今年度のリーグ戦も、本節を含めて残り4試合。山本献(商4・國學院久我山)率いる荒鷲イレブンのサッカーを一目見ようと、この日も下田グラウンドは多くの観客で賑わっていた。一方、節を重ねるごとに一層厚みを増す慶大の応援からは、部員一人一人の気持ちの昂りを肌で感じることができる。試合は序盤から慶大が主導権を握り、6分に塩貝健人(政1・國學院久我山)が冷静に先制弾を決めると、17分に塩貝亮太(商4・暁星)、28分に再び塩貝健人、31分に熊澤維吹(文4・國學院久我山)が立て続けにゴールを奪い、4ー0で前半を折り返す。後半もパスを回しながらゴールへ迫っていくが、な得点に繋げることはできない。それでも、82分に塩貝亮太がPKを決め、慶大は5点目を奪う。ゴール前に迫られヒヤリとする場面も見られたが、根津拓斗(政3・慶應)が無失点でゴールを守り抜き、5ー0で中院大に快勝した。
2023/10/28(土)14:00キックオフ@下田グラウンド
【スコア】
慶應義塾大学5―0中央学院大学
【得点者】
6分 塩貝健人(慶大)
17分 塩貝亮太(慶大)
28分 塩貝健人(慶大)
31分 熊澤維吹(慶大)
82分 塩貝亮太(慶大)
◇慶大出場選手
GK
21 根津拓斗(政3・慶應)
DF
3 山本献(商4・國學院久我山)
4 入江修平(政3・慶應)
5 山口紘生(商3・國學院久我山)
MF
11 塩貝亮太(商4・暁星)→ 90+1分 26 茅野直希(経1・慶應)
19 辻野悠河(商2・暁星国際)→67分 8 菱川天風(総4・桐蔭学園)
20 田中雄大(商2・成城学園/三菱養和SCユース)→ 88分 17 荘司慈英(商3・慶應)
23 千代田和真(政4・慶應)
FW
7 熊澤維吹(文4・國學院久我山)
10 塩貝健人(政1・國學院久我山)→ 60分 14角田惠風(商2・慶應/横浜F・マリノスユース)
18 香山達明(経3・慶應志木)→ 45+3分 9 立石宗悟(法2・桐蔭学園)
慶大がプレーオフを経ず確実に2部へ昇格するには、2位以内に浮上する必要がある。残すところ4試合。勝ち点、そして“3部初代王者”という絶対目標を考慮すれば、3位の慶大は残りの試合で全勝することが絶対条件である。そんな中、本節では5月に2ー0で勝利している中院大との試合に臨んだ。開始早々から、慶大がFKを獲得するなど幸先の良い立ち上がり。6分、浮き球に反応して飛び出た相手GKがボールを取り損なうと、すかさず塩貝健人が冷静にゴールへと押し込み、先制点を奪う。塩貝健人のハイプレスなどが効き、慶大はさらに攻勢を強めていく。サイドからは、千代田和真(政4・慶應)や香山達明(経3・慶應志木)が駆け上がりチャンスメイクする。16分にも、塩貝健人が右サイドからシュートを放つが、惜しくもわずかに上へ外れてしまう。
直後の17分には、塩貝亮太がゴール前で相手GKを交わしてゴール。慶大は2点目を追加する。25分、中院大にゴール前でシュートを放たれるなどピンチを迎えるが、ボールが枠を外れて難を逃れる。再び訪れたピンチもパスカットで凌ぐと、田中雄大(商2・成城学園/三菱養和SCユース)が塩貝健人へのスルーパスでカウンターを仕掛ける。惜しくもシュートを打つことはできないが、ここから慶大は再び攻撃に転じていく。そして28分、左サイドで辻野悠河(商2・暁星国際)がパスカットし、裏抜けした塩貝健人がパスを受けるとそのままゴール。31分にも、ゴールポストに弾かれた千代田和真のシュートを熊澤維吹が頭で押し込み4点目。最後まで慶大が主導権を握り続け、4点リードで前半を終える。
大きなリードで迎えた後半、慶大はパスを回しながら得点の機会を伺う。田中雄大や塩貝健人がシュートを放つなど序盤から積極的に攻撃を仕掛けていく。ゴール前へ迫られる場面も見られたが、DF・山口紘生(商3・國學院久我山)や、慶大の守護神・根津拓斗が中院大に得点を許さない。他方、FWの熊澤維吹や立石宗悟(法2・桐蔭学園)も、プレスでしっかりと中院大を牽制する。その後も、CK獲得や田中雄大らのパス回しでチャンスメイクするが、うまく得点に繋げることはできない。後半は、前半に比べて攻撃がうまく噛み合わず、我慢の時間が長く続く。
それでも、塩貝亮太や立石宗悟が何度もサイドからの突破を試みてゴールに迫っていく。迎えた82分、塩貝亮太が体を張ったドリブルでPKを獲得すると、ここはしっかりと決め切り5点目を追加する。塩貝亮太は2試合連続ゴール、本節では2ゴール目となった。5点リードの慶大だが、尚も貪欲に6点目を奪うべく攻撃を続ける。さらなる追加点を奪うことはできないが、最後まで攻撃の手を緩めず5−0で中院大に快勝。慶大は2連勝を飾り、勝ち点を39に伸ばした。
リーグ戦は残り3節と終わりが見えてきた中で、2部昇格のためにも順位が気になるところ。10月29日時点で、昇格・プレーオフ進出圏内の順位(勝ち点)は、1位城西大(43)、2位神大(42)、3位慶大(39)、4位専修大(36)という接戦だ。尚、5位の東経大は勝ち点27で4位専修大(36)との差が開いており、慶大が4位以内につける可能性は高い。2部に確実に昇格すべく、なんとか勝ち点を伸ばして2位以内、あわよくば“3部初代王者”という成績で今年度のリーグ戦を終えたい。ただ、選手たちは昇格を意識しながらも、冷静に目の前の1試合1試合をしっかり戦い抜いている。残り3節のうち2節は、ホーム・下田グラウンドで開催される。来シーズンこそは2部で慶大のユニフォームが見られるよう、そして4年生が有終の美を飾れるように、ぜひ会場へ足を運んで慶大ソッカー部を応援して欲しい。
(取材:長掛真依)
塩貝健人(政1・國學院久我山)
ーー今節を振り返って
大量得点できたので良かったです。
ーー前半に4点決まった要因は
全体的に、自分も今日やったことのないポジションで守備的にいけたので、そこで良い形で奪えたのでそれが良かったと思います。
ーー残り3試合どう戦いたいか
あと3試合で(現状)13点なので、5点くらいとれれば良いと思います。
ーー次節への意気込み
大量得点します。
塩貝亮太(商4・暁星)
ーー今節を振り返って
前半4点取れて、得失点差が今後重要になっていく中で、後半に1点しか取れなかったというのはちょっといただけなかったかなと思います。
ーー2試合連続、今回は2ゴールですが
ゴールは結果でしかないので、別に味方が良いパスくれたなというのと、次も決められるように頑張りたいなと思います。
ーー後半は、少しもどかしい時間がつづきましたが
噛み合わなかったですね。もうちょっと連動して相手を崩しに行かなければいけなかったかなと思います。
ーー次節への意気込み
勝つしかないので、次も勝てるように頑張りたいなと思います。