早大との対抗戦に臨んだ慶大。対抗男子は10種目、対抗女子は7種目が行われた。男女共に慶大の強みであるフィールド競技では主将の伊藤達也(商4・帝京大学)などが得点を順調に重ねたがトラック競技では早大に及ばず。男子100m走での奮闘や女子800m走での優勝など好記録もでたが、男子は25-32、女子は14-25で敗れた。
男子第99回・女子第2回 早慶対抗陸上競技会
2023年8月13日(日)@日吉陸上競技場
♢結果♢
男子 ×慶大25ー32早大
女子 ×慶大14ー25早大
♢全選手成績♢
競技名 | 選手名 | 記録 | 順位・得点 |
男子4×200mリレー | 廣木亮太(理4・県立浦和)―三輪颯太(環3・西武文理)―篠宮健吾(政3・慶應)―岡村大喜(法3慶應) | 1分21秒82 | 2位・1点 |
男子100m | 篠宮健吾 | 10秒43 | 2位・2点 |
| 廣木亮太 | 10秒45 | 3位・1点 |
| 岡村大喜 | 10秒94 | 6位 |
男子400m | 横井健道(法2・城北) | 48秒72 | 4位 |
| 奥泰貴(商3・慶應湘南藤沢) | 48秒80 | 5位 |
| 西元寺遼介(総3・札幌南) | 51秒16 | 6位 |
男子1500m | 吉田航太朗(経1・慶應志木) | 3分57秒49 | 4位 |
| 山岸成(環3・長野) | 4分9秒24 | 5位 |
| 井上丈瑠(経2・長岡) | 4分19秒17 | 6位 |
男子110mハードル | 上野佑太(営M2・西南学院) | 14秒45 | 3位・1点 |
| 関汰玖真(理M2・海老名) | 15秒01 | 5位 |
男子棒高跳 | 中野悠哉(理4・慶應) | 3m60 | 1位・3点 |
| 齋藤恒(経4・山形東) | 3m50 | 2位・2点 |
| 鎌形圭佑(経2・慶應) | 3m50 | 3位・1点 |
男子走高跳 | 須﨑遥也(商1・丸亀) | 2m03 | 1位・3点 |
| 若原祐人(経2・慶應) | 1m85 | 2位・2点 |
| 武田翔太(法4・慶應) | 1m70 | 4位 |
男子走幅跳 | イベルブランドン(総3・洛南) | 7m18 | 1位・3点 |
| 小林一輝(政3・慶應) | 6m84 | 3位・1点 |
| 鎌形圭佑 | 6m24 | 5位 |
男子やり投 | 伊藤達也(商4・帝京大学) | 62m29 | 1位・3点 |
| 齋藤凛太郎(法4・青森) | 52m77 | 4位 |
| 穂苅大和(理3・日比谷) | 48m23 | 6位 |
男子円盤投 | 齋藤恒 | 31m32 | 2位・2点 |
| 穂苅大和 | 24m06 | 4位 |
| イベルブランドン | 21m99 | 6位 |
女子4×100mリレー | 鈴木わかば(総3・宇都宮女子)―岩屋佑未奈(経4・慶應女子)―工藤音花(法4・岡山朝日)―清水美甫(環1・中大附属) | 47秒80 | 2位・1点 |
100mハードル | 工藤音花 | 14秒89 | 3位・1点 |
200m走 | 清水美甫 | 26秒72 | 4位 |
| 木村千鉱(商3・岡山朝日) | 28秒22 | 5位 |
女子800m | 仲子綾乃(総3・浜松西) | 2分10秒56 | 1位・3点 |
| 井上汐莉(法2・韮山) | 2分12秒01 | 3位・1点 |
| 神田陽向(理4・慶應湘南藤沢) | 2分13秒05 | 4位 |
| 今田幸希奈(政1・岡山朝日) | 2分23秒97 | 7位 |
女子走高跳 | 大久保綺更(環4・都立富士) | 1m69 | 2位・2点 |
| 尾﨑里紗(環2・慶應湘南藤沢) | 1m00 | 3位・1点 |
女子走高跳 | 浦津ななの(環4・中京大中京) | 2m96 | 3位・1点 |
女子やり投 | 倉田紗優加(環Ⅰ・伊那北) | 53m62 | 1位・3点 |
| 佐口向日葵(商3・小金) | 27m57 | 3位・1点 |
♢男子フィールド種目♢
慶大の強みはフィールド種目。この日も早大を圧倒した。まず行われたやり投では、主将の伊藤が本調子ではないながら60m越えの記録で優勝。チームに勢いをつける。さらに棒高跳でも慶大の活躍が光る。一時大雨で中断される展開となったが、中野悠哉(理4・慶應)が優勝。齋藤恒(経4・山形東)と鎌形圭佑(経2・慶應)も得点を獲得する。走幅跳では、イベルブランド(総3・洛南)が7m18で1位に輝いた。円盤投には主務としてもチームを支える齋藤恒らが出場。1位に僅差で敗れたが、2点を獲得。
走高跳には、U20アジア陸上競技選手権大会にも出場した須﨑遥也(商1・丸亀)が登場。順調に2mまで成功させ、大会記録の2m10に挑んだ。2回失敗すると最後の1回では2m15にさらに上げ記録更新を狙った。観客の手拍子が鳴り響く中迎えた最後の跳躍は惜しくもバーにあたり失敗。しかし1位3点を獲得した。
♢男子トラック種目♢
トラックではオープン種目から行われ、大会中盤ごろから対抗種目がスタートした。1500m走では、序盤早大に付いていくレースに。そこで見せ場を作ったのが山崎成(環3・長野)だ。3週目に入ると一気にペースを上げ他選手を引き離す。しかし、ラスト1周で早大選手のラストスパートについていくことができなかった。
そして注目の対抗100m走。観客が固唾をのんで見守る中スタートのピストル音が鳴り響いた。良いスタートを切ったのは一番外側の篠宮健吾(政3・慶應)。そして廣木亮太(理4・県立浦和)も先頭争いに加わる接戦に。ゴールした瞬間には1位が分からず、公式結果の発表を待つ。7レーン篠宮のタイムは10秒43。わずかに早大選手に届かず。しかし、慶大は2、3位フィッシュで3点を獲得した。
日も暮れかけ、いよいよ最後の種目、4×200mリレーである。慶大の1番手は廣木。早大に遅れをとることなくバトンをつなぐ。しかし強豪早大の前に2~4走で少しずつリードを奪われて2位に終わった。ただ、慶大記録に迫る好レースを展開しただけに、今後の記録にも注目だ。
男子はフィールド種目では圧倒したものの、トラック種目では得点を伸ばせず、連覇とはならなかった。
♢女子♢
女子もまずやり投でチームに勢いをつける。U20フランス選手権大会でも優勝した倉田紗優加(環Ⅰ・伊那北)が登場。他を寄せ付けない投擲で優勝した。また、走幅跳や走高跳には専門は棒高跳の大久保綺更(環4・都立富士)や浦津ななの(環4・中京大中京)が出場し着実に点数を獲得。4年生の活躍も光った。
トラック種目では800m走の仲子綾乃(総3・浜松西)が素晴らしい走りを見せた。1週目で早大選手の後ろにつけると、2週目に入りペースが落ちたところで勝負をかけた。バックストレートで一気に追い抜き1位フィニッシュ。「最初はどこに付くかは考えていなくて、自分が走った結果どこにいるかだけ」と仲子。その中でも2週目に入りペースが落ちたところで「バックで抜こう」と考えていたという。観客席は應援指導部と部員、観客らが一体となって「若き血」に揺れた。この活躍で女子優秀選手賞も獲得した。秋シーズンに向けては「(2分)6秒台を出したい、そして全カレでメダルを取りたい」と意気込む。そして女子の最終種目は4×100mリレー。4選手とも快走を見せるが、少しずつ早大にリードを奪われ2位で終えた。
女子も早大の前に力負けし、初勝利は来年にお預けとなった。
一時は雨で中断するなど、コンディションも良くない中で戦い抜いた。競走部は全日本インカレ、そして駅伝シーズンへ突入する。今大会、長距離ブロックは合宿のため不参加となったが、一丸となって秋シーズンへとつなげてほしい。今後も慶大のフィールド種目、短・中距離、さらに駅伝にも注目だ。
(取材:本橋未奈望、愛宕百華、長沢美伸)
♢主将コメント♢
伊藤達也選手(やり投1位)
ーー今日の試合をチームとして振り返って
今回は全日本インカレの標準切りの時期が被っていたこともありますし、例年よりけが人が多く欠場者が多く、公式戦にチームとして合わせられなかったことが実力不足だなと痛感したので、そこは男女共に早慶戦という伝統のある戦いに取り組めるようにチーム作りをしていった方が良いのかなと思います。
ーー本調子でない中でやり投で優勝
今回は勝てればいいというところで相手の調子や記録を見つつという状態で、記録はしょうもないものになってしまいましたが、しっかり優勝できたのでそこは良かったと思います。全カレに向けて勢いづけたい試合ではあったのですが、調子が悪かったのは反省です。
ーー最後の早慶戦
早稲田には勝ちたいなという純粋なプライドがあります。この大会が何か上の大会につながるわけではありませんが、早稲田は強豪で関東インカレでは勝てないので対抗戦でしっかり勝ちたかったなと感じているので、悔しかったです。
ーー全日本インカレに向けて
チーム全体として全カレの出場者が多いのと、個々のレベルがかなり上がっていて、本当に入賞をそれぞれの種目で狙える位置にいると思うので、例年よりも多くの入賞者や表彰台をチームから出すことができたらいいなと思います。