【野球】秋季リーグ戦開幕直前取材⑧ 堀井哲也監督~春の悔しさを糧に、悲願の秋連覇へ~

野球対談

9月10日(土)に東京六大学野球秋季リーグ戦が幕を開け、慶大はいよいよ明日に初戦の東大戦を迎えます。慶應スポーツでは、秋連覇に向けて闘志を燃やす体育会野球部の選手たちにインタビューを行いました!

最終回はチームを率いて3年目になる堀井哲也監督に、現在のチーム状態や秋に向けた意気込みについて伺いました!

 

――春のリーグ戦を振り返って

一言でいえば、勿体ないシーズンだったと思います。大事な試合で勝ち切れるところを、自分たちから崩れてしまったなという振り返りです。

 

――3連覇が懸かったシーズンの中で、選手たちに緊張はありましたか?

優勝を逃した直後に下山(悠介、商4・慶應)キャプテンに「どうだった?」と聞いたら、「正直言って(緊張は)ありました」と言っていましたね。

 

――シーズンを通して増居(翔太、総4・彦根東)投手の状態があまり良くなかった

仰る通りで、あまり増居が本来の状態ではなかったという風に思いました。

 

――1年生の外丸(東眞、環1・前橋育英)投手の活躍はどうでしたか?

シーズン前は全く期待していなかったんですが、東大戦が終わってみて「これは外丸を使った方がいいぞ」と思って、次週の立大戦から彼を日曜日の先発に据えました。外丸に関しては予想以上の活躍をしてくれたと思っています。

 

――打撃陣は昨年に引き続き好調を維持していた

数字だけで見ると打率も本塁打の数も良かったですし、四死球もよく取れていたのですが、負け試合でもう一本(欲しい)というところはあったので、これは野球の常なんですけれども、野球の勝負の世界では負けると数字では満足できないということですね。

 

――シーズン前には萩尾(匡也、環4・文徳)選手と廣瀬(隆太、商3・慶應)選手の

2人に「合計で本塁打10本」ということを課されていましたが、シーズンが終わって2人の活躍はいかがでしたか?
特に萩尾は非常に頑張ってくれたなと思います。廣瀬は1年の頃からコンスタントに成績を残していたので、順調な成長だなと感じております。

 

――経験が少なかった選手たちが大いに躍動したシーズンでもあった

昨年の4年生が抜けて、その穴をどうやって埋めるかというのが新チームの課題でありまして、正木(智也、現福岡ソフトバンク)の後に山本(晃大、総4・浦和学院)が入り、渡部(遼人、現オリックス)の後に宮尾(将、商4・慶應)が入り、福井(章吾、現トヨタ自動車)の後に善波(力、商3・慶應)と宮崎(恭輔、環3・國學院久我山)が入ったので、上級生の抜けた穴をどんどん埋めていくという良い回転ができた春だったかなと感じております。

 

――2年間正捕手を務めた福井選手が抜けて、春は善波選手と宮崎選手の2人で捕手を回しながら戦っていましたが、2人の活躍はいかがでしたか?

(2人は)よくやってくれたと思っています。投手陣がかなり苦しい中で、善波は投手陣を非常に上手くリードしてくれました。そして早慶戦の時は宮崎が春のシーズンを締めくくる形で、扇の要としてしっかり機能しましたので、キャッチャーに関してはとてもよく頑張ったシーズンだと思います。

 

――8月27日(土)には松山で東京六大学オールスターゲームが開催され、慶大から7名が選出されましたが、ベンチで指揮を執っていていかがでしたか?

正直、(慶大が属した)瀬戸内オーシャンズが0―7で敗れたということもありますし、なかなか私含め7名も思い通りのパフォーマンスは発揮できなかったです。ですから、六大学オールスターに関しては、この一試合だけで言うと残念というか、私もそうですし選手もそうだと思いますが、非常に消化不良だったという風に思います。

 

――8月31日(水)に行われた高校日本代表と大学日本代表の一戦では、監督自身は解説席でご覧になっていましたが、教え子の活躍を解説席から見るというのは中々新鮮だったのではないでしょうか?

何というか、一歩引いた視点で観られるかなと思ったんですが、正直気持ちはベンチと同じくらい入っちゃいましたね。心の中で「なんとか打ってくれ」と祈っていました。

 

――北海道キャンプではどのような収穫がありましたか?

6月と7月でとにかく個人の能力を徹底的に上げる練習をしていて、(本来は)チームとしてそれをどうやって機能させるかという段階の予定でしたが、コロナの影響もあって7月に十分な練習ができなかったこともあって、個々の力をつける練習をかなり追い込んでやりました。そういう意味では、非常に成果があった北海道遠征でしたね。

 

――昨季終了から投打で最も成長した選手は?

投げる方では、成長というかどうかは分かりませんが、増居が大きく変化していると感じます。本来の力を出せるようになってきたと言う方が正しいかもしれませんが、成長でもあると思います。打撃では山本が、春にベストナインを獲ったことで自信をつけて、非常に頼りになるバッターになってきました。

 

――監督自身から見た今のチーム力は?

一番ポイントとなる投手陣は、中心になるのは増居、橋本(達弥、環4・長田)、外丸、渡部(淳一、政4・慶應)の4人ですが、春の法大3回戦も明大3回戦もそうでしたが、普段投げている投手以外の投手力が明暗を分けましたので、この4人以外の投手の存在も重要になってきます。そこのつなぎ役として、森下(祐樹、総3・米子東)、谷村(然、環3・桐光学園)、1年生の前田(晃宏、商1・慶應)、4年生の中村(公祐、商4・市川)の4人が絡んでくると思います。ですので、前半挙げた4人も含めて、いかに投手が踏ん張るかが問われるシーズンになると考えています。打線の方は、かなり経験者が並んでいますので、打てなくても点が取れたり、しぶとく試合に食い下がっていったりということは比較的できると思っています。現時点のオーダーは、あまり派手さはないんですけど、打線として機能しそうなオーダーになっているので、中々しぶとい打線だと思います。そうなってくるとやはり一にも二にも投手力、バッテリーということになると思っています。

 

――秋に最も期待している選手

1人ということになりますと、キャプテンの下山ですね。やはり1年の時から試合に出場して、優勝も3回経験して、全国優勝も経験して、いよいよラストシーズンになりますが、春は主将として3連覇を逃した悔しいシーズンになりましたので、この秋に懸ける下山のプレーには非常に期待しています。

 

――リーグ戦への意気込みと読者の皆さまへのメッセージをお願いします!

今年を締めくくるに相応しい戦いぶりを我々には求められていると感じますので、非常に残念ながら春に逃した天皇杯を秋は奪還できるように、1年間の総決算として臨みたいと思っています。世の中はまだ落ち着いていませんけども、ぜひ球場で、あるいはネット中継で我々の戦いをご覧になって頂いて、我々と一緒にまた感動を分かち合ってもらえればと思いますので、よろしくお願いします!

 

ーーお忙しい中、ありがとうございました!

(取材:宮崎秀太)

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