【ソッカー(男子)】冷静な分析で荒鷲を頂点に アナリスト・永田智也/早慶クラシコ2025直前企画第2弾

ソッカー男子

2021年以来5年ぶりの勝利を目指すソッカー部。今年は慶大が1部リーグ、早大が2部リーグと所属リーグに差があるだけに絶対に負けられない展開となった。早慶クラシコ直前企画第2弾となる今回はアナリストを務める永田智也(法4・慶應)にインタビューを行った。

 

ーー自己紹介

永田智也です。慶應義塾大学ソッカー部でアナリストを務めています。

 

ーーアナリストという仕事について

基本的にはサッカーの戦術に関わる役職で、対戦相手の分析をしたり、自チームの試合映像を分析して、得た情報を選手・監督に伝えたり、その情報を踏まえて戦術提案を行うことが主な仕事内容です。

 

ーー監督と選手の間にはある程度上下関係のようなものが存在するが、アナリストは選手・監督とコミュニケーションを取る上でどのような立ち位置に属するのか

中町監督と選手の間を取り持つパイプ役として、チーム内のコミュニケーションを円滑にすることも僕の仕事の一つです。これを実現するために、相手チームの情報、部員一人一人の情報をしっかり仕入れ、自分が部内で一番情報を持っているという状況を作ることが重要です。監督が選手のコンディションについて質問されたり、選手が相手チームの特徴や監督の考えについて質問されたとき、自分が素早く答えられる状態であれば、素早く意思疎通が図れるので、これも重要な役割ですね。

 

ーーサッカーはワンプレーに関わる要素が多く、データ分析が難しい印象を持っているが、どのようなデータを使って分析を行っているのか

現体制ではデータ分析より映像分析の比重が大きいですね。試合映像を分析し「監督が思い描いている理想のサッカーをどれだけ実現できたか」という観点から選手にフィードバックを提供する、という部分がメインになっています。ただ、データ分析も疎かにすることはできないので、今年に入って新しいデータ分析ソフトを導入しました。

 

ーー新しいソフトでは具体的にどのようなデータを分析するのか

走行距離、パスの本数、ネガティブトランジション(攻撃→守備の切り替え)でボールを奪った回数など、細かいデータを出してくれるので、これらの中からチームの戦術に関わってくる部分をピックアップし、チームのパフォーマンス評価にどう繋げるのか試行錯誤している最中です。

アナリストとしてチームを勝利に導く

ーーアナリストになりたいと思ったきっかけは

自分は中学でサッカーを辞めていて、プレーしていた頃はあまりサッカーを観ることには興味が無かったのですが、プレイヤーを辞めた後の高校時代にサッカー観戦にハマりました。大学ではサッカー以外の活動をすることも視野に入れていたのですが、たまたま普通部(慶應義塾普通部)時代からの友人である岡崎(=岡崎寛大/法4・慶應)がソッカー部にマネージャーとして入部していて、アナリストの募集があることを教えてくれたのが入部のきっかけです。サッカー観戦が好きだったのもありますし、自分は選手としてピッチで活躍するよりも、選手たちの活躍に寄り添う方が向いていると思ったので、入部を決断しました。

 

ーー今シーズン前半戦を振り返って

去年から中町監督が就任されて、サッカーの完成度は上がってきていますが、怪我人が続出したこと、昨年スタメンを務めていた選手の多くが卒業してしまったことなどが重なり、攻守においてゴール前でのクオリティが不足していて、この結果に終わってしまったという印象です。ただ、繰り返しにはなりますが、自分たちのサッカーの完成度は上がってきているので、あとは結果がついてくるだけかな、とポジティブに捉えています。

 

ーー今年から1部に昇格したが、2部と1部の環境の違いなどは影響したか

1部には能力の高い選手が多いと感じました。1部には背が高い、足が速いなど、一芸に秀でた選手がたくさんいますね。そのような選手がスタメンだけでなくてベンチにも入っていることも多く、終盤にフレッシュな状態で投入されてきた能力の高い選手に苦労する展開も少なくなかったという印象です。

 

ーー今の慶大が目指しているサッカーとは

詳しいことを話すと良くないので(笑)抽象的な言い回しにはなってしまいますが「攻守においてゲームを支配するサッカー」というものを掲げています。ポゼッションを高めること、攻撃に繋がる守備をすることを重視しています。

 

ーー早慶戦のキーポイント

ワセダは速くて運動量豊富な選手が多く、チームとしても高い強度が持ち味だと感じています。去年は彼らの持ち味を発揮され、カウンターからの失点が重なって苦しい展開を招いたので「ビルドアップでワセダのプレスをいかに剥がせるか」が試合の流れを左右すると思います。

 

ーー慶大のビルドアップの鍵を握る選手は

主将の田中雄大(商4・成城学園/三菱養和SCユース)、副将の角田惠風(商4・慶應/横浜F・マリノスユース)と西野純太(総4・駒大高)の三人ですね。

 

ーー主将・副将の3人にはどのようなプレーを期待するか

去年からずっと出てる3人なので、いつも通りのプレーを発揮できれば、ワセダのプレスを上回ってくれると思っています。

選手に最高の準備を

ーー早慶戦に向けて

自分が入部してからの3年間、早慶戦での勝利がないんです。アナリストは試合中少しピッチから離れた位置で試合を観ているのですが、3年前も、一昨年も、去年も、早慶戦では3年間自分の無力感を感じてきました。今年こそワセダにリベンジを果たしたいですし、そのために自分が100%の準備を、選手が100%パフォーマンスを出せるような準備をしていきたいです。

ーーお忙しい中、ありがとうございました!

(取材:髙木謙)

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