10月24日(日)、味の素フィールド西が丘にて「JR東日本カップ2021 第95回関東大学サッカーリーグ戦1部 第21節」兼「第72回早慶サッカー定期戦ー早慶クラシコー」が開催される。慶應スポーツでは早慶クラシコにあたり、計14人の選手にお話を伺った。第2弾は慶應の守備を司る、小山内慎一郎(総4・青森山田)、小林誉貴(商4・清水東)、谷本竜一(総4・FCトリプレッタユース)、日川優太(商4・高崎)である。チームを纏める4年生として今季の戦いぶり、早慶クラシコへの意気込みなど多岐に渡る内容となった。
(取材日:2021年9月6日)
ーー軽く自己紹介をお願いします
日川:日川優太と申します。WBを主なポジションとしています。
小林:小林誉貴です。ポジションは3バックの真ん中をやっています。
小山内:小山内慎一郎です。普段はボランチの一角で試合に出ています。
谷本:谷本竜一です。3バックの左で試合に出ています。
ーー今季これまで、主に前半戦を振り返って、ハイライトになった試合などありますか
日川:今年の守備陣のメンバーは去年から出ている選手が多くて、やはりシーズン最初からそれなりに組織的に守れるところはあるのかな、という自信を持って臨んだ部分はありました。その中でリーグ戦が実際開幕してみると意外と上手くいかないところもあってリーグ戦序盤は結構失点をすることが多くて、チームに少し迷惑をかけてしまった部分があったのかなと思っています。その中で勝ち始めた流経戦,立正戦では、守備がしっかり体を張ってチームに貢献できていたので、それがチームの勝利につながっているのかなと。 今チームはリーグ戦最下位なんですけれど、チームの守備からいい流れを作っていきたいと思っています。
小林: 同じく流経戦は1つのハイライトになると思っていて、今シーズン唯一の連勝を収めた1戦目の試合だったので。チームとしては、さっき日川が言ったように、去年からずっと同じようなメンバーで戦っていく中で、うまくいかなかった要素として自分たちのミスから失点というのが多かったので、そういうところに関してはこれからより丁寧に修正していかなきゃならないのかなと、これから後9節戦う上でやらなきゃいけないことかなと思います。
谷本:流経戦もそうですけど、唯一クリーンシートで勝った桐蔭横浜戦が印象に残っています。ゼロで抑えられたというのは守備陣にとってはいいゲームだったかなと思います。
小山内:流経戦でチームとして上手くいった部分があって、そこからちょっとずつスイッチが入って練習もできたし、(谷本)竜一の言った通り桐蔭横浜戦でピンチは多かったんですけど抑えられたところも自分たちの自信に繋がったと思います。
ーー昨季から1部復帰を果たして今季は2年目の戦いとなっていますが、昨季から向上したところと課題点はありますか
日川: 個人としては、去年はストッパーで出ることが多かったのですが、今年はウイングバックとして出ることが多くなっています。その中で、自身はサイド際での1対1の対人というところがチームから求められているところで、去年と比べてこれから向上が必要なところかなと思っています。チームとしては去年の4年生がいなくなったというところがあり、今年は一年生の山口紘生(商1・國學院久我山)がリーグ戦守備の要として出場が多くなっているので、1年生とのコミュニケーションも重要な部分になっていると思います。
小山内: 僕自身は 守備で出る回数よりもランチで出ることが多くて。あまりならないポジションで最初は難しいと思いながらあまり試合にも入れず終わったという印象があってそこは個人的に苦労したんですけど、今年は守備だけじゃなく攻撃の面でもチームに貢献できていると思うので今の自分の力が足りない部分もあると思いますが、ストッパーの選手とコミュニケーションをとることを楽しみ攻撃の部分でも違いを見せていけたらと思っています。
小林:後ろ3枚は去年の後期からほとんどメンバーが変わっていなくて、コミュニケーションや声かけという面に関しては1つ上のランクに上がっていて。自分が真ん中で持っていて(谷本)竜一や酒井(=綜一郎、政4・慶應)に指示するのもそうなんですけど、短いワードで伝わってくれたり何も言わなくても動いてくれるっていうところだったり、互いが互いのことをより知ることができた去年があった分、今年は3人で守りやすくなったというのはあります。 1人1人の責任感が大きくなってタスクも増えたというところで、ミスが目立って失点に繋がってしまっているというのは、個人でもそうですしチームの弱点なのかなと思っています。
谷本: 3人の連携とかそういう部分では去年もずっとやってきたので変わったところはないんですけど、去年と変わったところでいうと攻撃の時間が多く作れているというのはあります。それでも失点は減っていないので、攻撃中の守備陣のリスクマネジメントが最近の課題と感じています。
ーー主将の酒井選手のポジションはDFですが、どのような存在ですか
小林:1番はやっぱり背中でチームを引っ張ってくれる存在であって、苦しい時に声が出せる選手です。1つのプレーでチームの雰囲気や流れを変えることができる選手だと思うので。そういう点において、とても感謝しています。
日川:きつい時に声を出してチームを鼓舞してくれるというところはチームにとってありがたいですし、チームを引っ張りながらも常に支えているキャプテンかなと思います。(小林)誉貴がほとんど言ってくれました(笑)
ーー今回のインタビューは全員4年生ですが、4年間同じチームにいると、試合中の意思疎通は円滑にとれていますか
小林:自分と(谷本)竜一と日川は去年までBチームにいたので、実際一緒にやった期間というのは去年と今年ですね。他のチームのDFと比べると短いとは思うんですが、練習だったり試合も一緒に出てコミュニケーションをたくさんとったり、修正点を話し合うことが多かったので、その分簡単なコミュニケーションで意思疎通がとれるようになった、(意思疎通が)楽になったというのはそういったところに要因があるのかなと思います。
日川:監督からよく言われることとして、「守備は規律だ」という言葉があるんですけど、やはり2年間同じチームでやっていく中で規律というところをチーム内で共有できているのは、いい守備につながる要因の1つなのかなと思います。
小山内: 練習から皆コミュニケーションをとって。日川も言っていたように、「守備は規律」というのは何度も監督が口にしている言葉なので、守るためには細かいところからコミュニケーションをとって微調整する必要があると思うので、そういう部分では良いコミュニケーションが取れているのかなと思います。
ーー直近の対早稲田戦は今年のリーグ戦でした。0-1で敗戦していますが、その時の早稲田の印象を聞かせてください
日川:私は後半の途中から出場したのですが、その中で感じたこととしてはやはり「個」の強さというところで、自分自身サイドのポジションでの1対1が多かったのですが、縦の速さであったり、ドリブルに特徴を持った選手が多くいるなという印象を受けました。
小林:自分のミスで失点してしまったので、それ以外は抑えられていたのかなと思うんですけど、 中盤から質の高いボールが送られてきたり、FWの個の能力が高かったり、サイドで1人で現状を打開できるような選手が多く揃っているというのが1つ強みでありますし、警戒しなければいけないところなのかなというのは印象として持っています。
小山内: 誉貴が言ったとおりクオリティーが高い選手が たくさんいると思うので、関東のどこのチームもそうなんですけどそういう1人1人の良さがあるチームなのでそこに警戒する必要があると思います。
谷本: 前期は立ち上がりラインコントロールのミスで失点してしまったのでそこは修正しなきゃいけないですし、早稲田は毎年個の能力-FWに良い選手は例年いるので、ストッパーとしては相手のストライカーの選手に仕事をさせない,ということを意識していきたいと思います。
ーーこれまでの早慶クラシコと違い、リーグ戦での戦いになりますが臨む気持ちに変化はありますか
日川: 1番大きな違いとして 1発のイベントの早慶戦と違ってリーグ戦となると強度が激しい戦いになると思っていて。ただの早慶クラシコではなくて、関東リーグ1節をかけた強度の高いプレーは期待してもらっていいと思いますし、そこにすべてをかけたいと思います。
小林:定期戦で行われていた頃の早慶クラシコに出たことがないので、ピッチ上で何が変わるのかというのは正直よくわかっていないところもあるんですけど、リーグ戦なので基本的にはいつもと同じです。毎試合同じような気持ちで戦っていく中でのリーグ戦の1つなので、多少の気持ちの高まりはあると思うんですけど、大きく変わるところはないのかなというのは、去年の戦いも踏まえた上で個人的に思います。
小山内:今2人が言ってくれたように リーグ戦の中の1つの試合だと思っています。その時に慶應のチーム状況・勝ち点状況もあって緊張感のある試合になると思うので、まずはリーグ戦の1試合だと思って絶対勝つために戦うだけですね。
谷本:自分も関東リーグの中の1試合だと思っています。リーグ戦終盤の試合になるので、残留をかけた戦いになる可能性もあります。なので、早慶戦に比べそういう面でも大事なゲームになるのかなと。
ーー早稲田は堅実な戦いを見せていますが、9月4日現在1部の得点数が11と、最少得点チームです。抑えるうえで気をつけたいポイントは
日川:大きく2つあります。まず1つ、サイドの1対1があってそこで自分が勝つ所。あともう1つは、前期に早稲田がやってきた事として、今までリーグ戦で見ないような1年生の選手をぶっつけ本番で起用してきて、それを慶應対策としてとってきたところがあったので、 向こうの戦術であったり対策みたいなところだったりにもいち早く対応して、自分たちのサッカーをするというところがカギになってくると思います。
小林: 相手の特徴としてはやはり個の能力が高いというところにあります。しかし、慎重になりすぎるのではなく、自分たちも同じ年代で戦っている選手ということにプライドを持ってぶつかっていき、冷静に競り合いで勝てる局面で攻撃の芽を摘んでいくことが大切だと思います。 自分たちは規律を大切にした守備をしているので、個人プレーに走り過ぎるのではなく、チームとして抑える守備をして行くのが良いと思っています。
小山内:早稲田は得点数が少なくてもゼロで抑えて勝てる勝負強さがありますし、最後に仕事できる選手が前線にいると思うのでその選手をしっかり抑えつつ、ひとりひとりが個人に走らず、規律立った守りをしていることが大切になると思います。
谷本:早稲田は今シーズン開幕から3試合連続1対0で勝っていたチームで、点は取れなくても後ろがしっかり抑えて勝つというところがあるので、慶應の攻撃陣がどのように点をとるかというところも重要だと思いますし、自分の中ではセットプレイが去年の早慶戦でも重要なポイントになったので大事かなと思っています。
ーー最後に、早慶戦に向けた意気込みを聞かせてください
日川: 私は4年間を通してこれが最初で最後の早慶戦に出場するチャンスになるので、まずは出場したいという思いが強いです。その上で、試合に出場することができたら、自分は守備的な要素を求められることが多いので、相手の選手との駆け引きであったり、1対1のデュエルであったりというところで勝って、チームに貢献できればと思っています。
小林:無失点で勝つ,というところが1番の自分の中での目標です。酒井のように個で打開できる選手もいるのですが、その中でもやはり規律をもって守り、外から見てもきれいな守備ができるよう統率していければと思います。
小山内:早慶戦にかける思いとして、感動を与えるような試合にしたいという思いがあります。僕自身定期戦に出たことがないので、出られたらすごくうれしいですし、目標としてやってきた所もあるので。試合に出た時には、画面越しに観戦してくださる方,実際に観戦に来てくださった方に、見てよかったと思ってもらえるような試合にしたいと思っています。
谷本:無失点で勝ちます!
一同:(笑)
お忙しい中、貴重なお話ありがとうございました!
(取材:飯野広太郎)