華の早慶戦、第1回戦。慶大は2回裏、先発・外丸東眞(環3・前橋育英)が四球で出したランナーを8番・石郷岡大成(社3・早稲田実業)に返され先制を許す。その後も吉納翼(スポ4・東邦)の本塁打などで追加点を奪われ、外丸は5回3失点でマウンドを降りた。代わって登板した荒井駿也(商3・慶應)は6回裏、早大打線に捕まり5失点を喫し、その差は8点に広がる。一方打線は、早大のエース・伊藤樹(スポ3・仙台育英)の前に完璧に抑えられ、7回までスコアボードに0が並ぶ。慶大打線に動きがあったのは8回表、2本の安打と死球で無死満塁のチャンスを作ると、途中出場の9番・古野幹(理工4・岸和田)の併殺打の間に1点を返す。しかし、この1点が慶大唯一の得点となり、試合は1-8で大敗した。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
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慶大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 |
明大 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 5 | 0 | 0 | × | 8 |
◆慶大投手成績
投球回 | 打 者 | 投球数 | 安 打 | 本塁打 | 四死球 | 三 振 | 失 点 | 自 責 | |
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外丸東眞 | 5 | 23 | 78 | 5 | 1 | 2 | 1 | 3 | 3 |
荒井駿也 | ⅔ | 7 | 22 | 4 | 1 | 1 | 0 | 5 | 5 |
木暮瞬哉 | 2⅓ | 7 | 29 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
◆慶大打撃成績
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | |
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1⑥水鳥遥貴 | 三振 | ・・ | 左安 | ・・ | ・・ | 三振 | ・・ | 一飛 | ・・ |
2⑦丸田湊斗 | 右飛 | ・・ | 三振 | ・・ | ・・ | 二ゴ | ・・ | ・・ | ・・ |
1荒井駿也 | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ |
🈱二宮慎太朗 | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | 遊ゴ |
3⑤本間颯太朗 | 四球 | ・・ | ・・ | 三振 | ・・ | ・・ | 中飛 | ・・ | 一ゴ |
4③清原正吾 | 右飛 | ・・ | ・・ | 三振 | ・・ | ・・ | 遊ゴ | ・・ | 右飛 |
5⑨吉田雄亮 | ・・ | 右飛 | ・・ | 一ゴ | ・・ | ・・ | 中飛 | ・・ | ・・ |
6⑧横地広太 | ・・ | 三振 | ・・ | ・・ | 三振 | ・・ | ・・ | 一安 | ・・ |
7④林純司 | ・・ | 三振 | ・・ | ・・ | 二飛 | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ |
🈱3吉野太陽 | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | 死球 | ・・ |
8②渡辺憩 | ・・ | ・・ | 三振 | ・・ | 遊ゴ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ |
🈱7真田壮之 | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | 右安 | ・・ |
9①外丸東眞 | ・・ | ・・ | 一直 | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ |
🈱7古野幹 | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | 遊ゴ | ・・ | 二併 | ・・ |
2森谷史人 | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ | ・・ |
クライマックスを迎えた東京六大学春季リーグ戦。伝統の一戦には、昨春を上回る3万人もの大観衆が詰めかけ、試合前から声援が響き渡っていた。両チームがエースをぶつけたこの試合は、投手戦が予想された。また、今季ここまで大当たりの渡辺憩(商1・慶應)がスタメンに復帰し、注目が集まった。
慶大の先発・外丸は1回裏を三者凡退に抑え順調な立ち上がりに見えたが、2回裏、四球で出した走者を得点圏に進められると、8番・石郷岡に中適時打を放たれ先制を許す。慶大は直後の3回表、2死から1番・水鳥遥貴(商4・慶應)の二塁打でチャンスを作るも、得点には結びつかない。その裏、3番・吉納の本塁打で1点を追加され、2点ビハインドで試合は中盤へと差しかかる。
これ以上点を与えたくない慶大だが、5回裏、先頭の1番・尾瀬雄大(スポ3・帝京)に安打で出塁されると、犠打で走者を進められ1死二塁のピンチを招く。次の打者を打ち取り2死とするも、迎えた4番・印出太一(スポ4・中京大中京)に中適時打を許し、0-3と点差が広がる。外丸は直後の6回表に代打を告げられ、5回3失点でマウンドを降りる結果となった。何とか流れを止めたいところだったが、代わって登板した荒井を前に早大打線は止まる事を知らない。四球と安打で許した走者を、9番・伊藤の適時打と1番・尾瀬の犠飛で返されると、さらに3番・吉納に今日2本目となる3点本塁打を浴び一挙5点を失う。荒井は、1回を投げ抜くことができず2/3回、5失点と悔しい登板になった。一方打線は、先発・伊藤を全く攻略できず、7回まで1安打、9三振、無失点に抑えられる。
沈黙していた慶大打線に兆しが見えたのは8回表、先頭の横地広太(政2・慶應)が内野安打で出塁すると、死球と安打で無死満塁のチャンスを作る。大量得点で点差を一気に縮めたいところだったが、途中出場の9番・古野が併殺打に倒れ、結局その間に入った1点のみで8回表の攻撃が終了した。その裏、6回途中からマウンドに上がっている木暮瞬哉(法3・小山台)が三者凡退に抑え、最終回へと繋げた。しかし、代わって登板した早大・安田虎汰郎(スポ1・日大三)に全く歯が立たず、1-8で呆気なく試合が終了した。
今回は慶大にとって投打ともに課題が残る試合となった。投手陣はピンチで甘く入った球を捉えられ、打線は早大エース・伊藤を最後まで攻略できなかった。秋春連覇の夢が途絶えた中で、宿敵ワセダから勝ち点を取って有終の美を飾るためにも、今日の反省を生かし全身全霊で明日の勝利を掴み取りたい。
(記事:中村米我、写真:河合亜采子、ウジョンハ、加藤由衣、大泉洋渡)