【野球】明大に2連敗、自力優勝消滅 明大②

野球戦評

5月19日(日)東京六大学春季リーグ戦 明大2回戦 @明治神宮球場

満塁本塁打を浴びた佐藤。4失点は大きかった。

昨日の明大1回戦で明大エース・森下に翻弄され、悔しい敗戦を喫した慶大。優勝に向けて負けが許されない試合だったが、2回に竹田に満塁弾を打たれ、一振りで4点を失う。なんとか逆転したい慶大は、毎回走者を出すも、あと一歩のところでヒットが出ず、敗戦。2016年秋以来の同一カード2連敗となった。

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慶大0001010002
明大04000000X4

慶大バッテリー:●佐藤、津留﨑、増居、木澤、髙橋亮ー郡司

明大バッテリー:○竹田、伊勢ー西野

明大本塁打:竹田1号満塁(2回)

 ポジション選手名(学部学年・出身高校)
1[5]柳町達(商4・慶應)
2[8]渡部遼人(環2・桐光学園)
1髙橋亮吾(総4・慶應湘南藤沢)
3[9]中村健人(環4・中京大中京)
4[2]郡司裕也(環4・仙台育英)
5[ 7 ]正木智也(政2・慶應)
R 7山崎隼人(商4・慶應)
6[3]嶋田翔(環3・樹徳)
H 3福井章吾(環2・大阪桐蔭)
7[4]田中凌馬(商4・長崎東)
4小原和樹(環4・盛岡三)
8[6]瀬戸西純(政3・慶應)
9[1]佐藤宏樹(環3・大館鳳鳴)
1津留﨑大成(商4・慶應)
H二宮隆太朗(商4・慶應湘南藤沢)
増居翔太(総1・彦根東)
1木澤尚文(商3・慶應)
H 8橋本典之(環2・出雲)

先攻の慶大。初回の攻撃、リーグ戦通算100安打に王手をかけている1番・柳町達(商4・慶應)が先頭バッターとして登場。100安打を早く決めたいところだったが、明大の先発・竹田を前にバットが空を切り、空振り三振に倒れる。後続の打者も凡退し、慶大は先制点をあげることができなかった。

 

天王山第2戦の先発は、今季初先発を務める佐藤宏樹(環3・大館鳳鳴)。制球が定まらない中、なんとか初回を三者凡退に抑えるが、2回に明大打線につかまる。5番・喜多にレフトの頭上を越える二塁打を許すと、内野安打、四球が絡み、2死満塁のピンチを招く。このピンチを切り抜けたいところだったが、野手顔負けのスイングを見せる9番・竹田にレフトスタンドに突き刺さる満塁弾を打たれ、一振りで一気に4点を失う。序盤から4点を追いかける展開となった。

渡部遼は4回先頭打者として三塁打を放ち、逆転の雰囲気を演出した

追いつきたい慶大は、4回に先頭の2番・渡部遼人(環2・桐光学園)がセンター頭上を越える三塁打で出塁すると、続く3番・中村健人(環4・中京大中京)が中前適時打で1点を返す。その後、4番・郡司裕也(環4・仙台育英)が中飛で倒れるも、5番・正木智也(政2・慶應)の左前安打で1死一、二塁のチャンスを作る。一気に1点差に詰め寄りたいところだったが、6番・嶋田翔(環3・樹徳)と、7番・田中凌馬(商4・長崎東)が凡退。結局、この回の攻撃は1点のみに終わった。

適時打を放った中村

早く本来の調子を取り戻したい先発の佐藤は、3回に強力明大打線の上位打線を抑えるも、ボールが先行するなど、苦しい投球が続く。4回、先頭の5番・喜多に四球や三塁手・柳町のエラーなどで、2死一、二塁のピンチを作り、降板。昨春の明大3回戦以来の先発としての起用だったが、チームの期待に応えられず、悔しい登板となった。ここから慶大は、継投策に入り、佐藤の代わりにマウンドに上がったのが津留﨑大成(商4・慶應)。前の打席で本塁打を放っている9番・竹田を空振り三振に仕留め、この回を無失点に抑えた。

適時打を放った福井。今季は代打の起用に良く応えている。

その後、増居翔太(総1・彦根東)など、リリーフ陣の踏ん張りがあり、流れは徐々に慶大に。すると6回、4番・郡司が二塁打で出塁。5番・正木は、三振に倒れるも、嶋田の代打・福井章吾(環2・大阪桐蔭)の適時二塁打で1点を取り、2点差に詰め寄る。その直後、守備交代で試合に入った6番・小原和樹(環4・盛岡三)が中前安打を打つ。その間、走者の福井は、二塁から激走を見せるも、明大の中堅手・丸山の好返球もあり、本塁でタッチアウト。1点差とはならなかった。それ以降も、攻撃陣は、走者を出すも、あと一歩のところで安打が出ない状況が続く。最終回は先頭の小原が出塁するも、後続が凡退し、ゲームセット。

 

「ここ何試合、先発が前半に失点してしまうケースが多い」(大久保監督)。この日も先発が先制点を許し、序盤から苦しい展開となった。もし、前半の失点がなかったら、試合展開は大きく変わっていたかもしれない。今日の試合で自力優勝が消滅してしまった慶大。だが、「すぐに切り替えて、優勝できるチャンスはまだあると思う」と福井が話すように、自力優勝が消滅しただけで他大の結果次第で優勝するチャンスはまだ残っている。そのためにも伝統と誇りがぶつかり合う早慶戦勝利に向けての準備をしてほしい。

(記事:萬代理人、写真:染谷優真、小林歩)

◆打撃成績

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1[5] 柳町空三振遊ゴロ左飛死球
2[8]渡部遼左飛右中3一邪飛併殺打
1髙橋亮
3[9]中村右飛中安①捕邪飛空三振
4[2]郡司右飛中飛左2遊ゴロ
5[7]正木四球左安空三振左安
R7山崎
6[3]嶋田空三振一邪飛
H3福井右安①左飛
7[4]田中凌中飛一ゴロ
4小原中安左安
8[6]瀬戸西逃三振遊飛左安逃三振
9[1]佐藤一ゴロ
1津留﨑
H二宮遊安
1増居
1木澤左飛
H8橋本典併殺打

◆投手成績 

 投球回数打者数球数安打三振四死球失点自責
佐藤3 2/3176636244
津留﨑1/31301000
増居13800100
木澤131202000
髙橋亮262102100

◆監督・選手コメント

大久保秀昭監督

――今日の試合を振り返って

悔しいです。連敗は避けたかったです。ここ何試合、先発が前半に失点してしまうケースが多いです。やはりそれだと、ひっくり返すのは大変。本当に力があればひっくり返せると思います。追い詰めるけど、あと一本がでないというのがこの2試合です。選手はよくやってくれていますけど、全て監督が悪いです。

 

――今日の先発に佐藤投手を起用しましたが、どういう意図がありましたか

いろんなことを含めて判断しました。先発投手を決めたのは監督ですし、もっといい佐藤をイメージしていましたが、そう甘く行かなかったです。投手は難しいと感じた試合でした。

 

――4回以降に登板したリリーフ投手の踏ん張りが目立ちました

強みではありますけど、負け試合と勝ち試合では違います。それを含めてこの2試合はうまくいかなかったと思います。

 

――明大2連戦の総括

今年は4年生投手にやられたという印象ですね。本当は接戦になって勝つという想定の中でやってきました。野手は諦めずに必死にやっていますし、本当に練習から4年生中心でいいチームになっていますし、グラウンドにも活気があります。だからこそ、勝たせてあげたかったですし、いい思い出をさせたいです。目標は早慶戦に勝つことしかなくなりました。明大が2連敗するという甘い期待を持たないでほしいです。無念です。

 

郡司裕也主将(環4・仙台育英)

――今日の試合を振り返って

今日の敗戦でもう自力優勝は無くなったので、悔しいの一言です。

 

――いい当たりが続いていましたが、バッティングの調子はいかがですか

自分の調子は上がっていますけど、やっぱり勝たないと意味が無いので、勝てるようにもっと調子を上げていきたいです。

 

――今日は5人の違うタイプの投手が登板しましたが、どのような意識でリードされましたか

相手に4点取られた後は、絶対に1点も取らせないという意識で、それぞれの良さを引き出そうとしました。

 

――最後に早慶戦に向けて意気込みをお願いします

優勝がかかっているかはわかりませんが、かかっていようがかかってなかろうが、早大には負けられないので、去年の悔しさを思い出して絶対に勝ちたいです。

 

瀬戸西純(政3・慶應)

――今日の試合を振り返って

ホームラン打たれたのは仕方ないのかもしれないですけど、その前に下位打線でチャンス作られて、アウト取らないといけない打者に四球出してしまって、その余計な出塁を許したのがそういうことにつながって。その西野さんのところが痛かったと思います。あとは竹田に打たれたのがホームランではなくフェンス直撃とかだったらまだ3点差とか2点差だったので違ったと思います。良い試合したのかもしれないですけど勝たないと意味ないし、良い試合止まりの土日だったかなと思います。僕とかが流れを止めていると思うので何かチームに勢いを与えるきっかけができたらよかったなと反省しています。

 

――4点先制された後のベンチの雰囲気は

もともと3失点以内3得点以上みたいな感じでやっているので、それを一発ホームランで超えられてはしまいましたけど、追う展開は自分たちの流れだ、って声もベンチでかかってましたし、1点ずつコツコツ返せば絶対終盤チャンス来るって自分たちが経験として分かっているので。特別な焦りなどはなかったと思います。

 

――相手を上回る安打を放ちながら得点に結びつかなかった要因は

小原さんのセンター前ヒットのところで出た相手の丸山の好返球のような良いプレーも出たし、要所要所で相手の投手に粘られた、こっちがやりたいような野球を明治にやられた結果、追いつけそうで追いつけないっていう展開になったのかなと思います。

 

――7回の安打、相手は伊勢投手でした。狙い球は

全然ヒット出ていなかったのでベースギリギリ寄って立って、インコースは8割方捨ててるくらいの気持ちでアウトコースに来るツーシームとまっすぐに絞ってセンター返しレフト前を意識した結果が良い結果に繋がりました。

 

――その後すぐに盗塁も決められました

行けたら行っていいよというサインが出てて、流れとしてもバント失敗した後で柳町さんの打席だったので、一塁と二塁じゃ相手のプレッシャーも違うと思ったし、雰囲気的に伊勢投手が打者に集中しているように見えたのでこれはいけるなと思って思い切ってスタート切ったら良い形でセーフになりました。

 

――最終回の打席は10球粘ってらしさも見えたように思いましたが

なんとかして繋ごうという意識で打席に立って、最後の球が予想と反して置きにきたまっすぐでストライク取られましたけど、集中力としては1打席1球に集中できましたけど、その集中力を出すのが遅かったというか、初戦からその集中力で打席に立てていれば起爆剤になれたと思うので、後手後手に回ってしまった準備不足だと思います。あの打席だけでは良かったですけど、反省です。

 

――連敗で勝ち点を落とす結果になってしまいました

自力優勝はなくなってしまって他力本願ですけど、もともとチームの目標である早稲田に連勝は変わっていないし、ロッカーで部長が「下向いててもいいことない、早慶戦にはたくさんの方が来てくれるんだからそこで情けないプレーしたら申し訳ないだろ」っておっしゃっていたので。まあ立ち直るには時間かかるかもしれないですけど、早慶戦に向けてあと2週間しっかり準備していこうという気持ちは作れたと思います。

 

ーー早慶戦までに個人として改善点は

今日の終盤の打席ぐらいの集中力で最初から打席に立てれば勝ちに貢献というかチームの役に立てると思うのでその集中力を発揮するイメージを常に持ってこの2週間練習していきたいと思います。

 

渡部遼人(環2・桐光学園)

ーー今日の試合を振り返って

相手が満塁ホームランを打って、そこからいろいろチャンスを作ったりしたと思うんですけど、目立たないところで点を取られるという雰囲気を作っていなかったなというのを考えさせられて、そういう面で反省はたくさん感じました。

 

ーー4点先制されている中でのベンチの雰囲気は

4点取られてからも、雰囲気は変わることはありませんでした。誰一人諦めてはいなかったんですけど、チャンスが来たものを、なかなか生かせていけなかったのが、2点しか取れなかった原因だと思います。

 

ーー4回表に三塁打を打ちましたが

そこの場面は、とにかく塁に出ようという考えだったので、そこが三塁打に繋がって良かったんですけど、最後に一、二塁で凡退してしまったり、チャンスを作ることや後ろに繋げることが、全然出来ていなかったので、まだまだ反省していきたいと思います。

 

ーー次の早慶戦への意気込みをお願いします

さっき部長からも言われたんですけど、下を向いていて、いいことはないので、次の早慶戦に向けて最高の準備を出来るようにこれからしていくのと、早慶戦を観に来てくれる人のためにも、不甲斐ないプレーとかもなく、早稲田に二連勝出来るようにしていきたいです。

 

福井章吾(環2・大阪桐蔭)

――今日の試合を振り返って

勝てなかったというのが一番悔しくて、自分が打ったとか打ってなかったとか関係なく、悔しかったです。

 

――6回表2死二塁の場面で代打での出番が回ってきました

いつもチャンスで監督が打席を下さるので、とりあえず何とか1本出してなんとか1点とろうという気持ちで打席に入りました。やっぱり、あの場面で1点取れたらチームの流れとしてだいぶ良いので、死ぬ気で1本出そうと思って打席に立ちました。

 

――打った時の感触は

変化球を狙っていて、甘い変化球が来てくれたので、しっかり振り切れた分ライトフライにならずに落ちてくれました。感触的には良くなかったんですけど、落ちてくれて良かったです。

 

――ライト前へのあたりでしたが、迷いなく二塁まで行きました

足は早くないんですけど、相手の捕球姿勢があんまり良くなかったので、これは二塁狙って、もう一回得点圏で勝負だと思ったので、迷わず二塁を狙いました。

 

――明大に連敗で勝ち点を落としてしまいました、チームの雰囲気は

良いと言ったら嘘になるんですけど、優勝を目指してやってきたし、早慶戦で勝つこともチームの最大のテーマなので、すぐに切り替えて、優勝できるチャンスはまだあると思うので、それを信じながら早慶戦で必ず勝ち点が取れるように頑張ろうと思います。

 

――1週空けて早慶戦となります

必ず自分の役割を全うすること、チャンスで打席が回ってきたらしっかり打点を稼ぐこと、チームが勝つために、自分の最善を尽くせるように気持ちをもう1回切り替えて「絶対に勝つんだ」という思いでやっていきたいと思います。

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