12月に開催される全日本選手権出場をかけて熱い試合が行われた第45回東日本選手権大会。大会3日目の女子フリースケーティングには、3年振りの舞台で見事フリー進出を果たした鈴木星佳(総4・慶應湘南藤沢)が慶大から唯一出場した。
10月26日(土) 第45回東日本選手権大会(女子フリースケーティング)
@軽井沢風越アイスアリーナ
クラス | 選手名 | 学部学年・出身校 | FS得点 | 最終得点 | 最終順位 |
女子 | 鈴木星佳 | 総4・慶應湘南藤沢 | 68.13点 | 108.48点 | 19位 |
「篤姫」の壮大な音楽で、演技が始まった。冒頭のトリプルサルコウがダブルサルコウに、続くダブルアクセルでも着氷が乱れるというミスが続いてしまう。絶対に決めたかった3本目のジャンプであるトリプルトーループは見事成功。その後もダブルアクセルや3連続ジャンプも成功させていくが、回転不足などのミスが重なって、得点を伸ばすことができなかった。いつも高評価を受けている演技構成点でも、ジャンプのミスが影響して「気持ちを全面に出すことがあまりできなかった」と試合後本人が言っていたように、期待された点数は出なかった。その中でも、2つのスピンで最高難度のレベル4を獲得するなど、練習の成果をしっかりと発揮した場面もあった。
「全日本」という大舞台が見えて出場した今大会。質の高い練習をしてきた鈴木であったが、試合直前の練習でジャンプが決まらないことから焦りが出てきて、そのまま試合を迎えてしまったという。「気持ちの強さが足りなかった」と話してくれた鈴木。今大会で得た反省点を、引退まで残り数少ない試合でどのように生かしていくか期待したい。ここからが鈴木の力の見せどころではないだろうか。
(記事:高井真衣 写真:松岡実優)
☆その他の写真は、こちらからご覧下さい!
以下、選手インタビュー
鈴木星佳(総4・慶應湘南藤沢)
――今日の演技を振り返って
ジャンプのミスが多くなってしまったことで、全体的にも気持ちを全面に出すことがあんまりできてなかったかなと思います。反省が多い演技でした。
――冒頭2本続けてジャンプのミスがありましたが、その時の気持ちはいかがでしたか
もうミスしたら切り替えて次、次と考えていたので、あまり前のジャンプのことは意識していなかったのですが、3つ目のトリプルトーループは絶対に決めたいと思ってやっていました。
――昨日のショートでミスがあったレイバックスピンについて、今日はいかがでしたか
他のスピンやステップは(レベルが)取れていたのですが、レイバックスピンが今日もレベルが取れなくて、見て分かる失敗ではなかったかもしれないのですが、回転が足りなかったとかでレベルを落としてしまったので、来週までに毎回の練習で意識して直さないといけないなと思います。
――試合を終えて、今回の東日本選手権はご自身にとってどのような大会となりましたか
詰めの甘さを実感した大会でした。今まで結構すごく質の高い練習をしてきたのですが、試合の前になって気持ちの面でガタガタ焦り始めて、そこからその流れを断ち切れずに来てしまったので、ちょっと調子が崩れてもなんとか気持ちを保つという、気持ちの強さが足りてなかったんだなと思いました。最終グループの緊張した中でやってる選手とかを見て、直前までの調子とかに関わらず、気持ちを強く持ち続けることが、自分にはすごく大事なんだなと気付きました。
――焦りというのは、どういうところから出てきましたか
試合前になると、少し調子が狂って跳べなかったことに対して、そこに神経が集中してしまって、普段だったら「もう一回やり直そう」と考えすぎずにできるのが、試合直前になると、本番をイメージしてるので、1回の失敗にすごくナーバスになってしまうというか、重く捉えてしまうんですね。だから、「あれ?タイミングが合わない、もう一回やってみよう、あれ?合わない」という風に自分で調子を崩しちゃってる、そういうループにはまっちゃうというのが、自分の弱いところです。
――引退まで残り少なくなってきましたが、次の試合に向けて、そして今後に向けて、コメントをお願いします
今まで練習を積み重ねてきて、そこまで調子が悪くなかったはずなので、もう一回気持ちを持ち直して、どんな状況であっても、迷いなどを頭から一切なくして臨みたいと思います。最後は見えてきているのですが、最後最後と思わないで、1試合ずつ、前の試合の反省を生かして次の試合に生かす、というのを最後まで続けていきたいと思います。