4月9日(土)、東京六大学野球春季リーグ戦はついに開幕を迎えます! 慶應スポーツ新聞会では、リーグ3連覇に向け始動した選手たちに開幕直前インタビューを行いました。
第1回はともにリーグ戦経験の豊富なサウスポー、増居翔太(総4・彦根東)選手と渡部淳一(政4・慶應)選手です。
――最初に他己紹介お願いします
増居:4年生の左腕の渡部淳一君です。リーグ戦でも防御率ゼロという抜群の安定感を誇る左腕です。
渡部:増居翔太君です。1年生の春からずっと登板をしていて、昨年から先発として安定感のあるピッチングをしています。今年も抜群の安定感で抑えてくれると思います。
――ご自身の強みは
増居:どういう舞台でも最低限の役割を果たすことができることです。
渡部:僕自身はスピードが速くないので、その中で変化球など緩急を使ったり、制球良く投げたり、間を使ったりといろいろな投球術を駆使して、相手バッターを打ち取るところが強みだと思います。
――自分にはない相手の強み、特徴は
増居:今も投球術と本人が言っていましたけど、まさにその部分で、特にバッターのタイミングを外す変化球がすごくレベルが高い。そこは僕にはなくて渡部が持っている強みだと思います。
渡部:僕とタイプが逆で、僕は変化球で仕留めたいタイプだが、(増居は)すごい球速がある訳ではないが、直球で押していくタイプです。直球をコントロール良く投げてファールや空振りを取るという、自分の課題でもあり目指しているところを増居は持っていると思っています。
――同左利きの投手としてお互いはどのような存在か
増居:現状後ろにいてくれて、イニングを投げ切ってくれるという信頼があるので、先発する僕としても最初から全力で投げられます。先のことをあまり考えずにいけるという点で信頼を置いているリリーフの投手の一人です。
渡部:増居は試合を壊すことがなかったところで先発としての安定感があって、計算が一番できる投手だと思っています。リーグ戦で負けないために、イニングを投げていかないといけないですが、投手陣の中でその役割を担ってくれる一人だと思います。
――昨年の自分自身を振り返って
増居:昨年1年間を通して先発をできたことが良かったです。先発として、投げる上で自分の課題も見つけられましたし、特徴や強みも把握できたので、今年のラストシーズンに向けてすごく良い収穫を得られた1年だったと思います。
渡部:昨年1年間は自分の与えられたポジションを全うできたと思っています。リリーフでの出場が多かったのですが、流れを変えたり、点を取られないでイニングを投げて欲しいところで投げることができたり、課された場面で自分の投球をできた1年だったと思います。
――冬の期間、オープン戦の期間に意識して取り組んだことは
増居:昨年は先発として1年間やってきましたが、初めての先発だったので、大胆なチャレンジができなかったです。そこで、オープン戦の時期には新しいチャレンジをすることを重点的に意識していました。
渡部:昨年1年間はあまりデータを取られてなかったと思いますが、これからは相手が研究してくると思います。その中で、昨年と違うピッチングや配球を自分なりに分析して試行錯誤したことです。
――投手陣の練習の雰囲気は
増居:チームとしては勝てない試合が続いて苦しい時期もあり、投手陣も思うような結果が残せないこともありました。しかし、練習では来週の東大戦に向けてみんな前を向いて、ポジティブにできていると思います。
渡部:増居が言っていたように勝てない時期が続き、投手も大量失点をすることもありました。その中でも、リーグ戦に向けてコンディションを上げている選手が多いので、ここからもっと上がっていけばさらに成長していける投手陣だと思います。
――2人は普段どのような会話をしますか
増居:僕たちは寮で同じ部屋で、ここはお互いの認識がずれてないと思うのですが、2人とも1人で行動するのが結構好きで、必要以上に絡んだりしないです(笑)。話すとしたら野球の話とか……
渡部:後輩の話や後輩いじりとか(笑)。
増居:そういう話が多いですね。
――春季リーグ戦での個人の目標
増居:先発として5勝挙げることを目標にしています。
渡部:リリーフで投げる機会は昨年より増えると思うのですが、引き続き無失点ということにこだわっていきたいと思います。
――六大学の選手の中で打ち取るのが難しい選手は
増居:法政大学の齋藤大輝(人4・横浜)選手ですね。昨年も本塁打を打たれたり、代表合宿でも対戦しましたが、そこでも良いあたりをされたり、すごく良いバッターという印象があります。今年こそは絶対に抑えたいです。
渡部:明治大学の山田陸人(法4・桐光学園)選手かなと思っています。高校2年生の時から何度か対戦していますが、ことごとく打たれているので、1回くらいは抑えたいです。
――最終学年になりますが昨年との違いは
増居:最上級生ということで、今までは先輩たちに引っ張ってきてもらった中で、今年はピッチャーとしてキャッチャーも引っ張るくらいの気持ちがないといけないと思っています。今年になってからそういう気持ちや責任はあります。
渡部:僕は、チームに対して何ができるのかを考えるようになりました。もちろんバッテリー間でのコミュニケーションや、投手陣の中でも後輩たちを自分が引っ張っていこうと思っています。自分が引退した後も強い慶應でいてほしいと思っているので、自分が何か還元できることはないかなと思っています。あともう一つは、4年になり責任を負うこともある一方で、その分好き勝手ではないですけど、自分が思うようにできるところがあるので、楽しんでやっています。
――今年新たに活躍しそうな注目投手は
増居:僕は4年生の中村(公祐=商4・市川)です。今まではリーグ戦では登板はないですが、今年の冬からオープン戦で良いピッチングをしていて、この春活躍してくれると思っています。
渡部:中村は右ピッチャーでコントロール良く変化球や直球を投げ込めるので、昨年の森田(晃介=R4商卒・現JFE東日本)さんのような活躍を期待しています。
――今年から観客の制限も緩和、ファンにメッセージをお願いします。
増居:ここ数年コロナがあって観客の方々も満足に入ってもらえなかったですが、今年はいろいろな人が来てくださると思います。それを当たり前と思わずに、こういう環境でできることに感謝して、全力でプレーして頑張りたいと思います!
渡部:昨年、一昨年と制限がある中でも多くの方にご尽力いただいて開催できたことに感謝しています。その一方で自分たちが高校時代や甲子園のように、多くの観客の前でプレーすることにやりがいや達成感を感じています。そういった点では、大学1年生に向けた早慶戦などは(高校時代や甲子園の雰囲気に)近くなるのかなと思っているので、すごくワクワクしていますし、ファンの方々に熱々なプレーや元気のあるプレーを見せられたらと思っています!
――お忙しい中、ありがとうございました。
※当取材は新型コロナウイルス感染拡大を受けて、4月2日(土)にオンライン上で実施しました。
(取材:長沢美伸)