11日の第3戦、宿敵法大との大一番を接戦の末勝利し、王座がグッと近くなった慶大。第4戦は永遠のライバル早大との早慶戦だ。言わずもがなここ数年はずっと全国制覇を続けている早大。まさに絶対王者と呼ぶにふさわしい。春の早慶戦はダブルス0-3、シングルス1-5と大きく負け越している。法大を撃破した勢いで早大も倒したかったが、結果はダブルス1-2、シングルス0-6。全体では1-7春と同じに終わった。
9月13日 関東学生リーグ 慶大-早大 @有明テニスの森公園
まずは慶大が今年力を入れてきたダブルスから。オーダーはこれまでD3だった加藤・近藤がD2に入り、D3は井上善(経1)と、この日は志賀ではなく、9月入学の新戦力の奥山(環1)が入った。D1は井上悠(総4)・長谷川(総4)が、インカレシングルスで優勝、準優勝独占の田川・片山ペアと対戦。田川の超攻撃的なストローク、片山のプロ並のパフォーマンスに臆することなく立ち向かい、第1セットは接戦を展開するものの、惜しくも4-6で落とす。2セット目も苦しい展開が続き、2-6で落とした。D3の1セット目は1年生ペアの力強いプレーで競るものの、1ブレークダウンで4-6とされ、経験豊富な飯野・遠藤ペアの巧みなゲームメークの前に、2セット目は2-6と離されてしまった。D2は夏関準優勝、最近メキメキ実力をつけている加藤(環3)・近藤(環3)がインカレダブルス覇者の伊藤・廣田との対戦。第1セットから大接戦となった。1-1から長いデュースの末ブレークされるも、一瞬でも隙を見せられない緊迫した展開が続く。ファーストセットはそのまま4-6で取られるも、2セット目に入り2人のサーブの精度も上がり、リターンゲームも積極的に仕掛け、2ブレークで6-3とし、迎えた第3セット。3-3からブレークし、ブレークし返されるものの、再びブレーク。最後は加藤がしっかりサービスキープし、6-4で勝利、インカレ覇者を死闘の末破った。ダブルスは1-2。ダブルスに力を入れてきた慶大、早稲田から1つ勝ちをもぎ取った。
そしてシングルスへ。早大は試合に出場する全ての選手が全国トップクラス。厳しい戦いになることは必至。まずはS4~S6。S6の権(総1)の相手にはなんとインカレ覇者の田川が。ファーストセットは田川のどこからどこへでも打ち込んでくる圧倒的な攻撃力に苦しみ、1-6で落としてしまう。2セット目は粘りを見せるも、2-6となった。S5加藤の相手は夏関シングルス覇者の大城。この大城が見事なコートカバー力を見せる。加藤のサーブ、ウイニングショットにも食らい付いき、ひたすら粘る。そして先にこちらがミスをしてしまう展開が見られた。さらに加藤はダブルスでフルセット闘ったあとのこの試合。それに対し大城はシングルスのみという条件もあり、2-6,2-6で落としてしまった。S4は近藤対廣田という、先ほどのダブルスから引き続く試合となった。ファーストセットは近藤のペース。ラリーでは常に主導権を握り、甘い球がくるとすかさず決め球をコースに打ち込み、着実にポイントを重ね、2ブレークで6-2とし、2セット目もそのままいくかと思われた。が、少し疲れが見え始めた近藤に対し、廣田は無尽蔵のスタミナでコートを走り回り、持久戦へ持ち込むと、近藤にミスや甘い球が出始めた。すると4-4からブレークされ、そのままセットを奪われてしまう。3セット目に入ると完全に相手のペースに。ダブルスでフルセット戦った後とは思えない廣田の底なしの体力で追い詰められ、2-6で落としてしまった。1セット目は余裕すら見えていただけに、悔しい一戦となった。S3は井上(悠)と遠藤の対決。ラリーそのものは互角、いや井上が押しているようにさえ見えるのだが、遠藤の巧妙なゲームメークの前に1セット目を2-6で落としてしまう。次のセットはこちらも冷静に向き合い、隙を見て正確にポイントを重ね、4-1まで攻めるが、そこから追いつかれてしまい、5-7で落としてしまった。強いよりも上手い、そんな相手だった。S1は法大戦のラスト1戦で笹井を撃破した志賀(政2)と、早大の2トップの一角伊藤の対戦。明大の小野、法大の笹井と強敵を撃破して波に乗っている志賀だったが、やはり伊藤は更に強敵だった。アプローチショットやグランドスマッシュも寸分の狂いなくコーナーぎりぎりに決めてくる完璧なプレーの前に1-6とされる。2セット目に入ると、最初のゲームをブレークし、勢いに乗るかと思ったが、1セット目同様隙の無いテニスを見せる伊藤の前に2-6となった。志賀の調子は悪いようには見えなかったが、それでも及ばなかった。
S2は長谷川と片山の対戦。負けられない。気合十分の長谷川はファーストセット2-2からブレークされるも、そのあと2度のブレークで片山から6-4で奪取。これが慶大を背負う4年生か、と感じさせる気迫のプレーを見せた。2セット目に入っても片山の鋭い攻撃的なショットに食らい付き、相手のミスを誘い、隙さえあれば積極的に打っていく。しかし少し調子を上げた片山に4-6とされ追いつかれる。そこでコートチェンジの影響か、片山のストロークが俄然精度を増し、苦戦を強いられるように。0-4まで追い詰められたからは長谷川も意地を見せ、サービスエースなどを見せるが、最後は2-6で振り切られてしまった。
全ての試合が終わり、結果はダブルス1-2、シングルス0-6、計1-8となり、春に続いて完敗となった。しかし落ち込んでいる暇は無い。今すべき事は最終戦の亜大戦にきっちりと勝利し、王座進出を決め、早大へリベンジする機会を作ることである。慶大はひたすら走り続ける。
By Yuya Matuda
S1志賀正人●1-6,2-6伊藤潤S2長谷川祐一●6-4,4-6,2-6片山翔
S3井上悠冴●2-6,5-7遠藤豪
S4近藤大基●6-2,4-6,2-6廣田耕作
S5加藤大地●2-6,2-6大城光
S6権大亮●1-6,2-6田川翔太
D1井上(悠)・長谷川●4-6,2-6片山・田川
D2加藤・近藤○4-6,6-3,6-4伊藤・廣田
D3奥山・井上(善)●4-6,2-6飯野・遠藤
井上主将
(今日を振り返って)今日の目標はまずダブルス最低でも2-1つけて、シングルス下位でプレッシャーかけていくことだったんですが、近藤・加藤はがんばってくれたんですけど、僕たちのダブルスが取れなくて、今日はそこに尽きるなと。で、シングルスは現時点でこういう差があるのは、しょうがないという事で、とにかく1ヶ月半で体も気持ちも全部上げてけば、ひっくり返せると思うんで、まずは王座を決めるために明後日がんばりたいと思います。(春の早慶戦との違いは)ダブルスが取れて、シングルスが取れなかった、という所でダブルスに力を入れてやってきたところが出ている面もあります。ダブルスに関しては着実に上がっているなというのはあります。(早大との差は)やはり選手層の差というのはあったと思います。あっちは控え選手でもインカレでいい成績出しているし、メンバーを入れ替えながら闘えるというのも結構大きいんじゃないかと思います。慶應は今までフルメンバーでリーグ戦闘ってきた中での早慶戦だったんで、まあ言い訳みたいになってしまいますが、王座では早稲田のみに集中できるんで、ポジティブにとらえてやっていきたいと思います。(最終戦にかける意気込みは)とにかく9-0で、絶対に勝って王座を決めたいです。ここで負けたら法政に勝った意味がなくなってしまうんで。
長谷川副将
(今日を振り返って)春と変わらない1-8というスコアだったのと、自分と井上が2人で3敗したんで、そこが負けた原因かなと思います。(春の早慶戦との変化は)良くなっている部分もあるのかもしれないですけど、まあ良くなっている、悪くなっているは正直どうでもいいっていうか、勝たないと結局は意味がないと思います。まあ今はあまり反省というか、深く考えないようにしてるというか、まだ5戦目もあるんで、ポジティブに考えて今は気持ちを切り替えようと思ってます。早稲田戦のことは5戦目が終わってからもう1回整理しようと思っています。(片山選手から1セット取りましたが)まあ、1セット取れたことは良かったですが、結局勝てなかったですし、1セット取った事に満足してはいけないですし、負けたことには、まだまだ力が足りなかったなという感じです。(最終戦への意気込みは)自分と井上が3本とって、チームにしっかり貢献して、4年で主将、副将としての役割をしっかり果たす、そこだけ意識して、あとはみんなが十分やってくれると思うんで、がんばりたいと思います。
コメント