9月10日(土)、味の素フィールド西が丘にて第73回早慶サッカー定期戦(早慶クラシコ)が行われる。慶應スポーツではクラシコにあたり、計14人の選手に取材。第2弾は茅野優希(政2・慶應)、山口紘生(商2・國學院久我山)、根津拓斗(政2・慶應)の2年生3人。昨年の早慶戦にも出場した山口と、今年出場機会を増やしブレイクを果たした茅野とGK根津。早慶戦連覇に欠かせない存在となった2年生3人に、お話を伺った!
――今シーズンここまでを振り返ってみて
根津:開幕戦に負けてからうまくチームが勢いに乗って3連勝、その後も引き分けを挟みながら徐々に勝ち点を積み上げていくという良いスタートを切れたとは思います。ただ終盤の3連戦のところで勝ち点2しか取れなかったってところで失速してしまって、後期もそのまま開幕してしまったのかなと思います。
茅野:今季は結果を出すことにこだわってプレーしていたんですけど、点を取れてた時期と取れてない時期あったりとか、結果が出せてる時と出せてない時があったと思っていて、これからは常に結果を出せる選手にならなければいけないなと思います。
山口:前期は勝ち点18で折り返したんですけど、それが昇格を目指せるギリギリのラインだと思います。自分はここまで全試合に出させていただいていて、勝ち点18にとどまっていることには責任を感じます。今後負けた試合を生かして勝ち点40にとどくように後期は頑張っていきたいなと思います。
――茅野選手は今季3ゴールです。
茅野:攻撃の面では、常にゴールに関わるということが頭にあります。3点ともこぼれ玉を押し込んだ形でした。ゴール前では必ず、仲間を信じて走って、そこに仲間が合わせてくれてという感じなので、仲間の力が大きいなというのは感じています。もっと自分一人で現状を打開できるようにしていきたいなと思います。
――山口選手は今年全試合に出場中です。
山口:去年は守備の選手が自分以外ほぼ全員4年生でした。今年はメンバーがガラッと変わって、シーズンから入ってやってきたことを考えると、よく対応できてるのかなとは思います。ただ個人としては試合の重要な場面、開始5分だったり失点直後に失点を重ねることが多いのでそこはしっかり守れるように頑張っていきたいと思います。
――根津選手は今年から正GKに定着しました。意識していることはありますか?
根津:キーパーの役割ってやっぱりゴールを守ることだと思うんですけど、まず得点をやらせないということを一番意識してやっています。その上で、ただ単にゴールを守るだけじゃなくて声で味方を鼓舞したりとかチームを勢い付けることも意識しています。基本的にキーパーは失点しなければチームは負けないので、ゴールを守るっていうのを最優先にしながら、その他のところでチームにプラスの効果をもたらせるように意識してます。
――今シーズン最も印象に残っている試合について教えて下さい
茅野:自分は第2節の明学大戦です。その試合で1ゴールを決めることができて、自分がどういうプレーをすれば貢献できるのかという自分の中でもやもやしていたものがはっきりした試合でもありました。結果的に、前期を通して自分の中のベースになっているのかなと思います。あの試合で結果を出せたことと、開幕戦負けた後にあの試合で勝てたことは、個人としてもチームとしても良かったと思います。
山口:自分は前節の日大戦が一番印象に残っています。ここまでチームとしては自分たちの思うようなサッカーができていません。ここからチームとしてもリーグ全体を考えた時にも正念場だと思うので、前期の反省を勝利につなげたいと思います。
根津:僕はアミノバイタルカップの法政大学戦です。チームの調子はすごく良くて、格上相手に0―0で延長戦にいきました。ただ自分のミスで失点してしまって、チームが良かっただけに自分のミスで負けてしまったことに責任を感じました。逆に2年生でその経験をできた、公式戦の舞台でのそういう失敗が自分の中で糧になっていると思うので、あまり良い印象で自分の中で残っている訳ではないですけど、そこは教訓にしながら、頑張っていきたいと思います。
――昨年1年間を踏まえて、ご自身が今年変化させようとしている点はありますか?
茅野:昨年は1年目だったので、まず大学のサッカーは何をするのか、組織は何を求めていてチームのために何ができるのかっていうことを学びました。正直自分のことだけで必死でしたし、先輩たちに助けてもらうことも多かったので、色々反省はあります。2年生になってからは、新しく後輩が入ってくる中で、自分たちが背中で引っ張っていかなければいけないですし、自分が結果を出していかなければいけないことが多いので、より自分がやらなければという気持ちがピッチ内外で強くなっているかなと思いますね。
山口:自分は去年試合に出ていた時も4年生に助けてもらっていて、その分自分のプレーに集中できてたところがありました。今年は自分のプレーばっかりに集中するんじゃなくて、もっと周りを巻き込んで、ピッチ内外でチーム全体に良い影響を与えられるようにならなければと思っています。
根津:僕は昨年1年間ずっとけがをしていて、昨シーズン1試合も練習試合含めて出場できませんでした。なのでチームの裏方の仕事も経験しました。今はけがなくプレーできているので、けがなくサッカーできていることへの喜び、裏方の人たちへのありがたみっていうところを実感しています。楽しんでプレーして、チームに結果で貢献していきたいと思います。
――早稲田で警戒する選手はいますか?
根津:僕はGKのヒル袈依廉選手です。僕は身長が191センチあって、割とデカい方なんですけど、その一回り大きくて194センチぐらいです。すごい安定感もあるし、オーラがあったのでFW陣が脅威に感じるのかなと思います。
山口:自分はFWの駒沢直哉選手です。昨年早慶戦で自分のところで1点やられてるので、個人的なリベンジみたいなところも果たしたいなと思います。
茅野:神橋良汰選手っていう選手です。試合に出続けてるっていう訳ではないんですけど、中学同じチームになったこともあって、大学でも話したりすることがあって、去年の早慶戦も2人共ベンチ外で来年は入ろうという話もしていました。2人共ピッチでしかも早慶戦という舞台で戦えたらもちろん最高ですし、神橋選手は日本代表経験もあるので出てきたら確実に脅威になりますし、そこのマッチアップももしあるならば、是非勝ちたいなと思います。頑張って試合に出て戦いたいです。
――早慶戦の印象は?
根津:僕は7年連続でずっと早慶戦を見てきました。ずっと憧れの舞台でした。やっぱり観客数も多いですし憧れの舞台というのが一番大きいです。
山口:去年は関東リーグのうちの1試合だったので、自分としては降格もかかってて、関東リーグで負けられない試合という印象の方が強かったですね。今年は自分が入ってから初めての定期戦ということで、少しイベント感というものはあると思うんですけど、負けられない一戦に変わりはないのでいつも通り準備して、ピッチに立てるかどうかはわからないんですけど、選手としても、一部員として、良い形で入れる努力をしたいなと思います。
茅野:根津ほど長くないんですけど、高1から見てきました。憧れの舞台でもありますし、高校時代達成できなかったことを大学で取り返せる舞台でもあると思うので、今までのサッカー人生で一番大きな舞台になると思います。
――早慶戦への意気込みを一言ずつお願いします。
根津:さっきも言ったみたいにとにかくゴールを守って、チームを勝たせます。個人の活躍でチームを勝たせられるように頑張っていきたいと思います。
山口:早慶戦は特別で、そのために入部した人も自分たちの代にはいます。選手として今出場を狙えるポジションにいるというところで、選手たちの思いを背負って、意地でもDFとしてゴールを守ってチームを勝たせたいです。その気持ちのところからまず相手に負けないようにっていうところと、慶應のサッカーを体現して、必ず2年連続で勝利をつかめるように頑張ります。
茅野:出場するためにまず準備をしたいです。ただ出場することが目標であってはならないと思うので、出場をしてゴールを決める、チームの勝利に貢献できるように全力で準備していきたいです。さっきも言ったように夢の憧れの舞台で自分のプレーをして結果を出せるように頑張っていきたいなと思います。
――お互いのプレーをどう見ていますか?
<根津・茅野→山口>
根津:紘生は、去年すごい試合出てたっていうのもあって、プレーの、試合の流れを読むってところがすごいうまいなって思っています。判断のところが優れてるのかなって思います。
茅野:こうせいは… 大学ナンバーワンDF笑。
山口:もう本当にやめて笑。
茅野:個人的にはそう思っていて、経験もありますし、チームの中でもDFの模範となるような選手です。
<山口・茅野→根津>
山口:根津は体が大きくて普通だったら止めれないようなところ止めれます。ただそれだけではなくて結構動けます。
茅野:足も速いんだよね
山口:デカいだけじゃなくて、体も使えるみたいなところは他のGKには絶対ないところなので、そこは頼もしいなって思います。
茅野:高校の時からそうなんですけど、あり得ないところを止めたりとか、観客が驚くようなセービングが多いです。それが結局チームを鼓舞すると言うか、勢いづけることにつながるので、何度も助けられてきました。かつ攻撃でもキックがかなり飛ぶので一本で状況を変えたりすることも含めて頼もしいです。
<山口・根津→茅野>
根津:茅野は高校もずっと同期でやってきて、今年一緒にやるのは5年目です。試合中に結構声を出してチームを鼓舞するというか、そういう選手ですね。試合の終盤に「思考を止めるな」って言うのをチーム全体に声をかけて、それが一時期チームの流行語大賞になりかけたって言うのがあって、そう言うふうにまあ試合中であってもユーモアを持って取り組める選手なのかなと笑。
山口:茅野は、自分ではテクニックを売りにしようと思ってると思うんですけど、自分的にはガッツなんですよ。気持ちを持ってるプレーヤーです。デカい相手とやるときは負けん気が強くて、球際も行きます。ただそれがたまに空回ってファールとかしちゃって、チームでイエローカードを一番もらっているんですけど。そういうところが自分でうまくコントロールできるようになれば、もっといい選手になるし、ガッツがもっといい方向に進むんじゃないかなと思ってます。
――最後に、応援してくださる方々に一言ずつお願いします
根津:チームとして目標に掲げる1部昇格を達成するために一戦一戦しっかりと準備をしたいです。そのうちの一つとして早慶戦があると思うので、そこに向けて準備していきたいなと思います。個人的には観客がたくさんいる中でサッカーをすることって今までのサッカー人生でなかったので、そういう環境をすごい楽しみにしてますし、声出しもありだと思うので、一人一人の声も聞きながら、力に変えてプレーしていきたいと思います
山口:後半戦の目標はまず、先ほども言ったように勝ち点40をとって昇格するっていうことです。苦しい時期も来ると思うので、そういうところをチームで乗り越えながら、結果的に勝ち点40以上を取って昇格できるようにっていうのを頑張っていきたいと思います。早慶戦は120%の準備をして、チーム全員でまた2年連続勝てるように準備していきたいと思います。
茅野:前期の結果を超えられるようにしたいなと思っていて、前期は3ゴール1アシストだったので後期は3ゴール1アシスト以上を掲げて、結果にこだわりながらやっていこうかなと思っています。早慶戦だからではなく、1試合1試合大事に捉えて、チームとしても個人としてもやっていけたらと思うので、頑張ります。
――ありがとうございました!
(取材:佐藤光)