【ソッカー(男子)】首位・筑波大相手に4得点の猛攻も 後半4失点で勝利逃す/関東リーグ戦第5節 VS筑波大学

ソッカー男子

第5節、4戦無敗でリーグ首位を走る筑波大との一戦に挑んだ慶大は、序盤からアグレッシブな姿勢を見せる。7分に齋藤真之介(経4・桜修館/FC町田ゼルビアユース)がこぼれ球を押し込み先制すると、9分にはカウンターからオウンゴールを誘い、追加点を奪う。さらに19分CKのチャンスを得ると、混戦の末、柳瀬文矢(法4・駒大高)が力強く頭で合わせ3点をリードする展開に。守備陣では、GK渡辺快(政3・慶應)が再三の好セーブでピンチを凌ぎ、試合を優位に進めた。しかし後半、相手の猛攻に屈し立て続けに2点を失うと、流れは徐々に筑波大へ傾く。56分、角田惠風(商4・慶應/横浜F・マリノスユース)によるFK弾がネットを揺らし再びリードを広げるも、終了間際に痛恨の失点を喫し、4-4のドロー決着に。勝点3を逃した悔しさは残るが、首位相手に攻守で奮闘した選手たちのパフォーマンスは、今後の自信につながる一戦となった。

 

2025/5/3(土)14:00キックオフ@筑波大第一グラウンド

 

【スコア】

慶應義塾大学4―4筑波大学

 

【得点者】

7分 慶大 齋藤真之介

9分 慶大 オウンゴール

19分 慶大 柳瀬文矢(田中雄大)

48分 筑波大 廣井蘭人(山崎太新)

52分 筑波大 内野航太郎(布施克真)

56分 慶大 角田惠風

73分 筑波大 小林俊瑛

90+6分 筑波大 小林俊瑛(内野航太郎)

 

【慶大出場選手】

ポジション

背番号 選手名(学部学年・出身高校)

GK

12 渡辺快(政3・慶應)

DF

2 三浦成貴(商3・浜松開誠館)

 

3 五十嵐宥哉(商4・清水東)

 

4 田形昂生(政3・慶應)

 

5 齋藤大斗(総2・日大三 / FC町田ゼルビアユース)

 

→ 77分 16 左貫龍之介(商4・市立浦和)

MF

7 齋藤真之介(経4・桜修館/FC町田ゼルビアユース)

 

8 田中雄大(商4・成城学園/三菱養和SCユース)

 

10 角田惠風(商4・慶應/横浜F・マリノスユース)

 

11 立石宗悟 (法4・桐蔭学園)

 

17 辻野悠河(商4・暁星国際)

 

→ 55分 18  梅野真生(総2・成蹊/横河武蔵野FC U–18)

FW

9 柳瀬文矢(法4・駒大高)

 

連敗脱出を懸けて挑んだ、関東1部リーグ首位・筑波大との一戦。序盤から勢いづいた慶大は7分、グラウンダーのクロスからMF辻野悠河(商4・暁星国際)がシュートを放ち、相手GKにセーブされたこぼれ球をMF齋藤真之介(経4・桜修館/町田ゼルビアユース)が押し込んで幸先よく先制。さらに9分、カウンターからMF立石宗悟 (法4・桐蔭学園)が上げたクロスが相手DFに当たり、オウンゴールで追加点を奪う。

齋藤真が先制弾を放つ

一方、守備陣も奮闘。11分には、多数の代表歴を誇る筑波大のエース・内野航太郎(体専2・県立荏田/横浜F・マリノスユース)が放った強烈なミドルシュートをGK渡辺快(政3・慶應)が弾き、ボールはポストを直撃。続く12分にはゴール前の混戦を組織的な守備で耐え抜き、相手に決定機を与えない。リーグ戦初スタメンの田形昂生(政3・慶應)も存在感を示した。

存在感を示した田形

攻守において勢いに乗った慶大は18分、CKから生まれたゴール前の混戦をFW・柳瀬文矢(法4・駒大高)が頭でねじ込み、リードを3点に広げる。首位相手に既に3得点を叩き出し、スタンドも大きく沸いた。その後もウイングを活かした縦の展開が功を奏し、筑波の隙を突く鮮やかな攻撃が続く。中盤以降、相手にボールを保持される場面もあったが、DF陣の粘り強いブロックと球際の強さで主導権を渡さない。

追加点を決めた柳瀬

さらに追加点を重ねたい慶大は42分、スルーパスを受けたFW柳瀬がシュートを放つが、これは惜しくも枠を外れる。前半終了直前の44分、相手にクロスを許すも、齋藤大斗(総2・日大三 / FC町田ゼルビアユース)が体を張ってブロックし、シュートを打たせない。慶大が強みとする攻撃に加え、GK渡辺を中心とした集中力の高い守備がかみ合い、スタンドの熱気とともに3-0で前半を折り返す。

背番号5を背負う齋藤大

強豪・筑波大相手に3点のリードを持って試合を折り返した慶大だが、後半は打って変わって筑波大の猛攻を受ける。48分、左サイドからのシュートを決められ1点を返されると、直後の52分にはヘディングシュートを被弾し、2点目を返される。何としても流れを取り戻したい慶大は辻野に変え松下伊吹(経3・渋谷教育学園幕張/ジェフユナイテッド千葉・市原ユース)を投入。すると56分、立石がサイドを突破しようとした際にファールを受けFKを獲得すると、それを角田が直接ゴールに突き刺し再び2点差とする。

鮮やかなFKをおさめた角田

見事な追加点で慶大サイドを沸かす

その後は一進一退の攻防が続くも、73分、クロスのこぼれ球を途中出場の相手FW小林俊瑛(体3・大津)に決められ再び1点差に迫られる。77分には齋藤大に変えて前節で躍動した左貫龍之介(商4・市立浦和)を投入するが、戦況を大きく変えるには至らない。その後も相手の高さを生かしたセットプレーなどで猛攻を受け続けるが、初先発となったGK渡辺のビックセーブが飛び出すなど、1点差を守り抜くべく必死のプレーが続く。しかし試合終了間際の90+6分、CKから再び小林にゴールを許し土壇場で追いつかれ試合終了となった。

ビックセーブを連発したGKの渡辺

前節まで3連敗という苦しいチーム状況の中で強豪・筑波大に挑んだ今節。前半だけで3点のリードを奪うなど「超攻撃」に相応しい攻撃的なサッカーを披露する一方で、掴みかけていた勝利を逃した悔しさに、試合後涙を流す選手の姿もあった。だが強豪相手に一歩も引かない熱戦を繰り広げたその姿勢は、今後待ち受ける更なる強敵相手の試合にも必ず生きてくるはずだ。

(記事:愛宕百華、野村康介 取材:愛宕百華、長掛真依、塩田隆貴、野村康介)

 

【選手インタビュー】

◇柳瀬文矢(法4・駒大高)

今季初ゴールの柳瀬

ーー開幕勝利後の3連敗を経て、どのような思いで臨んだか

相手が首位の筑波で、次が明治で、すごく大事な連戦だと捉えているので、チームとして「首位・筑波相手に勝って、ここまでの悪い流れを変えよう」という目標を持って臨みました。

 

ーー試合内容を振り返って

(関東リーグが)2週間空いたので、自分たちの中で強みとする攻撃というところをしっかり固めて、それを発揮できたと思うんですけど、90分を通したゲームのマネジメントのところでは後半に4失点しているので。そういった意味では、チームとしての「自力」という部分で課題が残るかなとは思います。

 

ーー前半を3ー0で折り返したが、攻撃で意識していたことは

サイドを使った速い攻撃というところで、ウィングを活かして相手が準備をする前に崩し切るというところを意識していました。

筑波大相手に臆することなく戦った

ーー今季初のフル出場でゴールも記録。ご自身のプレーを振り返って

自分自身は今までチームを勝たせられなかったので、流れを変えるという意味でチームに少しでも貢献できるようにという思いで臨んで(ゴールを)決めることはできたんですけど、結果的にチームを勝たせることはできなかったので。チャンスの場面で自分が決め切れば勝てた試合だったと思うので、ここからはより点を決めてチームを勝たせられる選手になっていきたいなと思います。

 

ーーここまで1部の舞台で戦ってきた手応えは

やれなくはないというか…(笑)。自分たちが強みとする攻撃はもちろん通用しましたし、そういった意味では自分たち次第というか。自分たちの目標である「優勝」というのはこれから成し遂げられるかなとは思います。

 

ーー中2日にはなるが次戦・明大戦への意気込み

戦い方で言ったら今回と同じですけれど、自分は攻撃の選手で、DFの選手もしっかり守ってくれると思うので、今日以上に得点に絡んでチームとして結果を出せるように頑張っていきたいなと思います。

 

◇田中雄大(商4・成城学園/三菱養和SCユース)

今季もCKを任されている田中

ーー3連敗している中で、首位・筑波大との対戦。どのような気持ちで臨んだか

相手の順位とかは特に関係なくて、相手が筑波大というこの数年間毎年優勝争いをしているチームということだったんですけど、自分のやるべきことさえやれば、絶対に勝てる相手だと思ってたので。首位だからとかちょっと守りにだとか、一歩引いた気持ちはなくして、前向きにポジティブに上手く臨めたかなと思います。

ーー今日の試合を振り返って

3連敗しているなかで、ここで一個跳ね返してやろうという気持ちは前半、特にあったんですけど、最後の最後にあのような形で失点してしまったのは、自分たちの力不足だと真摯に受け止めて、短いですけど中二日で修正して次こそ勝てるように準備したいと思います。

ーー次節・明大戦への意気込み

今日首位の筑波さんとやらせてもらって、最後同点に追いつかれたものの、自分たちがやりたいサッカーをやれたというのは自信にもなってますし、次回戦う明治も筑波同様に強いチームですけど、そういうチームに臆せず、本気に勝ちに行くという姿勢を次も見せたいと思います。

 

◇立石宗悟 (法4・桐蔭学園)

攻撃の主軸を担う立石

――3連敗の中、強豪・筑波大と対戦。どのような気持ちで試合に臨んだか

チーム状況が良くなくて、勝ててないっていうのがあって、なんとしても勝とうとしたんですけど引き分けだったので悔しいっていうのが1番です。

 

――前半から3点を奪う中で、どのような役割を意識して試合に臨んだか

いつもはFWの形で起用されているんですけど、今日は右サイドで起用されて、FWの柳瀬に得点を決めてもらうとか、自分がチャンスメイクしたりチームに勢いを与えるのを意識して臨んだので、しっかりとゴールに絡めたのはよかったかなと思います。

 

――2日後には明大との試合が控えているが

今回の試合で首位の筑波大に自分たちのやりたいサッカーが90分通して出来たので、ポジティブに捉えて明治戦では勝点3を取れるように頑張ります。

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