【野球】自他共に認める「真面目」な守備の名手!斎藤快太〜秋季早慶戦直前インタビュー〜

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2024年度の秋季リーグ戦は「5位」と苦しんでいる慶大。一方の早大は、圧倒的な強さで連戦連勝。あと1勝で優勝というところまで来ている。ここまでの戦いは力の差が見受けられる両チームだが、慶大にも意地がある。いよいよ今週末に迫ってきた早慶戦。リーグ戦の一部ではあるものの、対抗戦として意味合いも強いこの一戦に燃える選手たちに話を聞いた。今回は、内野守備の名手・斎藤快太(商4・県立前橋)選手!

――今季ここまで打率.095、本塁打0、打点0、四死球2、失策0

やっぱり打撃面で、結果出なかったので悔しい気持ちはあります。守備面だったら、無失策ですし、何個かもうちょっと頑張れば取れたなとかそういうのはありましたけど、自分の役割は果たせたかなって思っています。

 

――チーム内でどのような役割を果たしていると思うか

他の人がどう思っているのかわからないですけど、意識しているのは副将っていうのもありますし、4年生としてみんなの模範となるようにしています。それは練習中の動きもそうですし、寮での日常生活もしっかりチームで意識している「時を守り、場を清め、礼を正す」っていう当たり前にできることを自分が完璧にして、チームのみんなの模範となるような役割を果たしたいという風には考えています。生活面でも野球でもそうです。練習がきつくて手を抜きたくなるような場面でも、僕が手を抜かず全力でやることによって周りがそれを見て少しでも頑張ってくれればと思ってやっています。

 

――今までを振り返って自分に点数をつけるとしたら

4年間だったら「80点」ぐらいです。入部してきたときは慶應義塾大学の野球部っていうところは本当にすごいところで4年間で1回は神宮のグラウンドに立ってプレイしたいっていうぐらいの気持ちだったので、それが1年生からメンバーに入れて、ここで今スタメンじゃなくなっちゃって、悔しいと思うけど、そのときの自分からしたら思ってもいなかった位置にいるので、「80点」にしました。でも、その残りの20点ていうのは4年のこの秋も春もそうですけど、スタメンとして期待して使ってもらっていたのに思うような結果を出せなかったっていう意味でその残り20点で。このリーグ戦っていう意味では30点ぐらいですかね(笑)。

 

――秋季リーグ前の対談で本間颯太朗(総4・慶應)選手が快太選手は真面目と言っていた

今こう頑張ろうと思っていることに関しては真面目に向き合えているかなと思います。受験のときもそれまでは特に高校野球に打ち込んでいたので、学校の勉強をしっかりやっていたかと言われたら、そこまでできていなかったですけど、野球を引退してから慶應義塾大学に入学するという目標を立てて、受験勉強を一生懸命やりました。入部してからも野球に対しては真面目に取り組まないと結果が出ないという世界っていうのはわかっているので真面目にやろうと。でも日常生活も野球のために日常生活を送っているみたいなものなので真面目じゃないでしょうか(笑)。自分で真面目っていうのもなんかですけど(笑)。でも自分でも怠けているなというときもあります。

 

――斎藤選手は一般入試。なぜ慶應義塾大学を選んだのか

本当に単純な理由としていいなと、かっこいいなと思ったんですけど、それは結構周りの「東京六大学野球というのがある」という声があったりとか、それで興味持ち始めて「そういう高いレベルの野球があるんだ」と思って、立教とか法政、明治、早稲田もそうですけど強豪校からしか行けないというか強豪校から来るのが多いみたいな感じなので、それだったら自分はこう一般で勝負できるのは東京大学か慶應義塾大学。東京大学行ける学力だったらどうしたのかなと思いますけど、一番魅力を感じたっていうのが単純な理由ですね。

 

――モチベーションをどう維持しているか

自分のモチベーションは本当に野球でこういう目標を達成したいとかそこまで強く思って普段生活しているわけじゃなく、本当に一日一日、自分を追い込めたか、一日振り返った時にやり残したことがないように、そういう日々の積み重ねでやっているので、自分で自分を追い込んで、「努力できる自分」でありたいっていうモチベーションですかね。チームのモチベーション維持は、やっぱりこういう姿をみんなに見せることですかね。これで何も気にならない人もいますけど、何人かでも僕の姿を見て頑張ろうと思ってくれたらいいなという気持ちでやっています。

 

――打撃面を振り返って

OP戦で結構結果が出ていたんですよ。夏場からこう取り組んできた打撃が、結果が出ていてそれを貫いてやっていこうと、継続してやろうと、リーグ戦始まって、初戦2本ヒット打てて「これでいける。」という思いで、やっていたけど、結果が出ず。今思うと、結果出てるからこのままこれを継続してやっていけばリーグ戦でも結果が出るだろうという気持ちで、別に油断して怠けていたわけではないですけど、こう野球選手っていうのはやっぱり常に「まだ、もっともっと」っていう向上を目指していかないと改めて駄目だなと感じていますね。

 

――打席に入る時に考えていること

あんまりたくさん考えることはないですけど、チームにプラスになる結果を出したいという気持ちで、それが今振り返ったら「結果を出したい=悪い結果をちょっと恐れている」っていう、そういうメンタルになってしまったのかなと思います。もし早慶戦でそういう打席に立つ機会があったら結果とかよりもとにかくボールに対して力強く打ちにいくということだけを考えて臨みたいです。

 

――得意の守備で一番意識していること

守備で一番意識しているというよりも、習慣で身についているものが出るものが守備だと思うので、守備がうまくなっていくために意識していることだったらあって。それが本当に基本を大切にして反復することだと思っています。試合で例えばピンチの場面で緊迫している場面で飛んできたときに「ここを意識してこうやってこう投げよう」とか考えてられないので、頭真っ白になりながらもいつもの習慣の動きで、取って投げてアウトにしなくちゃいけないわけなので、普段から何も意識しなくても正しい動きができるぐらいまで基本を積み重ねて反復しています。

 

――そういう練習がファインプレーにつながるのか

結局はそうだと思いますね。基本っていうのも形だけの話でなく、例えば際どい打球を最後取り切るっていうの「絶対取る」っていう執念、気持ちの面で普段の練習からちゃんと適当に取るという感じでやっていると試合でも最後ギリギリのところで取れなかったりする。練習からそういう気持ちの面でも習慣をつけるということがファインプレーにつながると思います。

 

――ピンチでマウンドに集まるとき、どういう声かけをしているか

監督が主に話すので。僕は本当にどんなピンチでも悪いことが重なっても笑顔で。みんなに僕が笑顔でいることでちょっとでも安心、普段通りになれるようにっていうのは意識して集まるときにやっています。

 

 

――4年間振り返って印象に残っている試合

リーグ戦初出場の1年秋の明治1回戦ですね。

 

――1年生のとき主将は福井章吾選手(R4環卒=現・トヨタ自動車)

そうです。僕ショートで、福井さんが二塁牽制のサイン出して、それも初出場で2回出されました(笑)。

 

――大学で4年間野球をやって成長したこと

気持ちというか、アスリートとしての自分の磨き方っていうのを身につけられたことじゃないですかね。社会人で野球をやるので、「野球で食べていく」というプロに近い考え方を突き詰めて練習からやって、追い込んで試合で発揮するというマインド、気持ち的な部分。もちろん体も成長しましたけど、気持ちの部分が一番成長したと思います。

 

――堀井監督から学んだこと

人間としてということも野球選手としてということもたくさん教わって、野球を普段から「こうやったらこういう結果が出せる」という、野球のうまくなり方を学びました。

 

――色紙に書いた言葉「勝つことばかり知りて負くるを知らざれば、害その身に至る。おのれを責めて人を責めるな。及ばざるは過ぎたるよりまされり」

あれが一番好きな言葉ということに変わりはないんですけど清原(正吾、商4・慶應)と一緒に帰っていて、「めっちゃ小さい字で長く書け」って言われたんで(笑)。あれは徳川家康の言葉で、たくさん書いてある中の「己を責めて人を責めるな」という部分があってそこが僕の今のところの座右の銘というか好きなところです。単純に自分に厳しくということも取れるし、いろいろ相手とコミュニケーションするときも使えるし、なにかちょっとしたことがあったときでも相手を責めるんじゃなくて、自分がどうにかするというので、野球としても野球のプレーも人に責任を例えばチームが負けたときに「自分はよくできた、誰かのせいだ」という風にしても自分の成長に繋がらない。全部自分が「もうちょっとこうできた」みたいなことを振り返って、成長につなげていく基本的に大事な人間として大事な部分なんじゃないかなと思って好きな言葉です。

 

――なぜ次のステージとして日立製作所を選んだのか

いくつかお話いただいていた中で、環境がいいんですよね。練習環境、グラウンドだったり、室内練習場もあるし、先輩の2個上の生井(淳己、R5総卒=現・日立製作所)さんと1個上の吉川(海斗、R6法卒=現・日立製作所)さんがいるので、吉川さんは特に仲良くさせていただいていた先輩ですし、生井さんも同じ部屋で部屋長だったのでそれもあって先輩方が行っているところで「いいよ」と言っていたので間違いはないだろうと決めました。

 

――対戦してみたい選手

同期の本間、水鳥(遥貴、商4・慶應)、古野(幹、理工4・岸和田)っていう社会人続ける選手とかと試合で対戦する機会あると思うので、そのときに勝ちたいっていう、自分が一番成長してたいっていう思いはあります。先輩にも対戦した時にすごくよくなったなという思われるような成長した姿で見せたい、それで対戦したいっていうのがあります。

 

――将来の夢

プロ野球選手です。

 

――早慶戦をもうすぐ迎えますが、緊張はありますか?

緊張はないですね。もう楽しむだけです。

 

――自分が意識している早稲田の選手はいますか?

山縣(秀、商4・早大学院)選手ですね。守備がものすごく上手でいろいろ勉強したいなと思います。

 

――早慶戦への意気込みをお願いします!

個人的な気持ちとしては、今まで結果出せていない打撃面でチャンスがあれば結果を出して、最後にチームに貢献したいっていう気持ちがあります。チームで優勝争いに参加することはできなかったですけど、最後首位のワセダにいい試合して勝てば、自分たちがやってきたことは間違いじゃなかったと思えるので、チームでなんとしてでも勝ちにいきたいと思っています。

(取材:河合亜采子)

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