【バレーボール】ミスで失速、初勝利はリーグ後半戦へ持ち越し vs明大/秋季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦

バレー戦評

ゲームメーカー谷

 

11戦ある秋季リーグ戦の折り返し地点となった今試合。チームとして目指す、クイック中心の攻撃が垣間見える場面もあったが、試合を通して調子の波が目立ち、最後は自陣ミスで失速してしまった。慶大は開幕6連敗、リーグ後半戦での巻き返しを図る。

 

 

9月23日(祝)

秋季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦

第6戦 慶大×明大

@小田原アリーナ

 

 

得点

慶大

セット

明大

21

25

15

25

25

21

13

25

 

 

サーブを打つ加藤真

第1セット序盤、慶大は加藤真(商2・慶應)のスパイクなどでサイドアウトを取り続け、安定した試合展開を見せる。16-17から、レフトからのスパイクを止められるなどして3連続失点を喫するが、直後に樫村大仁(環2・茨城高専)がクイックを決め、嫌な流れを断ち切る。その後も樫村や小出捺暉(環1・駿台学園)がスパイクを決めるも、相手にファーストサイドアウト(サーブレシーブから始まるプレーで取るサイドアウト)を取られ、点差を詰めることができなかった。最後は相手クイックが決まり、21-25で第1セットを落とす。

 

 

ブロック

第2セット序盤、慶大は相手センター・オポジットの攻撃をブロックにかけて攻撃に切り返す、ブロックアンドレシーブの形に持ち込んだ。しかし、こちらの攻撃も1本で決まらないことが多く、互いにブレイクの取り合いに。この不安定なセットを制したのは明大だった。中盤以降、慶大は相手の多様な攻撃を前に一度もブレイクを奪うことができなくなり、反対に両サイドのスパイクがブロックに落とされるなどしてなかなかサイドアウトを取れず、失点が重なってしまった。10点の大差をつけられ、第2セットも落とした。

 

 

得点を決めた富澤

第3セット。サイドアウトを確実に取りたい慶大は、セッター谷舜介(環1・徳島城東)が、清水柊吾(総2・広島城北)・樫村の両センターを中心に攻撃を組み立てていく。サイドアウトの取り合いが続いたが、15-15の場面から富澤太凱(経3・慶應)が連続でブロックを決め、慶大が一歩リード。その後も樫村のクイックなどでサイドアウトを取り続けた慶大。21-25でこのセットを取った。

 

 

その流れのままいきたい第4セット。最初こそクイックなどで得点を重ねるも、次第にスパイクが相手ブロックにかかるようなり、サイドアウトを1本で取れなくなる。8-14と6点差がついた時点で慶大は2度目のタイムアウトを要求。しかし、悪い流れを断ち切れなかった。スパイクや二段トスでミスが続出し、最大7連続失点。その後も、タッチネットやアンテナなどの細かなミスが続き、「とめどなく傷口が広がってしまった」(監督)。最後も相手のブロックポイントとなり、12点の大差でこのセットもとられて試合終了。開幕から続く連敗を止めることはできなかった。

 

リーグ戦も残りあと5戦だ

「もどかしい気持ちでいっぱいです」(富澤)――第3セットは、クイック攻撃やブロックが順調に決まり、自分たちの形に持ち込めていただけに、第4セットにミスが続いて失速してしまったのが痛かった。

 

リーグ戦も折り返し地点を迎えた。慶大は、主力選手の負傷を発端に、ここまで厳しい戦いを強いられている。しかし、この逆境の中でも「みんなが一生懸命前を向こうとしている」(伊藤祥樹主将=総4・清風)。クイック中心の攻撃やサーブに頼らないブレイクなど、今できる勝ち方を模索する慶大。彼らの勝利の日はもうすぐそこまで迫っている。

 

 

 

(記事:藤澤薫 写真:佐野ちあき)

 

 

以下、コメント

 

 

宗雲監督

 

――今日の試合を振り返って

惜しい内容も一部ありました。再現率の低いプレーで勝負しなきゃいけないので、それがたまたまハマるとセット取れたりするんだけど、ちょっと再現率の低いプレーで勝負するというのはきついですね。

 

――イレギュラーな状況の中での戦いだが

本来のサイドとセッターがいない中でやらなきゃいけないので、それまでと同じような攻撃パターンじゃだめだから、今日は真ん中たくさん使って。まあ本来は、マルキがいてもあれくらい真ん中を使って、っていうのがチームの秋のコンセプトだったんですけど、それを2人がいない中でも一生懸命再現しようとしていました。まあよく頑張っていたとは思います。

 

――第4セット、ミスが続いてしまったが

個人としても、それが集団になったとしても、彼らの再現率とか、それから技術の引き出し、精神的な引き出しとかが少ないので、それが出ちゃうとああいうふうな調子の良し悪しのものすごく低い部分が出てしまって。波が大きい、その低い部分が出てしまった。立て直そうとする個の力もないし、みんなでみんなでっていってもそれぞれが順番にミスをして。みんなが他人のプレーでへこんでしまってね。それを打破できる人がいるのか、強い人柄の4年生がいるのか、もしくは打力のある子がいるのか。そういう子がいないので、ああいうふうに傷口が開いてしまうと、とめどなく傷口が広がってしまう。仕方ないというか、大きな慶應の弱点でもありますね。

 

――リーグ前半が終了したが

振り返るよりも、未来の話をしましょう。どれだけ振り返っても6敗は6敗なので、まあそれはしょうがないですよ。だから、コンディション整えて来週からもう一回。本来はもっと強いと思うんです。初戦(日体大戦)や第2戦(順大戦)は、もう勝ちそうな力関係だったので、あそこまでもう一回戻せばいいんじゃないかなと思っています。

 

――来週の2戦に向けて

もうちょっと伸び伸びやってほしいな。誰と試合しているのかわからない雰囲気があるので、選手個々が自分の意見を出して戦ってほしいなと思いました。

 

 

 

伊藤祥樹主将(総4・清風)

 

――今日の試合を振り返って

クイックが通っていて、サイドアウトもそこまで悪くなかったです。でもやっぱり、良いときと悪いときの波があるかなと思います。

 

――チームの雰囲気は

まあ当然とっても明るいっていうわけではないんですけど、それでもみんなが一生懸命前を向こうとしているっていう感じですね。

 

――スタメン2人代わった状態での戦いだが

スタメンが2人代わるとチームのスタイルも結構変わってきて、そこらへんはまだ慣れないところも多い。ただ、慣れないなりにも、みんながちゃんと仕事をしようという姿勢は見えていたので、そこまで悪くないというか。まあどうしようもないことなので、前向きに捉えてやっていくしかないと思っています。

 

――ブロックに関しては

ブロックはスイッチしたりして、駆け引きの部分はできていたので、良かったと思います。

 

――今日良かった点と悪かった点をひとつずつ挙げるとしたら

クイック中心に組み立てられていたときは良かった。悪かったのはやっぱり波があるところ。サーブレシーブは崩れてはないと思うんですけど、サーブレシーブからの攻撃が組み立てられなくなるところが悪いところだと思います。

 

――リーグ前半戦が終わったが

勝てていないし、けが人も出て、っていう厳しい戦いになったなという感じですかね。やろうとしていることは間違ってないと思うし、全日本インカレまでに向けてきっちり、目標である日本一のために何をするかっていうのを考えて、後半戦は頑張っていきたいと思います。

 

――来週に向けて

きっちり勝ちにいくための準備をすることに尽きます。

 

 

 

富澤太凱(経3・慶應)

 

――今日の試合を振り返って

連敗が続く中で、昨日終わってから全員で確認し合ったことを体現しようと思ったんですけど、3セット目は自分たちがしようと思ったことをコートで体現できたんですけど、それ以外のセットでどうしても自分たちのミスからリズムが掴めないという場面が多くて、今日も負けてしまいました。悔しいです。

 

――4セット目大きく崩れてしまった要因は

序盤、苦しい展開のままタイムを使い切ってしまったところで、相手のリズムをつかれてしまってこっちが大崩れしたという感じですね。

 

――トスが上がる機会が少なかったように感じたが

正直セッターに信頼されていないのかなとも思ったりしますけど、それでもやっぱり上がってきたボールを決め続けるポジションであるので、そこは譲れないところだと思います。

 

――クイック中心のチームにしたいという話があったが

樫村と清水が頑張ってくれたので、サイドアウトに関してはいい場面は多く出たと思います。

 

――ブロックアウトに苦しめられる場面もあったが

試合の中でみんなの客観的な意見も聞いたりしながら、修正してみて少し良くなったくらい、まあまあ悪くない形にはなったのかなと思います。

 

――コート内に下級生が多い状況、上級生としては

彼らの持っているものを、いかに自分がプレー以外の部分で引き出してあげるかが大事かなと思って、積極的に声を出してみたりしてみたんですけど、やはり彼らの力はこんなものじゃないのにここで力尽きてしまっているというのは、コートに常に立っている者として申し訳ないと思いますし、自分個人としてもプレーで示せる場面というのも少なかったなと思います。

 

――前半戦を終えて

本当に厳しい。自分たちの夏やってきたことが、コートの中で出せない場面が多くて、もどかしい気持ちでいっぱいです。

 

――来週以降の後半戦に向けて

まだまだ自分たちはやれると思うので、応援してくださるすべての人たちにいろんな形でお返しできるようにプレーで示していきたいと思います。

 

 

 

谷舜介(環1・徳島城東)

 

――試合を振り返って

自分たちのミスが多かったり、肝心なところできっちり点を取れなかったのでそこで差がついてしまったかなと思います。

 

――今日のトスワークはいかがでしたか

慶應はセンターが今の段階で強みなので、サーブカットが綺麗にAパスでうまく返ったら、クイックを使って点を取っていこうという作戦でやっていました。今日もセンター戦はうまくいったと思います。

 

――今日はブロックが好調のようだったが

慶應はブロックとサーブで勝負していくチームなので、自分は身長があまりないけど、相手が打ってくるタイミングとか、そういうことを考えてブロックしていました。他の選手のブロックはとても高くて今日は結構いいブロックがあったと思います。

 

――第4セットは点差が開いてしまったが

自分たちの思うようプレーができず、それが続いてしまったので、焦りがありました。そこで大量失点が取られてしまいました。すぐそこで立て直すのが課題なんですけど、そこがうまくいかなかったです。

 

――リーグ戦前半が終わったが

まだ慶應の力が十分に発揮できていないので、次の試合ではしっかり自分たちの練習してきた力を全部出し切って勝ちたいなと思います。

 

――来週の試合に向けて

ここまで負けてばかりなので、真剣に必死にやるだけです。

 

 

出場選手

サイド

小出捺暉(環1・駿台学園)

センター

樫村大仁(環2・茨城高専)

オポジット

富澤太凱(経3・慶應)

サイド

加藤真(商2・慶應)

センター

清水柊吾(総2・広島城北)

セッター

谷舜介(環1・徳島城東)

リベロ

岩本龍之介(商4・仙台第二)

 

永田将吾(総1・高松)

途中出場

宮川郁真(総1・松本県ヶ丘)

 

五味渕竜也(環3・習志野)

 

 

順位(9月23日終了時点)

 

大学

勝利数

セット率

1位

早大

3.6000

2位

日体大

3.6000

3位

明大

2.8333

4位

順大

2.8333

5位

筑波大

2.6667

6位

中大

2.5000

7位

東海大

0.7333

8位

駒大

0.6429

9位

慶大

0.2778

10位

学芸大

0.2222

11位

国士館大

0.1667

12位

日大

0.1111

 

◇順位の決め方◇

勝利数が同じ場合、セット率(得セット数/失セット数)の高い方が上位となる。

セット率も同じ場合、得点率(総得点/総失点)の高い方が上位となる。

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