あと3日で開幕を迎える東京六大学秋季リーグ戦!慶應スポーツ新聞会では、春秋連覇へ闘志を燃やす選手たちに開幕前インタビューを行いました。
第3回は春季リーグ戦で熱き思いを抱える2人の4年生。上田寛太(商4・郡山)選手と新美貫太(政4・慶應)選手です。
ーーまずは他己紹介をお願いします。
上田:新美はめちゃくちゃ熱い男で、自分のことに熱くなれる選手は多くいるんですけど、ここまで自分だけではなくてチームが良くなること、チームが勝つことに熱くなれる選手はなかなかいないと思うので、すごい選手だなと尊敬する部員の一人です。
新美:あざっす!(笑)上田寛太は同様に僕と似ているところが多い選手で、熱い部分はすごく持っていると思います。その一方で、副将という立場でもあり控え選手という立場でもある一番難しいところですけど、その中で正木(智也=政4・慶應)や福井(章吾=環4・大阪桐蔭)にできなくて自分にできることは何かを考えて、チームを作る、チームを強くする、チームが優勝するために何をするか、といった部分をしっかりと行動に移すことができる人間だなと思います。
上田:あざっす!(笑)
ーーお互いのチーム内でのキャラクターは
上田:新美が熱いというのはキャラクターにもなっているので、みんなそれは思っていると思うんですけど、割と盛り上げ役というか先陣を切ってチームを盛り上げられる部員だなという感じです。
新美:上田は選手一人ひとりの個性を引き出しながらもチームを作っていける、チームの中で個性と個性の間に立つという役割を担っているのかなと思います。
ーー名前がともにカンタですが、チームメイトからの呼ばれ方は
上田:両方カンタじゃない?(笑)
新美:まあでも上田の方が寛太って呼ばれているかな?僕は割と新美って呼ばれている。
上田:先輩に上田がいて、逆に新美はもちろん新美一人なので、僕の方を上田と言いにくくて寛太って呼んでいるのかなと思います。そういうしょうもない理由ですけど(笑)
ーー名前が同じで困ったことは
上田:そこまで困らないですけど、同期に両方のことをカンタと呼ぶ選手が何人かいて、それは2人とも反応はします(笑)
新美:良かったのは、僕らの同期に福井章吾と関山正悟(総4・瑞陵)というWショウゴがいて、福井は主将で目立つんですけど関山はあまり目立たなくて、じゃない方のショウゴと呼ばれているのは可哀想だなと思うので、お互いがじゃない方じゃないのは良いことかなと思います(笑)
上田:(笑)
ーーお互いの意外な一面は
上田:先ほど熱いとか盛り上げ役って言っていたじゃないですか。多分チーム内でも下級生とかもそう思っていると思うんですけど、意外と人見知りをするタイプかなとは思っています。人見知りというか、知らない人に仲良く詰めていくのはそんなに得意じゃないかなという感じです。
新美:上田は結構、女の子好きなところある(笑)
上田:ないね!ないっすね(笑)僕は意外な一面は無いっす。
新美:見た目通りの熱いような、奈良県からやってきて1年浪人して慶大に入ってきて熱い思いを持っているので、あまり意外な一面は無く自分らしさを出しているのかなと思います。
ーーこれまでで一番印象に残っていることは
上田:一番は…一番というか3つ出てきちゃうんですけど、秋の早慶戦ですかね。1年の秋はリーグ戦の優勝をかけた早慶戦で負けて、2年の秋が全勝優勝をかけた早慶戦で負けて、3年の秋も優勝をかけた早慶戦で負けているんですけど、その早慶戦3試合だけは全部めちゃくちゃ覚えていて、印象に残っているなというのはあります。
新美:僕はあえてリーグ戦から遠いところで話すと、僕らの代になってからこのチームはガラッと変わったなと思う試合が堀井監督の古巣であるJR東日本さんとのオープン戦をした春のある1試合なんですけど、その時に言葉にはできない執念というか、熱い思いというか。このチームをどうしたいのかというところを全員が0から考えて進んでいったという意味で、あの試合は印象深かったなと思います。
ーー春季リーグを振り返っていかがですか
上田:一番は初戦の法大戦を落として、それも安打も全然出せないという形で落とした後に、次の試合を落としたら本当に終わってしまうというか。そこまで真っ暗な状態になることは今までの3年間で無かったのに、いきなりそうなってしまったという状況で本当にやるしか無い、勝つしか無いというところで、みんながパフォーマンスをしっかり出すことができて2戦目を取れたという、あの粘り強さがシーズンを通して出せたのかなという印象です。
新美:上田が気持ち的なものを話してくれたので戦術的なところで分析すると、やはり投手陣がしっかりしてくれたなと。1日目に森田が投げて抑えて、2日目に増居が投げて抑えてという守りからリズムを作って、正木や廣瀬(隆太=商2・慶應)をはじめとした打線がしっかりと調子を上げていくことができたので、リーグ戦を優勝して日本一にもなれたのかなと思います。
ーー途中から試合に入ることに対する難しさは
上田:難しさというのはスタメンにもあるし途中出場にもあるので、途中出場に突出した難しさがあるというのは感じていないですけど、心掛けていることで言うと、堀井監督のおかげで自分の役割がここだというのが決まっているので、練習、試合、オープン戦に関わらず、常に「こういう状況でこういう仕事をするために出るんだ」という意識で練習しているので、逆にプレッシャーのかかる場面で出場しても力むことはないかなと思います。
新美:上田が言っていることが全てで、僕らは1、2年生の頃にいわゆるフレッシュリーグで下から這い上がってきた人間なので、下から這い上がってこられたのはやはり圧倒的な練習量があるからだと思いますし、自分の役割を理解しているからこそ自分がやるべきことを誰よりもやっているので、そこに対しての難しさはあまり感じないのかなと思います。
ーー上田選手は内外野をこなせる選手ですが
上田:高校までずっと外野を守っていまして、大学から内野を始めたので両方とも守備力が高いわけではないですけど、両方とも守備につくことはできるという感じです。
ーー新美選手から見て上田選手の外野守備は
新美:今言われると笑ってしまうところはあるんですけど、最初入ってきた時には、自分より上手いやつが1人いるなと思いました。
上田:まじ?まじ?
新美:この代はAO入試で入ってきた外野手が多くて、その中にどう自分が入っていくかと考えた時に、まず横にいるライバルは上田だろうなと思いました。
上田:嬉しいなあ(笑)
ーー新美選手は四球を選ぶことが多いですが、何か意識していることは
新美:まずは背の小ささを生かすことですね(笑)ストライクゾーンがそもそも広くはないので、打てる球をしっかり待つということと、これは堀井監督にも直接言われたんですけど、以前ベストナインになったことがあるとか、早川(隆久=R3早大卒・東北楽天)から直球を本塁打にしたことがあるとか、そういうバックボーンを絶対に見られる中で、相手がビビってくるからこそ自分のできることをしっかりやれという話はされています。
ーー声出しなど、ベンチワークでの意識は
上田:リーグ戦とオープン戦は少し違っていて、リーグ戦になると人数がそこまで多くはないので、一人ひとりの着眼するポイントであったりとか、声の出すポイントも全然違っていて、例えばこれはベンチ内でその場で決めることなんですけど、「走者が動いたのを見るのは俺がやるよ」とか、「じゃあお前は打者の動きを見てくれ」みたいな感じで。雑にみんなで大きな声を出しているだけというようなチームもよくありますけど、今の慶大は雑に声を出すというよりは、それぞれがどのような声を出すかということを決めて、できるだけ無駄のないように、必要な声を出すというのは意識して役割分担できているかなと思います。
新美:上田が言ったことはオープン戦からやってきていることで、それがいざリーグ戦になった時にできなくなってしまうというのがあると思うんですね。そこを僕や上田が、いつも通りやれることをやろうというように常々言っているような気がします。
ーーお互いの仕事ぶりは
上田:オープン戦、リーグ戦問わず本当にチームを引っ張っていってくれているなと思います。やはり幹部と言われるような主将、副将であったり学生スタッフであったり、役職がついている選手はそこに責任が生まれるので、ある程度引っ張っていくのが当然の流れになっていくと思うんですけど、逆に何も役職の無い新美がリーダーシップを発揮して引っ張っていってくれるというのはチームにとってもありがたいですし、こういう選手がいるということが後輩たちにとって、「新美さんは役職が無くてもあれだけチームに貢献していたのだから、ああいう選手になろう」というように、今だけではなくてどんどん先にもつながっていくくらい良い影響を与えるような役割を果たしているなと思います。
新美:ありがとうございます(笑)僕は上田が言っていたことを本当に意識していて、やはりチームの顔となるのは主将、副将という幹部だと思うので、幹部がやっていることを踏まえて百何十人という選手をつなげていくのは4年生であり、無職である僕らがやるべきことだと思っています。なので、常に幹部のやっていることは注意深く見て、上田は特に組織を組織として制度を作ったりとか、どんどん動かしていったりしていくような立場で活躍してくれているので、上田が動かそうとするところにもっとついていかせるようにするためには、僕が中心となって下から押し上げていかなければいけない立場だと思っているので、特に上田のやっていることは常々見ていますね。
ーー全日本選手権を優勝した時の思いは
上田:率直に嬉しいというのがまずあって、それがなぜ嬉しいのかということにつながるんですけど、慶大がやっている取り組みを含めて、自分たちは自分たちにプライドを持っていて、自分たちはそれで納得するかもしれないですけど、そこを証明するにはやはり結果を出さなければいけないという気持ちがずっとあって。そういったところが、僕たちがリーグ優勝と日本一を目指していた原動力の1つでもあったので、そこを証明できるきっかけを作れたという意味ですごく嬉しいなという気持ちになりました。
新美:僕は結構ホッとしたところはあったのかな、変に落ち着いちゃった感じはありました。「よっしゃ、優勝したぞ!」というよりは、「あ、優勝しちゃった」というような心の余裕があって。というのも、僕らは日本一になるために、証明するためにいろいろなことをやってきて、それが結果として最高の形で証明されたので、「あ、優勝しちゃったわ、よかった」という安心感みたいなところにつながったと思います。
ーーこの春のベストプレーは
新美:僕は全日本選手権初戦の和歌山大学さんとの試合で、ずっとスタメンではなかったんですけど、急にパッと新美いくぞという形でスタメンで使われた時に1本良いところで安打が出たところかなと思います。それができたのも後輩の萩尾(匡也=環3・文徳)がずっと試合に出ていて悔しい気持ちを持ちながらも、でもチームが優勝すれば良いという2つのバランスを保ちながらやってきた自分がいたからこそだと思うので、あの1本は自分の中で春のベストプレーかなと思います。
上田:僕も自分のベストプレーで言うと、法大1回戦で代走で出て盗塁を決めたところかなと思っていて。雑にやって普通に走力があって盗塁ができたみたいなたまたまだと思われても良いですけど、自分の中ではちゃんと積み上げてきたものがあって、結局結果という分かりやすい形が無いと何の証明にもならないと思うので、それをいつあるかわからない、何回あるかわからないというチャンスの中で、1発目で形にできたというのは良かったなと思います。
ーーピンポイントに力を発揮できる要因は
上田:2人とも全く一緒だと思うんですけど、常にその場面を想定して練習をしているかどうかだと思っていまして、一番緊張感がかかるところで良い走塁をしなければいけないからそのための練習をしようとか、一番良い場面で自分が出塁しなければ負けてしまうからそういった練習をしようといったところで、純粋に邪念なく試合に入れているというのはあると思います。
新美:全くもっておっしゃる通りです。また、僕の場合は前日の夜にとらひげ(日吉にある洋食店)の店主の方々から頑張れよという声をもらって、応援されているんだなと思って。やはりそこで「しっかり準備をしよう」というように、人の力も含めて臨んでいるところはあります。
ーー春を通して良かった点、逆に見つけた課題は
上田:良かった点は、本当にメンバーだけで戦っているなという感じが無くて、ただの綺麗事になってしまうかもしれないですけど、みんなの力で勝てたなという思いがあって。というのも、このチームが始まった時に4年生で話をして、勝つというところの目標ももちろんあるんですけど、勝った時に全員が喜べるようなチームを作ろうということを話して始まった学年だったので、それを実感できるリーグ戦だったなと思います。それもいろいろな役割、アプローチの仕方があって、4学年さまざまな立場の人がチームが勝つことということを考えて動いて。スタメンが一番注目されやすいですけど、チームで勝てているという実感があったからこそ、勝った時にそういう嬉しさがあったというのが良いところだなと思います。悪いところはもう無いというか、出てきた課題をどんどん潰してやっているので、あまり今は思い浮かばないですね。
新美:良かったところで言えば、やっと堀井監督が優勝できたということかなと思います。社会人であれだけすごい人が学生野球に下りてきて、なかなか優勝できないという不安なところもあったと思うんですけど、本当だったら今まで社会人でやってきたことを、「大学生は黙っとけ、俺はこうやって社会人で優勝したんだ」とやりたいところだと思うんですけど、そうでは無く学生としっかり対話して、学生野球はこうです、堀井監督の野球はこうですとお互いに意見交換した結果で優勝できたので、それはすごく良かったなと思います。悪かったというのは難しいので、この秋に向けて僕がもっとやりたいなと思うことは、来年も勝てるチームを作りたいというところで、ベンチ入りメンバーも4年生が多いので、4年生が抜けたとしても次の日の試合でまた勝って、また優勝できるという、それくらいのチームを作っていきたいと思っています。
ーー堀井監督はどのような存在か
上田:ただ尊敬する人ですね。新美が言ったように、経験値や考え方も含めて堀井監督は僕たちからしたら雲の上の方なのにも関わらず、本当に目線を揃えてくれているなというのは感じていて、普通はあれだけの経歴や実績があったら、「とりあえずいいから俺の言う事を聞いておけよ」となっても従っていくのが、ある意味で学生の仕事というくらいだと思うんですけど、そこを対等に話してくださって。慶大の学生が人の言うことを聞かないというか、我を通したがるという悪い部分もあって(笑)それにしっかり応じて、良いチームを作ろうというように動いてくだざっているのを感じるので、本当に尊敬しています。あとは、部員との距離が近いなというところで、実績もあるし年齢も結構離れているので普通は距離が生まれると思うんですけど、僕自身が今までお世話になってきた指導者の方々と比較しても類を見ないくらい本当に距離が近いというか、新美なんか普通にイジっていますし(笑)というようなことが可能なくらいに距離を縮めて、僕たちがやりやすいような関係性を築いてくださっているんだろうなと思っています。
新美:堀井監督は、愛称を込めてボス的な存在かなと思います(笑)やはり一番頼りになる人なんですけど、このチームの誰よりも学ぶ姿勢がすごくて、練習試合をした相手の監督さんにすごく丁寧に頭を下げてお話をしていて、いろいろなことを吸収している姿を見ると、「やはり僕らもこういう大人になりたいな、こういう人についていきたいな」と思うことはあります。一方で上田が言っていたように、選手との会話を求めたがる、選手との距離をどんどん近づけていこうとする、あざとさというか(笑)可愛らしさみたいなものをすごくあるので、そんなところも踏まえてやはりこの監督を、このボスを優勝させたいなと心の底から思えるような方ですね。
ーーこの夏に取り組んできたことは
上田:一番は実戦の中で力をつけていくということだと思っていて、それは僕たちの意識を含め、監督が中心になってだと思うんですけど、北海道でタンチョウリーグという実戦の遠征をさせていただいて、日吉に帰ってきてからもいろいろな大学、社会人のチームとのオープン戦を監督が組んでくださった中で、選手たちの中では実戦の中で昨日できたことをそのまま持続する、昨日できなかったことを今日はやるという形で、実戦の中で土台を大きくして底力をつけていくというような取り組みをしています。
新美:僕が秋に向けて取り組んできたことは、不安要素を徹底的に潰して長所を伸ばしていくということだと思います。例えば、野球用語で2ストライクと追い込まれても粘っていこうねということを2ストライクアプローチといって、僕はそれが苦手で不安に思っていたんですけど、2ストライクアプローチという不安要素を潰していけば、2ストライクと追い込まれてからもファールで粘れるし、だからこそ0ストライク、1ストライクからどんどんバットを振っていけるよね、自分の打ちたい球だけ打っていけるよねということで、積極的なバッティングを伸ばしていけるように取り組んできたと思います。
ーーキャンプを通してのMVPは
上田:僕のMVPは4年の若林(将平=環4・履正社)。彼は今年4年目で、最初に見た時からすごい選手だなというのは感じていましたし、ポテンシャルが本当に高くて自分とは全然違うなというのが第一印象で。彼は真面目で誰よりも努力するタイプなんですけど、今までうまく結果が出ずに自分の努力と比例したような評価を受けられないという時間が長く続いた中で、彼なりに最後はなんとかしたいという気持ちが強くあって。元々ずっと練習をするタイプだったんですけど、もっと身が入って時間も内容も含めて客観的に見ても明らかにすごいなという姿勢で野球に取り組んでいますし、それがやっとと言ったら失礼かもしれないですけど、努力の内容と結果がどんどんつながってきているなという感じです。
新美:僕もこの夏のMVPは若林将平、一択です。理由は上田が言ったことが全てで、この秋は絶対に将平に暴れて欲しい、このチームを勝利に導いて欲しいなと思っています。
ーーチームの雰囲気は
上田:チームの雰囲気は抜群に良いと思います。日本一になったという驕りは一切無いと思っていまして、日々自分たちの課題と向き合いながら自分たちができることを追求していくというような声かけを日本一になった日からやっていたので、そこに関する驕り、隙というのは全然無いかなと思います。
新美:副将がこう言っているので、僕はあえてまだまだできることがたくさんあるなと。日本一になったは良いんですけど、何をもって日本一なのか、どこまで強くなれば日本一になれるのか、というのは正直まだ全然わからないことなので、ずっと謙虚さと向上心を持ってやるべきだなと僕は思っています。それこそ、廣瀬はもっと打ってもっと走って欲しいし、朝日(晴人=環3・彦根東)はもっと声を出してもっとチームに貢献して欲しいなと思っているので、もっとできるんじゃないかなと思っています。
ーー秋の注目選手は
上田:やはり、若林になるかなと思います。
新美:僕は投手の笠井建吾(経4・明和)を見てもらいたいなと思っています。1年生で入部してくる時も6月に入ってきて、そこから約3年弱ずっと怪我をしていた選手なんですけど、365日努力をしている、毎晩寮のラウンジでストレッチをしている、ずっと野球の勉強をしている、という選手がこのリーグ戦で必ずチームの勝利に貢献する投球をしてくれるのではないかなと思います。
ーー優勝に向けて鍵を握る選手は
上田:4年生かな、それも主力として今まで出ていなかった選手なのかなと思っています。慶大の良いところとして、今まで1つ上、2つ上、3つ上の先輩の中で、4年生の秋に意地で汚い形でも出塁したり、意地で0に抑えたりというような4年生の活躍を見てきたので、その良い伝統を受け継ぎたいですし、それをやらなければいけないなと思っています。
新美:僕がこの秋に鍵となると思っている選手は、3年の下山悠介(商3・慶應)です。塾高の時から彼を知っていて、彼は高校1年生の時からベンチに入って2個上の代で負けた時も号泣して、僕らの代でも彼が最後の打者になって号泣してと、彼が先輩たちの試合で負けて号泣している姿ばかり見てきたので、僕らが大学で最後の時くらいはあいつが打って、あいつが笑顔で僕らを送り出して欲しいなという愛を込めて、下山を挙げさせてもらいます。
ーーこの秋注目して欲しいプレーは
上田:注目して欲しいプレーは全てです。誰かのバッティング、誰かの投球というプレーだけでは無くて、アップ中に行っているキャッチボールであったり、試合前のランニング、ダッシュ、ボール回し、シートノックであったり、本当に全てに細かく隙なく作り上げていこうとやっているので、まだまだ完成度でいったら40%、50%くらいかもしれないですけど、そういったところを意識しているという意味で全てに注目してもらいたいです。
新美:上田の言っているように、1プレーではなくて場の雰囲気、慶大野球部とはこういうものだぞという目に見えないものを心に刻んで欲しいなと思います。今の慶大野球部を見れば絶対に来年も応援したいなと思えるし、来年下山は大丈夫か、朝日はこのチームを作っていけるのかという目で見てもらえると思うので、球場に足を運んでいただいた方は慶大野球部とはこういうものですよというものをしっかりと心に刻んで欲しいかなと思います。
ーー最後に、秋季リーグ戦への意気込み、そしてファンの方々へのメッセージをお願いします!
上田:本当に優勝したい、早慶戦に勝ちたいというのがあります。先ほど言ったように3回早慶戦で悔しい負け方をして、良い形でリーグ戦を終わるというのを逃しているので、本当になんとしてでも最後は早慶戦に勝ってリーグ戦を優勝するというのが意気込みです。なかなか(感染状況が)難しい状況で、僕ら自身もどうなるかはわからないですけど、応援してくださっているということに関しては現場にいようといまいと変わらずに僕たちには伝わってきているので、応援してもらっているという自覚を持ってプレーしていこうと思います!
新美:やはりチームのピンチを救う1プレーをしたいなと思っています。4年生にしかできない4年間積み上げてきた練習をした人にしかできない、チームを救う1プレーを必ずします。応援してくださる方々に対して、やはり慶大野球部というものを感じ取ってもらって、そこに対して好きになって応援してもらえれば僕らの力にもなりますので、ぜひよろしくお願いします!
ーーお忙しい中、ありがとうございました!
※当取材は新型コロナウイルス感染拡大を受けて、8月26日にオンライン上で実施しました。
(取材:林 亮佑)