早くも折り返し地点を迎えた、春季リーグ。前日・第5日の国際武道大戦を良い形で勝利した慶大は、このまま一部昇格へ良い流れに乗りたいところ。そして、第6日の明学大戦。第1セットは、S・松田悠冬(商1・慶應)とスパイカー陣のコンビ、ブロックポイントが光り、25ー15で慶大が勝ち取る。続く第2セットは終盤まで拮抗した展開となるが、24ー22のセットポイントを迎えると、途中出場・久保田健介(商4・慶應湘南藤沢)のサーブから流れを掴みそのまま25ー22で慶大が2ゲームを連取する。第3セットは、OH・山口快人(経3・慶應)のサーブが走り5連続ブレイクで8ー2。その後も、危なげなく得点を積み重ねた慶大が24ー11でマッチポイントを握る。慶大は、マッチポイントから3連続失点も、最後はエース・入来晃徳(環4・佐世保南)のスパイクで25ー14。明学大をストレートで下した。
2025年4月27日(日)
春季関東大学男子2部バレーボールリーグ戦 @亜細亜大学
第6日 慶大×明学大
得点 |
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慶大 | セット | 明学大 |
25 | 1 | 15 |
25 | 2 | 22 |
25 | 3 | 14 |
出場選手 |
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ポジション | 背番号 | 名前(学部学年・出身校) |
MB | 9 | 松山鼓太郎(商3・慶應) |
OP | 11 | 入来晃徳(環4・佐世保南) |
OH | 6 | 山口快人(経3・慶應) |
MB | 22 | 稲井正太郎(法2・慶應) |
S | 13 | 松田悠冬(商1・慶應) |
OH | 2 | 清水悠斗(総2・習志野) |
L | 4 | 今田匠海(政2・慶應) |
途中出場 |
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L | 3 | 緒方哲平(環2・日向学院) |
S | 15 | 久保田健介(商4・慶應湘南藤沢) |
OH | 10 | 野口真幸(商3・慶應) |
MB | 30 | 小山啓太(商2・慶應) |
松山鼓太郎(商3・慶應)のサーブから始まった、第1セット。立ち上がりは、慶大のボールが繋がらず拮抗した展開となるが、OH・山口快人の強烈なスパイクを皮切りに、稲井正太郎(法2・慶應)、松田悠冬が連続ブロックで相手の攻撃を封じ、徐々に流れを手繰り寄せる。6-6から相手のサーブミスで得点すると、L・今田匠海(政2・慶應)がディグで繋いだ球をOH・清水悠斗(総2・習志野)が相手コートに鋭く打ち込み、ブレイクに成功。その後も、清水が強烈なスパイクを決めると、OP・入来晃徳も2本連続でスパイクを決めるなど、慶大はリズムよく得点。S・松田とスパイカー陣のコンビも光り、度々ブレイクに成功する。慶大は相手に主導権を握らせないまま、25-15で第1セットを奪う。

稲井正太郎(左)と松田悠冬(右)のブロックが光った
続く第2セットは、OP・入来晃徳の豪快なライトスパイクで幕開け。攻守で慶大のミスが重なるも、9ー9から入来のスパイクで慶大が一歩前に出る。このままリードを広げたい慶大だが、サイドアウトや時間差攻撃でペースを乱され一進一退の攻防を繰り広げる。それでも、17ー17の同点でOH・清水悠斗がバックアタックを決めると、慶大は再び勢いを取り戻していく。S・松田悠冬が効果的にスパイカー陣を使い分け、迎えた24ー22のセットポイント。ここで久保田健介がサーバーとしてコートに入ると、ナイスサーブから自らディグを上げ、最後はOH・山口快人がスパイクを叩き込み25ー22。慶大はセットポイントを一発でものにする。

サーバーとしてチームを盛り上げるS・久保田健介
セットカウント2ー0で迎えた、第3セット。2ー2からOH・山口快人のスパイクでサイドアウトを取ると、MB・稲井正太郎のブロックも光り圧巻の5連続ブレイク。この春強化したいと語っていた山口の的確なサーブとバックアタックが異彩を放ち、8ー2で慶大が大きくリードする。試合を通して、ミスが続いた場面では松山鼓太郎が一人ひとりに声を掛け、チームの士気を落とさない。21ー11の場面では、MB・松山鼓太郎に代わりMB・小山啓太(商2・慶應)が、MB・稲井正太郎に代わりOH・野口真幸(商3・慶應)がコートイン。途中出場の野口がネットインでサービスエースを奪い、慶大は3連続ブレイクに成功。24ー11でマッチポイントを迎える。勝利まであと1点。25点を目前に、相手の粘り強い攻撃に遭い3連続ポイントを許すと、慶大は大事をとってタイムアウト。それでも、最後はエース・入来晃徳のスパイクで締め括り、25―14でゲームセット。明学大をストレートで下した。

要所でスパイクを決め切るOP・入来晃徳
(取材:長掛真依、梅木陽咲)
▼以下、コメント
ーー3ー0でストレート勝ち、この1勝をどう捉えていますか
結果として3ー0のストレートで勝てたことは非常に良いことだと思いますし、プレーの内容としても、みんなが成長するためのものとして、力を発揮できていたので、ものすごく収穫のあった試合かなと思います。
ーー試合内容を振り返って
相手のミスに助けられたところもあったのですが、こっちも処理すべきボールは確実に処理して、相手に隙を与えないように点数を重ねられたことがよかったなと思います。
ーー逆に改善点はありますか
落としてはいけないボールをそつなくこなすという部分で、鼓太郎(=MB・松山)が簡単にミスをしてしまっていたので、それは痛かったなと思います。
ーー春季リーグ戦も折り返しになりますが、ここまでを振り返っていかがですか
1部に復帰するためにはまだまだ能力が足りないなと。自分たちの強みを伸ばして、弱みを克服するということを続けていかないといけないなと思います。一方で、2部はいろんなチームがいて、戦うごとに良いときも悪いときもありますが、試合を重ねる度にチームのメンバーそれぞれが自分の役割を少しずつ認識して、チームのために貢献しようという熱量が変わってきていると思います。ステップアップという意味では良い変遷をしているのではないかなと思います。
ーー次戦以降、梨学や日大など強敵との試合を控えていますが
戦えるとは思います。ただ、どういう戦い方をするかということは、これから準備して決めていきたいと思います。
ーー山梨学院大戦までの2週間をどう使っていきたいですか
先程言った通り、自分たちの強みを伸ばし、弱みを克服するための2週間にしたいと思っています。プラスで試合は相手がいるので、相手に対してどのようにそれを発揮するかということも練習の中で取り組んでいきたいと思います。
ーー最後に山梨学院大戦への意気込みをお願いします
やるべき準備というものをやり尽くして、当日は大暴れできるように、みんなでエネルギーを出して戦い抜きたいなと思います。
ーー今日の試合を振り返って
相手が前日にフルセットをやっているということもあって、全体的にコンビが合っていない印象もありましたけれど、こちらのサイドアウトフェーズでしっかりパスを返して、新チームが始まった時からやってきた「コンビをしっかり合わせる」という練習の成果を発揮できたのが結構良かったのかなと思います。もっと伸ばせる点としては、相手のバックアタックに対するレシーブとかブロックというのが慶應のもっと伸ばせる点だと思うので、かつ2週間後の日本大学、山梨学院大学は、そういった攻撃をメインで使ってくるチームなので、そこに対してあと2週間でどうにか対応できるようにしたいなとは思います。
ーー最後の春リーグも折り返し地点ですが、振り返っていかがですか
立教に負けちゃったというところは悔しいところではありますけれど、全体的に手応えとしては悪くないのかなと思っていて、チームの軸であるSというポジションをいきなり新1年生(=松田悠冬)に任せているのでコンビが合うかというところの不安はあったんですけど、思った以上に選手同士がコミュニケーションをとって、普段の練習からコンビを合わせるように努力してくれているので手応えとしては良いのかなと思います。個人的にはアナリストの最高学年として、選手が実行可能で、かつ選手とアナリストが話し合いながら戦術を立てるということを意識していて、選手側からも「もっとこうしたい」という声も出ているので、そこが前半を振り返って良いところなのかなと思います。
ーー作戦を立てる、ベンチに入る上でこだわっていることは
先ほども被る部分もありますけれど、頭でっかちな戦術にならないようにというのは意識していて、昨年まではどうにか勝てるようにということを意識しすぎて選手にちょっと無理なお願いをしたり、技術的に不可能な戦術を立てていたことが多かったので、極力選手がやりやすい戦術を立てる、あとはコート内でしか感じられない部分もあると思うので、そこはもともと用意していた戦術をやってみた選手の感触をセット間やタイムアウトで選手たちから聞くということは大事にしています。
ーー春リーグで注目してほしいポイントは
高さというところは慶應の強みなので、パワーとか高さというところは2部の中でも注目してほしいのが一つ。あとはチームの雰囲気も、試合に出ているメンバーだけではなくてベンチ外の応援団も含めて盛り上がっているので、チームの一体感みたいなところも注目してもらえたらなと思います。
ーー本日の試合を振り返って
相手のコンディションも良くなかったと思うのですが、自分たちがやるべきことをできていました。自分だったら、オフェンスだけではなくディフェンスでもチームに貢献しなければならないのですが、ディグやブロックホールドの部分で繋ぐことができたので良かったです。あとはサーブを少し攻め込まれたので、あまり良い印象はなかったのですが、その分段トスが来たときに点数を決められた部分があったので良かったかなと思います。
ーーこの春はサーブを武器にしたいと仰っていましたが、今回の試合では4連続ブレイクもありました
亜細亜会場と相性が悪くて、これまではあまり攻めきれずにミスが続いていたことが多かったので、相手の前の方を狙って、なんとかブレイクできるようにというのを意識してやりました。
ーースパイクも光っていましたが、相手ブロックの隙間などはどのように見つけていますか
まずはトスに対して思い切り踏み込むこと。足の踏み込みから、お腹、足に連鎖して力が入るので、そこを意識しています。あとは打つ瞬間に、なんとなく相手の(ブロックの)手が見えるので、それに対して打つという感じです。
ーー春季リーグ戦も折り返しになりますが、ここまでを振り返ってS・松田悠冬選手とのコンビについてどう感じていますか
初週の青学戦や立教戦に比べて時間も経っていますし、どんどんコンビの精度は良くなっていると思います。向こうが自分に合わせてくれているところもあるので、すごくスパイクを打ちやすい環境が整っているなと思います。
ーー前季はSを務められていましたが、OHに復帰された今季の手応えは
去年OHをやっていないブランクがある分、初週は上手くいかない部分もあったのですが、OHとしての試合に徐々に慣れてきました。自分はキャッチが軸だと思っているので、それを軸にブロックやオフェンスを上手くできるようになっているので、これからはスパイクの部分でも、もっと貢献できるようにしたいです。
ーー「ブランク」のお話がありましたが、逆にSとしての経験が活きていることはありますか
ブロックするときに、「こういうシーンなら(相手のトスが)こっちだな」と、Sをやっていたことで大体分かることがあります。ブロック以外のときもボールが上がってくるところが大体読めるので、守備の位置取りやブロックの反応はやりやすいです。
ーー2週間後の山梨学院大戦への意気込みをお願いします!
山梨学院はすごく完成度が高いチームだと思うので、キャッチを軸にしてからの、ブロックやオフェンスという自分の役割を果たせるように、まずはこの2週間、しっかりキャッチが安定するように練習をこなすこと。あと、自分は左のエースと対峙すると思うので、その大きいブロックに対してのスパイク、左利きに対しての自分のブロックというのを磨いていきたいです。これから山梨学院だけではなく、強い相手と戦っていくので、平日の練習から質を高めていきたいと思います。
ーー今日の試合内容を振り返って
チームとしてはストレートでしっかり勝ち切れて、油断せずに最後まで戦えたので良かったかなと思っています。個人的にも、チームを引っ張るという役割は全うできたかなと思います。
ーー監督からはどのようなお話がありましたか
「日々の練習の小さな取り組み、小さな練習が最終的に結果の運を左右するよね」というお話で、2週間空いて山場の日大と梨学戦があるので、それに向けて小さな取り組みでもやっていこうというお話でした。試合は相手がいて自分たちがバレーボールをしているわけだから、自分たちがうまくやっていても相手の実力が上だったら意味がないし、自分たちのパフォーマンスと相手に合わせたパフォーマンスをバランス良くやっていくのが大事だと言われました。
ーースタメンとしてこの春を戦ってきましたが、手応えはいかがですか
プレーの面では、課題だったクイックが2部でも決まるようになりましたし、今まで決まらなかったのが点数に直結するようになったのは良かったなと思います。ブロックはいつも通り変わらずできています。あとは上級生にもなったのでチームを引っ張るという面で、今までは声を出して巻き込むというのができていなくて、プレーが落ちると自分も一緒に落ちて、チームの雰囲気も落ちて立教にも負けてしまったので。ここ数試合は盛り上げることもそうですけれど周りへの声掛けもすごく意識して、チーム全員で勝っていくという雰囲気をコート内で作るように頑張っています。
ーーSやスパイカー陣にトスを上げる場面も多く見られましたが
武器がサーブということもあって自分のサーブで相手が乱れるので、それで僕がトスを上げることが多くなっているかなと思います。あとは1、2年の時に、星谷さんから「トスは鼓太郎が貢献できる一つの武器だよ」というふうに言われていて、そこは絶対ブラさないようにトスを上げ続けるというのを意識してきたので、その結果が出てきているのかなと思います。
ーー山梨学院大戦までの2週間をどう使っていきたいですか
チームの雰囲気というところで、本当に今日の試合からチームへの声掛けというのを意識して、今までは走ってワーって盛り上げていたのを、一人ひとりにハイタッチしに行ったり「今〇〇だったよ!」っていうのをすごい言うようにしていたので、それをこの2週間続けるといきたいです。あとは、本当に潰しに行くという気持ちを持って。具体的には、自分がチームに貢献できる武器の一つにブロックがあるので、2枚揃った時にしっかり止めるというのと、クイックのコミットで1枚で仕留めにいくという2点にフォーカスして、ブロックを軸に取り組んでいきたいなと思います。ブロックの次にクイックがあって、クイックは悠冬(=S・松田)とのトスもあっているので。ブロックを意識してこの2週間頑張りたいと思います。