今季未だ勝ち点がない慶大は、第20回早慶女子サッカー定期戦を兼ねた一戦に臨んだ。前半から早大に押し込まれる展開が続くと16分に先制を許してしまう。試合を通して早大ペースで時間が進む中、DF陣を中心にゴールを死守するものの83分に追加点を献上。終了間際にもPKを沈められ試合はそのまま無念のホイッスル。早慶定期戦初勝利の夢は後輩たちに託されることになった。
2021/09/29(水)17:00ko @慶應下田グラウンド
【スコア】
慶應義塾大学0―3早稲田大学
【得点者】
0-1 16分 白井美羽(早稲田大学)
0-2 83分 三谷和華奈(早稲田大学)
0-3 89分 黒柳美裕(早稲田大学)
◇慶大出場選手
GK 野田明日香(総2・十文字) |
DF 深澤菜月(総2・千葉東)→74分 大井沙羅(環1・文京LBレディース) |
DF 福岡愛実(環2・横須賀シーガルズ) |
DF 藤田椰也子(経4・SOCIOS.FC) |
DF 中井里衣子(総4・作陽) |
MF 髙橋佳里(総3・常盤木学園) |
MF 高月彩香(環4・村田女子) |
MF 秦野くるみ(総3・藤枝順心) |
MF 大橋桜子(商1・INAC東京レオンチーナ) |
MF 田中里奈(経3・Fusion Soccer Club) |
FW 及川莉子(総2・常盤木学園) |
今年で節目となる20回目の開催を迎えたソッカー部女子とア式蹴球部女子による早慶定期戦。ライバル・ワセダの壁に阻まれること19度。荒鷲軍団は今年こそ歴史に初勝利の文字を刻むことはできるのか。無観客開催にも関わらず、その歴史的瞬間を目撃しようとグラウンドの外にはソッカー部男子や大勢のファンが詰めかけていた。
試合は戦前の予想通り、開始早々慶大が自陣深くまで攻め込まれる時間帯が続いた。それでも7分には、右サイドを攻め上がると大橋桜子(商1・INAC東京レオンチーナ)のクロスが好機を演出。ボールは惜しくも跳ね返されてしまうものの、先制点の機運を伺わせるシーンだった。我慢の時間が続く中、15分ビルドアップのボールをインターセプトされると右サイドへの展開を許す。PA前で剥がされそのまま持ち込まれると、浮かせた技ありのシュートがゴール隅に吸い込まれ失点。前節の早大戦同様、早い時間帯に先制され暗雲が立ち込める。同点に追いつきたい慶大は、直後に大橋のインターセプトで前線まで押し上げるものの早大の壁に阻まれシュートを打てない。28分には、スローインに詰めていた大橋がボールを奪うと一気にゴール前へ。大橋が放ったシュートはクロスバーの上を超え、この試合最大の好機をものにできなかった。その後も早大が試合をコントロールする中、追加点は与えず前半を0-1で折り返した。
後半は前半以上の猛攻を受け、両サイドから早大がゴールに迫る展開に。一度集中力が切れれば一気に大量失点の可能性がある中で、荒鷲軍団は身体を張ってゴールを死守。CKは後半だけで11本を数え、幾度となくクロスを上げられてもゴールネットは揺らさせなかった。早大の押せ押せムードを切り裂くワンプレーが欲しい慶大はカウンターから得点を試みるも冷静な対応からボールを奪われ、敵陣深くまで攻め込むことができない。野田明日香(総2・十文字)のファインセーブもあり早大の攻撃を凌いでいたが、83分ショートコーナーから放たれたミドルシュートがゴール右上に突き刺さり痛恨の追加点を献上してしまう。終了間際にはPA内でファウルの判定を受け、PKから試合を決定づける3点目が刻まれた。一矢報いたい慶大であったが後半は1本のシュートも打たせてもらえない中、試合終了の笛が下田グラウンドに鳴り響き20回目の挑戦は終わりを告げた。
前節の早大戦の大敗(0-8)から1ヶ月弱。厳しい戦いが予想される中で、彼女たちは勝負が最後までどちらに転ぶか分からない予想以上の善戦を見せてくれた。史上初の勝利を目指して挑んだ戦いは、間違いなく過去の早慶戦に引けを取らない好ゲームとなった。チーム全員の早慶戦に対する意気込みはプレー中はもちろんのこと試合後、中井里衣子(総4・作陽)主将が涙を流す姿にも体現されていた。悔しくも想いは結果に結びつくことなく今年の早慶戦は今節を持って終了となるが、シーズンはまだ終わっていない。最後は笑って締めくくれるよう、残り試合を全身全霊で駆け抜けてほしい。
(記事:小林由和 写真:小林由和)
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※感染症対策のため、試合後のインタビューは行っておりません。予めご了承下さい。