『八秒で跳べ』特別企画② 作者・坪田侑也さん×題字・藤原有敬さん 現役慶大生2人の知られざる一面

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2月13日に文藝春秋より出版された『八秒で跳べ』。リアルな高校生活を描いた本作の作者は現役の慶大医学部生・坪田侑也さんで、本作が2作目となる。1作目は中学時代に執筆した『探偵はぼっちじゃない』であり、ボイルドエッグズ新人賞を獲得。本作は医学部、そして医学部体育会バレーボール部の活動と両立しながら書き上げた。カバーと扉の題字を担当した藤原有敬さんも理工学部に通っている。そんな2人は同級生で慶應幼稚舎時代からの仲である。今回は坪田さんと藤原さんの対談に、2人の中高時代のクラスメイトである弊会の前編集長・長沢美伸も加わる形式で、お届けする。小説家とデザイナー。孤高の天才にも思える2人の知られざる素顔とは……ケイスポ独占対談をお楽しみください!

前編はこちら→『八秒で跳べ』特別企画① 作者 慶医大生・坪田さんの想い―浮かび上がるリアルな青春― 

『八秒で跳べ』坪田侑也 | 単行本 – 文藝春秋BOOKS (bunshun.jp)

お互いの印象

――他己紹介をお願いします 

藤原→坪田 

藤原:僕が侑也に初めて会ったのは7歳の時ですね。それは、幼稚舎(慶應義塾の小学校)というところで、同じクラスになった入学式の時に遡りますね。6年間同じクラスで変わらないので、幼稚舎というのは。そこで6年間ずっと一緒に育ってきました。 

 

坪田:そうだね〜。 

 

藤原:その間とかも、たくさん勉強を一緒にしたりだとか、運動に結構力を入れている学校なので、運動をしたりだとか、合宿に行ったりしていました。彼はとにかく全てにおいて優秀でした。多分今もみんなで集まった時に、侑也は優秀だったよねって。文武両道だったんですよ。今も文武両道の塊じゃないですか。バレーやってて、これ文でしょ(『八秒で跳べ』の本を指して)。武は部活の方でしょ。 

 

全員:(笑) 

 

坪田:説明してくれるのね(笑)。 

 

藤原:今も、それ(文武両道)をそのままどんどん発揮してってくれていて、小学校の時からもそうで。中高、大は学部が違うけれど、結局同じ(慶應)でね。(慶應)普通部に行って、塾高(慶應高)行って。普通部の時も2、3年で同じクラス、高校の時は3年生の時に同じクラス。なんだかんだ同じで、縁に恵まれて。彼は本当にずっと優秀で、すごいなって家族の間でも話題になっている素晴らしい人です。 

 

坪田→藤原 

坪田:僕から有敬のだね。初めて会ったのは…7歳の時ですね(笑)。 

 

全員:(笑) 

 

坪田:同じクラスで…同じことになっちゃうけれど(笑)。小学校の時の思い出は…なんだろうな。でも、読書の話をするのは同じクラスの男子だと有敬くらいだったかなっていう記憶ではあるかな。 

 

藤原:あー! 

 

坪田:有敬以外の人と本の話はそんなにしなかったかなっていう思い出があるかな。読んでいた本が、お互いはやみねかおるが好きで。でも、それ以外の本の趣味はちょっと違ったりもしたような記憶があって。そんな感じで、お互い勧めあったりとかもあったかな。図書委員も2、3回くらい一緒にやったね。 

 

藤原:一緒にやったね! 

 

坪田:そんな毎回ではなかったけど。毎回何やってたんだっけ? 

 

藤原:毎回ね、コンピューター委員会 

 

坪田:コンピューター委員会ね。そうだそうだ。 

 

――コンピューター委員会は、何をするんですか? 

 

全員:(笑) 

 

坪田:気になるね。たしかに。 

 

藤原:本が好きで図書委員もやっていたんですけれど。コンピューター委員会では学校にあったプラズマテレビで流す、例えば「季節の〇〇」とか、雑学紹介とか、生徒が自分で、同級生とか学校の中に伝えたいことを考えて制作したりしていました。

今思えば、あそこら辺から僕のデザイン人生が始まっていたかもしれないですね。 

 

坪田:たしかにそうだね。やってたね。それの印象もたしかにあるなー。コンピューター委員会って何してたっけって思いながら、聞いちゃったけど。たしかにあれを作っていたの有敬だったね。 

 

藤原:そうそう。 

 

坪田:小学校の時は、(藤原が)ディズニーが好きな方なので、ディズニーも行ったよね。 

 

藤原:行っ…たね。 

 

坪田:行ったね。行ってないって言われたらどうしようかと思った(笑)。 

 

藤原:行った行った! 

 

坪田:お互い中高以降もそうだけれど、ずーっと同じ環境ではきたけど、違う道というか、結構完全に分かれたような道を歩んでいたから、時々会って話すと面白いって感じですね。中学2、3年生の時も同じクラスだったけど、その時もお互いそれぞれの道って感じだったような記憶があるかな。でもお互い、どこかでは理解しあっているみたいなところがあったかなっていうふうに思いますね。 

 

藤原:やっぱり本でつながっていた感じあるよね。昔から。 

 

坪田:そうだね。たしかにね。 

 

――やはり、お二人は小さい頃からたくさん本を読まれていましたか 

 

坪田藤原:そうですね。 

 

藤原:お互い、本の虫って感じだったので。 

 

坪田:うん。そうだね。 

 

――きっかけは 

 

藤原:きっかけは、生まれた時から家にたくさん本があったんです。 

 

坪田:素晴らしい。 

 

藤原:両親共に読書家なので、本がすごく好きで。もちろん当時は児童書とかもたくさん買ってくれて、それがきっかけで、はやみねかおるとかも好きになったんですけども。本が一番の楽しみみたいな生活で育ったからだと僕は思います。 

 

坪田:僕は4つ上の兄の影響で。小学校までの行き帰りの道のりで、兄がずっと本を読んでいたので、小学校の登下校の時間は本を読むものなんだなというのを兄の姿を見て思って、それで僕も読み始めたのがきっかけだったかなと思います。兄が読んでいるような本を読んでいたので、わりと早めから大人っぽい小説とかも読んでたかなってふうには思いますね。だからあまり高学年の方は、学校の図書室を利用してないんだよね、実はね。図書室が発行する読書記録みたいなのを見ると、高学年の方はそんなに冊数が多くなくて。 

 

藤原:そうだね…。なんか来なくなった、よね。 

 

坪田:来なくなってたのか(笑)。

 

藤原:結構一人の時もあったりとか。いやいや、いいんだけどね(笑)。 

 

坪田:卒業する時に、「図書室によくいる人」みたいなランキングがあって、多分有敬が1位? 

 

藤原:僕が1位。 

 

坪田:僕2位かなんかじゃなかった?あれ圏外だった?もっと下だったか…。 

 

藤原:えっとね、他の人が2位で、(坪田は)3位だった気がする。実際「読んでいる人ランキング」じゃなくて、「いる人ランキング」。 

 

坪田:足が遠のいていた証拠だよね(笑)。 

 

藤原:かもしれないね。 

 

――ありがとうございます。 

 

長沢:(坪田の)優秀エピソード1個追加して良いですか。 

中1と高3同じクラスなんだけど、「つぼた」「ながさわ」だから、出席番号前後なのよ。自分も点数まあ結構悪くはなかった。「よし、良い点数とった」と思って前の方ちらっと見ると、絶対自分より良い点数だから。絶対勝てないね。地学かなんかで2位じゃんって思って、1位誰だって思ったら前の人だなみたいな。 

 

坪田:高3の時ねー。 

高校三年生では3人が同じクラスにだった(左から長沢、坪田さん、藤原さん)

藤原:中学の時の優秀エピソードは小説に直接関わっちゃうから、それは後の方が良いかな? 

 

坪田:それは後でだね(笑)。 

 

藤原:ちょっと溜めているから(笑)。 

 

――それも楽しみにしていますね。 

 

学校のお話

――ところで、先ほどのお話にも少しありましたが、お二人は何学部に所属されていますか 

 

藤原:僕は理工学部のシステムデザイン工学科というところで、今3年生なのですが、建築を専攻して建築デザインを勉強しております。 

 

坪田:僕は医学部医学科の3年生で、次4年生になります。

 

――医学部と理工学部のお二人と聞くと、「すごい方々」というイメージを抱きますが…普段どのようなことをされていますか。 

 

藤原:僕は、学業と人との交流がすごく大事だと思っているので、両方を軸に生活しています。学業という意味では、さっき申し上げたように建築のデザインを慶應の理工学部で勉強しています。授業を受けて勉強して課題をこなしてっていうのを、仲間と一緒にやっていました。それとは別にサークルにいくつか入っていて、理工学部の体育会ゴルフ部や、スキーも昔からやっていたのでスキーサークルに入っています。

 

坪田:スキーうまかったよねー(笑)。 

 

藤原:あとはディズニーが好きなので、ディズニーサークルに入ったりとか。いろいろなところで、いろいろな背景を持った友達とつながることが将来良いことにつながってくるかなと思っているので、その両方をやっています。 

 

坪田:多彩だよね。そういえば、さっき(他己紹介で)言い忘れてたけど(笑)。 

 

藤原:いやいや(笑)。 

 

坪田:本当に小学校の時からスキーも、バイオリンとかもやってたよね。 

 

藤原:よく覚えてるね(笑)。 

 

坪田:よく覚えてる!年賀状で弾いてるの見てたからさ(笑)。 

 

全員:(爆笑) 

 

坪田:本当に多彩だったなっていう印象が。すごいいろいろな趣味を持っていて、そのうちに本もあってっていう感じの印象を付け加えさせてもらって。 

 

――ありがとうございます。 

 

坪田:僕の場合は、今入っているサークルが医学部体育会のバレーボール部で、あんまり忙しくなくて、週2回か3回くらいで練習試合がちょっとあってという感じなので。そこは自分の運動する機会と、あとはバレーボールやって息抜きにもなるし、試合に勝つために練習して楽しいっていうところで自分の生活のスパイスみたいな感じになっているんですけど。それ以外の生活で言うと、医学部って授業がそんなに忙しくないというか。出席がほとんどなくて、どの授業も。コロナ禍の余波でかなり授業もオンデマンドが多くて、動画配信が多いんですよ。かつ昔からのならわしで、学年みんなで協力して毎テスト乗り越えていこうみたいなのが結構根強いので。

実習がある期間とか、解剖実習とかは忙しいんですけど、僕の場合は、有敬くんみたいにちょっと人と交流がない人なので、家でとか、家の近くのカフェとか、大学近くのカフェで原稿書いて、部活行ったり、授業行ったりっていう日々をずっと大学入ってから続けていましたね。それは多分今後も続いてくだろうなってふうには思っていて、5、6年生になると実習が増えてまた忙しくなっちゃうかなとは思うんですけど。同じような感じで、授業と部活の合間を縫ってというか、原稿の合間を縫って授業をやっているみたいなもんですけど、配分で言うと。そんな感じで、今後も書き続けていくのかなという感じに思っていますね。 

 

――ありがとうございます。 

ちなみに、医学部はどのような授業があって、どのような雰囲気ですか 

 

坪田:慶應の医学部は、面白いと思います。

医学部って、医師国家試験っていうゴールがあって、そのためにこういう授業を6年間のうちこういうタイミングでやりなさいみたいなのが決まっているので、それをクリアしていくのが基本なんですけど。でもその中に慶應ならではの、最先端の研究に触れるような授業があったりするので。

そういったところでかなりハイレベルな授業を受けることができて、かつ周りにいる人たちもハイレベルな人たちなので、その中で勉強していくことの楽しさは結構あるんじゃないかなとは思いますね。一方で、慶應は特に医学部の部活の方にかなり力を入れているので、文武両道をみんな体現していると言うか、それがわりとみんな(医学部に)入ればできちゃうというか、楽しいし魅力の一つかなと思いますね。 

 

――理工学部はいかがですか 

 

藤原:理工学部は、本当に多分みなさんがイメージしている通りの“The理工”みたいな、物理、数学、化学みたいなのを1年生の時に、「基礎だ」って言って全部やるんですね。そこが個人的には結構一番きつくて、その中にやりたいことはあると思うんですけど、多分全部やりたい人ってなかなかいなくて、ちょっと辛いこととかも全部やらなきゃいけないから、1年生は結構きつい。でも、僕は建築デザインをやっていて、理工学部の中ではちょっと異質なところではあるんですけれども、もし理工学部というところに興味を持って入った方であったら、絶対にどこかで自分が興味のあるところに突き進んでいけるとは思いますね。 

 

坪田:たしかに。興味を持ったことができる。でも僕は絶対数学で挫折するから、理工学部は行きたくないなって。絶対数学できないので。第2志望は文学部だった。

 

藤原:カッコ良い!まじでカッコ良いよね。 

 

坪田:理工学部は行けないって思って。文学部行こうって。 

 

藤原:それもめっちゃ覚えてる!第2志望、文学部って書いてたもんね。めっちゃ覚えてる。

 

坪田:行きたいかなって思って、文学部も。でも結局、医学部にきた。医学部についてちょっと補足すると、授業が先ほど申し上げた通り全然忙しくないので、みんな本当に好きなことやってるんですよ。部活に打ち込んでいる人もいれば、バイトめっちゃやっている人もいるし医者になったらとことん働くからこの大学生活6年間はとことん遊んでって人もいれば、研究室に入ってずーっと夜中遅くまで終電逃すくらいまで大学生のうちから研究している人もいるし、僕であったら小説みたいな、自分のやりたいことが両立できる場でもあるかなというふうには、有敬の話を聞いて医学部の特徴だと思いましたね。

 

――意外ですね 

 

藤原:たしかにね。 

 

坪田:実は結構時間があって、結構みんないろいろやってますね。 

 

――ありがとうございます!補足があれば、またどんどん出していただいて、ここからは作品に関するお話を伺えたらなと思います。 

 

作品について

――『八秒で跳べ』の発売を受けて反響は 

藤原:僕は、いろんな友達に勧めていたのもありますが、発売当日になって、家に届いたよって連絡がすごいきた。 

 

坪田:俺にはあんまきてない(笑)。

 

藤原:(笑)。その時に、みんなが買ってくれて、読んでくれてというのを、感想付きで送ってくれたりとかして…これなんかおかしいな(笑)。 

 

全員:(爆笑) 

 

藤原:僕は、内容がめっちゃ良いみたいな感じでおすすめをしていたので、そういう意味でみんな読んでくれているんだなと、僕はそう思いましたね。僕は(笑)。 

 

坪田:いやいや、僕もきたけどね(笑)。 

 

藤原:ごめんごめん(笑)。 

 

坪田:たしかに、今回僕は自分では、友達とかにそんな宣伝していないので。ちょこちょこといろんな人から連絡もらったりとかして、読んだよみたいな連絡は頂いてという感じですね。でも一番多いのは、「あ、まだ書いてたんだ」っていう感想。僕が小説を書いてて、かつて一作出版したのをなんとなく知っている人たちが、特に大学の周りだと多くて、それをもう一回やめているのかなと思ってた人たちばっかりだっと思うので、そこで結構驚かれてってことは多いかなというふうには思いますね。 

 

――どのような経緯で、今回ロゴを藤原さんが担当されたのですか 

 

坪田:もともと、有敬くんのデザインの話は、僕のエージェントの人とよく話してて、一回本当は僕の別で連載している日記の連載があるんですね。それのロゴを作っていただこうかという話を僕が持ち掛けた時に、それだったら一層の事、本の方のロゴを作ってもらったらどうかという話になって、有敬くんお願いするって形になったんですね。さらに元をたどれば、僕が普通部の時に書いた小説をネットに載っけるみたいな予定があって… 

 

藤原:あー!あれだ。 

 

坪田:ただそれを有敬に載っけてもらおうみたいな話をしてて、有敬くんにまたロゴとかも作ってもらってっていう。 

 

藤原:写真撮影したんだよね。 

 

坪田:うん。写真撮影かな。 

 

藤原:サムネイルを制作して。 

 

坪田:サムネイルを制作してもらって、短編集なんですけど。それが頓挫しちゃって申し訳なかったので、いつかまた別の機会で何か手伝ってもらいたいなと思っていて、最終的に今回携わってもらった感じですね。 

 

――藤原さんは、坪田さんからお話をもらった時はどのようなお気持ちでしたか 

 

藤原:いやーめちゃくちゃうれしかったです。今話してもらったこととかもあったりとかして、頼りにしてくれているなというのはすごい感じていたので。この話をもらった時に、この文豪の…(笑) 。

 

全員:(笑) 

 

藤原:表紙を担当できるなんて本当にうれしいなっていう気持ちでした。僕はグラフィックデザイナーとして活動していて、依頼されてロゴや服を作ったりしているのですが、その活動や作品を結構見てくれたりとかもしてたんだよね。 

 

坪田:そうですね。慶應パーカーのデザインの人なので。いろんなデザインをしていて、その作品をよく見ていたので、それで有敬に頼んだら良いんじゃないかとなった感じです。 

 

――表紙にはどんなこだわりが 

 

藤原:(実際に、実際の本を手に説明してくださいました。ぜひ皆さんも本をお手元に用意して躍動感を感じてみてください!)

一番のこだわりは躍動感とこのオレンジですね。この(オレンジが右上に)伸びていったところが(背表紙につながって)ボールがあるという立体的なデザインになっています。実は『八秒で跳べ』のロゴは2種類あって、本を開いて数ページめくったところにもデザインがあるんですけれど、これはイラストなしで完結できるようなものになっていて、実は最初にこっちを作りました。表紙ではイラストを入れて躍動感を出すということで周りに配置するようなロゴになりました。

帯外すと英字タイトルもありまして、英字タイトルもこのイラストに合わせたデザインになっています。よく見ていただくと、“8”の部分が砂時計になっていて、砂が上から…。気にしたことある?(笑) 

 

坪田:うん。それは知ってる。 

 

藤原:わかってるね(笑)。“8”っていうのを砂時計に例えて、時間の経過を表現しているというものになります。こちらは、表紙だけのデザインになるんですけれども、この“8seconds”という、カバーだけじゃなくて、本自体の表紙用のデザインをしています。全体的に、躍動感とバレーボールや選手の跳躍をイメージして、デザインさせていただいたっていうような感じになっています。 

 

――すごく素敵ですね。ありがとうございます! 

坪田さんは、この作品を書き上げた時どのようなお気持ちでしたか 

 

坪田:何よりも、自分の中ではほっとしたっていうのが一番大きかったですね。高1の時に前作を出してから、なかなか書けない数年間を乗り越えて、いろいろこの作品の原型となるものも何個かあったりして、それを書き換えながらようやくこの形に落ち着いたので。でき上がった時には確かな感触はあって、ただそれは面白いものが書けたぞっていうのもありつつ、一番はなんとかようやくここまでたどり着けたなっていうほっとした感覚が大きかったですね。 

 

――どんな時にこの物語が浮かんできたのですか 

 

坪田:物語の「バレーボール」という題材自体は、ずっと題材にしたいなというふうに考えていて。中学校からバレーボールをやっていたので、バレーボールやる中でいろいろ感じた苦しみとかをいつか小説にしたいなと思っていました。作中で、主人公がけがをするシーンから始まるんですけども、そのけがも僕自身が実際高校1年生の時に体験したけがで、それも当時はそれでレギュラー外れちゃったりして悔しかったんですけど、思い返してみるといつか小説にできるなと思ったことでもあったので。自分の体験が細かい描写や設定に反映している作品かなと思っています。 

 

――前作『探偵はぼっちじゃない』でも今作でも、「漫画」や「マリオ」などのワードが登場していましたが、その辺りにも反映されているのでしょうか 

 

坪田:ああー。たしかにそうですね。あんまり言われたことなかった(笑)。 いや、でもその通りかもしれない。ゲームは好きなんですよね。でも、最近やれてないので、ちょっとやりたいなー。まあただ、前作も、今作も、現代の中高生を主人公にしている作品なので、彼らにとって非常に身近なものとして登場することが、自然な形として、そういった小説上の要請に従ってでてきたかなと思います。 

 

――バレーボール経験者でなくても、その場の情景が浮かんでくるような描写が印象的でしたが、こだわりや意識したことはありますか 

 

坪田:バレーの描写に関しては、とにかく自分が経験者で書こうと思えばいくらでもかけてしまうので、そこをなるべく抑えて書こうということは自分でも意識していたし、編集の方にもご指摘いただいて、そこはかなり気をつけながら書いていました。自分がやっていた分、本当に細かい指一本の動きまで書こうと思えば書けてしまいますが、それをやってしまうとバレーボールという一番動きのある場面で読者が停滞してしまうことになるので、それは避けたくて。なので、なるべくボールの流れを追うような感じで。あとは専門用語をどこまで出せば良いのかというところも悩みながら、ここまでだったらわかってくれるかな、なんていうふうに考えながらバレーの描写はしていましたね。ただ、バレーの描写自体はすごい筆が乗るというか書きやすくて、その辺りは楽しかったですね。他の描写は、会話が結構僕は好きというか、会話がやっぱ書いていて楽しいし、会話で登場人物たちのキャラクターとか内面が見えたら良いなってふうに思っているので、そこはかなり意識して会話でどう面白がってもらえるかなみたいなふうには考えてやっていますね。 

 

――藤原さんは、内容が特に良いとおすすめしたとおっしゃっていました

 

藤原:こちらの侑也の本は、前作ももちろんそうなんですけども、描写がすごくて。特に場面転換の箇所では、内容っていうよりも技術になっちゃうんですけども、そこのところで次の展開に持っていくところの締め方と始まり方っていうのが、本当にうまくて。 

 

坪田:うれしいね。 

 

藤原:前作でも今作でも読むたびに、僕は結構いろんな本を読んでいますけども、読むたびに毎回それを思います。本当に自然に、リズミカルっていうとちょっと語弊があるかもしれないですけど、最初から最後まで淀みなく進んでいく。内容が、ちょっと淡白な主人公があるきっかけをもとに紆余曲折あって、ていうような。どこまで言っていいのかわからないですけど(笑)。 

 

坪田:全然大丈夫(笑)。ミステリじゃないから。 

 

藤原:というようなところで人間関係など、いろんな交わりがあって進んでいくと思うんですね。そこのところで、やっぱりさっき申し上げた話のつながりっていうのはすごく大切だと思っていて。パッパッパッて切って、別の場面、別の場面ってやるんじゃなくて、流れるように進んでいくっていうのが、内容と進行の技術が、坪田侑也の僕にとっての一番良いところだと思っています。 

 

坪田:うれしいですね。あまり言われることのない観点からなので、すごくうれしいですね。 

 

藤原:そこら辺はこだわってたり? 

 

坪田:そうだね。こだわってる、かな。特に場面の始まりはちょっとこだわってるかもしれないですね。どういうふうに入っていったら、その章、その一節がリアルに迫ってくるかなというところは結構考えながらやっていたかなと。場面の閉め方に関しては、その章を書く前は何も考えてなくて、途中でこの辺で締まりそうだなっていうので終わらせているところが多いですね。それは結構、あんまり褒めてくれる人いないからうれしいですね(笑)。 

 

藤原:本当に良いと思うんだよねー。 

 

坪田:いやーそう。自分でもね、良いと思うんだよね(笑)。 

 

全員:(爆笑) 

 

藤原:良かった(笑)。

 

坪田:自分でもそこは上手いと思うのよ(笑)。 

 

――心情描写や心のモヤモヤなどの言語化がすごいと感じたのですが、それも読書経験からくるものですか

 

坪田:実はそんなに読書量は多くなくて彼の方が読んでいるとは思いますが、自分の感じたことや他人がこう感じているだろうなという日常生活の中でのインプットが大きいかなと思いますね。ネットなどでもこの作品を書く上で影響されました。Twitter(X)とかを見ていても、こういった意見を持つ人がいるんだということがインプットされて蓄積されていく感覚が非常にありました。

読書経験ですとそれこそさっき有敬くんがいってくれた場面の転換などは自分が小さいころから読んできたミステリの蓄積が生きているのだと思います。

 

――坪田さんがバレーされているのを見たことはありますか

 

藤原:試合の映像はあるよ。

 

坪田:あるの?

 

藤原:うん、けどいっぱい見たことはなくて…‥

 

――登場人物だと誰が近いですか

 

坪田:僕の場合は北村くんとか梅太郎くんに近いタイプではあります。ちょっと主人公ほど冷めていないというか、もうちょっと熱いタイプではあるので。まあ有敬は見たことないよね。中高の部活って部以外の人はあんまり見ないしね。

 

作品ができるまでの過程とメッセージ

――先ほどのすごいエピソードとは?

 

藤原:それは彼の小説の原点に戻るのですが、中学生(慶應普通部)の時に労作展と言って、夏休みに何かを作り上げ、夏休み明けの展示会で発表するという機会があります。僕は美術をやっていたのですが、彼は小説をやっていて、1年生の時に東京メトロのそれぞれの路線を題材にした短編集を書いていました。実は彼は小説を小学生の時から書いていて、幼稚舎の図書室にあってそれを僕が読んでいました(笑)。小説を書いていたのは知っていたのですが、展示会場で読んだら、ものすごくて、本当にすごかったんですよ。中学生が書いたとは思えないレベルというか、このまま出版できるなという感じでした。下調べでもメトロに関する分厚い資料があって、それを見たりしても、彼の真面目さが出ているのですが、事細かに調べられていて、この調査からのこの短編集なんだと。ボイルドエッグズの方と知り合いだったので、「恐ろしい中学生がいると」話しを持って行き、侑也にはそこの新人賞への応募を勧めました。そうしたらやっぱり出版業界の方の目にも留まり、彼の才能が認められたと。

 

――どういうきっかけで書こうと思ったのですか

 

坪田:小学校の時にはやみねかおる先生の作品を読んだ時にすごい面白くて。僕もこういうものを書いてもいいんじゃないかと思い、小学校2、3年の頃に書き始めました。それから図書室にも置いてもらうような作品をちょこちょこ書いていて。自分の読んできた小説を真似て書いてみようというのは小学生のうちにやっていたので、中学校の労作展の場で書く時に、人に読んでもらうものがどういうものがいいのかを考えた時に、短編集が浮かびました。ただ、ただの短編集では面白くないので。労作展は過程を大事にしていて制作日誌も評価基準にしてくるというのも兄の話を聞いて知っていました。小説をただ書くだけでは評価されないのかなということもあり、調査系でやってみようとやったのが東京メトロを題材にした短編集だったんですね。その時は人に読んでもらいたいなと思って書いて、でも読んでくれたのが有敬くらいだし。2、3年くらいでは人に読んでもらわなくてもいいやと思って長編を1作ずつ書いて、それは下調べもなくという感じでした。

 

藤原:あの短編集ほんとあのまま出版して…‥(笑)

 

――読んでみたいですね

 

藤原:お願いします(笑)。

 

坪田:奥深くにしまってある(笑)。

 

――作品の中に絵画があったのですがそれは調べたのですか

 

坪田:そのあたりは調べて、ただそんなに深い知識は出てこないので、調べて書くということは昔からやっていました。

 

――結構調べる時間は大変ですよね

 

坪田:今回はそんなことはなかったですが、中学校の時に書いた短編集は大変でしたね。メトロ全部起点から終点まで乗って、一駅ずつメモするという意味の分からないことを(笑)。一駅ずつどんな駅で何人降りて……とメモしてみたいな感じで。

 

――タイトルにもある8秒をどのように過ごされていますか

 

坪田:この作品に出てくる和泉くんみたいな思考ができたらなと思っているのですが、なかなかそのレベルに達するのは自分の実力的に足りないのでそういう意識をしながら一つのミスにとらわれすぎないようにやっていますね。

 

――高校で一度やめて大学でバレーを続けていらっしゃいますが、やはりバレーが好きだったからですか

 

坪田:バレーボールが好きだったからかな……ただバレーボールが好きだと思えるようになったのは最近で、医学部でバレーボールをやることは決断ということもなく当然のごとくやりました。それは兄も僕と同じで中高でバレー部に入っていて、兄も医学部のバレー部に入っていたので後を追うように、他の選択肢もなく気が付いたらバレーやっていましたね。気づいたら最近ちょっと楽しくなってきました。

懐かしの慶應高体育館でサーブを打っていただきました!

――長沢前編集長から見て本読んで感じたこと

 

長沢:自分の経験から来ているというか、読んでいて塾高の体育館ぽいなと思ったりもしました。そういう経験もあるし、女子が出てくるのは塾高じゃあり得ないので自分の想像の部分も組み合わせているなと。あと、読んでいると次読みたくなるというか、場面の切り替えがうまいので続きが気になって読んでみようと思いますよね。

 

坪田:もしかしたら特に週刊連載のマンガ読むのも好きなのでそれの影響もあるのかなと、引きが大事じゃないですか。そういう感覚が自分の中であるのかもしれないです。

 

――どんな人に読んでもらいたいですか

 

坪田:この本はバレーボールを題材にしているのですが、バレーボールや部活に打ち込んできた人向けに書いた小説ではないというか、もっと全般的に、まだ過ごしていない高校時代を想像するような中学生小学生にも読んでもらって、高校時代を楽しみにしてもらったり、高校時代を経験した人たちは、1人は自分の思いを乗せられたり身近に感じるキャラクターがいるんじゃないかなと思うので、そういう人たちの動向を追いながら、かつ作品が閉じた後もその人たちの未来に何か思いを馳せてくれたらうれしいなと思います。

 

――読者に伝わってほしいことはありますか

 

藤原:僕は読んでいてこの主人公がどうするんだろという感じていましたが、あるきっかけが起きて、そこから心境やいろいろな感情が沸き起こってくる様を表現している小説なので、誰でも自分を変えるきっかけや何かを進めるきっかけが起きることがあると思っています。それを表現しているのがこの小説なので、そういうチャンスやきっかけがあるんじゃないかということを伝えているところがあると思います。

 

長沢:自分がこの本をケイスポとして宣伝したいなと思ったきっかけでもありますが、中学高校と部活をやって、勉強もやってきたという、普通に(想像できる)高校生活を送ってきた人が書いているということを知ってほしいなと思います。例えばバレーをずっとやってきてプロになれるような注目選手が書いたというわけではなく、もちろん坪田くんはすごい人ですが、多くの人が経験するような高校生活を過ごしてきた人が書いているということを知って読んでもらいたいなと思います。

 

坪田:そこは僕も作品を書く上で意識したことで、出てくる人たちも舞台も普通なんですよね。強豪でもなければ、弱小校から成り上っていくというようなエピソードでもなく、とにかく普通の部活を書きたいなと昔から思っていたので、今の長沢くんの話を聞いてうれしい感想だなと思いました。

 

――文藝春秋のインタビューでは医学部生を書いてみたいとおしゃっていました。どんな医学部生を伝えてみたいですか

 

坪田:どこの大学のどこの部活でもそうだと思うのですが、大学生になると焦るじゃないですか。特に医学部は医者になろうと心に決めて入ってくる人や家業を継ごうと決めてそのために来ました人もいて、でも僕なんかはもっとあいまいな気分で入ってきた人間なので、その差も面白いなと思います。僕は小中高と内部進学で来たので関わる人たちもわりと自分に近い環境の人たちが多くて、ただ大学に入るとガラッと変わって今まで接してこなかったような人たちやいろいろな背景を持った人と関わるようになって、その大学の面白さを書きたいなと思います。あとは伊坂幸太郎の『砂漠』とか大学生を主人公とした小説が好きなので、そこは自分もいつか題材にしたいなと思います。

 

――この本を読んでくださる方にメッセージをお願いします

 

坪田:この『八秒で跳べ』は何かに打ち込むことに苦しんでもがいて、その一方でそこにある幸福、その間に揺れ動く2人の主人公も描いた作品なので、そのあたりに思いを馳せながら、高校生活こんな感じだったなと、こんなキャラクターいたなと高校生活を思い出しながら、想像しながら読んでいただければ幸いだなと思います。

 

エピローグ

――同級生がロゴ作って宣伝

 

坪田:感慨深いですね。こういう機会ないから(笑)。僕が書いてなければないし(藤原が)デザインやってなければないし、(長沢が)スポーツ新聞会入ってなければないし。その縁も感じて、昔から知っている2人なので、その2人にこういう風な機会があってうれしいなと思うね。長沢くんも忙しそうだもんね(笑)。

 

長沢:昨年は忙しかったかな。

 

坪田:結構愚痴ってるなと(笑)。

正直有敬こういう小説好きじゃないかなと思っていた。題材的に、趣味ではないでしょ?スポーツ小説とか部活小説とか趣味じゃない人もいるじゃん。俺もたくさん読んできた人じゃないし、スポーツ小説だと思って敬遠してほしくないなと思うのがやっぱりあるかな。高校の青春小説として書いたつもりだから。

 

藤原:僕は推理小説、ミステリー好きなので普段読んでいる本とは違うところはあるんですけど、それこそ推理小説とかでも場面転換が大事じゃん。そういうところがうまいのとかも侑也の特徴だし、アクシデントがくる毎につかまれるところがあって、僕はすごい好きです。

 

長沢:有敬と逆で、小中高とあんまり本を読んでこなかった人で、でもさすがに友達が書いたら読むじゃん(笑)。ずっと本から離れた人でも楽しめる作品だなと思った。

 

坪田:そこは良かったなと。長沢みたいに僕が書いたことで今まで読んでない人も読んでくれるのは一番うれしくて、その中で僕の小説から他の小説に入っていた人が何人かいるのですごいうれしいなと思います。自分がきっかけになっていることが光栄だなと思いますね。

 

長沢:ほんとに本書いちゃうんだという感じだよね。

 

――執筆にどれくらいかかりますか

 

坪田:これはゼロから書き始めてこれができたわけじゃなく、紆余曲折を経てこれに落ち着いたので。最初にこの題材に取り掛かったのは高3の時だから結構時間はかかっているな。実際に書いたのが大学入ってからで、でも大学2年の夏にボツになって。この小説そのものを書いたのは大学2年の夏から冬にかけて半年くらいかな。これからスピードを上げないとなと(笑)。

 

藤原:難しいよね小説書くの。僕も実は絶対侑也の影響受けているんだけど、書いてみたいなと思って図書室の会(慶應普通部のクラブ名)に入って、それで毎年その部で作った冊子を『地下一階』という名前で発行していて。

 

坪田:(図書室が)地下一階にあるからね。

 

藤原:そこに載せたことはあるけど、自分で書いてみて無理というか、一応終わらせることはできるんだけど、書いている途中で自分の気持ちの浮き沈みもあるだろうし、主人公にそれを反映させたらダメだということも感じながら……

 

長沢:文書くの難しい(笑)。自分も記事を書いてはいるけど、分量は長くても3000字とかだから。この(小説の)分量って…‥

 

坪田:自分も書けないなと思いながら書いてたから(笑)。でもやっぱり書いていて苦しむというかうまくいかないなということもありましたが、それでもいいんだなと思えたきっかけがあって。作家の京極夏彦さんとお話しさせていただいた時に「とにかく書き続けてください、名作を1つ出す必要はない。駄作を10作書いてください。その駄作が誰か一人に刺さるから」とたくさん出すことが大事だとおっしゃっていただき、本当に心に残っています。時折自己嫌悪に陥りながらもそれでいいんだなと支えられながら書いている感じですね。

大変だけど悩むね。届くといいなと。医学部に所属しているので、周りには大袈裟に言えば人類の進歩につながることを研究している人だっている。でも小説は、別に人類の進歩につながらないなと。患者さんは救えないなと思ってしまう。小説で救われるという経験を自分はしている一方でそこを信じ切れずにいるということが、自分の感情の揺れているところだなと。

人の命は救えないなと思いながら書いているけど、そういう悩みもいつか小説になるんだろうなと。医学部いるからこその対比も書けそうだし。

 

長沢:人の心は救っているかもね。

 

坪田:そこは作者としては信じきれないところがあるんだよな。書き手としてね。それは悩み続けた方がいいなと思う。

 

藤原:長期スパンで作り上げるということがすごい。

 

坪田:労作展ですごい褒めてくれましたけど、彼なんて労作展でストップモーションアニメを作って。

 

藤原:動かして写真撮って、動かして写真撮って…をつないでアニメーションを作るのを1年生の時から3部作で。

 

坪田:すごい作業量だよね。編集もやって音楽もやってだよね?うちのクラスはそれが流れていて賑やかなだったよね。

 

藤原:子どもに人気だったね。それも本気でやり続けるのは夏休みの1ヶ月とかで。デザインとかも最初はスケッチから入るのですが、今回は小説を読んで感じた気持ちを躍動感としてロゴで表現したという流れで、普段も頼まれたデザインに気持ちとか込めたい思いを反映するという流れなんですね。その時もスパンは短いというか、最初の簡単な案は数時間くらいで書いて、そこから依頼者の意見も聞いて微調整していくという流れなので、作り上げるというところは一緒かもしれないですが、過程は全然違いますから。さすがに年単位とかは……

 

坪田:やりたいと思ってやってるから。

 

藤原:本音を言って1作にどれくらいの時間をかけたいの?

 

坪田:第一稿は数カ月で書きたいなあとは思ってる。中学生の時は1、2カ月くらいで書いていたから、その時のスピードで書けたらベストなんだけどとは思うけどね。まあ無理なんだけど(笑)。

 

藤原:実は長年かけて書きたいのかなと。

 

坪田:そういうのはないね。時間かけても良くなるわけでもないから。

 

(インタビュアー:長掛真依)

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