第57回全国大学ラグビーフットボール選手権 VS京都産業大
慶大47-14京産大
12月13日(日) 11:30K.O.
@東大阪市花園ラグビー場
2年ぶりの大学選手権出場を果たした黒黄軍団。大学日本一へ向けた戦いは関西の雄・京産大との対戦で幕を開けた。ラグビー西の聖地・花園で行われ慶大にとってアウェーな地での試合となったものの、堂々とした戦いぶりで京産大に一度もリードを許さず47-14で勝利した。慶大は準々決勝への進出を決め、対抗戦では11-22で敗れた早稲田大学と12月19日(土)に秩父宮ラグビー場で再び対戦する。
お互い強力なFW陣を擁する両者の戦いにおいて、先にその強みを見せたのは慶大であった。慶大は敵陣ゴール前5mラインアウトを獲得すると、ライン際での攻防に持ち込む。前半4分、この攻防に競り勝ちPR竹内寛(政4・慶應)が先制トライを決めた。
19分に自陣ゴール目前でPKを京産大に与えてしまうと、130㎏超えの相手No.8の突破を許し同点に追いつかれる。しかし、やられたらやり返すとばかりに慶大は直後のキックオフボールを確保すると、ディフェンスラインを抜け出たFL山本凱(経3・慶應)が華麗なステップを魅せて前半21分に奪トライ。再び京産大を突き放した。
慶大は敵陣深くでのラインアウトを確実に得点に繋げ、27分にPR大山祥平(経4・慶應)が、42分にHO原田衛(総3・桐蔭学園)がトライを決めた。28-7で京産大を大きく突き放し前半を折り返した。
後半、追い上げを狙う京産大に慶大は序盤から自陣深くまで攻め入られてしまう。ライン際での攻防となり、京産大FW陣の粘り強いアタックに対して慶大も堅いディフェンスで応戦。しかし、京産大の15回にまで重なった連続攻撃に耐え切れず最後はトライを許してしまう。
だが慶大はすぐに流れを引き戻す。13分、相手のボールをCTBイサコ・エノサ(環2・King’s College)がインターセプトし自陣から独走トライを果たした。
26分、スクラムで相手の反則を誘い敵陣でのラインアウトに持ち込むと、パスをつないで最後はCTB三木亮弥(環4・京都成章)がトライを奪った。さらに38分、相手陣内でのスクラムからトライを演出した。その後は京産大に得点を与えず、慶大が47-14で勝利、準々決勝への進出を果たした。
迎える準々決勝では、昨年の大学選手権覇者・早大と対戦する。対抗戦では11-22で敗れた相手であり、戦いは厳しいものになるだろう。しかし、今季の慶大は開幕戦・筑波大戦での敗北、明治大での劇的勝利など、すべてを謙虚に受け止め、すべてを糧にし、着実に力をつけてきた。進化を続ける彼らであれば、同じ相手に二度も負けるまい。黒黄のプライドをかけて必ずや赤黒を打ち砕き、6年ぶりの正月越え、さらには悲願の大学日本一をつかみ取ってほしい。
(記事:松嶋菜々美 写真:野田快)
次戦
第57回全国大学ラグビーフットボール選手権大会
準々決勝 VS早稲田大
12月19日(土)11:35KO
@秩父宮ラグビー場
◇共同記者会見より抜粋
——試合について
栗原監督:京産大学のひたむきなプレッシャーを多々受ける場面がありました。慶應大学としては勉強になったゲームとなりました。
LO相部主将:昨年大学選手権に出られていない中どれだけチャレンジできるのかというにフォーカスして臨みました。はじめはかなりプレッシャーを受けましたが、謙虚にひたむきにプレーするというところで一つ上回ることができたかなと思っています。
——三木副将に向けて。京産大相手に勝負になりそうだと想定していたポイントは。三木副将個人として、弟・FL三木皓正選手(1・京都成章)との対戦についての感想をお願いします
CTB三木副将:FWとFWのぶつかり合いになると思っていました。勝負のポイントとしては、いかにBKが陣地をとってエリアを優位に進められるか、あとはひたむきさでは絶対に慶應は負けてはならないと思っていました。弟とは最初で最後の対戦だったので、まずは試合ができたことを嬉しいです。なんとかマッチアップもできたのでよかったです。本当にすごく嬉しかったです。
——次は早稲田大学と対抗戦に続けての対戦になります。今回の試合の中で次に活きると思っている部分と、意気込みをお願いします
LO相部主将:今日の試合の出来だとまだまだ早稲田大学には勝てないなという感想です。今日の学びとしては、京産大学のFWの強さ、ゴール前の攻防で(トライを)取らせないディフェンスや、逆に取りきるといった部分。そこは自分たちも強みにしていますし、早稲田大学も強いので、そこをいかにしてこじ開けていくかという点で今日は一つ学びをもらえたと思っています。相手はチャンピオンなので、そこに対して自分たちがどれだけチャレンジできるか、自分たちがどれだけひたむきにプレーできるかにかかってくると思っています。
——前半はFWでトライを取られていました。あまりBKへはボールを回さず、ここで自分たちは取りきる、といった戦法だったのでしょうか
LO相部主将:自分たちの強みでもありますし、最初に1トライ目をこれで取れたので、いけるのであればこれでトライを重ねていこうと思いました。
——今年中々なかった遠征。対抗戦と調整やメンタル面での違いはありましたか
LO相部主将:いろんな部分での違いはありました。しかし前回の帝京戦も前泊で、一つ良いシミュレーションができていました。
——対抗戦開幕戦の筑波大戦では苦労されていた印象。そこからこの大学選手権にたどり着くまでに、ターニングポイントになった部分や成長できたと感じている部分は
LO相部主将:一つ目のターニングポイントは初戦の筑波大戦です。筑波大学のプレッシャーに受けて負けてしまった点で、大きな学びになりました。そこでチームとして「もう一度チャレンジャーとしてひたむきにやっていこう」と一つの共通認識を持つことができました。もう一つは明治大学戦です。この試合で自分たちのプレースタイルが明確になりました。そこに自信がつきましたし、チームとしての共通認識を持つことができるようになったのが明治大学戦だと思います。そこからどんどんチームが強くなっていると感じています。
◇出場メンバー
【Starter】
1.PR(プロップ) 竹内寛(政4・慶應)
2.HO(フッカー) 原田衛(総3・桐蔭学園)
3.PR(プロップ) 大山祥平(経4・慶應)
4.LO(ロック) 相部開哉(政4・慶應)
5.LO(ロック) 北村裕輝(経4・慶應)
6.FL(フランカー)今野勇久(総2・桐蔭学園)
7.FL(フランカー) 山本凱(経3・慶應)
8.No.8(ナンバーエイト) 福澤慎太郎(環1・本郷)
9.SH(スクラムハーフ) 上村龍舞(環4・國學院栃木)
10.SO(スタンドオフ) 中楠一期(総2・國學院久我山)
11.WTB(ウィング) 佐々木隼(総2・桐蔭学園)
12.CTB(センター) イサコ・エノサ(環2・King’s College)
13.CTB(センター) 三木亮弥(環4・京都成章)
14.WTB(ウィング) 沖洸成(総4・尾道)
15.FB(フルバック) 山田響(総1・報徳学園)
【Booster】
16. 田中慶伸(総3・桐蔭学園)
17. 松岡勇樹(法2・慶應)
18. 岡広将(総1・桐蔭学園)
19. 村松龍之介(経3・慶應)
20. 髙武俊輔(総2・尾道)
21. 安藤快(経4・慶應志木)
22. 鬼木崇(法2・修猷館)
23. 小谷田尚紀(経4・慶應志木)
【選手変更】
後半14分 竹内 寛→17松岡勇樹
後半19分 佐々木隼→22鬼木 崇
後半31分 今野勇久→20髙武俊輔
後半31分 上村龍舞→21安藤 快
後半34分 原田 衛→16田中慶伸
後半34分 大山祥平→18岡 広将
後半35分 北村裕輝→19村松龍之介
後半35分 沖 洸成→23小谷田尚紀