明星大との試合を接戦で落とし、リーグ戦後半、黒星スタートとなってしまった慶大。今回の相手は今年の夏にウィリアムジョーンズカップのメンバー候補に選ばれたラシードファラーズを擁する東洋大だ。高さとスピードのある攻守に苦しんだ前半戦を踏まえ、相手にアジャストし、勝利を引き寄せることはできたのだろうか。
2019/10/14(月) @駒沢大学玉川キャンパス | |||||
第95回関東大学バスケットボールリーグ戦第15節vs東洋大 | |||||
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
慶大 | 13 | 18 | 24 | 22 | 77 |
東洋大 | 22 | 14 | 24 | 20 | 80 |
◆慶大スターティングメンバ―◆ | |||||
| #4 山﨑純 (総4・土浦日大) | ||||
| #5 髙田淳貴(環4・城東) | ||||
| #6 工藤翔平(政4・慶應) | ||||
| #10 岩片悠馬(環3・広尾学園) | ||||
| #16 水谷祐葵(環1・四日市工業) |
第1Q、先制点を掴み取るため、両者積極的にアウトサイドからのシュートを狙う。リングに弾かれ、思うように得点が入らない中、口火を切ったのは水谷の3ポイント。そのまま勢いに乗れるかと思ったのも束の間、隙を突かれ連続してターンオーバーからの得点を許してしまう。慶大は焦る思いをぐっとこらえ、シュートチャンスを引き寄せると、山﨑・工藤が落ち着いてシュートを沈め、差を縮めていく。すると終盤、岩片がタップシュートを押し込み13-22で第2Qへ。
巻き返しを図りたい第2Q。開始早々に山﨑がレイアップシュートを決めるが、その後インサイドに高い壁が立ちはだかり、なかなかイージーシュートを決め切ることが出来ない。なんとか詰め寄りたい慶大は、甲谷勇平(環3・東山)や岩片のスティールとリバウンド、水谷のファストブレイクで試合を優位に展開させようと試みる。するとタイムアウト後、工藤のレイアップをきっかけに、人見、山﨑が3ポイントを沈める。さらに蛇谷幸紀(環1・近大付属)がディフェンスリバウンドを勝ち取ると、髙田がブザービーターとなる3ポイントにつなげ、5点差まで追い上げ前半を終えた。
ここで逆転を果たしたい第3Q。工藤のリバウンドから早い展開で山﨑が連続得点を決める。続けて、甲谷のカットインからバスケットカウントを獲得するファインプレーで見事逆転に成功。慶大サイドが歓声に包まれる中、この日シュートの精度が一段と高い工藤がミドルシュート、3ポイントを決めさらにリードを広げる。しかし、相手も負けじと高さとドライブを生かしたインサイドでのシュートを中心に得点を重ね、再び主導権を握られてしまう。終盤、人見・工藤が意地の3ポイントを沈め、山﨑が2本のフリースローを決めきり、55-60で第3Qを終えた。
今度こそ勝ち切りたい第4Q。またしても山﨑がレイアップシュートを決め、幸先の良いスタートを切る。その後、髙田がインサイドでのシュートチャンスに粘りを見せ、獲得したフリースローを決めきり再び逆転を果たす。中盤、追いつき追い越される展開が続く中、工藤が強気のプレーを見せる。しかし、チームファールがたまり東洋大にフリースローを与えてしまう。終了間際、岩片がボールをリングにねじ込むもあと一歩及ばず、またしても僅差での敗戦となった。
前半戦で振るわなかった戦績を後半でなんとか挽回したい慶大。今回の敗戦は大きな痛手となっただろう。これまでの試合を振り返ると、あのシュートを決めていれば、あのパスを繋いでいたらと歯がゆい思いをして敗れてしまった試合が多くある。つまり裏を返せば、あと1歩で勝利を掴み取れるということだ。苦しい状況ではあるが、もう一度チームひとつとなって目の前の瞬間瞬間に背水の陣で挑んでほしい。
(記事:佐藤有、船田千紗・写真:船田千紗)
工藤翔平(政4・慶應)
――今日の試合を振り返って
今日も勝ちきれなかったので、でもやっていくしかないので、これからも試合が続くのでしっかりそこ切り替えて臨みたいと思います。
――前回の東洋大戦から何を修正されて臨みましたか
センターにダブルチームでカバー行った後に、中にカットインとか3ポイントに対するローテーションの早さっていうのはすごく意識したのですが、それでも少しやられてしまいました。
――終盤のタイムアウトではどういった内容のお話をされましたか
相手のオフェンスリバウンドをすごく取られていたので、そこを絶対こっちがリバウンド取る所と、やっぱり攻める気持ちを1人1人が持って最後シュート決めきるというところをしっかり話し合っていました。
――ご自身はアグレッシブにシュートを打たれていました
そうですね確率は今日すごく良くて、でもまあ最初の方のリバウンドの後とかイージーシュート外したところもあったので、そこは反省する所なのですが、攻め気で強気に行った結果シュートが結構入ったのでそこは次に繋げていきたいと思います。
――普段よりもカットインが多かった印象です
そうですね。相手も3ポイントをすごく警戒して出てくるので、そこはドライブで抜くことを最近とても意識してやっています。今日そこが結構上手くいったので良かったと思います。
――次の試合に向けて
今日の試合も負けてしまって順位的に厳しい状況なのですが、でも残り9試合本当にやっていくしかないので、今日みたいにしっかり強気で自分はまずやることと、チーム全体を盛り上げられるように4年生として役割を果たすところをしっかりやっていきたいと思います。
甲谷勇平(環3・東山)
――今日の試合振り返って
こういう競ったゲームをいくつも落としているので、なかなかトンネルから抜け出せないなという感じですね。
――東洋大の高さのある選手に対して
24番にボールが入るところはダブルチームで行って守ろうって話していたのですが、そこは今日は出来ていたかなと思います。
――ご自身のシュートで流れが大きく変わる場面がありました
ずっとドライブは狙っていて、やっぱりベンチから出てくる以上、流れを変える役割はベンチメンバーが担っていかなければいけないなと思っていたので、今日はそれが表れて良かったかなと思います。
――途中で逆転、リードをした場面もありましたが
やっぱり気持ちの面が最後に出たかなと思っていて、1回逆転した後に追いつかれたとき、どうしても下を向いてしまうのが慶大の悪い癖で、それに比べて相手はどんどん前を向いていっていたので、気持ちの差がそのまま点差に表れたのかなと思います。
――次戦に向けて
もう負けられない試合がずっと続いていくと思うので、1つでも多く勝てるように頑張っていきたいと思います。