関東大学テニスリーグ戦 第5戦 vs 早大
9月7日(木)@有明テニスの森
♢試合結果♢
慶大 〇6{D2-1、S4-2}3● 早大
D1 | 藤原智也(環4・東山)・下村亮太朗(法3・慶應) | ●0{4―6、3ー6}2 | 藤田大地・森田皐介 |
D2 | 有本響(総2・慶應)・菅谷優作(法2・慶應) | ○2{7―6(2)、4―6、10―7}1 | 池田朋弥・山口柚希 |
D3 | 林航平(理4・名古屋)・高木翼(総3・関西) | ○2{6―2、7―6(3)}0 | 田中瑛大・吉野郁哉 |
S1 | 藤原智也 | ○2{6―2、6―2}0 | 高畑里玖 |
S2 | 林航平 | ●0{4―6、1―6}2 | 池田朋弥 |
S3 | 高木翼 | ○2{7―6(5)、6―2}0 | 山口柚希 |
S4 | 脇坂留衣(環3・興國) | ○2{7―6(4)、7―5}0 | 森田皐介 |
S5 | 眞田将吾(環1・四日市工業) | ●1{4―6、7―6(3)、1―6}2 | 藤岡凌大 |
S6 | 今鷹洸太(商4・慶應) | ○2{6ー3、6―1}0 | 藤田大地 |
D1 藤原智也・下村亮太郎 0{4―6、3ー6}2 藤田大地・森田皐介
エースペアが破れるというまさかの幕開けとなった。ここまで森田はダブルスで永山と組む試合が多かったが、王座進出を逃した中での早慶戦を迎えた早大は、サウスポーの藤田を起用した。森田の伸びるストロークと、藤田の左利きのショットに苦しめられた。簡単なショットがネットにかかったり、サイドアウトしてしまったりする場面も第2セットは増えた。藤原のサーブが活きた場面もあり反撃するも、終わってみればストレート負け。来年に向けて闘志を煮えたぎらせる早大の意地を見るようなダブルスであった。
S1 藤原智也 2{6―2、6―2}0 高畑里玖
試合開始直後のゲームから長いデュース戦となった。ここを取り切り勢いに乗った藤原は、最後まで自分のプレーを貫き通し、第2セットではクロスラリーのほぼ全てを制し、ポイントを積み重ねていった。高畑も藤原の攻めに必死に食らいつくが、第2セットで藤原が4−0の30−0にした段階で、「こんなのまじ見せ物じゃねえ」と白旗をあげた。早慶エース対決は、春に引き続き藤原に軍配が上がった。
S2 林航平 0{4―6、1―6}2 池田朋弥
S2は愛知県勢対決となった。副将としてチーム、ダブルス陣を引っ張る林と、大学テニス界No.1を競う速さの高速サーブを持つ池田の対戦である。第1セットはプレースタイルこそ異なる両者だが、互いに譲らぬ展開もあり4−6で落としてしまう。第2セット、林は池田の高速サーブに喰らいつくものの、池田のストロークは浅くて角度のついたショットが多いため、振り回される形となった。コートを駆け回って追いつくもオープンスペースにボレーを打ち込まれるシーンも多く見られ、セットを落とし、敗戦した。
S5 眞田将吾 1{4―6、7―6(3)、1―6}2 藤岡凌大
1年生ながら大車輪の活躍を見せている眞田。春の早慶戦では永山との1年生対決を制したが、今回の相手は4年の藤岡。慶大の1年が早大の4年に立ち向かう、そんな構図となった。第1セット序盤から長いラリー戦が続いた。第2セットも展開は変わらず、タイブレークに勝負は持ち越された。坂井利彰総監督にのベンチコーチからの声援にも励まされ、このタイブレークを制し第2セットを取得する。勝負の第3セット、流れに乗っていきたかったところだが、両者ミスをしたくないことから弾道の高い球が増え、ロブ合戦も見られた。強打する場面はあっても、それを相手が後ろ足重心で返す展開も多かった。ミスをした方が落とすという展開で真田が藤岡よりも1球早くミスをしてしまい、セットを落とした。スコアほど内容に差はないが、藤岡の意地が上回った。
春の早慶戦を制し、「今年こそは」という雰囲気はチーム内外に漂っていたかもしれない。しかし、その雰囲気を現実のものとするために、監督やコーチ陣、選手やサポートメンバーらが一体となって、そして各部員が自分がチームに対してアプローチできる場所を見つけ、一人一役でその場に精を注いだことだろう。昨年、王座決勝で敗れたその日から、今まで積み上げてきたもの、培ってきたものは、決して間違っていなかったことが証明された。優勝トロフィー・優勝旗を確かに受け取るまでに至ったこの激闘の証は、有明、蝮谷に、そして慶大庭球部に関わるすべての人たちの脳裏に、永遠に刻まれるだろう。エースの藤原をはじめ、選手全員がコート内で自分らのテニスを体現した。そして、その選手たちを支えているのが、サポートメンバーである。試合中での声援は選手たちの背中を常に押し続け、Team Keioとして戦い続けてきた。狙うは、あと一つである。王座開幕まであと3週間、選手とサポートメンバー全員でさらに結束を高め、VITALITYを溢れさせ、チーム一丸となって松山に乗り込み、46年ぶりの頂点へと挑む。
(取材:野上 賢太郎)
坂井利彰 総監督
——今の率直な気持ちは
これはあくまで王座の予選でもあるので、全国に行けることが決まったということが、すごくホッとしています。
——リーグ戦全勝でしたが、勝因は
一番苦しかったのが法大戦で、4−4で下村に勝負がかかって、ファイナルセット0−3から始まって。本当に絶体絶命のところだったので、もし負けていれば結果がどうなっていたか分からないのですが、修羅場というか、苦しいところを乗り越えられました。不利な状況でも前向きな気持ちで勝利を引き寄せられた強さがあったことが、今回のリーグ戦の勝因かなと思っています。
——王座まであと3週間、どこに力を入れていきたいか
ダブルス、シングルス、チームワーク全て含めて、いろいろありますが、まずはしっかり疲れを取って。インカレからずっと試合が続いていたので、怪我人を出さない、もう一度体調を整えるという点で心身ともにリフレッシュしていきたいです。そして、王座というのはトーナメント戦でリーグ戦とは違いますし、トーナメント戦で試合が3日連続で続くので、また違った戦い方にるので。それに向けて自分達としてももう一回、体力面やどういう選手を出していくかというところを整理して、準備したいと思います。
——王座への意気込み
女子が昨年、一昨年と優勝して、どうすればチャンピオンになれるかというのを自分たちなりに色々掴んできているので、そういう経験を活かせるように、これからの3週間を大切にして、やってやろうという気持ち、前向きにチャレンジする気持ちを持って望んでいきたいと思います。