第4節から約1か月が経過し迎えた十文字学園女子大戦。今シーズン、主将の梅田香(環4・慶應NY)は「全員が同じ覚悟と熱量を持って会場に来て欲しい」と語っていた。今節ではベンチメンバーもコートに立つ時間が多く、文字通り全員の“覚悟”と“熱量”を感じさせる一戦であった。内容としても相手に大差をつけた100点ゲームとなり、最終節へ向けて準備万端だ。
2020/11/7/(土) @エスフォルタアリーナ八王子 | |||||
第70回記念関東大学女子バスケットボールリーグ戦第5節vs十文字学園女子大 | |||||
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
慶大 | 31 | 23 | 27 | 21 | 102 |
十文字学園女子大 | 10 | 12 | 19 | 16 | 57 |
◆慶大スターティングメンバ―◆ | |||||
| #9 武藤怜(商3・成蹊) | ||||
| #10 眞尾瞳(商3・浦和第一女子) | ||||
| #14 西理奈(政3・葺合) | ||||
| #21 阿部七奈子(商1・三田) | ||||
| #23 野本美佳子(総1・東京成徳) |
第1Q、阿部七奈子(商1・三田)からのアシストを受けた野本美佳子(総1・東京成徳)がレイアップを決め、1年生コンビが先制点を挙げる。すると、野本、阿部、西理奈(政3・葺合)が素早いパスでディフェンスをかわす連携を見せ、ゴール下での得点を獲得する。相手もレイアップシュートでの反撃を試みるが、慶大はルーズボールを見逃さず、西が丁寧にレイアップを決めて点差をさらに広げていく。タイムアウトを挟みながらも集中力を切らすことなく、リバウンドやスティールを獲得し攻め気の姿勢で十文字学園女子大にプレッシャーをかけ続ける。眞尾瞳(商3・浦和第一女子)は持ち前の冷静さで連続3ポイントを沈め、11点リードを果たす。すぐに相手に連続得点を決め返されるものの、眞尾のシュートと武藤怜(商3・成蹊)の安定感のある3ポイントで試合の流れを完全に慶大に引き付ける。第1Q終了間際には、阿部が速攻からのレイアップを決め切り、31-10の大幅リードで初めの10分を終えた。
続く第2Q、相手に3ポイントで先制点を決められるも、阿部がすかさず3ポイントを決め返す。続けて野本からのアシストで眞尾が正確な3ポイントを沈め好調さを発揮する。松下花会子(文2・小山台)はアシスト、オフェンスリバウンドに積極的に絡み得点に繋げる果敢なプレーを見せる。中盤でも大きな失点を許すことなく、全員でボールを繋いで着々と点差を広げていく。小福川莉奈(法4・慶應NY)はライン際のボールに食らいつき、体勢を崩しながらのアシスト、松下がインサイドからの得点につなげると、その直後、自身でもシュートを決めるナイスプレーを見せる。ディフェンスでも中島花(環3・慶應NY)は粘り強さを見せ、相手の動きを抑える。攻撃の手を緩めない慶大は川俣乃英(商2・国立)のボールから井手友美(理2・慶應NY)がレイアップを決めさらに加点。終了間際までシュートチャンスをうかがう貪欲なプレーを見せ、54-22で前半を終えた。
30点差で向かえた第3Q、十文字学園女子大に先制点は奪われるものの、巧みなパスフェイクを交えながら眞尾が3ポイントを沈める。続いて野本、眞尾、林えみり(理2.慶應女子)がインサイドからの3連続得点を獲得する。相手の3Pに焦ることなく阿部のパスから野本が3ポイントを沈め、リードを40点に広げると、さらに副将・白藤優果(理4・東京学芸大附)が力強い速攻でレイアップを決める。勢いの止まらない慶大は柴田祥子(経4・慶應女子)と足立はな(法4・聖心女学院)もレイアップを決め、4年生が奮闘する。相手もインサイドからの得点を重ねるが、その間も柴田は積極的に3ポイントのチャンスを狙い続ける。第3Q終了間際には主将・梅田がインサイドからの得点を加点、ベンチの歓声とともに81-41で後半初めの10分を終えた。
向かえた最終Q、小福川のフリースローで先制点を挙げると柴田が3ポイントを沈め、好調な滑り出しを果たす。その後、相手の素早いパスで反撃を受けるものの、中島がディフェンスをかわしてインサイドからのシュート、続けて白藤のアシストから3ポイントを決め切る。終盤には足立と林、中島が3連続得点を獲得し、慶大の得点が100点に達する。最後にはオフェンスリバウンドを梅田がゴール下から得点に繋げて102-57で勝利を収めた。
試合序盤からリードを守り抜いた慶大。前節での西の「次の試合ではベンチ全員が出られるようにしたい」という言葉通り、多くのベンチメンバーが活躍する試合となった。特に4年生の気迫と頼もしい背中から最終戦へのチームの士気は一段と高まったに違いないだろう。前例のないコロナ禍でのリーグ戦。培われた団結力で最後まで“全員で戦う”慶大を魅せ続けてほしい。
(記事:佐藤有、写真:隅田一)
白藤優果(理4・東京学芸大附属)
――今日の試合を振り返って
ユニフォームを着ている選手が全員試合に出て、勝ち切ることができたっていうのは、色んな視点を持って試合に取り組めるという点でチームとして大きな成果だったのかなと思います。
――試合中、積極的に声を出していました
コートに立つことが少ないので、4年として、コートに立った時には必ず自分が1番声を出して、試合を引っ張っていくという意識を持っています。
――久々の試合となりました
前回の試合の課題が、チームでディフェンスができなかったということだったので、この1ヶ月間はそれを改善するという意味で練習を積んできたので、全員で徹底することを意識していました。
――今日の作戦は
きちんと前半の始まりから、前から当たって得点を離しにかかって、全員が試合に出て勝ちに行くことが目標でした。
――チームの雰囲気は
(全員が試合に出たということで)みんなが色々な思いを体験できたので、すごく良い雰囲気です。
――明日に向けて
明日も自分たちの目標である3部2位を達成するためには、必ず勝たないといけない試合なので、全員で勝ちに行きたいなと思います。
柴田祥子(経4・慶應女子)
――今日を振り返って
OGの方にも言われましたが、勝てた試合に油断して出来るはずのことがデイば買った場面が目立った試合だったので、もう一度改善して次の試合に臨めたら良いなと思いました
――積極的に3ポイントを打つ姿が見られました
100点ゲームのためにはまだ点数が足りなくて、ベンチから打つべきところではどんどん打っていって良いと言われたので、自分のタイミングに合ったところでは積極的に行こうと思ってプレーしました。
――途中出場で期待されていたことは
私は攻め気だったり負けず嫌いなところがあって、誰でもできることを誰よりもやるということを日ごろの練習でも心がけているので、そこをいつも練習通りに、試合だからといって緊張せずに出そうと思ってプレーしました。
――試合後の円陣で言われたことは
油断しないということと、リーグ戦は残り一試合なのでそこは絶対に勝ち切ろうということを話しました。
――最終戦に向けて
この1か月練習してきた成果を発揮できる機会だと思うので、自分たちが納得できるような勝ち方で終われるようにしたいと思います。