【バスケ】慶大らしさを発揮できず、筑波大に力負け!

試合終了後、敗戦に肩を落とす選手たち

関東大学新人戦の2戦目。初戦は結果、内容共に充実し、勝利を収めた慶大。この日は1年生含め数多くのタレントを揃える筑波大と対戦した。ベスト8を決めるこの試合ではかつての同輩・後輩対決が多く実現。慶大の蛯名(法2)、伊藤(環1)は筑波大のルーキー笹山と同じ京都・洛南高校出身で、矢嶋(総2)は筑波大2年の池田と共に埼玉・上尾太平中で全中出場経験を持つ。「知ってるやつも多いし、楽しい試合になる」と蛯名は初戦後に語った。しかし、蓋を開けてみると楽しむ余裕など全くない展開となった。
1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 21 17 28 72
筑波大 24 18 34 25 101
第51回関東大学バスケットボール新人戦 3回戦
2011/06/09(木)@代々木第二体育館
慶大‐筑波大

インサイドの柱・本橋にも課題が見られた

慶大のスタメンは、蛯名主将、中島(総2)、本橋(環2)、伊藤、権田(政1)と初戦と同じ顔ぶれ。第1Q、慶大はオフェンスでトラベリングを連続でとられ、初戦に続いて立ち上がりの悪さを露呈。矢嶋(総2)がミドルを沈めるも、筑波大に速攻を食らいリードを奪われる。主導権を握られた慶大は反撃を試みるも、相手の激しいディフェンスを前に攻撃が停滞。セットオフェンスではパスが回らず、本橋らインサイド陣も相手のブロックにあうなどで、なかなか得点できない。頼みの主将・蛯名もスティールされ、チーム全体が浮足立ってしまう。ごたつく慶大を尻目に筑波大はパス回しで慶大を翻弄。リバウンドも制圧し、内外バランスよく得点していく。慶大はいい所を全く出せぬまま6-24で1Qを終了。2Q、開始直後に権田がフリースローを決めるも、本橋、中島がシュートを決めきれず後が続かない。筑波大もイージーショットを落とすなど、しばらく互いに無得点が続く。しかし慶大は権田がフェイドアウェイを決めるとこれに続いて本橋も得点。だが筑波大もすぐにドライブを決め、追随を許さない。早くも黄色信号が灯りだした慶大は残り3分でのタイムアウト後にオールコートプレスを敢行。少しでも点差を縮めて前半を折り返そうとする。すると、激しいプレスが相手のターンオーバーを誘い、蛯名のドライブ、中島のスリーポイントが決まる。光明が差したかと思われたが、プレスの隙を突かれ相手シューターに次々とスリーポイントを決められてしまう。慶大は終盤に中島がオフェンスリバウンドからバスケットカウントを奪い、矢嶋がスティールからワンマン速攻を決め、27-42とわずかに差を埋めて前半を終了。

ルーキー伊藤の司令塔としての成長も不可欠

後半、慶大は開始直後に矢嶋がスリーポイントを決めて反撃ムードが高まる。しかしこの日の筑波大は慶大に付け入る隙を全く与えない。慶大のイージーなディフェンスもあり、フリーのスリーポイントを次々と沈めると、速攻も連続で決めていく。一方の慶大は前半と変わらず単調な攻めを繰り返す。イージーショットを落とし、オフェンスリバウンドも取れない苦しい展開。チーム全体でオフェンスを展開する筑波大に対して慶大は矢嶋が奮闘してスリーを連続で決めるだけで、その他の攻め手がない。どんどん点差が離れ、44-76と30点差をつけられて第3Qが終了。第4Q、一矢報いたい慶大は吉川(環1)が活躍を見せる。ゴール下でのターンシュート、速攻でのバスケットカウントと連続得点を挙げる。しかし筑波大も速攻、セットオフェンスどちらでも高確率で得点を奪う。終盤になると慶大もようやく速攻が機能しだし、矢嶋、権田がシュートを決めるも時すでに遅し。最後までルーズボールに食らいつき勝利への執念を見せるものの、ブザーが鳴り試合終了。72-101という大敗となった。
完膚なきまでに叩きのめされた。「力負けですね」という佐々木HCの言葉通り内容、結果共に完敗。個人技頼みの単調なオフェンス、相手に簡単にシュートを打たせてしまうイージーなディフェンス、もぎ取れないリバウンドなど全ての面で慶大は筑波大に屈していた。「監督の求めるプレーにフィットしていないが、単に練習すればいいというものではない」(蛯名)と、問題の根は深く、すぐに解決できるものではなさそうだ。試合後の家治主将を含めたチームミーティングも長時間に及んだ。しかしながら早慶戦という重要な試合が次週に控えている。いま慶大に出来ることは気持ちを切り替えて全力で早慶戦に挑むことだろう。通算成績34勝34敗と勝ち越しがかかるこの試合。慶大には是が非でも勝利し、苦難の連続であった春シーズンを良い形で締めくくってほしい。
By Shota Kajigano
佐々木HC
力負けですね。(出だしの悪さが目立ったが)それが今のチームの力です。多分20点くらいの差があると思います。オフェンスもディフェンスも良くなかったです。ワンプレイワンプレイの入りは問題ないんですけど、最後の表現のところで違うことをやる。結局オフェンスでもディフェンス僕のイメージと合わなかったです。それがどんどんずれて負けに繋がったと思います。今までのチームがそうではなかっただけに苦しいです。(新人戦の練習を多くしていないのは)トーナメント悪い戦い方だったので今手を入れないと早慶戦良い表現できないと思ったので、新人戦の練習をやる余裕がなかったです。それにもう今日の4人がスターターなのであえて新人戦の練習をする必要はなかったです。(新人戦はどういう位置づけか)高校で習ってきたことが僕の考えてるバスケットとフィットすればいいんだけど、そうじゃない部分があるのでその修正に時間がかかるので、それを見るという部分もあります。今日でいうと矢嶋は攻守の切り替えの部分でボールから目を離す。それは僕にとっては考え難い。矢嶋はスコアラーだと思っているので。そしたらオフェンスの時もディフェンスの時もボールがどこにあるか認識しながらやらなければいけない。なんかあったらいつでもボールに対してプレイができるようになってほしい。いつでも助けにいけるよという準備をしてこそポイントゲッターだしチームリーダーになれるはず。本人の意識が大きいんですけどそういう所の修正に時間がかかるんです。それをやらなかったらインカレなんて取れない。小林大祐(総卒)もそういうことだったんです。(実力差は監督の意識が選手たちに伝わっていないからなのか)彼らの理解力と表現力が少し乖離していると思います。現実的にリング下で何回もブロックショットされてますよね。そのためにフックショットを練習している。それをしないで叩かれているのは僕に言わせると疑問なわけです。2年後3年後にこの子達が勝つために練習をするんだけど今そのキッカケを作っておかないといけないと思っています。でも秋のリーグ戦は修正して勝たなければならないので、悠長なことは言ってられないです。(早慶戦に向けて)単純にシュート入れてほしいです。戦い方はもう作ってあります。要注意人物は久保田と大塚ですね。長い期間二人でやっていて気心知れていると思うので。
蛯名
チームとして力が出しきれなかったです。経験や試合慣れという部分で大きな差があったかなと思いますし、自分達の力が出せなくて前半で離されてしまったのが1番悔しくて、本来なら僕らが先行する形にもっていきたかったんですけど、それが出来なかったです。個人的には4番を着けてるのに最初からミスをしてしまって、チームに悪い影響を与えてしまったので、本当に悔いが残る試合でした。(チームに足りなかったもの)チームとして力を出せなかった、出させてあげれなかったのは、ガードとしてもキャプテンとしても力が足りなかったということだと思います。あとはやっぱり経験が足りないと思います。新人戦は終わったんですけど、来年、再来年とこのメンバーでやっていくので、段々慣れていけばいいかなと思います。(チームの雰囲気)早慶戦があるので切り替えようっていう話をして、なかなか難しいですけど明日から練習もあるので切り替えてやっていきたいと思います。(点差ほどの実力差は感じていないのか)それは感じてないんですけど、細かい所の詰めが筑波の方が上だったかなと思います。走るコースだったり、ディフェンスの手の出し方だったり、そういう1つ1つの上手い部分が、点差に繋がったのかなと思います。(HCの求めていることが表現出来ていないのか)それがよくわからなくて、1番難しい所なんですけど。結果的にこの点差になっているので…。求めていることはわかっているつもりなんですけど、合っていないみたいなので。ただ練習すればいいということではないとは思うんですけど。なかなか難しいですね。(早慶戦に向けて)4年生の思い入れがすごく強い大会なので、僕らのせいで負けるのは絶対だめだと思います。でも主力は2年生なので、家治さんにしっかり付いていって、新人戦での負けを糧に出来るようにこの1週間頑張りたいと思います。

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