「KEIO 2020 project」を知っているだろうか?塾生なら耳にしたことがある人も多いかもしれないが、詳しいことはわからないという人もいるはずだ。今回は、実態を探るべく、KEIO 2020 projectのメンバー、代表の大類なをみさん(経3)、広報の田村理咲子さん(法2)、渉外部の山本光一朗(政2)さんの3名に取材を行った。
来年夏のビッグイベントである東京オリンピック・パラリンピックに多くの人が関心を寄せている。さらに、英国選手団が事前キャンプを日吉キャンパスで行うこともあり、塾生にとっても他人事ではないイベントでもある。そのような中、KEIO 2020 projectは来日する英国選手団をサポートする団体だ。
2016年に発足したこのプロジェクトの活動内容は月に2回の運営委員会ミーティングを中心に、英国選手団を受け入れる川崎市と横浜市との連携、そしてそれぞれのスポーツの専門とするユニットを作って知識を深めるなど、受け入れ態勢を整えている。そのほかにも様々な講習会を受講したり、地域との関わりを深めるためにイベントに参加したりするなど、活動は多岐にわたっている。さらに、昨年の夏にはプロジェクトのメンバーが実際に渡英し、イギリスのオリンピック・パラリンピック委員会との交流を深めた。どのようにサポートするのかについてはまだ準備段階で模索中だ。前例のないプロジェクトであるがゆえに、「選手団が何を求めているのか、どこまでサポートしていいのかのギリギリになるまでわからないので、臨機応変に対応する必要がある」とメンバーの田村さんは話す。だから、どのようなことがあっても対応できるよう、万全の準備を進めている。
パラリンピック選手団が訪れるということもあり、「バリアフリーの観点からも対策しないといけない」と代表の大類さんは感じている。実際に日吉キャンパスはバリアフリー化が進んでいないところも多く、車椅子の人が通れないような場所もある。そこでプロジェクトではキャンパス内でどこがバリアフリー化されているのかそうでないのかを調べたマップを製作中で、実際にキャンパスの施設や通路をメンバーの目で調べている。他にも車椅子講習会に参加するなど、いざという時に力になれるように努めている。
このプロジェクトは学生主体で行われている。もちろん先生などからのサポートはあるが、イベントの企画などは基本的に学生が行なっている。そんな学生メンバーは「オリンピック・パラリンピックに関わりたいという共通のモチベーションを持っていながらも、色々な人が集まっている」と山本さんは言う。サークルに所属している人や、なかには體育會に所属しながら参加している人もいる。参加しようとした動機も様々だ。大類さんは国際交流の場として、田村さんはオリンピック・パラリンピックに関われる経験として、そして山本さんはスポーツをプレーする、観戦するのとは違ったアプローチとしてこのプロジェクトに参加した。多くの学生がやりがいを感じ、積極的に行動をしている。
これからの1年は大学内を盛り上げつつ、地域との連携強化などの準備を進めていく。今回3人が口を揃えて言っていたことは「盛り上げる」ということだ。そして大類さんはその盛り上がりがその後に「レガシー」になってほしいと願う。塾生にはぜひこのプロジェクトについて認知してもらいたいし、このプロジェクトを機にマイナースポーツやパラリンピックスポーツについて関心を持ってみてほしい。
(記事:室留裕介・小嶋華)