前日に選手たちが語った意気込みどおり、序盤から慶大らしいプレーを仕掛けていった。第1セットからコート内もベンチも一体となって盛り上がり、雰囲気良好で試合は進んだ。続く第2セット・第3セットにおいても、全員が攻めの姿勢を崩さず慶大の流れを作り出し、見事ストレート勝利を飾った。関係者有観客で行われた今週の二試合。応援の力が選手たちの背中を押したことに加え、サーブで攻められたこと、ブロックでプレッシャーを与えられたことが勝利につながった。選手たちの日々の努力の真髄が見られた試合であったと言えるだろう。
2022年9月18日(日)
秋季関東大学男子2部バレーボールリーグ戦
第4戦 慶大×大東文化大
得点 | ||
慶大 | セット | 大東文化大 |
27 | 1 | 25 |
25 | 2 | 19 |
25 | 3 | 19 |
出場選手(サーブ順) | ||
ポジション | 背番号 | 名前(学部学年・出身校) |
MB | 9 | 降小雨(商4・慶應) |
S | 1 | 高倉真古都(商4・慶應) |
OH | 18 | 安達龍一(環4・洲本) |
MB | 8 | 芳賀祐介(環2・札幌北) |
OP | 2 | 松本喜輝(環3・九州産業) |
OH | 6 | 島田航希(経3・慶應) |
L | 12 | 内田克弥(環2・松江高専) |
途中出場 |
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MB | 27 | 下田悠生(経4・慶應湘南藤沢) |
OH | 3 | 渡邊大昭(商2・慶應) |
OH | 11 | 入来晃徳(環1・佐世保南) |
緊張の第1セット。安達龍一(環4・洲本)のキレのあるスパイクで1点目を奪うと、その後も松本喜輝(環3・九州産業)、降小雨(商4・慶應)らを中心に攻撃の手を緩めず、慶大が得意とする攻撃的なバレーを展開していく。一方で相手も速攻などを使いながら引き下がらず、中盤では14ー15とこのセットで初めてリードを許す。その後のサーブでは渡邊大昭(商2・慶應)がピンチサーバーとして出場。得点にはつながらなかったが、チームを引き締めた。その後再びリードに転じるが、なかなか2点差をつけられない。そんな中迎えた20ー19の場面、降がブロックで相手のスパイクを防ぎ21-19とすると、選手たちはコート内を走り回り、チームは活気を帯びる。23-23と再び同点の場面では相手のサーブミスにも助けられ、このセットを27ー25で終える。接戦が予想される中、幸先良いスタートを切った。
流れに乗りたい第2セット。芳賀祐介(環2・札幌北)が連続でクイック攻撃を決め3-2と序盤からチームに勢いをもたらす。島田航希(経3・慶應)のナイスレシーブから素早くボールの下に入り込んだ高倉真古都(商4・慶應)のトスを松本が強烈な一打でブロックアウトを取る見事な連携プレーも見られ、6-4で回ってきた松本のサーブのターン。力強いサーブは2連続でエースとなり、相手レシーバーの腕を弾きボールは観客席へ。8-4とリードを奪ったところで、大東文化大はたまらずタイムアウト。その後も、高倉のツーアタックが決まるなど全員が攻めの姿勢を崩さず、13-8でセットを折り返す。またも松本のサーブで相手を崩し16-10とすると、慶大の流れを断ち切りたい大東文化大はタイムアウトをここで使い切る。高倉と降の二枚で相手をシャットアウトし18-13と、攻撃だけではなく守備においてもその力を見せつけた。終盤も調子よく攻撃が決まり、安達のサービスエースにより24-17とセットポイントを握る。最後は相手のサーブミスにより25-19で第2セットをものにした。
第1・第2セットを連取したからか、第3セット前の練習では選手たちに笑顔もみられた。良い雰囲気のままゲームはスタートし、序盤から安達のスパイクが2本立て続けに決まる。これにより第3セットも慶大が主導権を握るという流れが作り出される。このセットにおいても、攻撃面だけではなく守備面でも多くの選手が活躍。両者のファインプレーによりラリーが長く続くと、芳賀がブロックでプレッシャーを与えて相手のミスを引き出し4-1とする。9ー8の場面では松本のフライングレシーブでボールをつなぎ、その後3枚ブロックでスパイクをネットにかけさせてこれも得点につなげる。さらにその直後、安達が高身長を生かした鉄壁のブロックでまたもスパイクを阻止、すかさず相手はタイムアウトをとる。中盤では、この試合で多く見られた高倉のバックトスからの松本の強烈なスパイクという攻撃が決まり、点差を広げていく。また、終盤ではここまでの試合で大活躍の入来晃徳(環1・佐世保南)もコート入りし、チームに勢いを与えていく。攻撃・守備の両者を兼ね備えたバレーを展開して点差を維持し、25ー19とリードを保ったまま見事勝利を手にした。
(記事・写真:五関優太、田中瑠莉佳)
以下、コメント
星谷健太朗監督
――今日の試合を振り返って
有観客で試合をさせていただけたことが素晴らしかったし、ありがたかったなと思っています。その上で、素晴らしいゲームを展開できたことも非常に良かったなと思います。
――攻めのバレーが展開できていたと思いますが、その点はいかがですか
それはみんな意識して、一歩も引かずに攻め続けられていたのではないかなと私も思います。
――その他に良かった点は
いつも言う「やるべき事をやる」ことができていたに尽きると思います。つまり、拾わなきゃいけないボールや落としてはいけないボールを落とさずにラリーしたその結果、ラリーを勝ち切ることができた本数が今までよりはるかに多かったのが勝因かなと。それができるかできないかが勝負の分かれ目になるんだなと改めて思いました。
――流れをつかんだと感じたタイミングはありますか
松本のサーブで連続ブレイクできたことや、そうですね安達のサーブも良かったと思います。サーブでブレイクできるタイミングというのは流れをつかんだというか良い状況ではあったと思います。
――来週に向けて
本当にやるべき事って変わらないかなと思っています。ただ学生の中では気持ちの波があったり、今日はこういう相手だからというので緩みが出てしまうことがどうしてもあります。でも、結果がどうであれ自分たちの最大限の力を出せるように平日の練習から調整して、週末では100%の力を出せるように頑張っていきたいと思います。
高倉真古都主将(商4・慶應)
――今日の試合を振り返って
昨日から山場と言われていた試合を無事勝ち切ることができて良かったです。
――慶大らしいバレーができていたと思いますが、その点はいかがですか
練習してきたことにプラスアルファで気持ちが乗っていたので、相乗効果で発揮できたかなと思います。
――勝因、良かったと思う点は
さっき言った準備も良かったですし、試合中もベンチの人たちが目合わせて盛り上げてくれたりだとか、試合に出ているメンバーはもちろん盛り上げなきゃいけないんですけど。そこはチーム一丸となって温度差がなくできたことは誰が出ても大丈夫と思えるくらいだったので、良かった点かなと思います。
――来週に向けて
また二連戦続くので、しっかり勝ち切って、全勝優勝できるように、2部リーグ制覇できるようにまた今週一週間準備するだけですかね。
内田克弥選手(環2・松江高専)
――今日の試合を振り返って
良いサーブが入って相手のキャッチが崩れて、こっちのサイドアウトも上手く切れたので勝利できたと感じています。
――慶大らしいプレーを序盤からするという点で意識したことは
昨日の試合は雰囲気的にもあまり良くありませんでした。今日の対戦相手の大東文化大学さんは勢いもあってとても強いという意識があったので、1セット目からそれに負けないように盛り上げることを意識しました。
――ディグで大活躍でしたが、ご自身の手応えは
まだまだ全然、今日は良くなかったなと思いました。上がるボールなのに上がってないものが5本ぐらいあったので、それを突き詰めて入替戦とかに臨みたいと思います。
――相手のミスも多く見られたが、その点で感じたことは
相手がミスしたということは、こっちのプレッシャーの掛け方が良かったのかなと思います。スクリーンを徹底して、それでプレッシャーが掛かってミスしてくれたというのはあると思います。
――来週に向けて
次戦の対戦相手の山梨学院大学さんも格下という訳ではないですが、平成国際大学さんと戦った時のように雰囲気が悪くならないようにして臨みたいと思います。
芳賀祐介選手(環2・札幌北)
――今日の試合を振り返って
自分はU20から帰ってきて不甲斐ない試合が続いていたのですが、今日はやっと及第点ぐらい出せたのかなという感じで、ちょっとホッとしています。
――不甲斐ないというのは
やっぱり自分が1か月間チームを離れていて、同じポジションの降さん・下田さんに負担を掛けていました。成長した姿で帰ってこなければいけないはずなのに、これまでの3試合ではあまり前と変わってないということで、自分でもそう思っていました。今日はやっと成長した姿をお二人をはじめとして、監督とか他のチームメンバーに見せられたのかなと思っています。
――U20での経験で何か活きたことは
もちろん自分としては技術的には成長したつもりなのですが、それよりもミドルとして前にいるのは3ローテだけなので、チームにサイドアウトしっかり取ろうとか、強いボールは皆で上げようとか、そういった声掛けを降さんはすごくできていて自分もできたらいいなと思っていたので、そういうところをU20で学べたのかなとは思っています。
――今日の試合は接戦を予想していましたか
そうですね昨日がすごいひどすぎて、自分も他の人も不甲斐なさを感じていたので、今日はフルセットになるかなとは思っていたのですが、皆しっかりと準備して気持ちも入っていたと思うので良かったです。
――予想に反して押し切れると感じたタイミングは
2セット目の入りです。1セット目はいつも通りバーと進んでしまったのですが、2セット目ぐらいからしっかり序盤からエンジンをかけてサイドアウト取って、どんどんサーブ入れてブロックで締める、ということができたと思います。
――来週に向けて
2部だからといって気合い入れないみたいなのではなくて、入替戦とかその先、全カレとか来年の春リーグ1部で戦うことを踏まえて、しっかりとやることをやって隙のないバレーをしていきたいです。