2024年度の秋季リーグ戦は「5位」と苦しんでいる慶大。一方の早大は、圧倒的な強さで連戦連勝。あと1勝で優勝というところまで来ている。ここまでの戦いは力の差が見受けられる両チームだが、慶大にも意地がある。いよいよ今週末に迫ってきた早慶戦。リーグ戦の一部ではあるものの、対抗戦として意味合いも強いこの一戦に燃える選手たちに話を聞いた。今回は、エース・外丸東眞(環3・前橋育英)に代わり第1先発を務め、防御率1.23と大活躍中の渡辺和大(商2・高松商業)投手!
ーー野球を始めたきっかけ
兄が2人いて、それに続いて、という感じです。
ーーここまでの野球人生で一番の挫折は
1年生のときにリーグ戦に出してもらったんですけど、そこで思うようなピッチングができなかったことです。
ーーどう乗り越えた
そこで現時点での実力差を感じて、自分磨きをこの2年でやって、全体的な球速アップと、コントロールアップに取り組んできました。
ーー大学に入ってから成長したこと
今季、終盤になっても1点で凌ぐ、大崩れせずに試合を作ることができているところがメンタル的にも技術的にもアップしているのかなと思います。
ーー規定到達、防御率1.23。ここまでの秋季リーグを振り返って
ここまでベストコンディションで試合ができているので、ラストカードの早慶戦でもベストでいけたらいいなと思っています。
ーー好調の要因は
コントロールは自信がつくまで今季は練習してきたので、ストライク先行して、ランナーを溜めずに試合を作れたのかなと思います。
ーー今季ここまで四死球9。制球力をつけるためにどんな練習をしたのか
強みを極限まで伸ばすことにフォーカスしました。全体的なコントロール、右バッターへのイン、左バッターへのアウトコースストレートを、どんな場面でもしっかり投げ込めるようにやってきたので、どんなときでもファールを取れるところが今季のフォアボールの少なさの要因だと思っています。
ーー春季リーグ戦でのインタビューでは得意な球種がツーシームだった
今季はスライダー系です。三振のほとんどはそれだと思うので、精度とキレは伸びているのかなと思っています。
ーー秋季リーグ戦を通しての課題
やっぱり体力面。後半になると制球がちょっと不安定になって、高めに球が抜けたり、フォアボールがあったり、カウントが悪くなったり、というところがあるので、9回や延長を投げきれる体力をつけることが課題かなと思います。
ーーここまでの慶大をチームとして振り返ると
今季はホームランが多いというところで、ホームランが多いチームはピッチャーが慎重になってしまうので、ピッチャーは1点2点で試合を作って、バッターの終盤での1本で勝つのが今季の慶大かなと思います。
ーー法大1回戦8回裏同点に追いつかれてから打者3人切り
とにかく負け投手になりたくないという気持ちでしたね。
ーー球速が上がっている要因
トレーニングの成果だと思います。
ーー夏季キャンプで取り組んだこと
とにかくブルペンでピッチングしました。どこが一番投げやすいかを知るためにしっかり投げ込みました。あとは体幹。僕は基本ウエイトは下半身だけなんですけど、体を安定させることに重きを置いていました。
ーーピッチングで最も大切にしている数字(防御率を重視するのか、長いイニングを投げることを重視するのか)
チームを勝たせるピッチングをしたいので、1イニングを投げてほしいのであればそれでもいいですし、でもやっぱり長いイニングを投げて、流れを作るピッチングをしたいです。
ーー対戦が楽しみな早稲田の選手
尾瀬雄大(スポ3・帝京)選手。六大オールスターで話して、「打つよ」と言われたので、抑えないと、と思っています。
ーー早稲田の伊藤樹と投げ合いの可能性も。最優秀防御率もかかる
ここまで最優秀防御率が見えるくらいまで来たので、最後までやりたいです。結局2位だったらなんの意味もないと思っているので。自分が出せるベストを尽くして、相手よりも一点少ないピッチングをして投げ勝ちたいと思っています。
ーー「エース」とは
大事なところを任される、そこでマウンドに立って、そこでしっかりと抑えられる人がエースだと思います。去年の外丸東眞(環3・前橋育英)さんとかが本当にすごくて、こんな人がいるんだと思ったくらいなんですけど。やっぱりチームが欲しているときにどれだけ抑えるか、ですかね。
ーー「野球」とは、高校からの違いはあるか
野球の面白さが分かったと思います。たった1球のプレーで流れが変わるところが面白くて。ずっと抑えててもホームランで流れが変わって負けてしまうとかあるので。日本シリーズとかワールドシリーズとか見ていると、「この1球がなぁ」と思うところがあって、それで試合が決まってしまったりとか。それはピッチャーにかかっているので、やりがいがあるなと思っています。
ーー早慶戦への意気込み
5位の、他のチームに負けてきた慶應が、優勝がほぼ確定の早稲田に勝ち点をしっかりとる、波乱の大逆転劇を見せたいなと思います。
(取材:梅木陽咲)