5月に行われた関東トーナメントではベスト16で姿を消した慶大。その時の悔しさを胸に、新人戦の初戦に臨んだ。蛯名(法2)、中島(総2)、本橋(環2)、矢嶋(総2)といった2年生が主力である慶大にとってこの大会は早慶戦や秋のリーグ戦に向けても非常に大切な大会。田中(環2)や平石(環2)、大木(経2)といった2年生も慶大にとってこれからを担うべき選手たちだ。そして伊藤(環1)や権田(政1)、吉川(環1)といった1年生も経験を積む良い機会。例年以上に選手層の厚い慶大はまず初戦に國學院大学を相手に迎えた。
第51回関東大学バスケットボール新人戦
2011/06/07(火)@代々木第二体育館
慶大‐國學院大
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
慶大 | 21 | 30 | 26 | 32 | 109 |
國大 | 25 | 5 | 18 | 20 | 68 |
慶大のスタメンは蛯名、中島、本橋、伊藤、権田。
1Q 慶大ボールから始まる。序盤、慶大はミスを連発。開始1分で権田に代わり矢嶋が投入され、矢嶋のミドルで慶大が先制。慶大は本橋のインサイドでの好ディフェンスや、中島の1対1、伊藤の速攻などで流れをつかみたかったが、国大の堅いディフェンスに阻まれる。また國大の3Pを止めることができず 、結局21-25と4点ビハインドで1Q を終えた。2Q 慶大は猛攻を仕掛ける。立ち上がりこそ悪かったものの、矢嶋の速攻により流れが徐々に慶大に。また中島、本橋がインサイドを支配し、リバウンドを量産。その結果、慶大のシュート精度が上がり始める。流れは完全に慶大ペースに。流れを絶ち切ろうと國大はタイムアウトをとるが、依然として慶大ペースは変わらない。蛯名、伊藤のディフェンスも厳しくあたるようになり、國大のオフェンスは停滞。その後伊藤の連続得点などで國大をつき離し、51-30と大差で前半を折り返した。
3Qも変わらず慶大ペースに。序盤から蛯名のカットインや権田のミドルで國大をつき離しにかかる。開始3分にインサイドの要である本橋が4つ目のファールを犯してしまうが、田中のパスカットからの速攻や中島や矢嶋のバスケットカウントで点を重ねていき、77‐48で3Qを終えた。しかし総じて不要なファールの目立つピリオドとなった。
4Q も慶大は攻撃の手を休めず、「速攻で走るのは僕の役割だと思っていた。」と矢嶋の速攻が冴え渡り連続得点。中島、本橋のポストプレーで國大をつき離し、最後は蛯名が1対1から得点し、109‐68で慶大が快勝した。
今日の試合、出だしこそつまずいたものの最後は100点ゲームで慶大が見事快勝。「これぐらいやってくれないと困る」(佐々木HC)とこれからを見据え、今日の結果に甘んずることはない。その中で課題であった選手たちのリバウンドや得点能力の面では改善が見られた。インサイドでは中島と本橋がしっかりと仕事をこなし、矢嶋はこの試合41得点をあげ、スコアラーとしての役割を果たした。また伊藤、蛯名、田中を中心に前線から厳しいディフェンスを見せた。その結果慶應の特色であるトランジションバスケがうまく機能。「中盤からは速攻だったり良いプレーもたくさん出た」(蛯名)と攻守共に慶大の歯車がかみ合った試合となった。そして明日はベスト8をかけた筑波戦。昨年の新人戦では慶應はベスト16で姿を消しただけに、次の筑波戦にぜひとも勝利して最終日まで残りたいところだ。
By Ryouta Mizushima
コメント
佐々木HC
ある意味これがスターターだからね。これぐらいやってくれないと困ります。(選手の出来は)今日良かったのは中島。落ち着いてたね。それと頑張ったのは権田。苦しい時にリバウンドを取ってくれたので。(伊藤選手については)あの子は高校の時にあんまりポイントガードをやってないから、今はポイントガードとしての役割を教えてる所です。今日は入り方が悪かったです。もう少ししっかりゲームを作れないとだめですね。そのためには自分で中央突破出来ないと。変な所で他の人にパスをしても仕方ないので、ちょっと右左にドリブルして、アシストパスを出せるようにならないと。でもうちにとっては大事な素材です。(ターンオーバーが多かったが)それは中心になってる蛯名がちょっとパニックになってしまってますね。自分の描いてるイメージと周りの動きがシンクロしてない。二ノ宮あたりはそれがしっかりと合うのでノールックパスみたいなことも出来る。でも蛯名はチームをまとめないといけないし、自分も頑張らないといけない。今までだとディフェンスだけ頑張れば良かったのが、今はその3つをやってるのでパニックになってる。だからもう少し伊藤とシェアしてさ、伊藤にゲームを作らせて自分はディフェンスを頑張るとかいう風にしないといけないね。チームリーダーとしての意識が強すぎるかな。もちろんいいことなんだけどね。でもちょっと空回りしてますね。(それは蛯名個人の問題なのか)蛯名の素質はポイントガードではないんです。でもポイントガード的なことをしようとするからノーマークなのに決めきれない。それで次のチャンスが来ると自分のタイミングが合わなくなっちゃう。ちょっと大事にしすぎですね。(新人戦までの練習は)ノーミス練習なので全然進まなかったね。ミスをしたらやり直すし、しかも全員でやってるので。だから10個あるメニューのうち2個ぐらいしか消化できてないです。(次戦に向けて)特にアイデアはないです。トランジションゲームをやるしかないので。伊藤がちゃんとしたプレーをするでしょうから、中の2人が頑張ってくれればまあまあやるんじゃないかなと思います。負けたくないです。
蛯名
見ての通り序盤は固かったんですけど、まずはディフェンスとリバウンドを頑張ろうと意識して、中盤からは速攻だったりいいプレーもたくさん出たので個人的には満足しています。(ルーズボールへの強い意識が見られたが)まあ、僕のプレースタイルでもあるので、いつも通りやることをやったという感じです。(キャプテンとして意識すること)特別に意識することはないですね。キャプテンだからといって固くなることもないし、いつも通りやることに集中しています。(ご自身からみたチームの特徴)楽しいチームですね。やってほしいことをしてくれているし、意見も活発に出るのでいいチームだと思います。1年生も頑張っているので僕らも頑張らないといけないです。(トーナメントから新人戦までの練習の内容は)ひたすらチームで走りこみばかりのきつい練習でしたね。新人戦に向けてのチーム練習も3日前に始めたくらいでした。(新人戦での目標)個人的には青山学院と試合したいですね。チームでは優勝を目指すというよりは一戦一戦を大切に戦っていきたいです。(筑波戦に向けて)筑波戦はすごく面白くなると思います。筑波の池田とうちの矢嶋が同じ中学だし、笹山と伊藤は洛南で同期だったりで、皆知ってる奴ばかりなので楽しい試合になると思います。今日みたいな速い展開に持ち込めれば十分チャンスがあると思うし、負けたくないのでとにかく走って勝ちたいですね。
中島
立ち上がりは堅さもあって、1Qとかは競ってしまったんですけど、2Qからは前からディフェンスを頑張って自分達のいい流れに持っていけて、そのまま勝ち切れたので良かったと思います。(トランジションの出来は)良かったと思います。それはディフェンスを頑張れたということだと思います。(自身の出来は)スリーも全然入らなかったので満足のいくものではなかったんですけど、とりあえずチームとして勝てたので良かったと思います。それと引っ張らないといけない立場なので、自分が慌てないように意識はしてました。(チームをまとめる意識は強い)そうですね。やっぱり最高学年として引っ張っていかないといけないので。それに僕らが4年になった時にチームを引っ張っていく模擬練習としても、今のうちからそういうことをやっていくべきだと思っているので、このまま続けていきたいと思います。
矢嶋
先生も今年は優勝を狙うとおっしゃっていて、そのために初戦はしっかり勝っていこうという話をしていたので、こういう試合が出来て良かったと思います。(序盤はつまずきましたが)1Qはみんな集中していたのかなと感じていて、僕は途中からだったのでみんなで声出して盛り上げていって、それで2Qは流れが変わってしっかりと速攻が出来たと思います。(速攻で走っていたが)速攻で走るのは僕の役割だと思っていたので、結果速攻に繋がってよかったです。(今日は41得点だったがスコアラーとしての意識は)先生からも得点を取りにいく役割で期待されていると思っていて、このチームでは僕が得点を取らなければならないと意気込んでいたので、その結果がこの試合に結びついたと思います。(トーナメント負けてからの練習等はこの1カ月どうだったか)もうきつかったですね(笑)。4対4で走ってディフェンスをやるっていう基礎的な部分をずっとやらされていたんですけど、今日のような走る展開、ディフェンスを頑張れたことに繋がったので良かったです。とりあえずきつかったですね。
伊藤
新人戦ということで下級生だけで初めての試合だったんですけど、今まで試合に出させて頂いた経験をイマイチ生かせなかったのが反省です。(ポイントガードとしての役割は)僕自身高校時代筑波大学に行った笹山選手と共に ガードをやっていて、ポイントガードというかツーガードという形でやらせて頂いたんですけど、大学では先生に言われているガードとしての仕事がしっかりできていないことが今日も反省の一つです。(トランジションへの意識は)ディフェンスをしっかり頑張って早く攻めるのが慶應のバスケットだと思っているのでそれを意識してやっていましたね。
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