【ボクシング】早慶戦前企画①4年生座談会(森×宮内×重増×林×奥平×川本)

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第62回早慶ボクシング定期戦が12月1日(土)に、慶應日吉キャンパス蝮谷体育館にて開催される。3連覇をかけた試合をホーム開催で迎える絶好の機会に、この1年間ボクシング部を統率して来た4年生(森×宮内×重増×林×奥平×川本)はどんな思いを抱くのか。今年の活躍のほか、この4年間についても振り返ってもらった。(この座談会は2018年10月16日に行われました。)

 

 

——慶大ボクシング部の特徴は

 

:体育会っぽくないと思います、良い意味でも悪い意味でも。先輩後輩の距離が近くて、お互いアドバイスし合えますし、悪い意味ではだらしないところもあると思います。

:後輩は、みんなそもそもおとなしかったり優しかったり、静かな子が多い印象はあります。

:あとは、自由人が多いです。

:みんなのびのびやっています。選手間では非常に。

 

 

——現4年生の特色は

 

重増:結構他の代って濃い人多いんですけど。

:キャラが濃い人が多いんですよ、他の代、というか代々。それに比べると…(笑)。

重増良い意味でいうとおだやか

:部活以外での関わりがあまりないです。

:いい距離感です。お酒飲みに行くのは、一部ではありますが。(一緒に遊びに行くなど)そういうのを求めてた人は辞めちゃいます。

川本:私もそう聞いていたんですけど、たまに話しているのを見ると微笑ましいなと思います。

(一同笑い)

:どんだけドライなんだよ(笑)。

 

 

——ボクシングと出会ったきっかけを教えてください

 

:高校の時にラクロス部だったのですが、高校最後の試合で負けてしまって。全然練習もせず、試合にも出ていなくて、高校3年間の部活がしょうもない感じに終わってしまったなと思ったので、大学で体育会に入ろうと思いました。それで体育会の部活一覧を見てその部に入ろうか選んでいたら、ボクジングが一番初心者から始められて、かつ面白そうだなと思って入りました。

重増:高校を振り返ると、部活をやっている時が一番楽しかったので、思いっきり部活をしたいなというのはあって、大学から始められるスポーツには少林寺拳法とか合気道とか、そういったところも行ったのですが…。

:初めて知ったわ(笑)。

重増:あとはレスリングとかも観に行ったんですけど…。

(一同笑い)

重増:全部ピンとこなくて。ボクシング部に来た時には、部活の雰囲気がすごい良くて、先輩も面白いんですけど練習の時はしっかりやっていて、それで気づいたら入っていました。

:僕もすごい被るんですけど、先輩たちが優しかったなというのが一番で、大学から始められるスポーツというところも僕の中では非常に魅力的でした。最後に、自分の性格的なもので、もっと逞しい人になりたい、もっと自信を持てる人間になりたいというのを大学に入る前に思っていたので、ボクシングってかっこいいし、減量とかしてストイックなスポーツですし、リングの上で戦うだけで度胸がつくし、勝っても負けても強くなれるんじゃないかなと思って選びました。

宮内:もともと競走部で陸上をやろうと思っていたんですけど、最初はそっちに通っていたのですが、周りの選手があまりにも強かったのを見て、続けられるのかなと思ったりして。そういう時って、一番誘惑に弱い時なので、ボクシング部の先輩に「君なら入れるよ!」とか「今軽量級がいないから、君なら即戦力だよ!」という甘い言葉につられてほいほいと着いて行ってしまい、気づけば早4年、減量する大学生活を過ごしておりました。

:間違いない(笑)。

 

 

——マネージャーのお二人がボクシング部に入ろうと思ったきっかけは

 

奥平:最初はサークルに入っていたのですが、合わなくて。全然行っていなかったのですが、1年生の夏に友達に誘われて(ボクシング部の)見学に行ったのが最初でした。真夏の暑い中で、減量のためにサウナスーツを着て、みんな一生懸命やっていて、その姿に胸を打たれた部分もあるんですけど、最終的には、人の部分が大きいのかなというか…。

:企業選びか(笑)。就活生にしか見えない。

(一同笑い)

奥平:この人たちのためだったら頑張れるかもしれないと思って、最後は先輩に「入るよね?」と言われて、「はい!入ります!」って言って入部に至りました。

川本:私は2年生の時に、(奥平)けいとちゃんと専攻が一緒で、授業も一緒に受けていて、その中で部活の事務作業をやっているのを見ていましたし、早慶戦に誘ってもらって行って、その熱気や一体感に惚れました。あと、小学校から高校まで同じような人の中でずっとダンスをやってきて、好きなことをできたし楽しかったんですけど、大学にせっかく入ったし、全く今まで話したことのないような考えを持っている人たちの中に入りたくて。今までは女子の世界にしかいなかったですが、ボクシングの、個人競技なのにでも男臭いゴリゴリの感じに入ったことがなかったので、3年生からだし、迷惑をかけるなと思いつつも自分がやりたいと思って入りました。

 

 

——マネージャーを始めてから、ボクシングに対するイメージは変わりましたか?

 

奥平:みんなすごく考えながらやっているし、ただ野蛮なだけのスポーツではないですね。減量もあって、真面目で自分にストイックでないとできないスポーツだと思うので、入部してボクシングに対するイメージはガラッと変わりました。

川本:私も同感です。

(一同笑い)

食事制限が大変だったと語る宮内(一番右)

 

 

——普段の生活でボクシングのために心がけていることはありますか

 

宮内:減量のあるスポーツなので、普段の節制をやっていないとあとあと苦労することになるので、ここ4人(プレーヤー)は食事の節制なりはしていると思います。

:してない。

:俺もあんましてない。

宮内:え、俺だけ?

:お前がダントツだよ。

 

 

——食事制限はどのように行うのですか

 

宮内:ジャンクフードを食べすぎないだったり、最初はそういうところからです。そこから脂質の多いものだったりを摂りすぎないだったり、メリハリをつけるだったり。すごいざっくりしていますが、みんなやっていると思っていました(笑)。

:でも試合が近づいてくると意識する。

宮内:シーズンオフの時は考えてないです。

:お前も結構顔ぱんぱんだよな(笑)。

(一同笑い)

 

 

——減量明けに食べたい食べ物はありますか

 

:難しいな。

:絶対ラーメン二郎食う。

(一同笑い)

:試合終わる前は食べたいものいっぱいあったのに、試合終わるとどうでもよくなっちゃって。

:めっちゃショートケーキ食いたくなるのに、一回も食ったことない。

(一同爆笑)

:行きたい店とか何個もできるんですけど、試合終わると行くのめんどくさいなって。

宮内:ひたすら手帳に行きたい店をどんどん書いて行って、「試合終わったらここで飯食べるんだ!」ってそのために貯金するんですけど、いざ計量を終えて水を飲むとお腹いっぱいなんです。さすがに試合終わってお腹空くんですけど、胃がすごい全然働かなくて、おにぎり一個でお腹いっぱい、家帰って炊き込みご飯食べよう、みたいな。

 

 

——減量で辛いと思ったことはありますか

 

宮内:2年生の時に、49kgまで落としていて、みんなに拒食症なんじゃないかと言われるくらい。キャンパスを歩いていると、周りの子は俺より体重重いんだろうなって思ったり。日吉って結構みんな教室でご飯食べるじゃないですか。その横でずっと頬杖つきながら教科書を眺めてる時間が一番辛かったです。俺もあとでサラダ食べよって思いながら。

 

 

——日常生活でついつい出てしまうボクシング部ならではの癖は

 

:相手のリーチ(腕の長さ)見る。

(一同爆笑)

:俺の方がリーチ長いなと、つい。だいたい俺の方がリーチが長いので、俺の方がリーチ勝ってるって(笑)。

全員:小さい(笑)。

:サウナめっちゃ好きになりました。好きになったというか。長く入れるようになりました。

:絡まれることがよくある。

宮内:ねえよ(笑)。

:違う違う!ボクシングやってんの?っていう。ボクシングやってますって言った時にめちゃくちゃ食いつかれる、人に。ちょっとシャドーしてよ、みたいな。ない?

:シャドーしてよ、めっちゃある。

:絡みとして一番めんどくさい(笑)。

(一同笑い)

 

 

——もしボクシング部でなかったら、どんな大学生活を送っていたと思いますか

 

奥平:サークルに入ってたんですけど、全然行っていなかったので、ひたすらダラダラと何の生産性のない日々を過ごしていたのかなと。つまらない日々を送ってたんじゃないかな。

川本:多分ダンスやってたと思います。

:はい。

川本:以上です。

(一同笑い)

川本:あとは留学にも行きたかったので、挑戦していたかなって思ってます。

:僕はバックパッカーやりたかったです。半年ぐらいインドとかアフリカとか行きたかった。1人で放浪したかったです。 

:俺は多分資格予備校に入って、公認会計士の卵だったはず。

宮内:絶対途中で挫折してる(笑)。もっと魅力的な生活があるはずって(笑)。

(一同笑い)

:内部生は公認会計士目指しがち。

宮内:あー。そして挫折しがち。

:その一角を担ってたかも(笑)。

重増:僕は旅行とかしていたと思います。今部活が週6であるので、全然旅行とかできなくて、部活引退したら色々行きたいです。

宮内:僕は多分陸上をやってたと思います、競走部で。でも最近3、4年になって勉強しだしたので、もしかしたら勉強していたかもしれません。普通に学部の。

全員:学部じゃない!

宮内:他学部の勉強をひょこっと。

:ひょこ(笑)。

:今も時間割ぱんぱんで。卒業も確定しているのに、週20コマくらい、全部出席して。

:しかも法学部なのに文学部の授業(笑)。

宮内:そもそも縛りが多い体育会の部活だからこそ、他にものができないじゃないですか。なので時間を有効活用しようと思ったのですが、そのベクトルがだいぶ狭まっちゃって。体育会で勉強する人もしない人もいますし、勉強の代わりにめちゃくちゃ遊んでる人とか。体育会と何かを突き詰めてる人も多いと思うので、こんな感じでやりたいことが出てくるのだと思います。

 

 

——オフの日はどんなことをしていますか

 

宮内:それは完全なオフですか?例えば、今みたいな…。

:めんどくせえなこいつ(笑)。

(一同笑い)

宮内:普段は月曜日がオフなんですけど、寝てるか学校に行ってるか…。

:学校じゃん(笑)。

宮内:特に抑揚のない生活を送ってます。がっつり休みたいんですけど、時間がないので、旅行に行きたい〜ともならないですね。

 

 

——では、長期休みは

 

宮内:夏と冬にあるんですけど、時間の使い方がわからなくて家でぼーっとしてます。ここの林くんは楽しんでるよね。

:俺は高校の部活の同期と、結構色々なところへ遊びに行ったりというのが多いです。

 

 

——アクティブなんですね

 

:アクティブ…なのかな?

宮内:そうだろ。

:そうかな?普通だと思うけど。割と外には出ていたい人です。1日家にいると気が狂いそうになる。運動していないとイライラする。

:僕も外には出ています。家でずっと寝てるとかはないです。外出て、1人が好きなので1人で知らない場所や街に行って映画を観たり。僕は上京してきたので、東京の地理を見るのが楽しいです。

宮内:ほんとかよ。

:色んな駅で降りたりして、巡ってます。

重増:理想のオフのパターン、いや理想でもないですけど…。

宮内:語るねえ、オフ語るねえ。

重増:月曜オフなので、日曜日の夜が社会人で言う花金なので、めっちゃ飲んで、次の日寝坊して、僕はオフに家にいることが多いので、そのままゴロゴロして海外ドラマとか観てることが多いです。

川本:おしゃれ。

(一同笑い)

重増:お前のおしゃれのハードルそこなの。

宮内:とてつもなくレベルが低い。

川本:うるさいうるさい。

 

 

——マネージャーのお二人もおしゃれなオフを過ごしてらっしゃるんですか

 

川本:いや、全然です。オフというか、土日に午前中練習だと、マネージャー“は“仲がいいので…。

宮内:やめろよ。

川本:あ、マネージャーは学年関係なく仲が良くて、結構みんなでご飯に行ったりして…。え、行くよね?

奥平:行く行く!(笑)

:カラオケ行ったり。

川本:そう、カラオケ行ったり。ここ2人(川本と奥平)で遊ぶことが多いかな。

全員:おー。

:めっちゃディズニー行ってる。

川本:めっちゃ行ってる。マネージャーディズニーとかしてましたね。

宮内:選手ディズニーする?俺ら4人で。

:行かねーよ!

(一同爆笑)

:しかも俺ら4人って、なおさら行かないよ。

宮内:6じゃなくて4!

:絶対誰かドタキャンするじゃん。

 

「しっかり4年間辞めずに、下から上の立場を経験したことは、人生において大きかったかなと思います」(重増)

 

 

——代変わりや、リーグ戦を含めたこの1年はどうでしたか

 

宮内:低空飛行というか。特に良い見せ場もなく、部活にあまり貢献できず、表舞台では何もできなかったなというのはあって。年々、自分の役割が減ってきているというのはむしろ感じていて。

:悲しい(笑)。

宮内:元からボクシング経験者は強いんですよね。それであまり試合に出れなくて、もし出られたとしても僕の力不足で勝てなくて、貢献できなくて。その代わり、森とか林とかがレギュラーで頑張ってくれていたりとか、重増も後楽園でかなりいいファイトをしてくれていたので、自分だけいじいじしていても仕方がないし、普段の練習でも貢献できればと、普通ですけど声出しとか、気合いだけは負けないだったりとか。そういう低空飛行ながらも、墜落せず、不時着せず、というように頑張ってました。

:前半はすごい調子が良くて、結構勝てて、俺今調子いいなという感じでした。(笑)後半は、接戦で負けたり、事情で試合に出られなかったりして、不完全燃焼というか、もやもやしてる状況でした。今ももやもやしてます。

僕は、素直にかなり辛い一年でした。もともと選手としても、同じ階級に先輩で強い選手がいたりだとか、試合も少なかったりで、そんな時に主将をやらされて、キャラ的にも結構辛いところもあって。OBや監督からの期待もあったり、リーグ期間中は就活も重なっていて本当にきつかったです。ストレスで白髪がめっちゃ増えて、辛い一年でした。

宮内:よく頑張ったよ。

重増:僕は、代変わりして主務になって役職がついたので、濃い一年間でした。選手としても1年の時は、けがしたり、試合も全然出てなかったので。ただ、去年1年間は試合も出させてもらって、選手としても濃い一年間だったなと思っています。主務って選手以外の仕事が多かったりとか、僕も森ほどではないですが、監督からプレッシャーを感じることもありました。

奥平:なんだかんだあっという間の一年だったなと思っていて、私は副務という役職に就いていたんですけど、常にやることがあって、それをひとつひとつやっていたら、気づいたら一年経ってた!という感じです。常にやることだったり、それらの優先順位を考えながら過ごしてきて、あっという間でした。

川本:私は2年目で、1年目の一番最初の大きい試合がリーグ戦だったので、どういう選手が強いだとか、どういうポジションにいるとかがわからなかったのですが、一年を通じてボクシングに触れて、今年のリーグ戦はすごく楽しんで観られましたし、去年以上に心から応援というか、本当に頑張ってという思いで観られたので、充実した一年だったかなと思います。

 

 

——この1年で大変だったことを教えてください

 

宮内:僕はさっきも言ったんですけど、表舞台で活躍できなかったことです。部への貢献ってそういうところで出るじゃないですか。全部形にしなきゃいけないというわけではないですけど、ちゃんとした形で部活に貢献できなかったなという実感しか自分には残らなかったので、そう言った面では一番苦労したなと思います。

:僕は、リーグ戦の第4戦で鼻を折ってしまったことです。第5戦が一番出なければいけない試合で、自分が出れば完全に勝ち星を計算できる相手で、しかもミドル級で一番最後に(勝利を)決められる試合を、鼻を折って出れなくて、それが一番辛かったというか、これだけやってここまできて、その試合出れないのかよというのが辛かったです。しかも鼻を折ったので、ギプス着けたまま就活したりしてて、街ゆく人にもやばいやつという目で見られました(笑)。

:個人としてはストレスなのか、鼻にめちゃくちゃヘルペスできて、鼻の奥まで荒れちゃって、スパーリングで一発もらっただけで、鼻血止まらなくなった時は一選手としてやばいと思いました。普通に主将として、出る選手だったり、出られなかった選手だったり、負けた選手のメンタルのケアや、上からのプレッシャーとか、それをどこまで下に伝えるかだったり、そこのやりとりが大変というかストレスでした。

重増:辛かったのはリーグ戦期間中で、リーグ戦で試合があって、就活して、主務の仕事も結構あって、と三重苦で、そこが一番大変でした。

 

明治戦で全階級勝利した際の喜びをあらわにする奥平(右)と川本(左)

——マネージャーのお二人から見て、この1年で大変だったことは

 

奥平:私個人としては、副務の仕事とマネージャーの仕事とが、練習時間外にやらなくてはいけないことが多くて、それらをきちんと着実に行うこと、そして学年が上がるにつれて、求められたことだけをやるのではなくて、求められてこと以上のことを返したいと思うようになって、自分の仕事のクオリティを上げることを意識していたのが、少し疲れてしまったのかなと思います。

 

 

——そういったことをマネージャーさん間で共有したりしていましたか

 

川本:(奥平は)結構溜め込んじゃう感じで、そのことを後輩たちもわかってはいたと思うので、これはやりとりが難しい時もあったのかなと思います。

 

 

——引退が近づいていますがこの4年間はどうでしたか

 

宮内:監督に「自分の役割をよく考えろ」ということをよく言われていたんですね。よく考えて、選手は表舞台に立つようにしろ、応援するようにしろ、マネージャーは選手を管理するようにしろ、と言われていて。1年からどんどん責任も増していって、どういう組織であれ、自分の役割を考えて、わきまえて、動いていかないといけないというのはわかっていたんですけど、実際それができなかったというのは、4年間を振り返ってみてすごく思いました。今後はそれを直していきたいなと、すごく浅はかな言葉にはなりますが、特にこういったクローズな環境なので、なおさら噛み締めてやらなきゃいけないなと思う4年間だったと僕は思いました。

4年間やってボクジングという競技がすごく面白いなと思いました。あと、4年間いると、先輩だったり後輩だったり、高校生もいて、幅広い年代の人たちと一緒に練習したので、そういったところで恵まれてたなと思います。

:答え方があっているかわからないですが、監督が1年生の時から試合の時に「勝ちてえやつが勝つ」というのを毎回口癖のように言っていて、僕はそれを大1や大2の時は「そりゃ勝ちてえよ」と思いながら聞いたりしていたんですけど、4年生になって、主将になって、「勝ちてえやつが勝つ」の意味が変わってきて、自分の中で「勝ちたい」と思って、最後の1年間は本気で練習しました。最後は勝ちたいというか、勝ちたいと思わざるを得なかったですけど、がむしゃらに頑張れた1年でした。

重増:体育会なので、最初は下っ端というところからだんだん2、3年生になって、後輩やマネージャーのことを指揮するとなって、最終的に一番指揮する立場になって、1、2年の時に先輩に言われてて「うるせえな」と思っていたことも、3、4年になると「あ、そういうことだったのか」と気づくことがありました。しっかり4年間辞めずに、下から上の立場を経験したことは、人生において大きかったかなと思います。

奥平:私はすごくありきたりな答えになってしまうんですけど、自分が成長できた4年間でした。今まで知らなかった自分を知ることができたというか。ボクシング部のマネージャーと副務としての仕事を、なんで頑張れたかというのはみんなが頑張っていることにエネルギーをもらっていたからなんですけど、誰かのために頑張れる部分が自分の中にもあるんだということとか。試合を見ている時も、プライベートで大声出して、応援して、感動して涙することって今まで体験したことなかったので、試合などを観て熱くなれる自分がいるっていうのがわかったのが大きかったです。

川本:そうですね。自分の無力さがすごくわかった4年間だったなと思います。どちらかというと、中高は部長をやっていたので、上から組織を見るというのはしてきたんですけど、下から組織を支えることがこんなに難しいことなんだなと思って。これが最後までできたかはわからないですが、早慶戦まではそれを意識して、自分が下から支えるっていうのをできないから強化するという目的で入ったこともあるので、そこを伸ばせるように最後までやりたいと思います。

 

 

——ボクシング部での1番の思い出

 

奥平:(今年の)リーグ戦の初戦が明治戦で、私たちが今所属している2部リーグが全部で6校あって、私たちが去年3位で、明治が4位で、と一番能力的にも拮抗した相手だったんですけど、自分の同期もたくさん出ていたので、思い出深いのもあるのですが、7つの階級全部で勝って、OBの方にも「そんなこと今までにないよ!」と言っていただいて、“後楽園で達成したリーグ戦の全勝“に立ち会えたことは、マネージャー冥利に尽きるというかすごく嬉しかったです。

:最後(の階級)だったので、6勝で回ってきてめっちゃプレッシャーでした(笑)。

(一同笑い)

:俺の思い出は、1年生で入ったばかりの時のリーグ戦で大原さん(大原拓也=H28卒)という先輩がインハイで準優勝している選手相手に、その先輩は大学2年の夏休みに入ったのですごい経験の差があったのに、気合いで勝って、大学から始めた人でも高校からの強い選手に勝てるんだと、ちゃんと見せてくれた試合ですごく印象に残っています。

宮内:しかもその試合が後楽園でやったリーグ戦の早慶戦だったんですよね。そのなかで3−2で回ってきて、本当はみんな「負けるんじゃないかな」と思っていたんですよ。そこで1R終わって、ダウンもらった後も直にやり返して、負けると思われてたのに良いファイトをしてなおかつ勝って、早慶戦自体も勝ってという試合で。

:先輩たちは2戦連続で負けてて、そこからやった早慶戦で5−2で勝ったのを観て、先輩たちめちゃくちゃかっこいいなと思ったのが印象に残ってます。

「最後は勝ちたいというか、勝ちたいと思わざるを得なかったですけど、がむしゃらに頑張れた1年でした」(森)

 

——早慶戦に臨む際とリーグ戦に臨む際で心境の違いはありますか

 

宮内:もちろん早慶戦の方が思い入れ強いですよ。自分は負けて、チームが勝つというのを2回見てきたので、自分の場合はリーグ戦はもちろんですが早慶戦が思い入れ強いです。

:早慶戦はまだ出ていないので、最後は出て綺麗に終わりたいという気持ちはあります。リーグ戦と比べてっていうのは、同じくらいじゃないかな?どっちも大切な試合なので。でも早慶戦を慶應でやるっていうのは、貴重な機会なので、ここで出たい、勝ちたいという思いはあります。

:僕は、リーグ戦だと「森の代で落ちた」って一生言われるなと思っていました。明治戦終わるまで寝れなくて、ずっとお前の代が弱かったと言われるのは避けたいという気持ちはあったので、思い入れはリーグ戦の方があったのかなと。死ぬ気でやってました。僕も早慶戦は今まで出ていないので、最後一旦肩の荷が下りたので、自分の好きなようにプレーして勝ちたいと思います。

重増:あまりリーグ戦と比べてっていうのは無いのですが、僕も早慶戦はずっと観ている立場だったので、出て勝ちたいなと思います。

 

 

——チームとして最後に早慶戦に来てくださる方へメッセージ

 

:パンフレットにも書いたのですが、早慶戦は早稲田と慶應の意地のぶつかり合いと言いますか、プライドのぶつかり合いですから、最も単純に、拳で決着をつけたいと思うので、ぜひ3連覇を日吉に観に来ていただけたらなと思っております。

 

——4年生のみなさん、ありがとうございました!

 

(取材:津田侑奈、佐野ちあき)

(左上より)

宮内 龍ノ介(みやうち・りゅうのすけ)

前副将。法学部法律学科4年。神奈川・慶應義塾湘南藤沢高等部出身。

 

林 麟太郎(はやし・りんたろう)

経済学部4年。神奈川・慶應義塾高校出身。

 

川本 恵理奈(かわもと・えりな)

マネージャー。文学部4年。筑波大学附属高校出身。

 

奥平 けいと(おくだいら・けいと)

前副務・マネージャー。文学部4年。東京・都立西高校出身。

 

森 瑞季(もり・みずき)

前主将。経済学部4年。福島・福島成蹊高校出身。

 

重増 耕太郎(しげまし・こうたろう)

前主務。法学部法律学科4年。千葉・県立千葉高校出身。

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