【庭球(男子)】王座前特集④ 藤原智也×林航平 46年越しの想い胸に、未来を拓く二人の勇者

庭球男子

いよいよ開幕する全日本大学対抗テニス王座決定試合(王座)。昨年準優勝の慶大男子は関東大学リーグ戦で46年ぶりに優勝し、1位で王座進出を決定させた。悲願の全国制覇に向け、選手・コーチ・監督にお話を伺った。

第4弾は、主将副将コンビであり、インカレ優勝準優勝コンビでもある藤原智也選手と、林航平選手です!

——他己紹介をお願いします

藤原:林くんはですね、すごく真面目な人で、真面目すぎるが故にというところはあるんですけど…。

林:(苦笑)

藤原:まあ総じて真面目な人で…。

林:真面目…?(笑)

藤原:まー、なんですかね(笑)。やっぱりでも、副将になってもそうなんですけど、チームのことをよく考えてくれてますし。自分が主将なんですけど、自分が結構言いにくいことを言ってくれたりもしてて、ありがたいなと思いつつ、悪い部分もあったりする人間ですね。

林:藤原は、良くも悪くも自分のことを出さないので、めちゃめちゃ考えていたり、色々持ってるのにそれを出さないでトントンとやるので、それがすごいなと思います。あと、もうちょっと言ってほしいなと思うところもありつつ、考えて動いているなというのを感じていますね。自分って言うことしかできなくて、主将の藤原にしかできないことをやってくれて助かってる部分もあるので。色々喋ってくれなかったり自分が思ってることを言わないので、腹黒い部分も結構多いですけどという感じです。(笑)

 

——主将・副将の仕事はなんですか

藤原:主将は全体の集まりとか、週に一回オンラインでミーティングしてたりとかするんですけど、練習前での集合とかで最初に発言したり、全体のチームとしての連絡事項とか、そういうことは主将がやっていますね。全体に流したり共有したりするのが主将とかがやる、って感じだよね?

林:スケジュール決めたりとか、主将が大枠を決めてチームでこういうふうに動いていこうと決めて、それに僕とか主務が「じゃあこういうふうにアレンジしていこう」みたいな。主将が舵を切って、それに僕たちが乗っていくと言う感じですね。

優勝決定後、円陣で話す藤原

——主将・副将として意識してきたこと

藤原:主将というか自分なんですけど、人の上に立つより人の前に立つと言うことを意識していて。人の上に立つと言うのは、まあ色々ありますけど…

林:(笑)

藤原:ちゃんとしたリーダーって上にではなく前に立ってやってくれる人がいいなと思っていたので。テニスの内容もそうですし、何をするにしてもそう言うことは意識していました。

林:僕は、上とか前ってよりは自分が一番やるというのを意識していて。というのも自分は結構口を出してしまうので、「なんでやっていないお前にそんなこと言われなくちゃいけないんだ」と思わせることがないように、「自分でもできるんだからみんなもできるよ」というスタンスです。言うからには、ちゃんとやろうというのは気をつけていました。そういう意味では前に立ってという感じですかね。

リーグ優勝後、まだまだこれからだと鼓舞する林

——立候補したのですか

藤原:いや。

林:立候補はしてないですね。

藤原:前年度の主将の方とコーチ陣から、お話をいただいて任命されたという感じですね。

 

——チームから信頼を得るには

藤原:うーん(笑)

林:難しい(笑)。ってか信頼得られてるのか?(笑)

藤原:そうそう、そうなんだよね。自分が信頼得られているのかっていう(笑)

 

——得られたから任命されたのでは?(笑)

藤原:単純にテニスの戦績だと思いますね。上から1番2番という、それもあると思うんですよ。やっぱりついていきたいなという主将はすごく頼りがいがあるかなと。頼るというのは、テニスの勝率もそうですし、一番強いこともそうですし、そういう部分は意識はしてました。やっぱり誰よりも勝たないとっていうところです。あとは、自分が下級生の頃は主将と話をしたことがないなと。歳の差も離れていますし、テニスがそんなに上手くない選手と主将の間に差があるのではないかなと思っていたので、割とちゃんと話すようにはしていますね。

林:信頼かあ…。でも発言と行動を一致させるのは意識していて。さっきと同じなんですけど、やってないやつについていかないと思うので、自分がそうだったので。それはすごい意識しているのと、やっぱりコミュニケーションは大事にしていて、試合に出る人も出ない人、幹事の人そうでない人の差があるのは良くないなと感じていて、この4年間で実際そういう代もありました。チームとして関わる中でコミュニケーションは大事だなと思っています。

 

——4大目標に「よりよき部を作ること」とあります。「よりよき部」とはどういう部活で、どういうことが必要ですか?

藤原:ほー(笑)

林:難しいな(笑)

藤原:これは個人の見解だと思うんですけど、主体性のある部なのかなという。主体性と言っても色々あると思うんですけど、早慶戦に勝つことや日本一に勝つことに対して、テニスをする選手だけではなくて、サポートをする選手が主体的に日本一になるために、自分にできることを一人ひとりがやれば、日本一のチームにつながると思います。自分たちのスローガンが「VITALITY」なんですけど、そのVITALITYの中に、一人ひとりが日本一になる要素を作ろうと決めたので、それに関しては主体性を持って動いていければなと思います。時にはサポートから選手に喝を入れるようなチームだとか、「俺らサポートしてるんだからお前らちゃんとやれよ」と言えるような主体性があるチームというのはすごい雰囲気の良い、より良き部なのかなと思います。

林:僕も似たようなことになるんですけど、自分が思う究極なチームは、監督とかコーチ陣を差し置いて「監督コーチ陣は一旦黙っておいてください」みたいな。学生のなかで「これは必要だと思います」みたいな、監督コーチ陣の意向ではなくて「これは自分たちが必要だと思うのでこうします」というのが大事かなと。ある意味部活は幹事とかが動かしていますけど、例えば1年生とかが「こういうことしたいのでこういうふうにしてくれませんか」というように、既存のルールに縛られずにみんなで高め合っていくチームがすごく良いのかなと思います。1人1人が切磋琢磨しながら、そして気づいたらみんなが日本一になってたみたいな、そういうチームかなと思います。

 

——リーグ戦優勝、勝因はどこに

藤原:んー。勝因はあるんですけど、なんだろう。

林:ダブルス全部リードして折り返せたのが良かったのかなと。あと、有本(=響、総2・慶應)以外全員1回は負けてるので。

藤原:9人中、8人は一回は負けてるんですよね。

林:今までは、今村(=昌倫・R3環卒)さんとか羽澤(=慎治・R4環卒)さんとかがいて、その人たちが全勝して一人で2勝持って帰ってきて二人で4勝してる状態で。あとは誰かが勝つみたいな感じで。今年はみんながみんな補い合っていたし、応援も含めて全員が全員を補い合ってて、全員で1勝を積み重ねたのが1番の勝因だったのかなと思いますね。

 

——リーグ戦優勝したわけですが、どこが足りなくて、そこをどう修正していますか

藤原:チームとしては、すごく彼が口酸っぱく嫌なことをチームに対して言ってくれてるんですけど。リーグ戦が全勝優勝で終われて、王座まで1ヶ月ほどあってチームが浮き足立つ場面って少なからずあるんですけど、どこかでみんな日本一なれるんじゃないかと。関東リーグ戦も優勝してますし、現時点では一番有力候補ではあるけども、そういう時にチームって崩れやすいなというのを自分たちで認識しています。チームとして意識していることは、もう一回足元からしっかりと着実にやることが大事かなと思いますね。チームワークとかもありますけど、もう一回しっかりと喝を入れてやることが大事で。個人として意識してることは、自分はシングルス1とダブルス2に出場するというのは決まってるんですけど、ここ2年は王座に出て勝ったり負けたりして、王座は特別な場所であり緊張感のある場所で、必ずラケットが触れなくなる瞬間が緊張した場面で来るんですよ、必ず。そういう時にどうするのかというのを意識していますし、テニスの内容もただ単に攻める、守るだけではなくて、緊張した場面でどういう選択をするのかを考えて今はテニスしています。

林:このチームとしては、去年とかリーグで早稲田に負けて、王座も負けたんですけど、リーグの早稲田と王座の早稲田を見ると、王座の早稲田のレベルが桁違いに高くて、リーグからの上がり幅がすごいなと思っていました。チームとしてはリーグで満足せずにもっともっとレベルアップして王座に臨むというのを意識しているので、それがまだ足りないなというところです。個人としては、自分も結構同じなんですけど緊張した時とか自分が困った時に、どうするかという。自分にとっては足動かしてラケット振るだけなんですけど、というところですね。あとは去年ダブルス出てなくて今年は単複なので、ダブルスでどれだけ勢いを持ってこれるかが大事なので、ダブルスの雰囲気の作り方とか、シングルスの戦う姿勢を意識してやっています。

単複フル出場した藤原

——今年のチームの強みはどこに

藤原:まさしくVITALITYのあるチームだと思ってて、そこが強さだと思っています。VITALITYって言葉には色々な意味があると思うんですけど、まず活力が結構あるなというチームで、学年関係なく皆仲が良いですし、日本一になりたいと皆が思っているチームなので活力あるチームというのが1番の強みだと思いますし。本気で応援できるチームだなと思っていて、リーグ戦他のチームを見てみるとやはり負けてる時は応援も下がっていたりだとかしている中で、自分たちは負けてる中でもすごい声出して応援してくれるベンチコーチがいたりとかなんとか応援から盛り上げようという選手がいて、それに応える選手がいて、そういう意味ではすごくVITALITY溢れるチームなのかなと思います。

林:藤原が言ってくれたのがまさしくで。個人的には藤原が主将してるのが結構大きいのかなと思ってて、そういうとすぐ調子乗るんですけど(笑)。

藤原:(笑)

林:主将がちゃんと勝つとこ勝ってるし。藤原さんを王座で優勝させて胴上げしたいという言葉が後輩から聞こえてくるのは、4年間いて初めてだし、やっぱり結果とかでみると、全国とかずっと優勝し続けてきて一番遠い存在なのに、テニスコートを出るとただの人間というか、一番近い存在になるのはすごいと思います。そんな人望を持っている藤原が一番上で頑張ってくれるのはみんなが頑張れる要因にもなるし、それでVITALITYが生まれているのかなと思ったりします、少しだけ(笑)

チームメートを励ます藤原

——お二人ともこれ以上ないインカレになりましたね!

藤原・林:(笑)

林:いや僕はそうでもないです(笑)

藤原:優勝嬉しかったです。

藤原:自分が2年生の時にインカレ優勝して、去年負けて、今年また優勝だったんですけど。自分が優勝というよりも、この人(=林)が決勝上がってきたんですよね。結構割と嬉しいというか、なんかこのチームすごいなと思っていました。準決勝終わって主務と二人で彼(=林)の試合観ていたんですけど、彼が勝って、「慶應同士決勝だ!」と主務の子が言っていたのが自分すごく嬉しくて。勝ち負けはありましたけど、嬉しかったですね。OBの方々にも、慶應同士の決勝は数十年ぶりだということを言っていただけたので。男子はほぼないと言われましたし、優勝よりもそっちの方が嬉しかったですね。

林:いやー別に100点というわけではなかったですよ。まあ正直同い年の4年生が就活していて、結構落ちてるところはあって、結構自分は大学院への進学が早々決まったので結構練習量も増やして、静かに狙ってたんですけど(笑)。今までの成績からは考えられないくらいの成績を取れたという点では良かったですけど、決勝でボコボコにされたりだとか(笑)。まあダブルスも正直優勝できたなという自覚はあるし、優勝候補と言われていた同じ大学のペアに勝って優勝しないといけないと思っていたので、優勝できなかったので、そこに対しては悔しさもあるし申し訳なさもあるし、周りが思っているほど満足はしてないです、自分的には。

王座でも林の活躍は欠かせない

——個人戦から団体戦へと切り替えはスムーズでしたか

藤原:自分は割と慣れてましたけど、何にしろテニスの調子が微妙で、気持ち的な切り替えはできていたんですけど、テニス的な切り替えはできてなかったですね。

林:切り替えという意味では、気持ちだけは切り替えられていました。初戦とかちょっと怪しかったですけど、体力的なものがインカレ終わってすぐリーグというのが初めてだったし、リーグは1戦目はダブルスだけでしたけどそれ以外は単複全部出るというのは初めてだったので。体的に切り替えるというのはだいぶきつかったというのはありますね。

——チーム的に見て、ダブルス13勝2敗、圧倒的な強さですが

藤原:まあやっぱりダブルスの練習は多くやりましたね。歴代の先輩方に教えてもらっていたのはダブルスの方が大事だと何回も何回も聞いていたので。去年ぐらいからほとんどペアは変えずに組み込ませていて、お互いがちゃんと分かるように。あんまりゴロゴロ変えずにしっかりペアで固定させて試合出ていたので、そこのペアとの信頼もありますし、自信みたいのもありました。

林:ダブルスの練習はめっちゃしたし、ダブルスは重要という話はずっとしているのでその意識はありますね。ただ組み込んでたという話はしていましたけど、春の早慶戦とはペアが違ってたりするので、意外とペアでじゃなくて出る一人一人が強くなることが大事なんだろうなという話をずっとコーチ陣としながら。ペアでとかじゃなくて、自分が強くなるみたいな。

D3としてチームに貢献した林・高木ペア

——シングルスはどうでしたか

藤原:もう悪かったですね、はっきり。はっきり悪かったです。というのもインカレは割と何も問題なくやってたんですけど、1週間で急にコートのサーフェスというか、ちょっと速いとかちょっと遅いとかというのがあったんですけど。とは言いつつ、個人戦から団体戦になって、テニスが少しずつ変わって、チームのためにという1本が重くなったりしたのがあったと思うし。そこに関してあまり感触が良くなく5試合とも気持ち悪い感じでしたね。

主将として粘り強さを見せた藤原

——それでも勝ち切れたのはなぜでしょう

林:藤原の格の違いですよ(笑)

藤原:なんですかね。本当にひたすら返すと言いますか、やっぱりこっちの方が、いくら悪いとは言えど団体戦で負けられない試合なので。あまり見せないようには意識していましたし、良いショットが入ればそれが当たり前かのような態度で振る舞ったりして、割と向こうはそれだけでも「こういうの打ってくるんだ」と思わせたらすごく有利なので。「ミスっても別に?」みたいなことを思わせておくと意外と向こうもきついなと思ったりしてくれるので。そこは団体戦としての戦い方として意識していましたね。

林:僕も悪かったですね。2勝2敗だったので、テニスも良くなかったし、色々な初めてあって。インカレちょっと良くて、期待もあったし、自分にも期待してたいし、やはり自分で自分にプレッシャーかけちゃってたなというのがあって。よくなかったですね。そういう意味では団体戦というよりかは何か違うものと戦っちゃって、良くなかったなと今考えれば思います。

 

——猛暑の中戦い抜きましたが、体力面には

林:いやきついですよ、普通に。

藤原:きつい。

林:でも練習量は増やしたよね?

藤原:これはきついとわかっていたので練習量増やしたりというのはありました。

林:あとはサポートの子が氷とか持ってきてくれたりとか。ずっと休んでても色々やってくれたりそういうところのおかげですよね。

藤原:本当に助かりました。

 

——ベンチコーチとどのようなことを話すのですか。ベンチコーチは指名制ですか

藤原:指名したよね俺ら?割と指名してましたね。

林:基本固定ですね。

藤原:はい。自分のベンチコーチは髙橋黄河(経4・慶應志木)という方なんですけど。すごいパッションがあるやつで(笑)

林:(笑)

藤原を励ます髙橋

藤原:自分が彼(=髙橋)の良いなと思うのは、どんな時でもすごいポジティブな声をかけてくれたり、熱い気持ちをすごい伝えてくれるので、すごい嬉しいなと思います。自分がやっぱり試合中、体力的にキツかったりするので、あまり声を出さなかったりするんですけど、彼がその代わりに声を出してくれたりとか。よく「男見せろ」と言うんですけど(笑)。頼もしいなと思いますよね、そういうのは。すごい喝を入れてくれるので、そこはドンマイという言葉も言えるとは思うんですけど、それは選手にとってはそんなに効く言葉じゃないので。そういう時に声を出してガッツ出してくれるのは良いなと思って彼に指名しました。

林:僕は清末(=蒼太、経4・慶應志木)なんですけど。僕はめんどくさくて、色々要求とかしちゃうし、話を聞いて欲しかったりするので。そういう意味で清末は全部やってくれるし、色々わがままとか言っても、答えてくれる感じなので。清末にしました。

有明に声を轟かせた清末

——最後の王座です、思い入れも強いのではないでしょうか

藤原:絶対日本一になると思っていますし、もうそれだけですね。もちろん4年生は最後なので、緊張とか、負けたらどうしようとか、自分にかかったらどうしようとかすごい思うんですけど、それを超えるくらいの日本一になりたいという思いが強いです。

林:僕もやるしかないと思っている一方で、まだ色々不安要素があったりとか、完全に入り切れてないかなと、まだ。決勝にピークを合わせようと思っているんですけど、それ以上にやるしかないという気持ちはあるので、やるだけ。結果は後から。で勝ちたいですね。

王座に向け最後の追い込みをしている

——王座はお二人にとってどういう場所

林:僕は王座は、ちゃんとやってきたやつが勝つ場所だと思っているので、コート的にもいろんな環境的にも誤魔化しが効かないと思っているので。自分だったら4年間だし、3年生だったら3年間だろうし、どれだけやってきたかが全てかなと思っています。成長する場でもあるんですけど、自分がやってきたことを表現する場なのかなという気持ちですかね。

藤原:何だろうな。何かしら人生が変わる場だと思いますし、人生変わると言ってもまだ20年しか生きてないんですけど。過去2年出たんですけど、2回とも変わりましたね人生が。テニス観もそうですし、本当にそういう場所で。大学入って何で勝ちたいですかとか、何を目標にしていますかとか聞かれるんですけど、インカレ優勝の前に王座優勝というのが出てくるんですよね、多分誰でも。というくらいの場所なので、個人戦とかどうでも良いと思うというか、それぐらい価値のある大学テニスの中では最高の場所なので、という感じですかね。

 

——どういう4年間でしたか

林:色々あったなという感じですよね。

藤原:割と振り返ってみると、一言で本当に運が良かったなと思います。自分1年生の5月、腕を手術して半年テニスできなかったんですけど、ちょうどその時コロナで。みんな部活も止まってましたし。そこから自分のテニスが始まり、1年目は全く勝てずで。高校の時、何回か全国優勝していたので自信は持って入ってきたんですけど、手術し、結果が出ず。どうして良いかわからないみたいな。差を感じた部分はあったので、どうして良いかわからないと思いながら色々頑張った結果、2年生で日本一になり、かと思いきや王座で負け、本当に上手くいかないなと思いました。まずコロナ禍で手術できたのが運良かったなと思いますし、2年目でインカレ優勝できたのも運良かったなと思いますし、王座で負けたことも運良かったなと思います。負けて「あれがあったからこそ」という部分もありますし、3年目では個人の王座は白石さんに勝ち、本当に素晴らしいみなさんに囲まれて試合ができました。今年に入り、ようやく日本代表になり、というように運が味方だったなと思うので、運が良かったなとこの4年間思います。

林:色んな人に助けられたなの一言で。色々自分が落ちたりアップダウンするのも激しかったり、なんかあった時に助けてくれた人がいたりとか、助言してくれる人がいたりとか、そういう時にライバルみたいな人がいたりとか。自分一人ではできなかったけど、団体戦での「チームのために」という観点があったからこそなんですけど、そういう自分が苦しいところを場面場面で助けてくれて支えてくれる人がいて、そのおかげで4年間やってこれたかなという感じです。

 

——同期の存在とは

藤原:すごい信頼のできる人たちですね。心強い、それ以外の何者でもないです。自分の個人的な話だと高校の時に同期6人しかいなくて、その6人は割とモチベーションがあまり高い人と低い人がいたので、低い人はチームで「日本一なるぞ!」と言っても「勝手にやってくれ」みたいな人がいたので、同期の中でも。まず日本一一緒にがんばろうよというところから始まるんですよね。けど大学に入ると同期のみんなが、藤原を勝たせたいと言ってくれたりとか、また日本一なるぞとか、こんな熱い人たちに囲まれてすごい嬉しいなと思っていたので、すごい信頼できる仲間ですね。

林:まあやっぱりいろんな人がいて、面白いというのが一番ありますし、信頼は置いてますし、うちの同期が一番VITALITYがあると思うし、「やるぞ!」と言った時の熱量がすごいので、そこには頼りっぱなしです。その一方。スイッチが入らないとあんまり頭角を表さなかったりするので難しさというか、どうしたらやる気が出せるのかなという面白さもあるんですけど、それでもやっぱり色々支えてくれたりとか、率直にすごいなと思います。

同期の存在は大きい

——慶大入学を志望していたのですか

藤原:はい。今の原助監督にお声がけをいただいて、是非お願いしますと言いました。

林:僕は全く戦績がなかったので、ただただ自分が慶應に行きたいと言うので入りました。

 

——高校の先輩に川島(=颯コーチ・R3総卒)さんがいますが、追ってきたのですか

林:あー、追ってはいないです(笑)。川島さんがいたから慶應にというわけではないですけど、川島さんがいたのが結構大きかったし、本当にお世話になってます(笑)

 

——王座への意気込み

藤原:すごい良いチームだと思っていますし、仲も良いですし熱い同期もいますし、実力のあるチームだと思います。本当に優勝できるチャンスが目の前にあると思うんですけど、彼の言うように足元を掬われる可能性も同じくらいあると思っているので、王座として自分たちが気を入れて、絶対日本一になるんだと言う気持ちを全面的に出していきたいなと思います。最後主将で4年生の集大成として、良い姿を見せられたらと。チーム慶應に入れてもらった分恩返しができればと思っています。

林:まあやっぱ副将なんで絶対に2勝持ってくると言いたいですけど…

藤原:言えよ。

林:まあ2勝はこっち(=藤原)が持ってくるんですけど(笑)。自分はリーグがあれで、意気込みすぎて悪かったというのがあったので。やっぱりなんか個人的な話なんですけど、勝ちたいと言う思いをどれだけ無くすかだと思っていて、4年間やることはちゃんとやってきたという自負はあるので。持ってることを最大限発揮するかに集中すれば、ちゃんと結果はついてくるのかなと思っているので、チームの雰囲気作りもそうですけど、自分に対しても自分がやってきたことを信じたいので、やり切るだけかなと思っています。

 

——読者へ一言お願いします

林:自分たちは本当に恵まれていてOBOGも含めて、本当に自分たちがこういうのが必要だと思ったらそういう環境を揃えてくれるし、そう言う環境がそもそも揃っているので、正直贅沢させてもらってる部分はあると思うんですけど。その中でも、自分たちがやってきたことをちゃんといろんな人への恩返しも含めてやるのが王座の場だと思うので、王座をしっかり勝ち取って、みなさんに恩返しできるように頑張りますので、応援よろしくお願いします。

藤原:今言ってくれた通りなんですけど、自分たちが体育会庭球部として王座というテニスの日本一の場を目指せる環境にいるのもOBOGさんのおかげだと思いますし、それを支えてくれているすべての方々のおかげだとも思っていますし、こうやって日本一になれたのもそういう方々のおかげだと思いますし、本当に慶應に入って良かったなと思うので、是非、慶應義塾大学体育会庭球部に入ってください。ありがとうございました!

46年ぶりの王座優勝なるか

——ありがとうございました!応援しています!

(取材:野上 賢太郎)

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