【應援指導部】良きライバルがこの日は仲間に 六大学が披露した応援とは/六旗の下に

應援指導部

東京六大学応援団連盟主催の「六旗の下に」が614日、J:COMホール八王子で行われた。「六旗の下に」とは、年に1度、六大学の応援団(應援指導部、応援部)が主役となり、応援を披露するイベントだ。コアなファンを中心に、世代を越えて会場は埋めつくされた。

 

六旗の下にでは、各校30分ずつステージ時間が割り当てられる。校歌(塾歌)、第一応援歌の演奏は全大学共通だが、その他はチャンスパターンメドレーを披露する大学、勝利の拍手を披露する大学など、構成はそれぞれ異なる。演奏だけではなく、各校の司会も見どころだ。神宮の舞台で鍛えたトーク力で観客を魅力した。

 

まず、登場したのは早稲田。今春、優勝を果たしたため、このステージを「優勝祝賀会」と称した。全体として、どこか昭和な雰囲気を感じる演奏を披露した。2番手は立教。女性部員が多く登場し、男性顔負けの力強い応援を披露した。3番手は法政。「チャンス法政」の名曲を中心に、敵・味方を問わず観客が口ずさむ場面が多くみられた。

そしていよいよ、慶應の應援指導部が4番手として登場した。塾旗の掲揚が行われた後、冒頭に「若き血」と「慶應義塾塾歌」が演奏された。続いて演奏された「三色旗の下に」では、背景が三色旗カラーにグラデーションされるなど、演出にもこだわりを見せた。

次に、「あふれる力」という、あまり聞き馴染みのない曲が演奏された。こちらについて、應援指導部員に話を伺った。

「あふれる力」は、慶應歌集に載っている曲です。1-3番全てに「独立の気風」という言葉があり、慶應義塾の独立自尊の精神を表しています。現在は応援活動などで使用されることはないのですが、六旗の下にに来てくださった方にその精神を歌詞と共に感じていただきたいと考え、今回演目に入れました。

との回答をいただいた。六旗の下にへ足を運んだ、コアなファンへのサプライズ演奏となった。そして最後にチャンスパターンメドレーを演奏し、30分のステージを終えた。

番手は明治大学。昨年は封印していた「やっぱり明治はNo.1」を解禁し、会場を沸かせた。最後に演奏したのは、今年度の当番校である東京大学。司会の軽快なトークと、伝統ある演奏が融合した演奏を披露した。

そして、全大学の演奏が終了すると、会場はいよいよフィナーレへ。各校の第一応援歌を全員で熱唱。普段はライバルとしてしのぎを削る彼らが、互いの応援歌を肩を組んで歌うこの瞬間こそ、「六旗の下に」が特別な舞台であることを物語っていた。ここには、敵も味方もない。応援という誇りを持った者たちが、互いを讃え合い、ひとつになる舞台だ。この日は「仲間」であった彼らも、このステージが終了し、「宿敵」に戻る。夏を経て、それぞれどのように進化するのか、期待が高まる。

 

~公演後インタビュー~ O.Hさん

Q.六旗の下にを終えた感想

A.今の慶應らしさをしっかりと表現することができたのではないかと思います。出演メンバー一同、早慶戦後から練習を重ね、本番では一人ひとりが自分の役割を全うし、慶應ならではの誇りと気迫を形にすることができたと思います。また、各大学のステージを通じて、互いの伝統や姿勢に触れることで、多くの刺激と学びを得る機会にもなりました。六大学の一員としての自覚と、慶應としての独自性、その両方を大切にしながら臨んだ今回の舞台。お越しいただいた皆さまに、少しでもその思いが届いていたら幸いです。

Q.六旗の下には、どのような意義があり、どのような立ち位置のイベントだと捉えているか

A.「六旗の下に」は、東京六大学の応援団、応援部、應援指導部が一堂に会する、年に一度の貴重な舞台です。各校がそれぞれの伝統やスタイルを披露し合う場であり、互いにリスペクトを持ちながら切磋琢磨できるイベントでもあります。単なるパフォーマンスの場ではなく、「応援とは何か」を見つめ直し、未来へと継承していくための節目でもあると捉えています。

 

(記事:岩切太志 取材:岩切太志、工藤佑太、塩田隆貴)

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