8月28日(月)侍ジャパンUー18壮行試合 高校日本代表 対 大学日本代表 @東京ドーム
高校日本代表(以下、高校代表)対大学日本代表(以下、大学代表)のゲームは大学代表の圧勝に終わった。大学代表は4回、1死一、三塁で7番・渡部聖弥(大商大3年)の犠飛で先制すると、8番・中島大輔(青学大4年)、9番・熊田任洋(早大4年)も適時打でつづき3点リードとする。さらに5回には上田希由翔(明大4年)に2点本塁打が飛び出すと、終盤8回にはダメ押しとなる3点を追加し、試合を決定づけた。投げては10人の継投で高校打線を3安打無失点に封じた。なお慶大から選ばれた宮崎恭輔(慶大、環4・國學院久我山)は代打で途中出場すると相手の失策も絡み出塁に成功した。また高校代表の3番・中堅手として丸田湊斗(慶應3年)が起用されたものの、4打数0安打の結果に終わった。
◆スコア
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
高校 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
大学 | 0 | 0 | 0 | 3 | 2 | 0 | 0 | 3 | X | 8 |
高校日本代表バッテリー:前田(大阪桐蔭3年)、●森(徳島商3年)、矢野(大垣日大3年)、安田(日大三3年)、木村(霞ヶ浦3年)、東恩納(沖縄尚学3年)、高橋(仙台育英3年)ー新妻(浜松開誠館3年)、尾形(仙台育英3年)
大学日本代表バッテリー:下村(青学大4年)、草加(亜大4年)、武内(國學大4年)、上田大(大商大4年)、細野(東洋大4年)、岩井(名城大4年)、木村(九共大4年)、古謝(桐蔭横浜大4年)、蒔田(明大4年)、常広(青学大4年)ー進藤(上武大4年)、宮崎、有馬(関大4年)
6度目の開催となった大学代表と高校代表の壮行試合。この試合は高校代表にとっては9月に開催される世界大会へ向けた準備となる一方、大学代表選手らにとっては7月に行われた日米大学野球選手権大会を終え最後の代表戦となった。高校代表には夏の甲子園で脚光を浴びた丸田や高橋煌稀(仙台育英3年)をはじめ、多くの注目選手が名を連ねた。
初回、高校代表は大学先発・下村海翔(青学大4年)から先制点のチャンスを作る。1番・寺地隆成(明徳義塾3年)が初球に上手く合わせ中安打を放つと、その後犠打により1死二塁へと進める。ただここは下村が3番・丸田、4番・森田大翔(履正社3年)を続けて三振に封じ先制を許さなかった。一方の大学代表の立ち上がりも高校先発・前田悠伍(大阪桐蔭3年)の前に、出塁はするもののチャンスを拡大することはできず得点を挙げることはなかった。それ以降も序盤は両チームの好投により3回までスコアボードには0が並んだ。
しかし4回にゲームは動く。大学代表は5番・上田が右安打で出ると、盗塁に成功し1死二塁と作る。6番・進藤勇也(上武大4年)も中安打で繋ぎ1死一、三塁へと先制のチャンスを広げると、つづく7番・渡部が右犠飛を放ち先制点をあげる。さらに8番・中島には適時三塁打が飛び出すと、9番・熊田も適時打で続きこの回3点を挙げる。なおも大学代表は5回にも得点を重ねる。1死から3番・宗山塁(明大3年)が中安打で出塁すると、5番・上田が右翼スタンドへ2点本塁打を放ちリードを5点とする。大学代表は6回にも無死一二塁のチャンスを作る。しかしここは高校代表5番手・木村優人(霞ヶ浦3年)が粘りの投球で後続を打ち取り0点に抑える。3番・宗山に対しては空振り三振を奪う投球でピンチを脱した。
一方の高校代表は大学代表投手陣を前に走者を出すことができない。大学代表は5回以降に安打も1本も許すことなく継投を続けた。5番手・細野晴希(東洋大4年)は最速158キロの直球で相手を寄せ付けない投球をみせた。8回には2死から三塁手の失策によりひさしぶりの出塁を果たすが、遊撃手・宗山の好守もあり初得点とはならなかった。
大学代表は8回、高校の7番手・高橋から先頭が四球で出ると続く9番・宮下朝陽(東洋大2年)が適時二塁打を放つ。さらに2番・佐々木泰(青学大3年)、4番・西川史礁(青学大3年)にも適時打が飛び出し、この回にも3点を追加し8点リードとした。大学代表は最後まで手を緩めることなく高校代表を封じ完勝を収めた。
試合は8-0と大学代表が盤石の強さを見せたワンサイドゲームとなった。日米大学野球選手権大会を優勝した実力どおり、投手陣は大きなチャンスを与えることもなく質の高いピッチングを見せると、打線も中盤以降に大量得点で生み威厳を示した。大学代表メンバーにとっては9月から開幕する秋リーグ戦へ向けてそれぞれが弾みをつける結果となったはずだ。一方の高校代表は中盤以降、打線に安打が生まれず終わってみれば3安打にとどまった。全20選手の出場した高校代表にとってはそれぞれが大会に向けての課題を得た試合となっただろう。
(記事:堀川洸、写真:佐藤光、岡里佳、大泉洋渡)