3年ぶりの有観客開催となった早慶ボクシング定期戦。現在6連覇中の慶大は、さらなる連勝記録をつくるべく緊張した面持ちでリングに立った。初戦で幸先良く白星を挙げると、その後も3年生が奮闘し着実に勝ちを重ねていく。記念館に駆けつけた観客の応援も選手を後押しし、4選手がRSC勝ちを収めるなど5−2で勝利した慶大は、史上初の早慶戦7連覇を達成した。
第66回早慶ボクシング定期戦 12/3(土)@慶大日吉記念館 | ||||
階級 | 勝敗 | 慶大選手名 |
| 早大選手名 |
F | ○ | 山﨑博雄(経1・慶應) | RSC 3R 1’07 | 後藤誉雄(法1・早大学院) |
B | ● | 鈴木豪(経4・慶應) | RSC 3R 1’10 | 磯村時将(創理4・攻玉社) |
Fe | ○ | 安部飛雄馬(環3・慶應) | 3−0 (29-28,30-26,30-27) | 伊藤礼(スポ3・新潟南) |
L1 | ○ | 李烘在(法3・慶應) | RSC 2R 2’56 | 吉田知暉(政経4・浅野) |
L2 | ○ | 大谷晋太郎(理3・慶應湘南) | RSC 1R 1’32 | 鍛治将大(社1・明星) |
LW | ● | 松村和弥(総4・浅野) | 1−2 (29-28,28-29,28-29) | 川西響(スポ2・長崎東) |
W | ○ | 石井百迅(環3・山形南) | RSC 1R 1’26 | 宮田万輝(スポ3・前橋育英) |
初戦のフライ級に登場したのはルーキーの山﨑博雄。序盤は相手の出方を伺いながらも、確実にワンツーを打ち込んでいく。2R以降は右ストレートを何度もヒットさせ相手の体力を消耗させると、最後は左が綺麗に決まりRSC勝利。初戦でRSC勝ちを収めた慶大は幸先の良いスタート切った。
続く第二試合、バンダム級には4年・鈴木豪が出場。相手は早大主将・磯村時将と4年生対決となった。1Rから積極的な攻撃を見せる相手に対し、鈴木も負けじと応戦。しかし2Rに入ると、勢いに乗った相手を前になかなか反撃に出ることができない。その後も試合は相手主導で進み、4年生としての意地を見せるもRSC負けを喫した。
第三試合のフェザー級に登場したのは安部飛雄馬。昨年も同じ相手と対戦し、悔し涙を飲んでいる。1Rは互いに一歩も譲らない拮抗した状態が続くも、2Rは安部が攻撃をかわしながら隙を見てボディを決めていく。3Rには会場の盛り上がりも最高潮に達し、選手を後押し。応援を力に最後まで手を緩めることなく攻撃を続け、判定の結果白星を挙げた。1年越しに見事リベンジを果たした安部は試合後、喜びの表情を浮かべた。
第四試合、ライト級1を戦うのは主将の李烘在。接近戦となったこの試合では両者共にボディを中心に攻めていく。第1R、李は相手の一瞬の隙をつき、アッパーやストレートで連続攻撃を仕掛けていく。反撃を試みる相手に対し第2Rに入っても多彩な攻撃を続け、RSCでの勝利を掴んだ。
続いて第五試合のライト級2には大谷晋太郎が登場。距離をとりながら様子を伺いつつも、試合開始早々に鋭いストレートを決める。その後も距離を保ちながら攻撃のタイミングを探りボディで相手をひるませると、再び強烈なストレートが決まりRSCで勝利。この時点で4−1と慶大の勝利が確定した。
第六試合のライトウェルター級に出場したのは4年・松村和弥だ。様子を探る相手に対し第1Rから積極的に打ち込む松村。第2Rは相手のペースにのまれてしまうも、第3Rではストレートを決めるなど反撃に成功し一進一退の状況に。最後まで力を振り絞り攻撃を続けた松村だったが、悔しくもポイントでの敗戦となった。
最終戦、ウェルター級を任されたのは石井百迅。試合開始直後に強烈なボディを打ち込みダメージを与えると、さらに攻撃を続け試合の主導権を握る。最後は石井の完璧に決まった右でダウンを奪い、わずか1分半足らずでRSC勝利を収めた。
5−2で勝利し史上初の7連覇を達成した慶大。66回という長い歴史を誇る伝統の一戦で歴史的快挙を収めた。また、3年ぶりの有観客開催ということもあり、たくさんの人が応援に駆けつけた今回の早慶戦。改めて、応援の力を感じた試合でもあっただろう。
(記事・写真:船田萌恵)