【バスケ(女子)】「本当に、本当にありがとう」4年生がラストマッチで躍動! 立大に敗れ六大戦4位でチーム山﨑の戦いに幕/第42回東京六大学女子バスケットボール対抗戦第5戦 vs立大

バスケ女子

六大戦もついに最終戦。山﨑日向(経4・慶應女子)率いる2024チームにとって、最後の試合が幕を開けた。第1Pでは岡部愛(薬2・仙台第二)のスリーポイントシュートが光り、格上・立大相手に20ー25と接戦を繰り広げる。続く第2Pは徐々に点差を広げられる展開となったが、砂山ひかる(政2・慶應)や河村さくら(文3・松陽)を中心に粘り強くボールを追い続けると、第2P終盤には再び岡部がスリーポイントシュートを決め35ー42で後半へと繋げる。第3Pは伊熊そら(文4・慶應女子)のスリーポイントシュートや中山璃音(文3・湘南)のバックシュートなど個の技術の高さがみられるも、失点が嵩み47ー62の15点ビハインドで最終第4Pへ。ラスト10分は、主将・山﨑日向や8月に膝の前十字靭帯を負傷していた島谷姫らら(環4・富山国際大付属)ら4年生が躍動するも一歩及ばず。65ー92で立大に敗れ、2024チームの戦いは六大戦4位(2勝3敗)で幕を閉じた。

2024/11/17(日) @立教大学新座キャンパス体育館

第74回 関東大学女子バスケットボールリーグ戦

 

1P

2P

3P

4P

合計

慶大

20

15

12

18

65

立大

25

17

20

30

92

◆慶大スターティングメンバー◆

F

#5   伊熊そら (文4・慶應女子)

GF

#8     河村さくら (文3・松陽)

F

#12 中山璃音(文3・湘南)

SG

#14  岡部愛 (薬2・仙台第二)

F

#15 砂山ひかる (政2・慶應女子)

 

第1Pは、岡部愛のスリーポイントシュートを筆頭に、砂山ひかる、河村さくらも得点を重ね、格上・立大相手に序盤から互角の戦いを繰り広げる。残り4分半の場面で12ー16と点差が開き始めると、砂山ひかるがすかさずシュートを沈めて相手を牽制。立大に試合の主導権を握らせない。その後は、慶大ファウルによる相手のフリースローで1点を許すも、再び岡部がスリーポイントシュートで魅せ、17ー17の同点に追いつく。しかし、慶大のシュートが決まらない間に立大に8点を奪われ、17ー25と大きく突き放されてしまう。それでも、副将・伊熊そらがスリーポイントシュートで慶大の意地をみせ、20ー25。伊熊のゴールに会場が盛り上がりをみせたところで、最初の10分が終了する。

得点力を発揮した岡部愛

 

5点ビハインドで迎えた第2Pは慶大ボールで試合が再開するも、少しずつ立大ポゼッションの時間が長くなっていく。次第に相手との点差は開き、20ー34の14点差に。苦しい状況の中でも、砂山ひかるや河村さくらを中心に粘り強くボールを追い続け、慶大の「泥臭いバスケ」を体現。第2P中盤、慶大のタイムアウト明けには伊熊そらがジャンプシュートを沈め、慶大に第2P最初の得点をもたらす。すると、慶大のエース・河村もこれに負けじと強気のプレーで相手ファウルを誘い、フリースローを獲得。2点を追加し、スコアを24ー34とする。さらにスリーポイントシュートのほか、ルーズボールやリバウンドでは中山璃音のプレーが光る。岡部愛もスリーポイントシュートとフリースローで5点を追加し、チームを勢いづける。第2Pは序盤から苦しい時間が続いたが、伊熊と岡部のゴールで勢いを取り戻し35ー42で後半へと繋げる。

攻撃の起点となった中山璃音

 

第3P開始時には、OGや保護者の方々、そして応援に駆けつけた男子部の声援が会場のボルテージを一段と高める。応援を力に点差を大きく縮めたいところだったが、シュートミスやターンオーバーからの失点が嵩み37ー53の16点ビハインドに。慶大はここでタイムアウトを取り、立て直しを図る。その後は、スリーポイントシュートこそ決まらないものの、粘り強くリバウンドに入り続けて着実に2点を積み重ねていく。中山璃音は、ルーズボールをバックシュートでゴールに押し込み42ー53とすると、DFでは華麗なパスカット。一度はボールを相手に奪われてしまうが、今度は岡部愛のパスカットから伊熊そらがスリーポイントシュートを沈める。終盤はオールコートディフェンスに苦しみ、得点を伸ばすことができず。47ー62の15点ビハインドで最終第4Pへと突入する。

スタメンとして終始試合を支えた伊熊そら

 

迎えた最終第4P、泣いても笑ってもこれが2024チームで戦う“最後の10分”。中山璃音や河村さくらを中心にパスを回して好機を演出するが、得点を伸ばすことはできない。ここで、ベンチから声をかけ続けていた主将・山﨑日向がコートイン。徐々に点差が開く中、残り5分30秒で山﨑がスリーポイントラインからゴールネットを揺らすと、会場は歓喜に包まれる。山﨑のゴールを機に慶大は徐々に流れを取り戻していくが、リバウンドキャッチからシュートを決めきれず直後に失点。すかさずタイムアウトを挟むと、3分42秒を残してコートに戻ってきたのは2年生の濵月綾菜(商2・長崎西)、4年生の山﨑、伊熊そら、島谷姫らら、石倉史菜(文4・国立)。4年生全員がコートに揃い、濵月も含めた5人で円陣を組む。

そして慶大ポゼッションを迎えると、パスを回した先には8月に膝の前十字靭帯を負傷していた島谷。4年生の同期と濵月が繋いだボールを、島谷がしっかりとゴールに収めて3点を追加。怪我に打ち勝つ島谷のゴールで会場はこれまでにない盛り上がりをみせ、ベンチの監督、後輩、スタッフたちもラストマッチで躍動する4年生の姿を嬉しそうに見守る。さらに、声援を味方につけた島谷は直後にもスリーポイントシュートを沈め、存在感を遺憾なく発揮。残り0.7秒の場面では、2年生の濵月が「何としてでも4年生にボールを繋ごう」とエンドライン際の攻防で粘りを見せるが、アウトオブバウンズ判定で惜しくも相手ボールに。試合が再開すると、間もなく2024チームの終わりを告げるブザーが鳴り響く。慶大は部員全員で戦い抜くも一歩及ばず、65ー92で立大に敗戦。試合後には、4年生とチームの1年間の健闘を讃えるように、温かく盛大な拍手が送られた。なお、六大戦の最終順位は2勝3敗で4位となった。

主将として1年間チームを牽引した山﨑日向

途中出場でも存在感を発揮した島谷姫らら

 

本試合をもって、4年生の4選手は引退を迎えた。第4Pラスト3分42秒からは4年生全員がコートに揃い、2年生の濵月綾菜と共に最後まで慶大らしく戦い抜いた。怪我を乗り越え、4年生全員で戦う姿には思わず心を動かされた。特に残り時間僅かで、4年生がパスを回して島谷へとボールを繋ぎ、島谷がスリーポイントシュートを決めた瞬間の盛り上がりと感動は忘れられない。チームとして勝利こそ掴むことはできなかったが、それ以上に「慶應らしいバスケ」で最後まで観る者を楽しませてくれた。引退後も、それぞれが次のステージでご活躍されることを心より願っている。

引退を迎えた4年生(左から、山﨑、島谷、石倉、伊熊)

                                  (取材:長掛真依) 

 

▽以下、選手インタビュー

主将・山﨑日向選手(経4・慶應女子)、伊熊そら選手(文4・慶應)、島谷姫らら選手(環4・富山国際大付属)、石倉史菜選手(文4・国立)

ーーOG、男子部、保護者の方々など大勢の方々に見守られて、チーム2024の全試合を戦い抜きました。振り返っていかがですか

石倉:個人的には、怪我で長い間リーグ戦には出られなかったのですけれども、その中で最後の六大学を目標にリハビリをしてきて、なんとか最後に5試合出場できて良かったです。他にも、姫らら(=島谷姫らら)も怪我をしている中で最後に4年生全員で、4人でコートに立ててすごく良かったなと思います!

伊熊:試合の序盤は、相手が本来のスターティングメンバーではなかったのですけれども、第1、第2Pで相手を結構苦しめることができて、第3Pから本来のスターティングメンバーを引き出せたという点で、チームの最終戦としてすごく良い形でバスケができたなというふうに感じています。

山﨑:六大学は明治も、早稲田も、立教も、格上の相手なのですけれども、その中でリーグ後に修正してきた課題などを格上相手に発揮できたというところはすごく大きな収穫だったかなと思っています。その上でまた新たな課題が見つかったり、逆に通用する部分も感じられたので、今後この部活が強くなるための大きな一歩となる六大学でした。

島谷:私自身、8月のリーグ戦の時に膝の前十字靭帯を切ってしまって。そこから大会とか試合に出るまで復帰できると自分自身も思ってなかったのですが、こうやって色々な人の支えがあってここまでこられて、本当にやり切ったなという思いがあります。最後に(4年生)4人で一緒に出た時に、自分にパスをくれて、シュートチャンスを作ってくれたみんなに「本当に、本当にありがとう」と言いたいです!

 

ーー女バスでの4年間を振り返って、今どんなことを思いますか

石倉:本当に色々なことを経験させてもらったなというふうに思います。1年生の時から少しずつ試合に出させてもらって、そこから2年生では主力として試合に出ていて、その中で3年生の時からは怪我に苦しんでいたので、4年間「山あり谷あり」ではないですけれども色々なことがありました。その中でたくさんの人に出会って、支えられてやり切ることができたので、本当に色々な人に感謝したいなという思いと、この4年間を次のステージに繋げていきたいなと思います。

山﨑:4年間で何よりも感じたのは、本当にたくさんの人にお世話になったなということです。これまで偉大な先輩方がプレーや言葉でチームを引っ張ってくれて、一方では私を支えてくれたので、先輩方には感謝が止まらないなとずっと思っています。後輩ができてからは、後輩たちがコートでプレーを全うする姿にも常に支えられていました。

伊熊:私も感謝の気持ちはあるのですが、みんなが言ってくれたので。よく「4年間苦しいことの方が多かった」みたいな話を色々な部活の人から聞くのですが、私は「4年間本当に楽しかったな」と思っています。これを言うと変な人だと思われるかもしれないのですが、本当に「これから、もう4年間部活をやりたい」と思うくらい本当に楽しくて。成長とか、自分がいた意味とか、そういった難しいこと以前に本当に楽しかったので。そのことに対して、色々な人にお礼を言いたいなという気持ちです。

島谷:4年間を通して1番思うのは、大学でも4年間バスケを続けて良かったなということです。やはり、明らかに高校よりもレベルの高い環境でバスケができて、技術面での成長はもちろん、大学では「考えるバスケ」ができるようになったかなと思っています。能力だけではない、頭を使ったプレーができるようになりました。大学で得たものは自分にとってすごく大きいものだと思いますし、大学でも4年間バスケを続けてきて本当に良かったなと思います。

 

ーー最後に、後輩のみなさんへのメッセージをお願いします!

石倉:「挑越」。今年のスローガンが「挑越」だったのですけれども、目標であった入替戦出場を達成することはできなかった一方で、これまで先輩たちが築いてきてくださったものであったり、私たちもこのチームに残せたものがあるのではないかなと思うので。これまでの先輩たち、そして自分たちを「挑越」して、自分たちで立てた目標を必ず達成して欲しいなと思います!

全員:これが4年生の総意です!

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