リーグ戦9連勝中の慶大は主将の小熊藤子(環4・山脇学園/スフィーダ世田谷ユース)を欠くなかで、日本女子体育大学に挑んだ。こぼれ球を押し込み、いきなり野村亜未(総3・十文字)が先制点を挙げると、その直後にも華麗な抜け出しからまたも野村がゴールを決め、2-0で前半を折り返す。53分、1年生ながらスタメン起用の森原日胡(総1・作陽学園)が相手GKとの1対1を制し、追加点を挙げると、65分にはクロスボールを森原が滑り込みながら押し込み、2ゴール目を記録。さらにその後、 髙松芽衣(環2・植草学園大学附/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)のスルーパスを野村がしっかり決め切り、ハットトリックを達成。そして、最終盤には田中紗莉(総2・県立市ヶ尾/日体大SMG横浜U18)のダメ押しゴールで本日6得点目。圧倒的な攻撃力を見せつけた慶大は早慶戦前最後の公式戦を破格の10連勝で締めくくった。
2025/7/13(日)18:00キックオフ@慶應義塾大学下田グラウンド
【スコア】
慶應義塾大学6ー1国士舘大学
【慶大得点者】
4分 野村亜未
15分 野村亜未(森原日胡)
53分 森原日胡
65分 森原日胡(野村亜未)
71分 野村亜未(髙松芽衣)
92分 田中紗莉
【慶大出場選手】 | |
ポジション | 背番号 選手名(学部学年・出身高校) |
GK | 12 中村美桜(理4・慶應湘南藤沢) |
DF | 2 竹内あゆみ(看3・日ノ本学園) |
4 米口和花(総2・十文字) | |
6 守部葵(環4・十文字) | |
→ 72分 8 佐藤凛(総3・常盤木学園) | |
15 宮嶋ひかり(環2・芝浦工業大学柏/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18) | |
18 岩田理子(総2・十文字) | |
→ 72分 24 田中紗莉(総2・県立市ヶ尾/日体大SMG横浜U18) | |
23 坂口芹(総4・仙台大学附明成) | |
→ 83分 19 安達梨咲子(商3・Palos Verdes High School / Fram Soccer Club) | |
MF | 10 野口初奈(環3・十文字) |
11 森原日胡(総1・作陽学園) | |
→ 72分 13 山田葵(総1・聖和学園) | |
FW | 7 髙松芽衣(環2・植草学園大学附/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18) |
→ 83分 16 堀田朱花(商2・山手学院) | |
9 野村亜未 (総3・十文字) |
リーグ戦では前期から続けて9連勝中の慶大。今節は主将の小熊藤子(環4・山脇学園/スフィーダ世田谷ユース)が内定先チームへの練習参加で不在。中断期間前最後のリーグ戦を絶対的な大黒柱を欠く中で挑んだ。また、この日は小熊に代わって守部葵(環4・十文字)がゲームキャプテンを務めた。

キャプテンを務めた守部
試合は序盤から慶大ペースで進んでいく。4分、坂口芹(総4・仙台大学附明成)のクロスを野口初奈(環3・十文字)が合わせシュートを放つ。一度は相手GKに止められるも、こぼれ球を野村亜未 (総3・十文字)が押し込み先制。圧倒的な攻撃能力を試合開始早々に見せつけていく。

早々に幸先よく先制する
さらに、15分森原日胡(総1・作陽学園)のスルーパスをまたも野村が冷静に処理し、2点目を追加。わずか15分で2ゴールと、野村の持ち味を活かした攻撃で主導権を渡さない。

2点目を挙げた野村(写真中央)とアシストした森原(写真右)
30分にはこの日ゲームキャプテンの森部から髙松芽衣(環2・植草学園大学附/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)へとボールが渡ると高松は中央へボールを折り返す。野村は足を伸ばして合わせるもこれは追加点とはならなかった。その後も坂口や髙松を中心にサイドから攻撃を仕掛けるもゴールにはつながらず。前半を2ー0で折り返す。

サイド攻撃を仕掛ける坂口
続く後半、岩田理子(総2・十文字)らを中心に攻撃を組み立てる。53分、1年生ながらスタメン出場の森原がペナルティエリア付近でボールを奪うと、そのまま相手GKとの1対1に。森原が相手GKの頭を越えるシュートを放つと、ボールはゴール枠内へ。貴重な3点目を獲得した。

攻撃の起点となった岩田
58分、ビルドアップのミスから失点するも、65分、宮嶋ひかり(環2・芝浦工業大学柏/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)から野村へとボールを繋ぎ、野村は中央へクロスをあげる。クロスボールを森原が滑り込みながら、合わせて、追加点を奪った。

この日2得点の森原
さらに、71分、髙松からのパスを野村が冷静に処理すると、相手DFとデュエルしながらもシュートを放つ。これがゴール枠内に決まると、野村はこの日3点目。野村のハットトリックで点差を4点に広げた。

ハットトリックと大活躍の野村
攻撃の手を一才緩めない慶大は90+2分、10番・野口から途中出場の田中紗莉(総2・県立市ヶ尾/日体大SMG横浜U18)へロングボールが渡ると、田中はゴール前までボールを運び、冷静にシュートを決め切り、6点目。試合終盤に相手を突き放した。

途中出場からダメ押しとなる点を決めた田中
そして90+4分。途中出場の佐藤凛(総3・常盤木学園)が相手ペナルティエリア内でファールを受け、PKのチャンスを得る。佐藤は冷静にボールを蹴るも、相手GKの好セーブに防がれ、7点目の獲得とはならなかった。

佐藤のPKは惜しくも阻まれた
6得点をあげるなど、絶好調の慶大。主将の小熊なしでも攻撃面、守備面でもぬかりがなく、総合力の高さも見せつけた。公式戦最後の試合を10連勝で締めくくり、次回戦う相手は1部に所属する宿敵・早大。女子サッカー早慶定期戦は2002年に始まり、23年間一度も勝利がない慶大だが、今年は大金星も夢ではない。超攻撃で打倒早稲田だ。
(取材:塩田隆貴)