3位の慶大は、一つでも順位を上げて2部への昇格を確実にしたいところ。本節では、5位の東経大と対戦した。慶大は序盤から相手ゴールへと迫っていくが、ボールが落ち着かない。それでも15分、熊澤維吹(文4・國學院久我山)が相手DFを交わしてゴール。慶大が先制点を挙げるも2点目を奪えずにいると、43分に同点弾を許して1−1。同点で前半を折り返す。後半は、前線の選手を入れ替えて攻撃の強化を図る。多くのチャンスに恵まれてシュートまで持ち込むも、なかなか勝ち勝ち越し点を奪えない。すると64分、カウンター攻撃から失点。相手に勝ち越し点を与えてしまう。さらに69分には、フリーの選手にGKと1ー1の構図からシュートを決められて3点目を失う。2点を追いかける中で、PKも決め切れない。90+1分に茅野優希(政3・慶應)がゴールを決め、試合終了まで攻め続けるも1点及ばず。2ー3で東経大に敗れた。
2023/11/4(土)14:00キックオフ@下田グラウンド
【スコア】
慶應義塾大学2―3東京経済大学
【得点者】
15分 熊澤維吹(慶大)
43分 岡田倫太朗(東経大)
64分 仲佐友希(東経大)
70分 二宮樹希(東経大)
90+1分 茅野優希(慶大)
◇慶大出場選手
GK
1 竹内秀太(商4・桐蔭学園)
DF
3 山本献(商4・國學院久我山)
5 入江修平(政3・慶應)
4 五十嵐宥哉(商2・清水東)
MF
11 塩貝亮太(商4・暁星)→62分 15 清水皇貴(経2・三田学園)
6 道家拓真(環4・鹿島学園)→54分 19 辻野悠河(商2・暁星国際)
20 田中雄大(商2・成城学園/三菱養和SCユース)
13 山崎健翔(法4・桐蔭学園)→75分 17 荘司慈英(商3・慶應)
FW
7 熊澤維吹(文4・國學院久我山)
24 藤井漱介(商1・静岡学園)→49分 29 茅野優希(政3・慶應)
18 香山達明(経3・慶應志木)→66分 9 立石宗悟(法2・桐蔭学園)
本節の相手は5位の東経大。慶大は2部昇格への切符を確実なものにするためにも、5位の東経大に勝ち点3を与えるわけにはいかない。ボールが落ち着かない中でも、先制点を奪おうと慶大は相手ゴールへと迫っていく。8分、藤井漱介(商1・静岡学園)がチャンスメイクし、田中雄大(商2・成城学園/三菱養和SCユース)がシュートするもゴールネットを揺らすことはできない。それでも15分、熊澤維吹(文4・國學院久我山)が相手DFをかわしてシュート。ボールはゴールネットを揺らし、先制弾となる。
慶大は追加点を奪おうと、熊澤維吹、田中雄大、香山達明(経3・慶應志木)らを中心に試合を展開しゴールへと迫るが、なかなか追加点を奪うことはできない。カウンターには塩貝亮太(商4・暁星)らがしっかりと対応する。しかし43分、GK・竹内秀太(商4・桐蔭学園)が相手のシュートに反応しきれず、東経大に同点弾を許してしまう。「切り替え!」などの声かけが飛び交っていたが、追加点でリードを生み出すことはできず1ー1で前半を終える。
同点で始まった後半。前半終了間際に同点とされたこともあり、相手ペースで試合が動く。46分には右サイドを攻略され、ゴール前でフリーになっていた相手選手が後半初のシュート。ただここはGK正面で難を逃れる。48分には、左サイドから相手選手がドリブルで抜け出しスルーパスを許す。入江修平を中心としたデフェンスで阻止するも、自陣における守る時間の長さと共にチャンスを活かせないシーンも目立つなど、もどかしい展開が続いた。
攻撃の中心メンバーを入れ替え、更なる追加点が欲しい慶大。53分には、代わった茅野優希(政3・慶應)の巧みなドリブルから山崎健翔(法4・桐蔭学園)、香山達明へと繋いでゴール前に迫る。最後の最後までこぼれ球を押し込むことができず、選手に加えて慶大応援団は悔しさを滲ませた。田中雄大、香山、茅野、山本を中心に幾度もシュートの機会には恵まれたものの、チャンスを活かしきれない。
そんな最中の64分、カウンター攻撃に遭う。ディフェンスラインを大きく上げていた中で、左サイドから颯爽と自陣に侵入され、守備が手薄くなった一瞬の隙を突かれた。甘くなったクリアのボールを冷静に押し込まれて失点。勝ち越し点を東経大に先取されてしまう。69分にはデフェンス5枚を抜かれ、フリーだった選手とGK竹内が1対1に。入江修平や山崎健翔が駆け付けるが阻むことができず、3点目を献上。リードを2点に広げられてしまう。
何としても追加点が欲しい慶大は、デフェンスラインを上げ、入江や山本も更なる攻撃の強化を図る。一進一退の攻防を繰り広げる中81分、PKのチャンスでキッカーは茅野。ただボールは大きく上に外れ、1点が遠い試合となった。ただ試合終盤まで攻撃の手を緩めず、90+1分、待望の追加点が生まれる。中央の田中雄大から、1度左サイドの荘司慈英(商3・慶應)を挟み、もう1度中央の田中に戻してからゴール前に控える茅野へ。巧みなドリブルで相手DFを突破してシュート。その後も最後のホイッスルまで攻め続けるも、あと一歩及ばず。3―2で敗戦を喫した。
「3部初代王者」という目標のためには、残る試合全てで勝ち点を獲得することが必須であった。ただ今回の敗戦で、この夢は途絶えた。しかし慶大の荒鷲イレブンには、「2部昇格」という使命が未だ残っている。前を向いて、残る2試合を白星で飾り、2部に返り咲くための切符を掴み取って欲しい。
(取材:長掛真依、佐藤光)