【ラクロス(男子)】「憧れ」の舞台で「証明」せよ/早慶戦直前特集② 池田朋史×石川叶大×鈴木ケン春海(主将・副将対談)

男子ラクロス

日本ラクロス界で“最大規模の試合”とも称される、早慶ラクロス定期戦。圧倒的な注目度と観客動員数を誇る早慶戦には、早慶の関係者に限らず、数多くのラクロッサーが日吉陸上競技場に足を運ぶ。昨季7度目の学生日本一に輝いた絶対王者であり、早慶戦4連覇をかけて戦う慶大。そんな慶大ラクロス部の選手たちは、何を想い、早慶戦を戦うのか。ぜひこの機会に、多くの方に彼らの想いと魅力を感じてほしい。また「ラクロスの魅力」や「早慶戦の見所」についても伺った。第2弾では、主将・池田朋史選手(商4・慶應)、副将・石川叶大選手(経4・慶應)、副将・鈴木ケン春海選手(商4・慶應NY)の対談をお届けする。個性に富んだ3人の対談を、最後までぜひご覧いただきたい。

第1弾 注目選手️・早慶戦実行委員長/DF対談はこちら

お三方について

ーー他己紹介からお願いします!

石川鈴木:鈴木ケン春海です。ポジションはFO(フェイスオファー)で、4年生の副将です。彼の性格は、すごく真面目で規律を正してくれる。一緒に幹部を務めていて、すごくありがたい存在なんですけどFOとしては学生ナンバーワンの手元の強さというのを持っていて、周りを圧倒してくれる存在としてもプレーヤーとしてもすごく輝いている選手で、これからも一緒に頑張っていきたいなと思っています。

鈴木 池田:池田朋史はAT(アタック)を担っていて、その中でもポジションリーダーを務めております。彼のプレースタイルは本当に体格がいい。ゴール裏から体をこねて、ディフェンスを吹き飛ばして、得点を入れるのが得意な選手です。ぜひ、ゴール裏からのプレーに注目していただきたいです。

池田石川:石川叶大はDMF(ディフェンスミッドフィルダー)です。彼の性格としては、曲がったことは許さない、真面目でとても正義感の強い性格なんじゃないかなというふうに思います。プレースタイルとしては粘り強いタイプのプレーヤーで、1年生の頃から努力家で、努力を怠らない人なのではないかなという風に思っています。

昨季も活躍を見せた池田選手

 

ーー主将・副将に就任した際のお気持ちを教えてください

池田: やはり、自分たちの代で必ず日本一を取るために、自分が中心となって引っ張っていけたらいいなという風に思い、主将になりました。

鈴木: 自分が副将になった時に一番意識していたことは、去年すごく組織的にも大改革して、その基盤をいかに絶やさないかということも意識しつつ、やっぱり守ってるだけじゃいけないので。いかにプラスアルファのところを生み出せるか、ということを常に意識しております。当然それは自分たちが日本一をとるためでもありますけれど、今後の日本一にも貢献していきたいという思いから、そういった意識はしております。

石川: まず慶應義塾の男子ラクロス部っていうのは、一番最初に日本で始まったラクロス部で、かつ塾高とかニューヨーク高から経験者がいるという状況の中で、日本一を取るのが当たり前の部活動だし、それを目指すことも当たり前の部活動で。約140人の大所帯のトップに立つ存在というので、まず責任感の大きさというか、今からすることの重大さみたいなのはすごい感じました。その上で、自分にできることを模索し続けるのがすごく難しくて。それは今もそうです。プレーヤーとしてはもちろんそうなんですけど、副将として運営を回していく上で、自分はどこにどう関わったら今年の全日優勝、来年以降の全日優勝に関わっていけるのかなというのを常に模索し、行動し続けることを意識しています。

昨年度は全学優勝、全日準優勝を果たした

今年のチームについて

ーー新チーム始動から、これまでを振り返って

池田: 最初の方は全員が控えめだったんですけど、最近では前よりも、少しずつ個人がチームに対しての課題意識が持てるようになってきたんじゃないかなというふうに思っています。それが変化ですかね。

石川: 良くも悪くも、去年よりも緊張感とか焦りを持ってるチームなのかなと、正直なところを思っていて。去年はやっぱり圧倒的な実力者が結構いる中で、どこか「勝てるだろう」ってみんな思ってたと思うんですけど、今年は圧倒的な実力者っていうのはいない中で、それこそ良くも悪くも、本当に大丈夫なのかっていう焦りがあるからこそ、みんなが切磋琢磨して本当に「上を目指そう、何か変えなきゃ」って思い続け出てるチームだと思ってます。

鈴木: 石川の言う通り、良い意味でも悪い意味でも危機感のあるチームだと思っていて。それはやっぱり昨年度全日本選手権で優勝を勝ち取れなかったっていうところもありますし、主力選手が抜けてしまったというところもあるので、やっぱりいかに自分たちのこの新たなチームを作り上げられるかというところで、一人一人が主体性というところを持つように意識はしているのかなという風に感じております。

 

ーー今年度目指しているチーム像について教えてください

池田: 先ほど石川が言っていたんですけど、今年は中心となるような圧倒的実力者がいない中で、やっぱり一人一人がチームの勝利に対して責任を持って、昨年よりもっと全員で一丸となって勝利に向かい、勝利を勝ち取れるチームにしていきたいなという風に考えております。

昨年の早慶戦で撮影した現4年生の集合写真

ラクロスについて

ーーラクロスをあまり見られない方も、早慶戦にはいらっしゃると思います。改めて、ラクロスの魅力はどんなところにあると思いますか

石川:ラクロスの魅力は、やっぱりフィジカルでぶつかり合うボディーコンタクトというところが、すごい男子ならではの面白さなのかなと思っています。やっぱり「史上最速の格闘球技」と言われていますけど、すごいスピード感だとか強度も高い中で、フィールドに立った選手たちがどう火花を散らして敵を投げ倒していくのかっていうところはすごい面白いかなと思います。

鈴木: 石川の方は競技性のところを言ってくれたと思うんですけど、僕はラクロスってやっぱり発展途上のスポーツだと思っていて、かなり本当に自分たちで全てをやっていかなければならない。練習環境も作らないといけないし、またクロスを編むところから始まったり、全て自分たちでやらないといけないというところが自分の中ですごく楽しくて。それこそ学生主体のところもあると思うので、全てがうまくいくわけじゃない。そこの中でトライアンドエラーを繰り返して、作り上げていく、チームで勝利をつかんでいくところが個人的には楽しく思ったりします。

池田: 激しさって言おうと思ってたんですけど、言われちゃったので(笑)。やっぱり激しさありつつ、華やかさというか。いろんな競技のいいところっていうのが結構詰まってる競技だなと思っていて。よく言えば、「いいとこどり」かなという風に思ってます。

石川:いろんなスポーツの面白いところを集約させた、それが言いたかったの?

池田:いやそうでしょ?ラグビーのような戦術だったり、サッカーのフィールド能力、ホッケーのようなこの道具を使ったボールさばき、サッカーのようなファンタジックなプレー、豪快なシュート、などなど。

 

ーーそれぞれ異なるポジションを担当されてますが、ご自身のポジションの“面白さ”について教えてください!

石川: DMFって、多分ラクロスやってる人だったらすごい分かると思うんですけど、一番影が薄いポジションなんですけど、よく言えば縁の下の力持ちだと思っていて。オフェンスみたいに点を決めたり注目される華やかなプレーはすごく少ないんですけど、ただチーム全体を動かしていく上で、一個一個ディフェンスからオフェンスに切り替わる部分だったりとか、最前線で相手のオフェンスを止めたりだとかを担う存在として、チームを動かす要にはなるのかなっていうふうに思っているので。注目されずとも「自分はこのチームを勝たせるんだ、引っ張るんだ」みたいな人にとってはすごく向いてるポジションというか、楽しいポジションなのかなって思います。

鈴木:オフェンスとディフェンスをつなぐポジションなんて、トップレベルに大事なポジションなんじゃないか。まあ面白いところに関して言えば、ないかもしれません。

石川:おい(笑)。

”縁の下の力持ち”DMF・石川選手

鈴木: FOですね。ポジションの説明からにはなるんですけど、バスケットボールで言うジャンプボールみたいな役割を担っているポジションでして、試合の開始時と得点後、毎回フィールドの真ん中でボールの攻撃権を奪い合うポジションなんですけど、本当にラクロス特有というか。そこが強ければずっとオフェンスの時間を保てるっていう、かなり勝ち負けが目に見えて分かるところなので。ものすごくプレッシャーとか重圧とかある中、本当にそこでチームに流れを作れる時とか、その重圧に勝ち切った時っていうところがまさに魅力的なポジションなのかなというふうには思っております。

勝敗が明確に分かれるFO

池田:ATはやっぱりオフェンス全体を司れるというか、オフェンスをコントロールできるっていう点がとても楽しいなというふうに思っていて。あとはやっぱり得点を決めるっていうのが一番ですかね、華やかさというか。楽しい点で言ったら、その2つになります。

全日でもゴールを決めたAT・池田選手

早慶戦について

ーーいよいよ早慶戦が近づいてきましたが、今の率直なお気持ちを教えてください!

池田: 今の気持ちで言うとワクワクの気持ちが大きいですね。最後の早慶戦なので、勝てるかなという不安もあるんですけど、それよりもやっぱり楽しみというか、しっかりやるべきことを準備してやれば負けないとは思っているので、楽しみな気持ちが大きいです。

鈴木: 同じくワクワクが勝っているかなと思っていて。早慶戦って、何かが潜んでいるような気がしていて。それこそ絶対勝てるだろうみたいなチームでも、早慶戦というあの舞台、お祭りみたいな舞台では、そう言われてたチームでさえ負けてしまう可能性だってあるし。だからこそ、観客がいる中でいかにそれにのまれないで自分のプレースタイルを突き詰めるかっていうところが大事になってくると思うので。そこは早稲田に負けじと自分らしさ、慶應らしさを出しながら楽しんでいきたいと思っております。

石川: シンプルに楽しみという気持ちが大きいんですし、個人として最後の早慶戦で全力で勝って、パーッとみんなで写真撮って楽しみたいなという気持ちが持ち上がるんですけど、チームにとってすごい大きな試合だなというふうに感じていて。早慶戦ってやっぱりみんな個人個人で結構大きな思いを持っている選手も多いですし、六大学戦とかであまり勝てなくて厳しい状況が続いている中で、リーグ戦をそのまま迎えるんじゃなくて、早慶戦という大きな舞台で勝ちを掴めれば、チームにとってすごい大きなブーストとなるような試合にもなると思うので。ここで勝って、我々の最終目標である全日本選手権優勝というものにつなげていけるんじゃないかなっていうワクワク楽しみもあります。

昨年度の早慶戦で優勝した際の池田選手

 

ーー皆さんにとって「早慶戦」とは

石川: まず一番最初に入部した時とか、その前とかはシンプルに「憧れ」っていう舞台でもうこの大舞台でラクロスをやりたいっていうのがあったんですけど、今はかっこよく言うと「証明」みたいなものだと思ってて。というのも、早慶戦ってどのラクロスの試合よりも人が動員されて、多くの方が見てくださる。もちろん関わっていただいた先輩とかもそうですし、直接は関わってないOBの方々とか、他大学の人たち、慶應義塾大学関連の人たちとかもいる中で、その人たちに自分たちがやってきたこととかを証明して、「俺たちはこんなに強いんだ、頑張ってるんだ、目標に向かってやってるんだ」っていうのを見せつける場だというふうには思っているので、勝ちます!憧れと証明!

鈴木: まさに石川の言う通り、「憧れの舞台ってところが自分の中でしっくりきていて。というのも、やっぱり自分の尊敬していた先輩が高校時代のラクロス部で一緒で、その方も大学で続けていて、その姿を見てきましたけれど、高校とは早慶戦の規模感(観客の多さ)が違うんですよね。それこそ、大学の早慶戦ってラクロス界で一番観客動員数が多いって言われているイベントなので。その舞台で活躍してる先輩を見て、憧れて入部したのもあるんですけど。そこから先輩の意思を継いでいって、いざ自分が舞台に立った時に、果たしてその憧れを見てる人たち、後輩たちとか、OB OGの人でもそうですし、家族とかにも届けられるかっていうところが自分の中では証明したいところではあるのかなっていうふうには思います。

池田: 一言パッと言って終わるよ。まあそうですね、「プルーフ」、「証明」ですね。

石川:一緒じゃん(笑)。

池田:やっぱり、いろんな他大学のラクロッサーとかもいっぱい来るので。その中で、噂だと「慶應がトップレベルの試合をしなければいけないな」っていう自負というか責任感があるので、そんな感じですね。

日吉陸上競技場に大勢の観客が集まる

 

ーー早慶戦で注目してほしいポイント、見どころを教えてください

池田: 今年の早慶戦はスピード感のある攻撃を見てほしいですね。例年よりも、攻守の切り替えというか、そういうところは例年より特に意識しているところなので。そこが変わったところに注目してみてほしいなと思います。

 

ーー最後に、当日観に来てくださる皆さんへメッセージをお願いします!

石川: 自分たちがこれまでやってきたこと、そしてこれからやるべきことというか、姿勢みたいなところを見せつけて、「こいつらかっこいいな、やってるんだな」と証明できたらなと思うので、ぜひ全力で応援していただけたらすごく嬉しいです。必ず勝ちます。

鈴木: とりあえずこの場を借りて、日頃から部をサポートしてくださっているOBOG方、そして関係者の方に、こういった日本一を目指せる環境を整備していただき本当にありがとうございますってことを伝えたいのと、自分も高校時代に憧れたように、自分自身が最高学年として戦う最後の早慶戦では、見ている観客の皆さんに憧れを届けられるように全力を尽くしてまいりますので、ぜひご声援のほどよろしくお願いいたします。

池田: やっぱり結果ももちろんそうですけど、プレーだったり、気迫だったり、強度のところで、激しさのところで、絶対来てくださる方全員に満足いただけるような試合をするので、ぜひ応援のほどよろしくお願いいたします。

今回取材に応じていただいた5選手の集合写真

ーー素敵なお話を、ありがとうございます!

【試合詳細】チケットはこちらから

5月18日(日)@日吉陸上競技場

11:00〜 女子戦

14:00〜 男子戦

(取材:牧瀬藍、編集:長掛真依)

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