昨年12月、2部参入プレーオフ決定戦にて敗戦し、今季から新設の関東大学サッカーリーグ3部に降格した慶大ソッカー部。新チームで掲げた目標は「3部初代王者」。この目標への第一歩を踏み出すべく、慶大は共栄大との開幕戦に臨んだ。開幕戦の緊張感もあり序盤は試合のペースを掴めずにいたが、開始15分に井上雄介(経4・慶應)が先制点を挙げる。その後慶大は試合を優位に進め、3点を追加して開幕戦を4−0の勝利で飾った。
2023/4/2(日)14:00キックオフ @慶應義塾大学下田グラウンド
【スコア】
慶應義塾大学 4-0 共栄大学
【得点者】
15分 井上雄介(慶應義塾大)
39分 立石宗悟(慶應義塾大)
45分 内藤豪 (慶應義塾大)
80分 蛯名亮太(慶應義塾大)
◇慶大出場選手
GK
1 根津拓斗(政3・慶應)
DF
2 内藤豪 (法3・駒大高)
5 蛯名亮太(法4・横浜FCユース/慶應)
3 山口絋生(商3・國學院久我山)
MF
10 山本献 (商4・國學院久我山)→11 塩貝亮太(商4・暁星)
6 道家拓真(環4・鹿島学園)→4 田形昂生(政1・慶應)
14 角田惠風(商2・横浜F.マリノスユース)
7 井上雄介(経4・慶應)→13 山崎健翔(法4・桐蔭学園)
FW
15 香山達明(経3・慶應志木)
16 村井亮友(商2・ザスパクサツ群馬U-18)→8 菱川天風(総4・桐蔭学園)
9 立石宗悟(法2・桐蔭学園)→25 森田将太朗(経3・慶應)
桜が咲く春の慶大下田グラウンドには、多くの観客とソッカー部OB、応援部員が詰めかけた。白星でスタートを切りたいこの試合は、開幕戦という独特な緊張感のもと、慶大ボールでキックオフ。2分、一瞬の隙にボールを奪った相手に得点のチャンスを与えるも、ここはスタメンのGK根津拓斗(政3・慶應)がセーブ。相手に主導権を渡さない。
ボールを回しながら好機を伺う慶大。最初のチャンスは5分、FW立石宗悟(法2・桐蔭学園)が圧倒的なスピードで相手の背後を抜け、左サイドから果敢にシュート。しかし相手GKの好守に阻まれる。こぼれたボールを逃さず香山達明(経3・慶應志木)がゴールを狙うが、惜しくも得点には結びつかず。8分、MF井上雄介(経4・慶應)が左足で力強いシュートを放つも、これはゴールバーに跳ね返される。その後もサイドを攻撃の起点として何度もチャンスメイクをするが、決定的な得点シーンはなかなか生まれない。
そこで迎えた15分、ボールを受けたMF道家拓真(環4・鹿島学園)が左サイドからクロスを放ち、MF井上雄介が見事にゴール。待望の先制点に選手たちは喜びの表情を見せた。
熱い応援に後押しされながら慶大が試合のペースを握り、積極的に攻め込む。39分、ボールを受けた香山達明が相手DFに詰められながらも突破に成功。香山がゴールラインギリギリのところで、エリア内ゴール正面の空いたスペースにパスを出すと、この瞬間を待っていたかのようにゴール前にいた立石宗悟が体勢を崩しながらも足でしっかりと押し込み、慶大のリードを2点に広げる。そして前半終了間際、慶大にCKのチャンス。ゴール前に蹴り込むとボールは転々としたが、混戦の末に内藤豪(法3・駒大高)が押し込み、さらに1点を追加する。その後も相手には得点を許さず、主導権を握ったまま3−0で前半を終える。
エンドが変わり、3点リードで迎えた後半。開始早々、慶大は左サイドから猛攻をかけ後半でも主導権を握る。そして50分には、エリア内でパスを受けた立石宗悟がサイドに戻し、井上雄介が左サイドからシュートを放つも相手GKの守備範囲。さらに、道家拓真が放ったボールは惜しくもゴール右へと外れ、追加点とはならず。
4点目が決まらない中で何度か相手にボールを奪われるも、蛯名亮太(法4・横浜FCユース)ら慶大DF陣がすぐにボールを取り返し慶大のペースで試合を展開していく。63分から途中出場した塩貝亮太(商4・暁星)は、力強い突破と華麗なドリブルでサイドを広く使った攻撃にさらなる勢いを与え、何度もチャンスを演出。同じく途中出場の山崎健翔(法4・桐蔭学園)も左サイドから積極的に仕掛けるが、相手DFに阻まれてしまう。78分、パスの隙をつかれて相手にボールを奪われると、カウンターで左サイドからロングシュートを放たれるが、GK・根津拓斗が冷静に対応しボールはゴールネットの上へ。チャンスをものにできないまま迎えた80分、慶大はコーナーキックを獲得。菱川天風(総4・桐蔭学園)のボールに蛯名がうまく頭で合わせ、ボールは枠内右下に吸い込まれた。
慶大は、最後までしっかりと守りを固めながらも攻撃の手を緩めることなく戦い、4ー0で関東リーグ3部開幕戦を勝利で飾った。幸先の良いスタート。昨年の悔しさを糧に”3部初代王者”に輝く瞬間を、ぜひともこの目で見たい。
(取材:長掛 真依、愛宕 百華)
以下、選手インタビュー
山本献(商4・國學院久我山)
――キャプテンとして今季はどのような思いで臨まれますか
昨年、一昨年の悔しい思いを必ず結果を出して晴らすという強い思いを持って臨みます。「3部初代王者」という絶対目標を達成し、先輩方の無念を晴らし、来年以降の後輩達にまずは2部で闘う舞台を残していきたいです。
――どのようなチームにしていきたいですか
全員がピッチ内外においてかけがけのない存在であるチームにしていきたいです。一人ひとりが、組織の中で役割を持ち、チームに対して当事者意識を持って貢献していく。それをピッチ内外問わず求めていきたいです。
――開幕戦にはどのような準備をして臨みましたか
昨シーズンは、開幕戦のプレッシャーや緊張で上手くプレーができない選手が多かったため、今年はいつも通りの準備をする事と、これまで積み上げて来たものを信じる事を全員で意識しました。
――今日の試合を振り返って
中々硬い試合展開でしたが、前半に3得点を取ることができ、優位に試合を進められたなと思います。ただ、後半は相手の修正に苦しむところがあり、修正力の部分に課題を感じました。
――次節への意気込み
次節はawayでの試合になるので、環境の変化という点では難しい試合になると思いますが、持っている力を全部ぶつける事ができれば必ず勝利できると思うので、1週間隙のない準備をして週末を迎えたいと思います。
井上雄介(経4・慶應)
――開幕戦、先制ゴールを挙げた時の感触やお気持ちをお聞かせください
開幕戦特有の緊張感があり、序盤は試合に入ることが難しかったです。ただ右サイドを中心に良い流れを作ることができていたので、最後流れてきたボールは必ず押し込もうと思っていました。結果的にうまくボールに合わせ、得点を奪うことができたのでよかったです。
――開幕戦に向けてどのような準備をして臨みましたか
練習では、プレシーズンの積み上げを最大限発揮できるように準備を進めました。個人的には特別なことはせず、なるべくいつもと同じように過ごすことを心がけました。
――今季の目標は
『3部初代王者』に貢献するため、5ゴール5アシストを目標に設定しています。
――次節への意気込み
次節も昇格組で勢いのある相手だと思いますが、自分たちの力を100%発揮し、全員で勝利を掴み取ります!