第4ゲームをラブゲームで終えるなど、攻めたプレーでテンポ良く試合を進めていく。相手に反撃の隙を与えずにこのセットも取りきり、エースとしての役割を果たした。
慶大の実力を見せつけた初戦。惜しくも逃した2戦はいずれもファイナルセットまでもつれ込む大接戦だった。初戦からチーム一丸となって戦えた今試合から「このチームなら必ずリーグ優勝を果たせるという自信を持つことができました」と中村主将は手応えをのぞかせた。昨年は逃した日本一へ、男子部の挑戦はまだ始まったばかりだ。
(記事:重川航太朗・堀口綾乃 写真:菊池輝)
◆試合後コメント◆
中村進之介(商4・慶應湘南藤沢)
--まずはご自身の試合を振り返って、いかがでしたか
出だしは少し固くて、簡単なミスも多かったですが、途中からは相手のプレーをしっかりと見て、的確な対応ができたと思っています。
足を丁寧に動かして、球際を踏ん張れていたので、そこが今日は良かったです。
相手にリードされた時も、相手のプレーをしっかりと見て冷静に戦えたと思います。
--気迫のこもったプレーが印象的でしたが、どのような思いで臨みましたか
最後のリーグなので気迫は勝手に出てきてしまいますね。
気迫のあるプレーは僕の強みでもあるので、とにかくコートを盛り上げて周りのコートに良い影響を与えられたらいいなと思っていました。
--初戦の明大戦に見事勝利しましたが、7-2という結果はどう捉えていますか
今回の結果をどうこう言うつもりはあまりなくて、とにかく次の1戦に向けて成長できた戦いだったと思います。
勝った負けた色々ありましたが、部員一人一人が各自の持ち場で全力で臨めていたので、このチームなら必ずリーグ優勝を果たせるという自信を持つことができました。
--インカレや夏関など夏の個人戦を終えて、団体戦であるリーグ戦へ向けてチームとしてどのような準備をされてきましたか
団体戦はチーム戦なので、部員一人一人が自分の役割を自覚して、責任を持ってその役割を全うすることを意識してきました。
慶應は部員数が多い分、全員が役割をやり遂げたときに、大きな力が生まれると思っています。そこを慶應の強みにして、全員が自分の役割を考えて、行動することを大切にしてきました。
--次戦、法大戦に向けて意気込みをお願いします
リーグ優勝、日本一に向けて大事な1戦になることは間違いないので、とにかく先手必勝で勝ちにいきたいと思います。