5月19日(月) 東京六大学野球春季リーグ戦 法大2回戦 @明治神宮野球場
慶大は法大に劇的な逆転勝利。初回、2死一塁から中塚遥翔(環2・智辯和歌山)の適時二塁打で先制すると、3回に今津慶介(総3・旭川東)の3号ソロで加点。しかし先発・外丸東眞(環4・前橋育英)が7回、1死二、三塁から藤森康淳(営3・天理)、片山悠真(文3・八王子学園八王子)の適時打で逆転されたが、8回に今泉将(商4・慶應)が左翼ポール直撃の2号3ランを放ち再逆転。さらに9回に押し出し四球で追加点を奪うと、リードを守りきり法大に先勝した。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | ||
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慶大 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 | 6 | |
法大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 1 | 4 |
慶大バッテリー:○外丸、沖村、水野、木暮、小川琳ー渡辺憩
法大バッテリー:小森、山床、槙野、●永野、赤間ー中西祐、只石
慶大本塁打:今津3号ソロ(3回)、今泉2号3ラン(8回)
法大本塁打:なし
◆慶大野手成績
位置 | 選手 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | 7回 | 8回 | 9回 |
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[7] | 今津慶介(総3・旭川東) | 右安 | 右本 | 遊飛 | 四球 | 中安 | ||||
[9] | 福井直睦(商2・慶應) | 二併打 | 見三振 | 三ゴロ | ||||||
9 | 横地広太(政3・慶應) | 四球 | ||||||||
H | 森村輝(総4・小山台) | 四球 | ||||||||
9 | 吉田雄亮(商3・慶應) | |||||||||
[8] | 常松広太郎(政4・慶應湘南藤沢) | 四球 | 左飛 | 四球 | 遊飛 | |||||
1 | 沖村要(商3・慶應) | |||||||||
1 | 水野敬太(経2・札幌南) | 空三振 | ||||||||
1 | 木暮瞬哉(法4・小山台) | |||||||||
1 | 小川琳太郎(経4・小松) | |||||||||
[3] | 中塚遥翔(環2・智辯和歌山) | 右2 | 空三振 | 見三振 | ||||||
H3 | 吉野太陽(法3・慶應) | 空三振 | 空三振 | |||||||
[5] | 今泉将(商4・慶應) | 四球 | 三ゴロ | 空三振 | 左本 | |||||
[2] | 渡辺憩(商2・慶應) | 見三振 | 死球 | 左飛 | 中飛 | |||||
[6] | 八木陽(法2・慶應) | 遊飛 | 右飛 | 二ゴロ | 右安 | |||||
[4] | 林純司(環2・報徳学園) | 四球 | 三ゴロ | 右安 | 四球 | |||||
[1] | 外丸東眞(環4・前橋育英) | 遊併打 | 死球 | 二飛 | ||||||
8 | 丸田湊斗(法2・慶應) | 一ゴロ |
◆慶大投手成績
選手 | 投球回 | 打者 | 投球数 | 被安打 | 被本塁打 | 与四死球 | 三振 | 失点 | 自責点 | |
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先発 | 外丸東眞(環4・前橋育英) | 7 | 31 | 104 | 8 | 0 | 2 | 8 | 3 | 3 |
2 | 沖村要(商3・慶應) | 0 | 1 | 6 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 |
3 | 水野敬太(経2・札幌南) | 1 2/3 | 7 | 35 | 2 | 0 | 0 | 2 | 1 | 1 |
4 | 木暮瞬哉(法4・小山台) | 0 | 1 | 7 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 |
5 | 小川琳太郎(経4・小松) | 1/3 | 1 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
前日の1回戦は先発・渡辺和大(商3・高松商業)の乱調により最大5点差も、得点を重ねなんとか引き分けに持ち込んだ慶大。野手スタメンは2番に前日の試合でリーグ戦初本塁打を放った福井直睦(商2・慶應)、7番にリーグ戦初スタメンとなる八木陽(法2・慶應)を抜擢した。
初回、法大先発・小森勇凛(キャリア2・土浦日大)に対し今津が初球の直球を右前へ運ぶも、福井が二ゴロ併殺打に打ち取られる。2死から常松広太郎(政4・慶應湘南藤沢)が四球で出塁すると、中塚が1ボールから内角低めの139km/h直球を捉え、適時二塁打で1点を先制した。

中塚の適時打で幸先よく先制
先発は前日の試合で9回を投げ無失点に締めた外丸。2日連続のマウンドも、初回を3人で退ける上々の立ち上がり。2回は2死から三塁手・今泉将(商4・慶應)の悪送球により走者を置いたが、後続を初球で中飛に打ち取った。
2回の攻撃は1死から林純司(環2・報徳学園)がフルカウントから四球を選んだが、外丸が遊ゴロ併殺打に終わる。しかし3回、先頭の今津が1ボール1ストライクから変化球を振り抜き、東大1回戦以来3試合ぶりとなるソロ本塁打で2-0とした。

今津の3号ソロで加点
外丸は、3回以降走者を背負うも粘り強く6回まで無失点に封じる。しかし7回、先頭の中村騎士(営2・東邦)に2ストライクと追い込んでから左中間を割る二塁打、代打・西村大和(法1・報徳学園)に死球、代打・浜岡陸(法4・花咲徳栄)に初球で投犠打を決められ、1死二、三塁のピンチを招く。すると藤森に1ボール2ストライクから外角低めの直球を叩きつけられ、適時三内安打で2ー1。さらに片山に1ストライクからツーシームを振り抜かれると、右翼手・今津がダイビングキャッチを試みるもわずかに及ばず、2点適時三塁打で2-3と逆転された。

7回に集中打を浴び3失点の先発・外丸
8回は法大4番手・永野司(営4・倉敷商)に対し、今津、横地広太(政3・慶應)の四球で一、二塁とすると、今泉が1ストライクから内角低めのスライダーを引っ張り、左翼ポール直撃の2号3点本塁打で5ー3と再逆転。

左翼ポール直撃の逆転弾を放った今泉
その裏、外丸に代わって2番手・沖村要(商3・慶應)が登板。先頭の今泉に四球を与えると、すぐさま3番手・水野敬太(経2・札幌南)にスイッチ。水野は2三振を奪うなど完璧な投球で無失点に封じ、相手に流れを渡さなかった。

1 2/3回を投げ、1失点の3番手・水野
最終回、続投の永野に対し、先頭の八木がリーグ戦初安打となる右前安打を放つと、林が四球で一、二塁。その後1死も今津が中前安打でつなぎ満塁とすると、代打・森村輝(総4・小山台)が押し出し四球を選び、6ー3とリードを3点差に広げる。

初安打を放ち塁上で喜ぶ八木
9回も水野が続投。先頭の浜岡に右翼線を破る三塁打、藤森にカーブを運ばれ中適時二塁打で1点を返され6ー4。その後2死を奪うと、代わった4番手・木暮瞬哉(法4・小山台)が松下歩叶(営4・桐蔭学園)に四球も、再び代わった5番手・小川琳太郎(経4・小松)が今泉秀悟(キャリア2・石見智翠館)を投ゴロに抑え試合終了。逆転勝利で2023年秋季以来約2年ぶりに法大に先勝し、外丸は7回3失点もトップタイの4勝目をあげ、現役最多の18勝に伸ばした。

小川琳が今泉を投ゴロとし、試合終了
エース&主将・外丸が逆転を許した直後の回。法大に流れが傾きかけていた場面で、副将・今泉が1発回答の決勝3ラン。9回は1点を返されたものの、一打同点の場面もなんとか守り切り、この試合は”全員野球”で掴み取った勝利だろう。翌日の3回戦の先発は、中1日で渡辺和の登板が見込まれる。自己ワースト6失点を喫した1回戦の屈辱を晴らす投球に期待するとともに、2018年春季以来となる2連勝で3つ目の勝ち点を取りたい。
◆活躍選手コメント
今泉将(商4・慶應)
拮抗した試合は、4年生が打てるか、抑えるかで決まると思って練習してきたので、ここぞで打てて良かったです。明日も勝ちます。

副将・今泉の2号3ランが決勝点
小川琳太郎(経4・小松)
チーム全員の思いを背負って気持ちで投げました。最後までヒヤヒヤさせてすいません!

2死一、三塁で登板し、試合を締めた小川琳
(記事:加藤由衣、写真:河合亜采子、神戸佑貴、鈴木拓己)