エース髙橋亮吾(総3・慶應湘南藤沢)が初回にスリーランを浴びるという波乱の展開から始まった東大1回戦。そんな中、続く2回戦の先発を任されたのは慶應高でエースを務めていたルーキー、森田晃介(商1・慶應)だった。
今回がリーグ戦初の登板となった森田。「目の前のバッターを全力で打ち取ることを目標にしていた」という彼の言葉通り、序盤から安定したコントロールで次々とバッターを打ち取っていった。3回裏にはボークを取られて同点に追いつかれるも、動揺することなくすぐに切り替えて1失点に抑えた。その後も落ち着いたピッチングを見せ、5回1失点で初勝利を挙げた。
そんな彼の信条は「不動心」。リーグ戦初登板で先発というプレッシャーのなか、まさに“何事にも動じない精神”で好投を見せた森田に対し、大久保監督も「今日褒めるのは森田しかいないだろう」と評した。
今回の森田晃の初先発に対して、後ろから見守っていた小原和樹(環3・盛岡三)や慶應高時代からの先輩である瀬戸西純(政2・慶應)は”少しでも森田を楽にさせてあげたい”という気持ちから、守備や打撃で彼を援護したという。そんな先輩達の想いが、今日の彼を後押ししていた。
開幕前の取材では「自分の実力がまだまだなのを日々感じる」と謙虚に語った森田だが、今日の試合を「楽しかった」と笑顔で振り返る彼の姿からは、次世代を担うエースの風格が感じられた。彼の肩書きが“塾高(慶應高の通称)のエース”ではなく“KEIOのエース”となる日もそう遠くはないだろう。
(記事・澤田夏美)
☆インタビュー
――初登板はどのような気持ちで臨みましたか
一球一球を全力で投げようと思って、目の前のバッターを全力で打ち取るということを目標にしていました。
――初めてリーグ戦で投げた雰囲気はどうでしたか
すごい応援の中で投げさせて頂いて、楽しかったです。
――緊張は無かったですか
試合前は緊張していたのですが、試合が始まってからはそれほど緊張もなく、全力でやれました。
――今日先発するにあたって監督から言われていたことはありましたか
今日は塾高(慶應高)の人がたくさん出ていたのですが、試合前のミーティングでは”塾高で勝て”と言われていました。
――ボークを取られた時の率直な心境は
二段モーション気味で、取られるかなとは思っていたので、仕方ないと思ってすぐ次に向けて切り替えました。精神的なダメージは特に無かったです。
――今日良かった点は
ストレートが走っていたということもありますが、変化球も低めで決められたので良かったと思います。
――今後に向けての意気込みを
今日で終わらずに、次もベンチに入れるように、そして登板できるように次のオープン戦からも頑張って行きたいと思います。