2024年度の秋季リーグ戦は「5位」と苦しんでいる慶大。一方の早大は、圧倒的な強さで連戦連勝。あと1勝で優勝というところまで来ている。ここまでの戦いは力の差が見受けられる両チームだが、慶大にも意地がある。いよいよ今週末に迫ってきた早慶戦。リーグ戦の一部ではあるものの、対抗戦として意味合いも強いこの一戦に燃える選手たちに話を聞いた。今回は、今季から先発に転向し、初先発では7回1失点で勝ち投手に輝いた広池浩成投手!
――去年は主にフレッシュで投げていた広池選手ですが、今季はリーグ戦で頼もしい投手として活躍していると思います。ご自身が感じる去年との大きな変化や気持ち的に変わったことがあれば。
僕の方針としては、目の前を見ていないというか、自分が選手として成長していく過程で、試合ももちろん本気で頑張るという。僕はずっと成長曲線を自分で描いているので、日々成長して、成長してという中で、いい時期がちょうどリーグ戦に重なって良かったというのが自分のスタイルで。あと、体がすごく大きくなりました。今年の初めが72キロとかで入ったのですが、 今は88キロぐらいで、結構体に意識を高く持ってきた結果、秋はいい形でシーズンに入れたのが大きいですね。
――春のリーグ戦では主に中継ぎとして登板していた広池選手ですが、先発としてスタートを切った今季の初登板はどのような気持ちでマウンドに上がりましたか
初登板は立教戦だったと思うのですが、ものすごく楽しくて。少し緊張しましたけど、とにかく楽しんで投げられたというのが大きいですね。2戦目の明大戦からはすごく慣れて、あまり緊張せず、落ち着いて入れたかなというのが、経験させていただいたことがすごく大きいので、嬉しいです。
――先発転向となった理由は。また、配置転換に対して思うところは
高校の時はずっと先発だったので、どちらかというと大学1年生が配置転換みたいな感じで。リリーフもやらせてもらって、やっぱり大学野球は 一番いいピッチャー2人が先発するので、そこに食い込もうというのをずっと。1番いいピッチャーになって、先発したいという、結局はみんな先発希望なので、勝ち取れたのはすごく嬉しいですね。
――特に立大2回戦では7回を投げ、失点はわずか「1」と小林隼翔選手のソロ本塁打のみに抑える好投を見せましたが、この試合を振り返っていかがですか。
自分が先発してどれくらい通用するかなというのも含めて、すごくドキドキだったのですけど、 父親の母校というのもあって。ちょうど後ろを見たのですが、投げる球がよかったら父親が少しニコニコしていたりとかするのを見ながら、安心した気持ちで投げていました。
――夏季キャンプでの取り組みや、キャンプを通じて成長したところなどはありますか
夏はウエイトトレーニングほとんどしなくて、1番成長したのはバッターに対する自分の投球で、力を抜いて淡々とストライクを入れていくというスタイルを、夏のオープン戦期間で確立できて。その信頼があって先発やらせてもらったので、夏は体というよりかは、本当に投球術の面で大きな成長があったと思います。
――今季ここまで4試合に先発し、1勝2敗、防御率4.34、奪三振15
成績としては全然まだまだなのですが、2年生の秋ということで、ビジョンもいっぱい見えて、投げさせてもらわないとわからないこともいっぱいあるので、下級生のうちからこうやって経験させてもらって本当にありがたい。まだ下級生なので、どんどん伸ばしていこうかなと思える成績です。要するに、あまり良くないということで(笑)。
――ここまでのリーグ戦をチームとして振り返ると
チームとしてはすごく苦しいと思います。外から見てわかるように、本当に苦しいと思うのですが、みんな全力で頑張った結果として、下級生もいっぱい思うところがあって。自分たちは4年生になってどうなるのかとか、色んな思いがあると思うのですが。「みんなで成長したい、勝ちたい、強くなりたい」というのは、本気でやっていると思うので。今季は1、2年生がいっぱい出ているので、来年、再来年はいっぱい楽しみにしてほしいなと思います。なので、少し長い目で見てください。
――広池選手が思う今年と去年のチームの違いとは。
去年との違いは、特に投手陣が、ほぼ2、3年生なのですが、みんな去年から投げているピッチャーがすごく多くて、着実に力をつけてきて。来年に向けても経験を積んで、楽しみなピッチャー陣になっていると思います。
――ピッチングで最も大事にしている数字は。
もちろん最優秀防御率はチームに対する貢献度が高いと思う。やっぱりどこでも使える、どこでも安心して出せるピッチャー。元から僕は投げる体力が結構あるので、あまりスタミナ面には困りがなくて。バッターを絶対的に抑えられるボールがほしいので、防御率で。
――秋季リーグ戦も来週の早慶戦で終わりますが、自身のピッチングで注目してほしいところは。早大打線をどのように攻略したいと思いますか。
僕としては、どんどんフライを出せるピッチングというのは自分の持ち味で、バッターがちょっと詰まってフライを打つような、そういうピッチングがしたいですね。まだ力不足な面が多くて、三振三振とはいけないので、そうやって上手く出していこうかなと思います。
――最後に。早慶戦への意気込みをお願いします。
今までずっとベンチに入っていたのですが、早慶戦だけはまだ入ったことがなくて。初めての早慶戦なので楽しんで、結構ドキドキして入れると思うので、その高揚感に身を任せていこうかなと思います。
(取材:ウジョンハ)