前回明大に敗れ、窮地に立たされた慶大はFINAL4進出をかけて背水の陣を敷き成蹊大戦に臨んだ。前半戦、期待のルーキーMF山本真菜美(総1・同志社)が先制点を奪い流れを引き寄せると、チームはその後も追加点を挙げ成蹊大を圧倒。後半戦は守りの時間が長く続いたが、G西村佳子(政4・東京女学館)をはじめとするDF陣の好守が光り失点を最小限に抑えた。この試合を5-3で終わらせた慶大は勝ち点3を獲得し、FINAL4進出への望みをつないだ。
第32回関東学生ラクロスリーグ戦 第4戦 vs成蹊大
9月8日(日)11:50ドロー @千葉大学西千葉キャンパス
◇得点◇
◇慶大出場選手◇
<スタメン>
AT 荒井理沙(経4・慶應女子)
AT 井上ゆり子(経3・慶應湘南藤沢)
AT 平井友香子(総1・同志社)
MF 清水珠理(商3・慶應女子)
MF 日野美咲(商3・慶應女子)
MF 脇坂遥香(経4・慶應女子)
DF 平井淑恵(商4・慶應女子)
DF 石井有花子(政4・雙葉)
DF 野々垣眞希(商3・慶應女子)
G 西村佳子(政4・東京女学館)
<ベンチメンバー>
AT 徳光里利笑(経2・慶應女子)・MF 針山怜子(文4・慶應NY)・竹内梨紗(政4・慶應女子)・北村理沙(経2・慶應女子)・川久保博子(理1・慶應女子)・山本真菜美(総1・同志社)・DF 浅井七海(商3・慶應女子)・山﨑菜朋子(政3・東洋英和女学院)・鈴川英(経2・慶應女子)・G 青山芽生(政4・慶應湘南藤沢)
ブロックリーグもいよいよ終盤を迎える4戦目。Aブロックでは明大を除いたチーム間で熾烈な2位争いが繰り広げられている。現在1勝1敗1分けの慶大がFINAL4へ生き残る術は残る2戦をいずれも勝利するのみ。まずはすでに2勝を挙げている成蹊大を打破すべく、チーム一丸となってこの一戦に臨んだ。
台風の気配を感じさせない晴れやかな空の下で試合は始まった。ここまでの3戦すべてで先制点を許している慶大だがこの日は違った。開始5分、MF山本真菜美(総1・同志社)がフリーシュートのチャンスを得点につなげ、リーグ初の先制に成功。1年選手の活躍により勢いづいた慶大はその後もドローから攻撃へと順調につないでいき、試合の主導権を握る。2Qへ入ってからはその勢いを増し、MF平井友香子(総1・同志社)、清水珠理(商3・慶應女子)が立て続けに2連続得点を決めてリードを広げた。G西村佳子(政4・東京女学館)の好守もあり攻撃時間をキープした慶大は山本の2得点目で相手を圧倒し、4-0で前半戦を折り返した。
このままペースを保ちたいところだったが、後半戦は苦しい時間が続いた。3Q開始直後、相手ATが放ったシュートボールを1度は止めたものの跳ね返ったところを再び突かれ、この日の初失点を喫する。さらにその後はサークル付近で相手の落としたボールがコロコロとゴールを割り、2点差にまで縮められた。流れは成蹊大に傾きつつあったが、ここで慶大の頼れるDF陣が奮闘。「ふらふらになりながらも動いてくれていた」(西村)と振り返るよう、決死のディフェンスで成蹊大の前線を抑え、これ以上の失点を防いだ。そんな中迎えた最終Q10分、ゴール前でボールを持ったMF川久保博子(理1・慶應女子)が1人で果敢に切り込み、ゴールネットを揺らした。その後、相手の速攻から失点を許してしまうも、成蹊大の反撃は逆転にまで及ばず。5-3で慶大が勝利を決めた瞬間、選手たちは今季一番の歓声をあげてFINAL4へつながれた希望を喜び合った。
負けられないというプレッシャーを押しのけ、見事勝利をもぎ取った第4戦。注目すべき点はやはり山本、平井友、川久保のルーキートリオが1年ながら大きな得点力となり、チームを盛り上げたことだろう。しかし、「先輩達が作ってくれた状況だからこそ得点できている部分が大きい」と話す川久保の言葉どおり、彼女たちがのびのびとプレーできる環境を作っている上級生たちの努力も忘れてはならない。「学年関わらず全員の覚悟がちゃんと決まっていました」。Gの西村が語るように、まさに部員全員が一枚岩になって戦い抜き、チームとしての団結がより一層深まった一戦だったように思われる。
ブロックリーグもいよいよ残るは法大戦のみとなった。慶大が引き分けた東海大に勝利している難敵ではあるが、今回の試合で見られたチーム力を出し切れば十分に勝算はあるはずだ。慶大らしいラクロスで法大を圧倒し、鮮やかにFINAL4進出を決めてくれると信じたい。
(記事:堀口綾乃 写真:五十右瑛士)
次戦 9月16日(月) vs法大
10:50ドロー @フクダ電子アリーナ
◇星取表◇
◇選手コメント◇
西村佳子(政4・東京女学館)
――明大戦での負けから今日に向けて、チームとしてどのように切り替えて臨まれましたか
前回明治に負けてから、チームとしてはもうあとのない状況になりました。成蹊にとりあえずは今日勝たないとFINAL4は絶望的になるという状況で、今年は1年生がトップチームに多い中、学年関わらず全員の覚悟がちゃんと決まっていました。例えば相手チームの研究では全員が同じレベルまで研究し尽くして、チームとして準備できたのかなと思います。
――試合を振り返って
これまでの試合はドローを取られることが多かったのですが、今回はドロワーズ含めサークル周りのドローコントロールがよく、今年のリーグで初めて先制点を決めてくれて、気持ち的にも流れがきたような感じでした。自分としても相手の研究はし尽していたので、止めてやるぞと。それがDF陣全員同じ気持ちでフィールドに立てたからこそ、キーマンのいる成蹊大をあの失点に抑えられたのかなと思います。
――後半戦は守りの時間が続きました
最後見ていてDFがふらふらだったと思うんですけど、全員が最後までしっかりと集中はしていて、ふらふらになりながらも動いてくれていたので、ゴーリーとしては守備もしやすかったし、相手の狙ってくるパスもできたし、落ちたボールにも反応していたので、粘れたかなというひとことです。
――西村選手自身は好セーブが続きました
個人的にも絶対に勝つしかないと決めていたので、相手のシューターそれぞれの特長やどういうシュートが来るかということまで全力で研究していたので、思った通りのシュートが来る場面もあったし、気持ちで止められたシュートもあったのかなと思います。
――次戦、法大戦に向けて
次も勝つしかないという試合なので、今まで成蹊戦でやってきた準備を同じように法政戦に向けてもやり、同じ気持ちで戦うのみかなと思います。
山本真菜美(総1・同志社)
――試合を振り返って
絶対に勝たなきゃいけない試合だったので、まずは勝てて良かったです。前回の試合でたくさんターンオーバーをしてしまったので、そこを反省してプレーできたのは良いんですけど、後半自分のボールを持ちすぎるという悪い所が出てしまっていたので、そこは反省です。
――先制点の場面を振り返って
周りが上手くスペースを作ってくれて自分が得意なシーンになったので、絶対決め切ろうと思っていました。
――2点目も同様でしたか
そうですね、2点目も自分が大好きな状況でした。ボールをもらった瞬間躊躇なく仕掛けられたことが得点につながったと思います。
――成蹊大の印象は
成蹊大については今まで以上にスカウティングをしてきたので、イメージしていた通りの相手でした。身体が大きい選手が多かったんですけどプレーは予想していた通りだったので攻守ともに思い切っていけました。
――1年生が多く活躍しています
先日のサマーで準優勝して、それがチームの雰囲気を良くしたのはあると思います。点数に関して言えば1年生の実力というよりは先輩達が作ってくれた状況だからこそ得点できている部分が大きいと思うので、のびのびやらせてもらって感謝です。
――FINAL4進出が見えてきました
次の法政に勝てれば進めると思うんですけど、東海大に勝つなど全然油断できない相手なので、FINAL4どうこうよりも今は法政に全力でぶつかることしか考えてないですね。そこでたくさん活躍できるように準備していきたいと思います
川久保博子(理1・慶應女子)
――今日の試合を振り返って
山本選手と平井選手が同じ1年生で、良い流れを持ってきてくれたのでそれに自分も乗っかって行こうと思いました。先輩方も攻めやすいように動いてくださったり、ディフェンスも流れを作ってくださったので、最後に良い流れを作ることができたと思います。
――どのような意識で試合に臨みましたか
この前の試合から今日の試合まで、アタックを重視して練習をしてきたので、それが出せたと思います。
――1年生として出場されていますが、緊張はありますか
今日の試合は勝たないとFINAL4に繋げられなかったので、緊張しました。それでも、試合前から先輩方に声をかけていただいて、試合に入るときは落ち着いて入ることができました。
――具体的にどんな言葉をかけてもらいましたか
キャプテンの荒井さんをはじめとするトップ幹部の方々が盛り上げてくださって、「もう一本頑張ろう」だとか、試合中もチームの雰囲気が悪い時に前向きな声をかけてくれて、頑張ることができました。
――ご自身のゴールシーンを振り返って
時間もなくて、ギリギリの場面だったので攻める気を持つことを入る前に話をしていたので、シュートに向かいました。
――次戦に向けての意気込み
最後の試合も大量得点を取って、チームの雰囲気良くFINAL4に向かいたいと思います。
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