【テニス(男子)】白熱の早慶戦、勝利とはならず/第188回早慶対抗庭球試合

庭球男子

関東学生テニストーナメント大会(春関)が終わってから約1週間。慶大と早大のプライドと伝統がぶつかり合う早慶対抗庭球試合が早大東伏見で行われた。シングルスは6試合中3試合が4時間を超えるなど、今年も熱戦が繰り広げられた。初日は、ダブルスを1-2で折り返し、二日目のシングルスで勝ち越したいところだったが、2勝4敗に終わり、去年の王座の雪辱を晴らすことはできなかった。

 

慶大

スコア

早大

D1 ○福田・今村

3{6-3,7-5,7-6(3)}0

木元・田中

D2 ●小清水・羽澤

0{3-6,3-6,3-6}3

島袋・髙村

D3 ●佐々木・成

1{5-7,6-3,2-6,3-6}3

古賀・安上

S1 ○羽澤

3{4-6,4-6,7-6(7),6-2,9-7}2

島袋

S2 ○今村

3{5-7,6-4,6-0,6-0}1

白石

S3 ●成

2{6-3,3-6,3-6,6-4,6-8}3

田中

S4 ●佐々木

0{3-6,3-6,2-6}3

小林

S5 ●甲斐

1{6-4,5-7,3-6,5-7}3

髙村

S6 ●福田

0{1-6,4-6,1-6}3

藤井

合計3

6

 

第188回早慶対抗庭球試合

 

2019年5月11日・12日@早稲田大学東伏見テニスコート

 

ダブルス(5月11日)

慶大1-2早大

 

 第1コートでD1福田真大(商4・慶應湘南藤沢)・今村昌倫(環4・清風)組が登場。第1セットは中盤まで競った展開となるが、第7ゲームをキープすると、流れは福田・今村組に。それ以降のゲームを連取し、このセットを6-3で獲得する。続く第2セットも接戦となり、7-5でこのセットを取る。このままストレート勝ちを決めたいところだったが、早大のD1木元・田中組は、意地を見せ、ラリーがヒートアップ。タイブレークに突入する。それでも、序盤から福田・今村組は持ち味の思いっきりの良いプレーで主導権を握り、タイブレークを7-3で制覇した。慶大の1勝目を決めた。

 

 D2は、小清水拓生(総3・清風)・羽澤慎治(環2・西宮甲英)組。第2コートで島袋・髙村組と対戦。試合開始からダブル前衛のフォーメーションでネットプレーを確実に決めるなど、攻撃的なテニスを展開。しかし、相手ペアにストレートを決められるなど、積極的なプレーが裏目に出てしまい、試合の主導権を掴めなかった。悔しいストレート負けを喫した。

 

 D3の佐々木健吾(環2・高松北)・成耀韓(総2・埼玉栄)組は、春関で敗れた古賀・安上組と対戦。試合開始から一進一退の攻防が続くが、第11ゲームでキープに失敗すると、直後のゲームも取られ、第1セットを落とす。しかし、直後のセットで佐々木がネットプレーを決め成がショットを打つという攻撃パターンがはまり出し、セットカウントをタイにする。このまま勢いに乗ってセットを連取したいところだったが、相手のパワープレーに押され、第3セットを2-6で取られると、相手のペースに飲み込まれ、第4セットも落とした。佐々木・成組は今回の早慶戦で春関のリベンジを果たせなかった。

 

シングルス(5月12日)

慶大2-4早大

 

 ダブルスを1勝2敗で終えた慶大。シングルスの先陣を切ったのがS6福田。序盤からスライスを織り交ぜるなど、緩急をつけたラリーで攻めるも、早大のS6藤井の安定したストロークに苦戦し、第1セットを取られる。続く第2セットも藤井のストロークに押されるが、中盤から意地を見せ、4-5と1ゲーム差まで詰める。このまま福田ペースで進むと思われたが、第10ゲームでブレイクに失敗し、4-6で第2セットを取られる。第3セットで挽回したいところだったが、1-6でこのセットを取られ、悔しいストレート負けを喫した。

 

 S5甲斐直登(環4・日出)の試合は、4時間を超える激闘となった。試合開始から粘り強いラリーでポイントを重ねていき、サービスゲームを確実にキープする。第9ゲームでブレイクに成功すると、このセットを6-4で獲得。続く第2セットでも粘り強いラリーを発揮するも、第11ゲームでブレイクを許し、5-7で競り落とす。第3セットで立ち直りたい甲斐だったが、早大の主将のS5髙村の強力なストロークに押され、セットスコアが1-2となる。勝負の第4セット。両者のプライドが激しくぶつかり合い、激しい打ち合いが展開されるが、第11ゲームで痛恨のブレイクを許す。直後のゲームも取れず、無念の敗戦となった。

 

 佐々木は、シングルスで慶大のS4を務めた。相手は、実力者のS4小林。試合開始から積極的なプレーを披露するも、小林の上級生らしい安定した戦いぶりに苦しんだ。1セットも取れず、無念の敗戦となった。

 

 S3成は、強敵田中と対戦。「すごくいいプレーができた」と試合開始から強力なストロークで試合を優位に進め、6-3で第1セットを獲得。しかし、それ以降は、田中のペースに飲み込まれ、第2セットと第3セットを連取される。このまま田中のペースと思われたが、気迫の溢れるプレーで第4セットを取り、勝負は最終セットへ。「今まで通りに気楽にプレーすることを意識した」という成。全ての力を振り絞り、激しい打ち合いになんとか食らいつく。一進一退の攻防が続き、6-6のスコアで12ゲームを終える。ここから2ゲームを連取し、勝負に決着をつけたいところだったが、力が尽きてしまい、田中に2ゲームを連取され、ゲームセット。大激闘を演じるも、白星を飾ることはできなかった。

 

 

 団体戦連勝記録が継続中のS2今村。相手は、高校3冠を達成したルーキーの白石。今村の勝利が予想されていたが、チャレンジャー精神が溢れる白石のプレーや、ミスにより、第1セットを5-7で競り落としてしまう。続く第2セットは、今村がベースライン付近から放たれた重いショットで攻め、6-4で取ると、第3セット以降は流れが完全に今村に。白石に反撃の余地を与えず、上級生の貫禄を見せつけた。3-1というスコアで勝利を収めた。

 羽澤は今年も慶大のエースとしてS1で登場。相手は、去年の早慶戦でフルセットまでもつれる大激闘を繰り広げた島袋。先手を取ったのは島袋だった。キープキープが続く中、第7ゲームをブレイクし、ワンブレイクアップで第1セットを取ると、強力なサーブや、正確なパワフルなショットで試合を優位に進め、第2セットを連取。このまま島袋ペースで進むと思われたが、羽澤が第3セットで巻き返す。厳しいコースに放たれた重いショットやネットプレーで、ポイントを確実に重ね、タイブレークまでもつれた第3セットを7-6で取ると、そのままの勢いで第4セットも獲得。スコアをイーブンにする。勝負の最終セット、両校のエースのプライドが激しくぶつかり合い、激しいラリー戦が展開される。体力が激しく消耗している中、羽澤は最後まで集中力を切らさず、威力のあるショットとサーブで果敢に攻め続けると、最後は、島袋がローボレーをネットに引っ掛け、ゲームセット。羽澤は今年も5時間を超える死闘を制した。

 

 3-6という結果で早大に敗れた慶大。目標の日本一を達成するためには、早大の壁を乗り越えなければいけない。去年早大相手に負け越したシングルスは、2勝4敗という結果に終わったものの、敗れたS3とS5は大接戦になるなど、早大との実力差は大きいとは言えないだろう。王座優勝に向けて、今後の選手たちのレベルアップに期待したい。

 

(記事:萬代理人 写真:國本葉月、高井真衣、重川航太郎、萬代理人)

 

記事の掲載が遅くなり申し訳ございません。

 

◆選手コメント

 

成耀韓(総2・埼玉栄)

 

――今日の試合を振り返って

正直、名前だけでびびっている自分が早慶戦前からありました。上位で出るならば、当然早大の強い選手と当たるのはわかっていました。名前ですごくびびってすぐに負けるかなというネガティブな気持ちもありました。しかし、なんとか早慶戦に勝ちたいという気持ちもありましたし、田中優之介に対して自分を出すことができました。すごくいいプレーができて競った試合になったと思います。やはり敗因は意識する時間が遅かったり、まだ日ごろの練習や体の面でも田中優之介に負けたということなのですごく悔しいです。

 

――S3での出場が決まったときの心境は

上位で出て、それこそ田中優之介、千頭昇平あたりを倒すと決めていたので、慶大のS3として出場できる嬉しさと誇りを感じました。

 

――4時間を超える試合となりました

体的にきついところがありました。試合中盤でセットを取り切れなかったです。本当に悔しいですが、この負けをネガティブに捉えず、リーグ戦や王座につながる第一歩に進めたと思います。

 

――最終セットで意識したことは

このセットしか残っていないし、このセットで勝負が決まるというのを十分に理解していました。今まで通りに気楽にプレーすることを意識しました。

 

――ダブルスを振り返って

初めて僕らは早慶戦に出場しました。緊張した中で戦えることが見えて、あとあとの試合に対してわくわくするような試合でした。

 

――今後の意気込み

もし僕がもう一度S3で出場して同じ相手と対戦するなら今日のスコアだったら第3セットで負けています。まだまだ磨かないといけない部分が多いです。例えば、この身長からのサーブや前でボレーをしっかり決めきることなど、技術的にまだ上げられる部分があると思うので、残り短い時間に上げて、ロースコアで勝てるようになりたいです。

 

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