インカレへの出場者が決まる東日本学生フィギュアスケート選手権大会が今年も開催された。男子3.4級クラスには竹居峻治(政4・慶應)と3級に昇級したばかりの佐藤優人(政2・慶應)が出場し、それぞれ個性的なプログラムで会場を沸かせた。女子4級クラスには岡本愛美(総2・Mira Costa)が出場。4位となり、初のインカレ出場を決めた。3級女子クラスには3名が出場したが、惜しくもインカレ出場権を獲得することはできなかった。
11月10日・11日 第12回東日本学生フィギュアスケート選手権大会
@東大和スケートセンター
☆大会結果
クラス | 選手名 | 点数 | 順位 | 学部学年・出身高校 | 団体成績 |
女子3級 | 白川めぐみ | 30.44点 | 9位 | 法1 慶應女子 | 3位 |
| 中村優里 | 28.23点 | 11位 | 理3 慶應女子 | |
| 蓮田柚香 | 25.13点 | 17位 | 政4 国際基督教大学高 | |
女子4級 | 岡本愛美 | 42.07点 | 4位 | 総2 Mira Costa | 5位 |
男子3.4級 | 竹居峻治 | 36.96点 | 3位 | 政4 慶應 | 2位 |
| 佐藤優人 | 27.33点 | 5位 | 政2 慶應 |
男子3.4級クラス。今大会に出場すれば全員がインカレに進むことができるという状況ではあったが、慶大から2選手が今後に弾みをつける演技を披露した。
佐藤は1本目のアクセルジャンプをきれいに決めたが、「それ以降は集中が足りなかった」と振り返る。スケート靴についた氷を高く投げる動きなど、個性的な振りの多いプログラムを披露し、リンクサイドで見守る部員にも笑顔があふれた。2級から3級へ上がり、レベルが高くなった中で順位を伸ばすことはできなかった。それでも「『Seven Nation Army』といえば慶應の佐藤優人と言われたい」とインカレへの意気込みは十分だ。
続いて主将の竹居。冒頭から3連続ジャンプやダブルジャンプを決めていく。長い手足を生かした伸びやかなステップや、映画ロッキーの世界観を彷彿とさせる振り付けで会場を大いに盛り上げた。3位という結果になったが、「少し中途半端になってしまった」と悔しさもにじませた。4年生の竹居はインカレが最後の公式戦となる。集大成となる演技で、目標である優勝を果たして欲しい。
女子4級クラスには岡本が出場。弓を放つジェスチャーで演技を始める。ダブルループでは転倒があったが、後半には3連続ジャンプとダブルフリップを決めて立て直した。結果は4位となり、惜しくも表彰台入りは逃したが見事にインカレへの出場権を獲得した。全身を大きく使った動きが印象的な岡本。改善点として挙げた、ジャンプでの回転不足やスピンでのレベルの取りこぼしを修正し、初のインカレで堂々とした演技を見せて欲しい。
女子3級クラスには3名が出場。出場者22名中6名しか進むことのできないという厳しい条件の中、インカレへの枠を勝ち取ることはできなかった。
昨年インカレ出場を果たした中村優里(理3・慶應女子)は黒鳥をイメージした黒い衣装で登場。中盤にはゆったりとした曲調に合わせて滑らかなスケーティングを見せた。難易度を上げたという構成を最後まで滑り切ったが、結果は11位と思うように順位を伸ばすことはできなかった。今後は「難易度の高いジャンプの種類を増やして試合で決められるようにしたい」と意気込みを語った。
白川めぐみ(法1・慶應女子)はスピードのあるスピンから演技をスタートさせた。『火の鳥』の壮大な曲調に乗せてジャンプに挑んでいくが、ダブルサルコウ、ダブルトウループで転倒してしまう。練習で成功させていたジャンプを決め切ることができず、点数を伸ばすことができなかった。1年生ながら「インカレには行けると思っていたので、行けなくて悔しい」と涙をのんだ。来年には4級を取得する予定だという。この悔しさをいい方向につなげていきたい。
最後に登場したのは蓮田柚香(政4・国際基督教大学高)。「失うものは何もない」と攻めの姿勢で挑んだ。回転不足にはなってしまったが、アクセルを2本着氷させる。中盤には可愛らしい振り付けで会場を盛り上げた。3級に上がり出場した今大会だったが、インカレ出場を果たすことはできなかった。それでも最後となる公式戦を笑顔で楽しむ姿が印象的であった。
(記事:伊藤史織 写真:相川環、高井真衣)
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(※一部写真について画質が悪くなってしまっており、申し訳ございません)
以下、選手コメント
竹居峻治(政4・慶應)
――演技を振り返って
自分の演技としては少し中途半端になってしまった部分がとても悔しいです。
――ラストシーズンにこの曲を選んだ理由はありますか
単純に言うと好きな曲だったからというのがあって、小さいころから車の中でよく聞いていたりしていました。あと昨日の夜に曲の題名の意味を調べたら、「最後までやり続けろ」という意味だったので、最後にインカレでこの曲にしてよかったと思えるような演技をしたいと思っています。
――ステップなどの表現面はいかがでしたか
ジャンプがあまりはまらなかった部分もあったので、ステップに関してはなるべく目線とか気持ちを込めてやろうと思っていました。
――インカレへの出場権がかかる大会でしたが、部としてやってきたことや目標は
まず部として、僕らの代は本当にインカレに出ることをすごく目標としていました。ただ結果から言うと例年よりもインカレの出場者は減ってしまったというのが現実です。みんなには伝えたんですけど、今日の悔しさというのを絶対に忘れずに、良い演技をした人はそれを継続してというのを伝えたので、今年はインカレに行けるメンバーで良い演技をしたいです。今年の悔しさを感じた人は必ずバネにしてやってくれると思うので、来年は後輩たちが必ずやってくれると思います。
――インカレでの部として、個人としての目標は
個人スポーツなのでそれぞれのレベルによって変わる部分はあるんですけど、全体としては入賞や表彰台を共通として狙っていきたいです。個人としては優勝を目指して頑張っていきたいと思います。
――演技を振り返って
今年初めて東インカレに出場したのですが、もちろん慶應の方、そしてそれ以外のたくさんの方から「ヒュー」とか言ってもらって、それに支えられました。1本目のジャンプは綺麗に決まったのですが、それ以降は集中が足りなかったかなと。自分が得意だったジャンプもできなかったですし、スピンもミスしたりで反省点ばかりですが、1月の全日本インカレに向けて修正していきます。練習期間が2週間しかなかった中で、最低限のことはできたかなと思います。
――このプログラムの見どころは
全部ですね。自分の演技が終わった後に、「たまにこういうネタ枠がいてもいいよね」と言われました。見てるみんなを楽しませられる演技ができれば僕自身はパーフェクトだと思ってます。
――特に好きな振り付けは
1番盛り上がったのは、終盤の足の氷をぶん投げるのなのですが、そこでまたみんなが「ヒュー」って言ってくれて、気持ちを入れ替えて後半にいくことができました。
――なぜこの曲を選曲したのか
いろいろ理由があって、1つは高校の文化祭で後夜祭のオープニングPVでこの曲かっこいいなと思っていたからです。また、今年のサッカーW杯の入場曲がいつものと違って、この曲でした。結構人気な曲で、今まで使ってきた白鳥の湖もみんなからウケが良かったので、これもウケを狙えれるなと思って、この曲にしました。あともう1つあって、この曲は本田真凛選手のショートプログラムの曲なんですが、「Seven Nation Army」といえば本田真凛ではなくて、「Seven Nation Army」といえば慶應の佐藤優人と言われたらいいなと。これはインカレでの目標にします。
――2級から3級にあがりました
周りもレベルが高くなってきているのを意識して演じています。今まで出た大会は四大戦以外では全部優勝しているのですが、そう簡単に優勝を狙えるわけではないので、より一層練習に真摯に向き合っていく必要があるなと感じました。また滑り込みも必要だと感じました。
――インカレに向けて
自分にとって初めてであり、主将と一緒に演技ができる最後の大会なので、僕が良いパフォーマンス、完璧な演技をして、先輩を送り出してあげたいなと思います。お互いにパーフェクトな演技をして表彰台に2人で入れたらと思います。
岡本愛美(総2・Mira Costa)
――演技を振り返って
失敗したところもありましたが、前の試合で出来なかったことは今日出来たのでそれは良かったです。次の試合に向けて頑張りたいです。
――前の試合から特に練習してきたことは
プログラムの最初の方で失敗しても諦めないで最後まで頑張ることを練習してきました。
――このプログラムで見て欲しいところは
スパイラルやスピンです。
――今後の大会に向けて意気込みを
ジャンプで回転が足りないところを直したり、スピンではレベル4でプラスのGOEがつくように頑張ります。
――今日の演技を振り返って
公式練習や6分間練習で決められていたジャンプが跳べなくて少し残念というか、本領発揮できなかったという感じです。
――インカレに進めませんでした
行けると思っていたので、行けなくて悔しいです。来年は4級を取得してからインカレを目指そうと思うので、4級取得とインカレ出場を目指して頑張っていきたいと思います。
――次の大会に向けて
曲かけを中心に、普段の練習時間や練習の質を見直していきたいと思います。
中村優里(理3・慶應女子)
――演技を振り返って
去年決められなかったジャンプを決められたっていうのは1番嬉しかったです。
――今大会に向けて練習してきたことは
ジャンプの難易度をあげることとスピンの構成をあげることをしてきました。
――今後の大会に向けて
スケーティングを強化することと、難易度の高いジャンプの種類を増やして試合で決められるようにしていきたいです。
蓮田柚香(政4・国際基督教大学高)
――演技を振り返って
3年生の頃から2年近く滑っているプログラムなので、楽しんで滑ろうという気持ちがありました。最後の公式戦になるかもしれないという思いがあったので、楽しんで滑れて良かったです。ただアクセルだったり最後のスピンだったりエレメンツを決めるところで決められないのは、やっぱり上に行くにはまだまだ足りないところだったのかなというのは感じてます。
――今大会への意気込みや目標は
失うものは何もないのでとにかく攻めようと考えてやっていました。アクセルを2本成功させることが目標だったんですけど、エレメンツっていう点ではあんまりだったかなと思います。
――今後出場予定の大会は
2月18日にバレンタインカップという大学生の非公式戦があるんですけど、そこで引退になります。
――そこに向けては
まずはスピンはミスなく決めたいです。でも本当に最後の大会なのでエレメンツ以外にも、今日みたいに楽しんで滑ってみんなに送り出してもらえるような演技ができたらなと思います。