本番も2週間後に迫り、いよいよ早慶戦前企画最終回。今回は、慶大・森瑞季(経4)×早大・土田大輔(教4)による早慶主将対談をお届けする。これまでのボクシング生活を振り返るとともに、タイプの異なる主将が各々抱く、早慶戦に対する思いについてお話を伺った。(この対談は2018年10月18日に行われました)
——お二人の関係、印象を教えてください
森:関係は多分対面になって話すのは初めてで、土田くんは多分俺のこと知らないんじゃないかなと思います(笑)。
土田:慶應といったら森くんの印象が強いです(笑)。
森:テキトーじゃん(笑)
——今年のチームの戦いぶりを振り返っていかがですか
土田:3部に降格してから去年よりも順位が下がってしまって悔しい限りです。
森:僕たちの方も去年より1つ順位を下げてしまって4位という結果だったんですけど、昨年と違うところは日体大が復帰してのところだったのでチームとしては弱くなってはいないなと、むしろ試合内容など総合的に含めると層も厚くなって強くなったかなと思っています。
——ここまで戦って来て試合や普段の練習で主将として心がけていることはなんですか
土田:主将として試合に出るからには絶対に負けてはいけないという責任もありますし、練習でも一番頑張ってみんなの手本となるように見てくれる存在になりたいと思っています。
森:自分も練習態度で示すことやメンタルケアの部分、後輩や同期たちがどんな気持ちで練習に臨んでくれるのかという心づくりもしてあげられる主将でいたいなと思っています。
——主将になって辛かったことや良かったことは
森:辛かった時はやっぱり後輩を叱らなければいけない時です。もともと僕は厳しい同期が怒ってくれた時に後輩に気にするなって言って裏で茶化して笑いをとるようなタイプだったので、自分が主将になると締めるとこは締めてダメなことはダメとしっかり言わなきゃいけないので、そこに慣れていって厳しく言わなきゃいけなかったのでそこが辛かったです。良かったことはプレッシャーとか色々負荷がかかっているので、僕個人の考えですけど、チームが勝った時の喜びは悩んだ分一番大きいのかなと思います。
土田:良かったことは主将という響きがかっこいいことですかね(笑)。それでやっぱりやる気も出ますし。
「主将として試合に出るからには絶対に負けてはいけない」(土田)
——理想の主将像などはありますか
森:もちろん背中で語れるほど実力があってかつメンタルなどソフトなケアもできる優しさもある二つの面で高いレベルにある主将が理想です。
土田:男らしさが大事かなと思います。もっとうまいこと喋ることができたらいいんですけど、喋るのも微妙ですし、背中で語るのが理想的な男かなと思います。
——ボクシングに初めて関わったきっかけは
森:一つは大学始めでも強くなれて活躍ができる環境があるということ。二つ目はありきたりですけど非常に先輩たちの雰囲気やちょうど3部に上がったところだったので部の活気がすごくてそういったところに惹かれました。三つ目は自信のある人間になりたくて、強くてかっこよくてボクシングをやったら自信を持てるかなと。そういったところでボクシングが1番かっこいいなと思って始めました。
土田:男として強くなりたい本能が僕をそうさせたのだと思います(笑)。
——減量期などきつい時もあると思いますが、リフレッシュする時など1番楽しみにしていることはなんですか
森:僕は人にも冗談で言ってるんですけど、水よりもビールが好きってくらいビールを飲むことが好きで、ご飯食べるよりもビール飲みたいって感じの方なので、減量中もビール飲むために試合直前水を抜いたりしていました(笑)。
土田:酒ですね(笑)。
——減量の工夫などはありますか
土田:食べない、飲まないです(笑)。何かを食べないといけないっていうことは特になくて、試合前はお酒を飲まないっていうことを決めているくらいです。
森:タンパク質・糖質・脂質のバランスが減量には大切だと思うのでそこを意識しています。あとは練習前に糖質を摂らないと集中力が欠けてしまったりするので、そこは練習前や朝に取るなどの工夫とか、最後にカリウムとって水を抜くなどはしています。
——早慶戦で初めてボクシングを観戦される方に伝えたい魅力はどこですか
森:ちょっとくさいですけど、ボクシングの一戦一戦に怪我だったり挫折だったりとドラマがあって、それを乗り越えてリングに立っているので。例えば友人だったら顔とか普段ふざけている姿しか知らなくても、プレーを通じて直接見てもらうことでその人のボクシングに対する本気さなどを感じてもらえると思います。
土田:シンプルに真剣に殴り合っているところはかっこいいと思ってもらえるんじゃないでしょうか
「チームが勝った時の喜びは悩んだ分一番大きい」(森)
——ボクシングはお好きだと思うのですが、みなさんあまり周りに勧めたがらないのはなぜですか
森:実際やってみると辛いことの方がずっと多いなと思うからです。ミット打ちぐらいでボクササイズするのは楽しくてすごいオススメなんですけど、スパーリングまで始めてしまうと辛くなってくるので(笑)。
——自身のボクシングスタイルを教えてください
森:最初はこういうボクシングをしようとか想定したりするんですけど、僕自身器用ではないですしカッとなる性格でもあるので、撃ち合いに持っていくというかそれしかできないです。
土田:ただただ殴っていくしかないです。やっぱりパンチはもらいたくないのでもらわないように頑張っています(笑)。
——今までの早慶戦で印象に残っている場面は
森:僕にとって初めての早慶戦は早稲田サイドでも慶應サイドでもない後楽園ホールでの試合だったんですけど、ライトウエルター級の伊藤未来也(H28卒)と当時の4年生の大原拓也(H28卒)さん、大学の2年生から入ったすごく始めたのが遅かった方なんですけど、その方が1回ダウン取られたんですけどダウン取り返したかなんかで勝ったんですよ。相手の伊藤さんはもともととても強い方だったんですけど、大学始めの選手が勝ったということで僕印象に残っています。その前まで慶應大は強い大学と当たっていたので、僕が勝っているところを見たことがなかったというのと、そういった大学始めの大原さんの活躍が見ることができてすごい勇気付けられたというか嬉しかったです。
土田:去年の早慶戦の森くんは印象に残っています。
森:いや俺出てないから、テキトーすぎ(笑)。
土田:去年の自分の早慶戦が心に残っています。いつもより多く日サロに通って、前日に頭も前日に剃ったので自分的に完璧な見た目が整ったと思います(笑)。
——内容もお願いします(笑)
土田:早慶戦には1年生から出させてもらっていて2年間悔しい思いをしてしまった中、3年生では勝って敢闘賞も貰えたのでよかったかなと思います。
——相手校のボクシング部のイメージは
森:早稲田のイメージは岩田翔吉選手だったり土田くんだったり色が強いというかボクシングに花がある選手が多い印象です。
土田:人数が多くて応援の時もハツラツとして盛り上がっていて、みんなで勝とうという気持ちが強いなと思います。
——お二人にとって早慶戦はどういう場所ですか
森: リーグ戦と同じくらい大事になってくる戦いで、下半期の頑張りをしっかりと示す場所かなって思います。
土田:早慶戦という名前がかっこいいですよね(笑)。他の早慶戦は見たことないので、自分にとっては慶應との一戦という感じです。
——最後に早慶戦に向けての意気込みをお願いします
森:三連覇・日吉開催ということで絶対に負けられないので、しっかりチームとして勝ちたいと思います。
土田:勝ちます。
——主将のお二人、ありがとうございました!
(取材:津田侑奈)
森 瑞季
前慶大ボクシング部主将。慶應義塾大学経済学部4年。福島・福島成蹊高校出身。ボクシングへ真摯に向き合い、背中で語る
土田 大輔
早大ボクシング部主将。早稲田大学教育学部4年。富山・呉羽高校出身。高校全国選抜大会3位。ユーモラスな雰囲気で部を盛り上げつつ、早慶戦勝利へ闘志を燃やす頼れるキャプテン。