【ラクロス(男子)】日体大に雪辱晴らしブロック首位で関東FINAL4へ G・浜地は今季初起用に結果で応える/第36回関東学生ラクロスリーグ戦第5戦vs日体大

男子ラクロス

第4戦でワセダに勝ち、FINAL4進出を決めた慶大。最終戦は、昨年のリーグ戦で悔しくも敗北を喫した日体大との一戦となった。慶大は、引き分け以上でBブロック1位通過となるため、リスクを取らずじっくりと攻撃を仕掛け、前半を2ー2の同点で終える。相手は強豪・日体大、油断は許されない。それでも、そんな不安を払拭するかのように、慶大は後半の第3、第4Qで一挙に7点を追加。怪我から復帰したばかりの落合優椰(政4・慶應)や大類慈英(商2・慶應)のゴールもみられた。さらに、今季初出場を果たしたG・浜地航太郎(経4・慶應)のファインセーブ、青学戦で10ヶ月ぶりに怪我からの復帰を遂げたLMF・小川豪(商4・都立青山)の巧みなクロス捌きが光り、後半の失点を1に抑え9ー3で日体大を圧倒。昨年の雪辱を晴らすとともに、リーグ戦全勝・1部Bブロック首位でFINAL4へと駒を進めた。

 

◇スタメン

AT

#3  藤岡凜大(政4・慶應)

#7  田代豪(商4・慶應NY)

#90 池田朋史(商3・慶應)

 

MF

#51 石村嶺(経4・慶應)

  

LMF

#21 小川豪(商4・都立青山)

 

DF

#16 奥澤拓馬(商4・慶應)

#19 増田友翔(経3・慶應)

#83 峰岸諒(環2・慶應湘南藤沢)

 

G

#2 浜地航太郎(経4・慶應)

 

FO

#33 鈴木ケン春海(商3・慶應NY)

 

♢得点♢

 

1Q

2Q

3Q

4Q

慶大

2        

0       

3        

日体大

0     

3  

慶大得点者

     

藤岡、落合

 

藤岡、田代、大類

池田(2)、落合、田代

 

第1Qは、鈴木ケン春海(商3・慶應NY)がFOを制し、試合開始直後から慶大優位で試合を展開する。開始2分、藤岡凜大(政4・慶應)や池田朋史(商3・慶應)が鋭いシュートで相手DFに脅威を与えるも、得点に繋げることはできない。また、ルーズボールをめぐって両チームが激しいプレーを見せる中、4分、慶大のエース・藤岡が相手DFの間を貫くシュートで先制点を挙げる。しかしその直後、一瞬の隙をつかれて相手に得点を許し1ー1の同点とされる。その後も、しばらくゴール前で相手にパスを回されるなど、我慢の時間が続く。このピンチに対して、今季リーグ戦初出場のG・浜地航太郎のファインセーブを筆頭に、慶大DF陣が粘りを見せる。ボールを持ったLMF・小川豪は一度ポジションを下げて冷静にコートを見渡すと、ロングクロスを華麗に操ってAT・池田までパスを繋ぐ。そして、相手の力強いマッチアップを受けながらも石村嶺(経4・慶應)がゴールへと迫っていく。13分、パスを受けた落合優椰は時間をかけて慎重に得点の機会を伺うと、ゴール裏から旋回。華麗にシュートを叩き込み2ー1。勝ち越しに成功した慶大は、リードを保ったまま第1Qを終える。

2ゴールで完全復活をアピールした落合優椰

 

第2Qも慶大のポゼッションが続き、攻撃の要である藤岡凜大が相手DFの厚いマークを受けるも、リスクを取らず相手ゴール付近でじっくりと時間をかけて試合を展開する。しかし、慶大がオフェンスファウルを取られて相手の攻撃となると、ゴール横の隙間からまたたくまにゴールネットを刺され、2―2で試合は振り出しに。続くFOは激しいボールの奪い合いになるが、小川豪のサポートもあり慶大ポゼッションとする。慶大は攻撃のチャンスを手にしながらも、相手のパスカットにより好機を継続することができない。前半終了間際に大類慈英が放ったシュートは、惜しくも相手ゴーリーのファインセーブによって阻まれ、得点には繋がらない。第2Q終了まで両者譲らず、2ー2の同点で試合を折り返す。

攻守で中軸を担った小川豪

 

「そろそろ慶應がリードしておきたい。」そんな思いとともに幕を開けた第3Qは、開始早々に絶対的エース・藤岡凜大が仲間の期待に応える。相手DFとの1on1を制すると、強烈なスタンシューでゴールネットを揺らして3ー2。会場は、アウェイとは思えぬ大きな歓声に包まれる。さらにその直後、藤岡がゴール裏から仕掛けると、クリース内で完璧なポジショニングをとっていた田代豪(商4・慶應NY)がゴールにボールを叩き込む。早慶戦でも会場を沸かせた藤岡と田代の「ホットライン」で、4ー2とリードを広げる。すると、AT陣の健闘に負けじと、G・浜地航太郎もファインセーブで魅せる。直後に1点を返され再び1点差に迫られるが、怪我から復帰を果たした注目の2年生MF・大類慈英が正確無比なスタンシューでゴールを突き刺し、残り2分で再びリードを2点に広げる。第3Q終了間際まで、藤岡や落合優椰を中心に敵陣へと迫り、良い形で最終第4Qへと繋げる。

今季初スタメンで結果を残したG・浜地航太郎

 

第4Qでも、FO・鈴木ケン春海が圧倒的な強さを発揮。鈴木春海のFOで慶大ポゼッションとすると、同期の池田朋史が裏からの豪快なダイビングシュートを叩き込む。3年生の強みが炸裂し、慶大は得点板に数字の“6”を刻む。鈴木春海のFOから流れを掴んだ慶大は試合を支配。ファウルを誘い相手のマンダウンで数的優位を演出すると、藤岡凜大からパスを受けた落合優椰がこの試合2度目のゴールで7ー3とし、日体大をさらに突き放す。そして相手ポゼッションの時間を迎えれば、慶大の頼もしいDF陣が日体大の攻撃を迎え討つ。中本孝太郎(政2・慶應)が厳しいチェックで相手のボールダウンを誘うと、ここでも慶大DFの中核・小川豪が颯爽とボールをスクープして攻撃へと展開する。DF陣が繋いだボールを、ガラ空きのゴールに池田がしっかりと収めて9ー3。ダメ押しの1点で池田が勝負を決定づけたところで、試合終了のホイッスル。慶大は、9ー3で日体大に昨年の雪辱を果たし、リーグ戦全勝・1部Bブロック首位での関東FINAL4進出を決めた。

FOで圧倒的な強さをみせた鈴木ケン春海

 

中盤は厳しい展開となったが、FO、G、DF、MF、AT、そしてチームを支えるスタッフも含めてチームの総力で戦い抜いた慶大。日体大に雪辱を晴らし、リーグ戦を全勝で終えた部員たちには、安堵とともに清々しい表情がみられた。一方で、試合終了のホイッスルとともにフィールドに崩れ落ちた日体大の選手たち。これが学生スポーツ。慶大の勝利をもって同ブロック2位は早大となり、日体大は悔しくも関東FINAL4進出を逃して4年生は引退となった。慶大にとって昨年の雪辱という意味では倒すべき“敵”ではあったが、これから先は関東FINAL4進出が叶わなかった日体大の想いも背負って「日本一」に輝いて欲しい。慶大ラクロス部男子の戦いは、「日本一」に輝くその日まで終わることはない。

アウェイにも関わらず多くの応援がかけつけた

                             (取材:島森沙奈美、長掛真依)

 

▽以下、選手インタビュー

G・浜地航太郎選手(経4・慶應)

ーーラストシーズンのリーグ戦、注目選手として初のスタメン出場でした

ラストシーズンでスタメンから外れることが多くて、今日魅せられないといけないなと。もちろんチームとしても勝負だったんですけど、個人としてもかなり大事な勝負だったのでそこを取れたのはかなり大きかったかなと思います。

 

ーーラストシーズンはここまでどんなシーズンでしたか

去年はスタメンをとっていた中でとても上手な岩城(=法2・岩城敦大)という後輩が出てきて、頼もしい一方でやはり自分が出たいという思いがある中で結構葛藤もあったんですけど。ここで自分の実力を見せられたので、ここから先、岩城と2枚看板でやっていく自信は持てました。

 

ーー試合内容としてはいかがでしたか

もともと、最初はロースコアゲームになるというのは想定済みだったので。緊張はしながらも結構厳しい試合ではあったのですけれども、想定通りのゲーム展開だったので、上手く進められたかなというふうに思いました。最後はしっかりオフェンスが点をとってくれていたので、安心してプレーすることができました。

 

ーーもっともっと強くなるために、FINAL4までの1ヶ月はどのような期間にしたいですか

海外遠征にも行ってくるので、アメリカの本場のラクロスを見て、さらにレベルアップしてしっかり活躍できるゴーリーになってきます!

 

ーー関東FINAL4への意気込みをお願いします!

絶対止めるので、応援よろしくお願いします!!

 

MF・落合優椰選手(政4・慶應)

ーー最後のリーグ戦は全勝でFINAL4に繋げましたが、今のお気持ちはいかがですか

安心しました。去年悔しい形で日体にも法政にも負けていたので、(嬉しさよりも)安心の方が大きいです。

 

ーー今日の試合を振り返っていかがですか

第1、2Qはそれほど攻めないで、あまりリスクは取らないというゲームプランだったのですが、第3、4Qからリズムをつくってしっかりアタックすることができて、そこで点数を取れたのは良かったものの、中盤の攻め方自体はもう少し修正が必要だったのかなと思います。

 

ーー序盤はいつもより時間をかけてゴール裏から攻撃を仕掛けていたのが印象的でしたが、やはりそれも作戦でしたか

そうですね。(FINAL4へは)条件的に、引き分けか勝ちでブロック1位通過だったので、1位通過を狙ってリスクは取らずにということを練習から意識して臨みました。

 

ーーもっともっと強くなるために、FINAL4までの1ヶ月はどのような期間にしたいですか

遠征があるので、まずはそこでしっかりアメリカ人と身体をぶつけて、向こうのラクロスの基準を知るというところと、チームの状態としては悪くないので、このまま熱気や勢いを落とさないようにチームで練習していければ良いなと思います。

 

ーー2ゴールの活躍でしたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

途中から前に怪我をした脚が張ってきてしまって、プレー自体はあまり出られなかったのですが、決めるべきところで決められたのは嬉しいというよりも安心。前回の早稲田戦で結構ミスしてしまったので、本当にホッとした気分が強いです。

 

ーー関東FINAL4への意気込みをお願いします!

予選全勝も、FINAL4で勝つことも通過点でしかないので、しっかり基準を全日(全日本選手権大会)に揃えて、勝てるように準備していきたいと思います!

 

LMF・小川豪選手(商4・都立青山)

ーー今日の試合を振り返っていかがですか

前半は2ー2で厳しい展開だったのですが、後半になるにつれて点差を広げることができたのでそこは良かったかなというふうに思います。

 

ーー最後のリーグ戦は全勝でFINAL4に繋げましたが、今のお気持ちはいかがですか

今日の試合は、1位通過するか2位通過するかが決まる大きな分かれ目だったので、しっかりと1位通過を決めることができたというのは、チームとして非常に大きかったのかなと思っています。

 

ーー怪我から復帰した後も大活躍ですが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

10ヶ月くらい怪我でチームに迷惑をかけていたので、そこで怪我から復帰して試合にも出て、チームに貢献できているというところが1番自分としても嬉しいです。これからも、チームのために戦っていきたいです。

 

 ーー一方で、まだまだ伸ばせるなという部分は

個人的な課題としては、今日は相手選手に(マッチアップでぶつかった際に)飛ばされてしまったんですけど、オンボールのところが課題かなというふうに思っているので。ウエイトも含めて、しっかりトレーニングしていきたいなと考えています。

 

ーーもっともっと強くなるために、FINAL4までの1ヶ月はどのような期間にしたいですか

FINAL4前に海外遠征もあるので、アメリカの学生のフィジカルを体感することによって、個人全員が1対1で負けない力がつくと思うので。そういったところを伸ばして、FINAL4に挑んでいきたいと思います。

 

ーー関東FINAL4への意気込みをお願いします!

負けたら今シーズンが終わり、という戦いなので。まずはそういうところをオフェンス・ディフェンスともに意識して、しっかりと勝ちきるために海外遠征を活用してチームとして成長していきたいと考えています。

 

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