晴天に恵まれた早慶戦。試合は序盤からワセダが主導権を握り、秋季リーグ2位の力を見せつけた。それでも第2Q4分、PCを獲得した笹山美由希(法4・桐光学園)が決め、先制に成功する。このまま流れを持ってきたい慶大だったが、12分に同点を許すとその2分後には逆転を許してしまう。後半に入ってからも試合はワセダのペースで動くが、慶大は全員守備を見せ、これ以上の追加点は与えない。惜しいシーンも何度かあったものの無念のホイッスル。1ー2の惜敗となり、悲願の早慶戦勝利とはならなかった。
第32回早慶ホッケー定期戦
11/24(日) 13:30試合開始 @大井メインホッケー場
| 第1Q | 第2Q | 第3Q | 第4Q | 合計 |
慶大 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 |
早大 | 0 | 2 | 0 | 0 | 2 |
♢スタメン♢
GK 斉木はるな(経4・慶應女子)
DF 山岡怜奈(法4・Dwight School London)、笹山美由希(法4・桐光学園)、西潟遥(経3・International School of Düsseldorf)、金子桃子(法4・田園調布雙葉)
MF 岩越美佳(政3・慶應女子)、村岡咲音(商4・慶應女子)、 尾関恵真(経3・慶應湘南藤沢)
FW 曽我部千紗(法4・Fleetwood Park Secondary school)、久井玲香(商4・Dwight School London)、新井里英(政3・成城学園)
ついに訪れた早慶定期戦。女子ホッケー部にとっては約1ヶ月ぶりの試合となる。相手は、今秋リーグにて創部史上初の決勝戦進出•2位という結果を残したワセダ。対する慶大は今秋リーグ6位であった。昨年度は0ー4と完敗を喫した慶大だが、悲願の早慶戦勝利、そして4年生部員の勇姿を見届けようとスタンドには應援指導部や保護者ら多くの観客が詰めかけた。
金子桃子(法4・田園調布雙葉)のパスから始まると、慶大は早速フィールド左側から攻撃を仕掛けるも、ワセダが堅い守備を見せる。すると開始3分、相手選手が右側を駆け上がり一気にサークル内への侵入を許してしまう。守備陣が粘りを見せ、得点こそさせないがその後もサークルライン付近でのプレーが続く。それでも慶大は相手ファウルを誘発し、シュートは許さない。その後は山岡怜奈(法4・Dwight School London)、曽我部千紗(法4・Fleetwood Park Secondary school)、笹山らの守備もあり、自陣に侵入させず、最初の15分間は両者無得点で終わる。
慶大のヒットによりスタートした2Q目は、激しくスコアが動いた。序盤から流れをつかんでいた慶大は、3分新井里英(法3・成城学園)が右サイドからサークル内に侵入すると相手の足に当て、PCを獲得し、そのチャンスを逃さなかった。笹山がフリックしたボールは相手に当たりゴールインし、見事先制に成功した。しかし、黙っていないワセダFWは7分、ショートカウンターが炸裂する。慶大が中央でボールを失うとそのまま運ばれ、見事なリバースヒット(普通のヒットとは異なり、左側から振りかぶってボールを打つ)を決められてしまう。さらにその1分後、ワセダに右サイドを見事に崩されると、最後は中でぴたりと合わせられあっという間に逆転。それでも慶大は心が折れることなく、15分には山岡が右サイドの深い位置で粘り、PCを獲得する。このシュートは惜しくも外れてしまったが、同点に向け前向きな終わりとなった。
ワセダのキックオフで始まった後半は、序盤からワセダが主導権を握る。4分、フィールド右側を駆け上がられると、ロングパスを通され一気にサークル内に侵入。ここは山岡が冷静に対処し、得点は許さない。その後は岩越美佳(政3・慶應女子)や西潟遥(経3・International School of Düsseldorf)を中心に攻撃を展開するも、相手の堅い守備を崩すことができない。すると10分、ワセダに今試合初のPCを与えると、相手選手が放ったシュートはクロスバーの数センチ上に。九死に一生を得た慶大はここから相手陣地にボールを運びたいが、ワセダの猛攻は終わらず、守備が精一杯。全員で守備についた慶大は更なる追加点は許さず、1ー2のまま試合は最後の15分間に突入する。
同点に追いつきたい慶大は2分、相手にPCを許すも、ボールはゴールを大きく外れ、慶大にチャンスが。しかし、その後もセンターライン付近でのパスが続き、両校とも膠着状態に。7分、ワセダにサークル内を破られるも、慶大はディフェンスを効かせなんとか持ち堪えた。その後もワセダにPCを与えるも、岩越と村岡咲音(商4・慶應女子)の鋭いカットで防いだ。残り3分、慶大は最後のチャンスを狙い相手サークルに侵入するも、ワセダの鉄壁のディフェンスには及ばずここで試合終了。1ー2で悲願の早慶戦勝利とはならなかった。
悲願の勝利にはあと一歩届かなかった慶大。60分を通じて守備につく時間が圧倒的に長く、リーグ戦2位のワセダの力をまざまざと見せつけられた。それでも諦めずに最後までボールを追いかける姿は、まさにチームスローガン「Show the Spirit」を体現していた。早慶戦勝利は来年度に持ち越されたが、今年は9人の新入生も入ってきた。来年度こそ、早慶戦勝利という悲願の達成を期待したい。
▽筆者コメント
第32回早慶ホッケー定期戦にて、2024年度慶應義塾大学体育会女子ホッケー部はすべての公式戦を戦い終えました!
女子ホッケー部の皆様、取材や早慶戦直前企画の実施に協力していただきありがとうございました。そして本当にお疲れ様でした!また、1年間記事をお読みいただいた皆様、ありがとうございました!
何より4年生の方々、4年間お疲れ様でした!
♢選手コメント♢
主将・笹山美由希(法4・桐光学園)選手
ーどのような思いで最後の早慶戦に臨みましたか?
4年間の全てを出し切って、絶対に勝ちたいという思いで臨みました。また、みんなとできる最後の試合を楽しみたいと思っていました。
ーPCから先制点を決めました。その時の心境を教えてください!
めちゃめちゃ嬉しかったです!PCを取るまでの流れも良くて、このチームの全員で掴んだ、みんなの想いの詰まった1点だったと思います。
ー4年間を振り返って
最後の1年はとても濃くて、主将として悩むことがたくさんありましたが、たくさんの方に支えられて最後までやり切ることができました。結果は悔しいですが、改めてみんなと1年間頑張ってきて本当に良かったと思える1戦でした。4年間を振り返ると大変なことの方が多かったですが、ホッケーに打ち込む日々が本当に楽しくて、ホッケー部に入って良かったと思える最高の4年間でした。
ー後輩たちにメッセージお願いします!
1年間ついてきてくれて感謝の気持ちでいっぱいです。なかなか勝利の景色を見せてあげることができなくて申し訳なかったけど、みんなと一緒にホッケーができて本当に楽しかったです。来年こそ勝てるよう新チームになっても頑張ってほしいです。心の底から応援してます。
曽我部千紗(法4・Fleetwood Park Secondary school)選手
ーどのような思いで最後の早慶戦に臨みましたか?
リーグ戦では春秋早稲田に敗北していましたが今回の早慶戦では絶対に勝ちたいというリベンジの気持ちがありました。そしてこのチームでできる最後の試合悔いのないよう楽しみたいと思っていました。
ー今日はいつも以上にドリブルをしていた印象です。ご自身のプレーを振り返っていかがですか?
ドリブルでボールラインを上げてチームに攻めの勢いをつけたいと思っていました。結果的に点数に繋がったものもあったのでよかったのかなと思います。
ー4年間を振り返って
4年間楽しいことばかりではなく、ホッケーをやるという選択肢は間違っていたのかと思い悩む時期もありましたが。最後の早慶戦を終え、4年間を振り返ると、ホッケー部に入ってよかったと言い切れます!
ー後輩たちにメッセージお願いします!
1年間4年生についてきてくれてありがとうございました。後輩のみんなのおかげでTEAM2024は成り立っていたと思います。あまり勝った景色を見せることができなかったのは本当に申し訳ないです。でもみんなとのホッケーは楽しくて宝物です。これからも応援しています!
金子桃子(法4・田園調布雙葉)選手
ーどのような思いで最後の早慶戦に臨みましたか?
絶対に勝てると思っていたからこそ、楽しみな気持ちが大きかったです。
ー今日は序盤から相手に強いプレッシャーをかけられました。いかがでしたか?
自分たちのやりたいホッケーを思い通りにできていたので、相手カウンターの勢いを止められずに失点してしまったのがすごく悔しいです。
ー4年間を振り返って
特に最後の1年間は一勝を掴むことの厳しさを知る1年となりましたが、人に恵まれ、ホッケーを楽しむ気持ちを入部以来ずっと持ち続けることができました。あっという間でしたが、最高の4年間でした。
ー後輩たちにメッセージお願いします!
みんなと一緒にホッケーができたこの1年間は本当に楽しくて、結果がついてこなくてもチームの成長を常に感じられていました。後輩のみんなには感謝の気持ちでいっぱいです。このままもっと強くなって、来年こそリーグ上位進出と早慶戦勝利を達成してね!応援してます!
(記事、撮影:久保田敦也、岡本璃央、岡里佳)