【野球】秋季リーグ戦開幕前インタビュー③ 嶋田翔選手×福井章吾選手 ~チーム1の大食漢コンビ~

野球対談

9月19日に東京六大学野球秋季リーグ戦が開幕します。それに先立ちまして慶應スポーツでは秋季開幕前インタビューを実施しました。第3回は学年を越えて仲の良いお二人、嶋田翔選手(環4・樹徳)、福井章吾選手(環3・大阪桐蔭)にお話を伺いました。

チームの盛り上げ役としても欠かせないお二人

──まずは他己紹介をお願いします

福井:嶋田さんはチームの副将を務めていて、チーム内でもリーグ戦経験が豊富な先輩です。持ち味は、堅実な守備と手堅い送りバントも魅力だと思っています。人柄では、本当に元気があって、チームの活気がない時に嶋田さんの一言でみんなが元気になるような影響力のある人です。

嶋田:福井は、チームには欠かせない存在です。キャッチャーというポジションもそうですが、発言力があります。福井がいれば来年以降も安心してみていられるなと思うような選手です。私生活では結構ふざける部分はありますが、やはり真面目なのでもうちょっと殻を破ってもいいかなと思う時もあります。

 

──春季リーグ戦を振り返って

嶋田:まずは夏に開催してくださったことがうれしかったです。六大学の実力の高さを実感したシーズンでした。

福井:最終的に2位という結果に終わってしまったことが悔しかったです。いろんな部分で物足りなさ、技術不足を痛感したリーグ戦でした。

 

──例年とは違う環境下での開催でした

嶋田:応援がない六大学は初めてだったので、少し寂しかったです。マスクをしながらといういつもとは違う状況でしたが、ラストシーズンなのでとにかくリーグ戦ができたということが何よりもうれしかったです。

福井:1戦勝負ということが今回は特殊で、一回も負けられないということがきつかったです。

 

──客席からは選手の声が良く聞こえました

嶋田:僕の声が聞こえてるのが恥ずかしかったです。ただ叫ぶだけの時もあるので、それがほかの人に聞こえているというのが恥ずかしくて、おとなしくしようかとも思いました。

福井:しまん(嶋田)はうるさいです!

 

──印象的な試合は

福井:早慶戦ですかね。最後9回裏ツーアウトから追いつかれましたが、簡単には勝たせてくれないなと思いました。早稲田の粘りもそうですし、早慶戦の難しさを初めてフルで出場して実感しました。

嶋田:僕は法政戦です。お互いに優勝が懸かってる試合で、慶應は早稲田・法政という二連戦で勝ちきれなかったです。見た目以上の実力差を痛感しましたし、このまま秋のリーグ戦で戦っても勝てないなと感じました。簡単には2連覇はさせてくれないのだと改めて実感しました。

 

──見た目以上の実力差、とは?

嶋田:春のアメリカキャンプで、1対1の勝負にこだわろうと話してそれを意識して練習してきました。しかし最後の法政戦では個人の差で負けたなと思うような実力差を感じました。もうあまり時間がありませんが、そこを詰めていかないといけないと感じます。六大学は拮抗しているので本当に頑張らないと最下位もありえるな、と危機感を感じています。

 

──個人的なベストプレーは

嶋田:バッティングではなくて、早慶戦8回に瀬戸西(純=政4・慶應)がはじいて出したランナーを、3-6のダブルプレーが印象的です。

福井:今年は監督が代わり、慶應が目指す野球が臨機応変に対応していくバッティングというのを掲げる中で、立教戦でバスターを決めた打席は周りを見れて、打つべきところに打てたと思うのでよくできたなと思います。

 

──監督が代わってから初のリーグ戦でした

嶋田:開幕戦の時、監督は僕ら以上に緊張されていました。社会人野球であれだけの成績を収めていらっしゃる方でも大学野球はまた違った緊張感があるのだなと思いました。監督を勝たせたいという思いはありました。

 

──春季リーグのMVPは

嶋田:僕は木澤(尚文=商4・慶應)です。木澤がブルペンにいる時の安心感というのがチームに与える影響は大きかったです。とりあえず木澤が出てくれたら大丈夫という空気を作れるのがすごいと思いました。秋も投手陣は木澤を中心にやっていくと思うのですが、この春のキーマンは確実に木澤だったと思います。

福井:瀬戸西キャプテンかな。木澤さんって言おうとしたんですけど言われちゃったので(笑)。打率もそうですし、守備のかなめとして、キャプテンとしてチームを引っ張ってくれたのを感じました。

 

──ご自身の良かったところや反省点はありますか

嶋田:よかったところは、東大戦ですごい空振り三振をしてからよく立て直したなというところです。明大戦ではバントも2つ決めましたし、自分のやるべきことをしっかり明確にしてできたのが自分の中でよかったです。反省は、六大学のピッチャーを打つのは難しいなということです。ヒットを打つだけがすべてではないと考えて、なんとか出塁できるように。ノーアウトとかでランナーが出ると大体点が入っちゃうなと感じるので、まずはこのレベルの高いピッチャーたちからどうにか塁に出ることを考えてやっていきたいなと感じます。

福井:僕はもうはっきりしていて、よかったところはバッティング、悪かったところは守備です。バッティングは打率を見ても思っていた以上に打てましたし、課題だった三振が今季1つにおさまったので、六大学のピッチャー相手にもやっていけるなという自信になりました。キャッチャーとしてはすべての面でもっとレベルアップしないと頼りない部分が多かったなと思います。逆にそこをしっかり改善できればもっとチームに貢献できると思うので頑張りたいと思います。

今年から正捕手を務める福井のリードにも注目だ

 

──福井選手はベストナインを受賞しました

福井:ベストナインはいただいたのですが、キャッチャーというよりはバッティング面でいただいたのかなと思うので、キャッチャーとして頑張ったと言ってもらえるようなベストナインを目標にして頑張りたいと思います。

 

──全試合でスタメンマスクをかぶりましたが、投手陣の印象は

福井:慶應のピッチャーは本当にいい投手が何人もいて、各選手に見合った声掛けであったり得意球、性格を見極めながら毎試合やっていくというところに面白さと難しさを感じました。そこがまだまだ足りてないなと感じました。

 

──昨季の反省を踏まえて取り組んでいる事はありますか

嶋田:オープン戦が多くて、実践を通して課題を克服できるいい期間になっています。速いボールへの対応、ツーストライクからの見極めをテーマとして取り組んでいます。試合が多いですが個人の時間を見つけてこの課題に取り組んでいます。

福井:課題であるキャッチャーの練習を試合後にやったり、試合中にキャッチャーとして何か成長できないかを常に考えています。バッティングでは今季あまり長打が打てなかったので、長打の打てるフォームを探しながら、試合では長打を狙いながら取り組んでいます。

 

──1年で期待している選手は

福井:宮崎(恭輔=環1・國學院久我山)と善波(力=商1・慶應)です。キャッチャーの2人に期待しています。一緒に練習しているので頑張ってほしいなと思います。

嶋田:小川尚人(環1・三重)です。まだリーグ戦には出てこないと思うのですが、1年生らしからぬ落ち着きと発言力を持っている選手なので、これからの慶大を担ってくれると期待しています。

 

──チーム内で仲のいい選手は

嶋田:水久保(佳幸=総4・慶應)ですかね。水久保、大串(亮太=法4・慶應)、佐藤(宏樹=環4・大館鳳鳴)と4人でいつも飲みに行くので仲がいいです。

福井:嶋田さんは大好きなんですけど、一番仲がいいのは橋本典之(環3・出雲)です。同じ左打で、コロナ禍もずっと一緒に練習をしてきました。そういう面で必要不可欠な相棒です。

嶋田が攻守でチームに勢いをもたらす

 

──お互いの第一印象は

嶋田:福井が入ってきたときは貫禄があるなと思いました。まん丸で、画像で見るのと全然違うやん、と(笑)。甲子園も優勝されていて、僕らの中では福井さんと崇められていました。

福井:しまんは、入寮したときに数少ない(当時)2年生の第一寮生でした。すごく優しくしてくれたのと同時に、佐藤さんと一緒にちょっかいを出されました。いい先輩だなと思いました(笑)。

 

──今の印象は

嶋田:よくしゃべるんですよ本当に。落ち込むときないんじゃないかと思うくらい。上手に生きるすべを知っているというか、人付き合いがうまいなと思います。

福井:変わらず良い先輩なのですが、去年はは結構一緒にファーストを練習したり、もともとキャッチャーもやっていた方なので今でも相談に乗ってもらいます。今年になって野球の話もたくさんするようになりました。打順も近いのでセットで練習することも多いです。

 

──福井選手は嶋田選手のことをしまんと呼んでいるのですか

福井:あだ名なんですけど、「しまん」って呼んでます。

嶋田:後輩とか大体みんなこう呼びます。下山は「しもん」なのでよく聞き間違えます(笑)。

 

──お互いの好きなところは

嶋田:朝起こしてくれるところかな。福井は朝起きるのが早いので、起こしてもらってます。寝坊するのが嫌だったので、アラームもつけるんですけど予備で福井を呼んでました。

福井:しまんの好きなところはスローイングですね。ピッチャーかっていうくらいスローイングがいいんです。僕も結構自信があるんですが、しまんのスローイングにはいつもほれぼれしています。

 

──直してほしいところは

嶋田:床で寝ることくらいですね。気づいたら床で寝てるので、自分の体をいたわってあげてほしい(笑)。

福井:いい先輩ですね。しまんはきっちりバントを決めるので、チャンスで僕に回ってくるのが嫌です(笑)。

 

──お二人の共通点は

嶋田:慶應の肉団子(笑)。

福井:結構同じ道を辿っていると思います。キャッチャーとかファーストとか。

嶋田:僕らはうるさいってよく言われますね。よくしゃべります。

福井:あとは二人ともよく食べますね(笑)。

 

──秋季リーグ戦の目標は

福井:チームとしては、一番はもちろん優勝です。キャッチャーとしてチームを優勝に導きたいです。個人としては二季連続ベストナインを何とかとれるようにバッティングも守備も頑張りたいです。

嶋田:僕は次が8シーズン目でラストシーズンなので、とにかく優勝して笑って卒業したいなと思います。後輩に3連覇という目標を達成してもらいたいので、いい形で後輩に引き継げるような終わり方をしたいと思います。個人の成績とか関係なしにとにかくチームが勝てるように頑張ります。

 

――ありがとうございました!

(この取材は9月8日にオンラインで実施しました。)

(取材:左近美月)

タイトルとURLをコピーしました